日々の生活に欠かせない給湯器ですが、賃貸物件の給湯器が故障してしまった場合、対処法に悩んでしまうかもしれません。
また、突然お湯が出なくなった理由が給湯器にあると判断できず、不安になる可能性もあるでしょう。
この記事では、賃貸物件の給湯器が故障した場合はどうするのか、また故障した際に現れる症状や対処法、修理費用に関する内容などをご紹介します。
給湯器の故障に備えたい方は、この記事を参考にしてください。
目次
給湯器の耐用年数は10～15年
日常の中で、給湯器の異変や不調を感じる瞬間はありませんか？
給湯器は、見た目に異常がなくても急にお湯が出なくなるなどの症状から使用できないケースがあります。
給湯器は日常に欠かせないものなので、急に故障すると困ってしまうことも多いでしょう。
一般的に給湯器は設置している場所や使用状況、環境などで変わってきますが、寿命は10～15年程度とされています。
メーカーが定めている設計標準使用期間でも10年に設定されていることが多いです。
この基準は標準的な使用条件のもとで安全に支障なく使える期間という意味になります。
そのため、必ず10年間は使用できるということではありません。
早い場合は7～8年程度で故障するケースもあり、7年以上経過した給湯器はいつ寿命が来てもおかしくないと考えておきましょう。
また、通常の発売から10年経過した給湯器は、部品の保管や製造を終了するケースもあります。
メーカーの対応期間が10年となっている場合は、それ以降給湯器の修理対応ができなかったり、純正の部品と交換できずに費用が高額になったりする可能性も考えられます。
そのため、給湯器の耐用年数は10～15年であり、交換もこの時期を目安に行うと安心できるでしょう。
10～15年の間に修理した場合、新しい部品に交換しても全体的に経年劣化しているため、また他の部分が故障する可能性があります。
修理を何度も繰り返していると費用だけがかかってしまい、その後すぐに交換しなければならない状況が訪れるかもしれません。
新しい給湯器の方が省エネなど優れている場合もあるので、耐用年数が経過している給湯器は交換するのが望ましいでしょう。
給湯器が故障した時に表れる症状
給湯器が故障した場合、どのような症状が表れるのでしょうか？
ここでは、給湯器の故障目安にしたい症状についてご紹介します。
お湯が出なくなる
給湯器からお湯が出なくなったり、出るまでに時間がかかったりした場合は給湯器が故障している可能性が考えられます。
家中のお湯が出ない場合は給湯器が故障していると判断できますが、1箇所だけがお湯が出ない場合は蛇口の故障かもしれません。
お湯が出ない時に考えられる原因は、凍結や水漏れ、電源プラグが抜けている、ブレーカーが落ちている、水抜き栓にゴミが詰まっている可能性が考えられます。
凍結
寒い時期は、給湯管やバルブなどが凍結しやすいです。
外気温が－4℃以下になったり、旅行や帰省で長い期間お湯を使わなかったりした場合は凍結していないか確認してみましょう。
水漏れ
水が漏れている場合、各水栓に届いていないためお湯が出ない状態です。
これは給湯管で起こるトラブルで、給湯器で温めたお湯をお風呂、キッチン、洗面台などに運ぶ排水管の経年劣化や緩みで起こります。
接続している部分がわかるなら自分で締め直すこともできますが、経年劣化の場合は専門業者に依頼してください。
電源プラグが抜けている
給湯器の電源が抜けていないか確認してみましょう。
抜けていた場合は、差し込めばまた電源が入り、通常どおり使えるようになる可能性が高いです。
ブレーカーが落ちている
ブレーカーが落ちた原因が給湯器以外であれば、そのままブレーカーを戻しても問題ありません。
しかし、給湯器が原因の場合は必ず大家さんなどに連絡してみましょう。
水抜き栓にゴミが溜まっている
給湯器には、凍結を防ぐための水抜き栓が設置されています。
この部分にゴミが溜まっているとお湯が出ない原因になります。
水抜き栓は給湯器の下の部分にあり、給水接続口とつながっています。
フィルターがあり、この部分にゴミがないか確認してみましょう。
追い炊きできない
給湯器の故障は、お風呂の追い炊きでも表れることがあります。
追い炊きができない原因は、湯量の少なさや電気系統の故障、フィルターの汚れなどが考えられます。
湯量の少なさ
給湯器を使ってお風呂の追い炊きができない場合、浴槽内の湯量が少ない可能性があります。
追い炊きは浴槽の中のお湯を循環させる仕組みなので、少ないと追い炊きできません。
湯量を確認してみましょう。
電気系統の故障
湯量などに問題がない場合、給湯器ではなく電気系統に異常が生じた可能性もあります。
給湯器内部で起こっている症状なので、専門業者などに依頼して確認してもらいましょう。
フィルターの汚れ
浴槽のフィルターに汚れが詰まっている場合、十分な湯量を取り込めなくなり、追い炊きできない状態になります。
このままでは追い炊き機能が使えなくなってしまうため、汚れを掃除してから追い炊きをしてください。
温度調節ができなくなる
給湯器を使用している最中に熱くなったりぬるくなったりするのを繰り返す場合は、故障の前触れである可能性があります。
このような場合の原因は、給湯器の経年劣化、水圧の変化、冷水サンドイッチ現象、ガス栓などの開き方、混合水栓やガスメーターの故障などが挙げられます。
給湯器の経年劣化
給湯器の使用年数が10年前後の場合、湯音の不安定さが故障の前兆である可能性が考えられます。
給湯器の寿命は10年前後と考えられているため、早めに業者へ相談するのがおすすめです。
水圧の変化
複数の場所で同時にお湯を使った場合、水圧の変化によってお湯の温度が不安定になります。
これは同時に水を流したことで1箇所の水圧が弱くなってしまい、混合する湯量が減るからです。
複数の水道を同時に使用する場合は、このような状態になりやすいです。
冷水サンドイッチ現象
冷水サンドイッチ現象は、給湯器の特性によって起こりやすいものです。
お湯を止めて再度出した時、お湯、水、お湯の順番で流れてくるため、温度の不安定さを感じやすくなります。
しばらくお湯を使っていると徐々に落ち着いてきます。
ガス栓などの開き方
ガス栓や元栓が半開き状態だと給湯器にガスが適切に供給されないため、燃焼状態が不安定になります。
長い間、不在の場合などでガスを閉めていき、使用前にきちんと開けたつもりが半開き状態だったというケースもあります。
混合水栓の故障
混合水栓のバルブが故障している場合、特定の蛇口からお湯が出ない場合があります。
この場合、給湯器は故障していませんが水道の故障になるので業者へ依頼しましょう。
ガスメーターの故障
ガスメーターの故障によって給湯器にガスを供給できないケースがあります。
このような状態だと、給湯器の中で正常に燃焼されず、お湯の温度も不安定になります。
ガスメーターの故障は、早めにガス会社などに点検を依頼しましょう。
異音がする
給湯器から異音がする場合、給湯器の故障が考えられます。
笛のような音
ピーと笛のような音がする場合、ファン部分に不具合があるかもしれません。
何かが動く音
カタカタと動くような音は給湯器の内部部品が動いている可能性があり、音が大きくなってきた場合は要注意です。
共鳴する音
キーンという音がする場合は、配管トラブルを抱えている可能性があります。
こもるような音
ゴーとこもったような音は、排気口に何かが詰まっている可能性があります。
使用前に確認してみてください。
爆発音
ボンという爆発するような音は、不完全燃焼が起こっている可能性があります。
使用をやめて業者に連絡しましょう。
給湯器から煙が出ている
給湯器から煙が出ている場合、排気口から出ているか確認してください。
排気口から出る白い煙は水蒸気ですが、黒い煙は不完全燃焼が起きているサインです。
使用すると爆発の可能性があるので、すぐにやめましょう。
エラーコードが表示されている
給湯器にエラーコードが表示されている場合、その数字の意味を確認してみましょう。
しかし、エラーコードが頻繁に出る場合は故障の前兆か故障の可能性が高いです。
エラーコード「888」
このエラーコードが表示された場合、給湯器の耐用年数を超えたことを意味しています。
安全に使用できる期間が経過した知らせであり、故障ではないものの交換を検討した方が良い時期です。
エラーコード「173」「543」
このエラーコードが表示された場合、給湯器の水漏れを意味しています。
そのまま放置すると、不完全燃焼の原因になるので早急に修理が必要です。
賃貸物件の給湯器が故障した場合の対処法
賃貸物件で給湯器の故障が起こった場合、どのように対処すべきでしょうか？
給湯器の修理は、DIYなどで直すことができません。
間違っても自分で直すことを考えず、専門業者へ依頼してください。
資格がない状態で給湯器を修理した場合、いくら借りている部屋であっても違法になります。
建物や設備の事故になる可能性もあるので危険な行為だと認識しましょう。
交換か修理は何で判断すべき？
給湯器の故障かどうかわからない場合、何を基準に判断すべきか迷うことでしょう。
このような場合は、給湯器の使用期間を目安に考えてみてください。
例えば給湯器を新たに設置してから5年程度しか経っていない場合は、修理の選択が望ましいでしょう。
それは、5年という期間がメーカー保証期限内に該当する可能性があること、修理後に再度故障する可能性が低いということです。
給湯器も設置から間もない期間なら、メーカー保証があるので無償修理ができます。
これは、給湯器に「BL」というマークが付いているかどうかで変わってきます。
もし「BL」というマークがあれば、財団法人「ベターリビング」で優良住宅部品を認識されている商品です。
給湯器の所有者登録によって、保証期間が3年～5年という長期延長保証ができます。
この場合は、修理をする選択で問題なく問題解消できるでしょう。
交換を選択する状況は？
上記の内容を踏まえて、交換を選択しなければならない状況はどのような時でしょうか？
給湯器の使用期間が6年以上経過している、修理よりも交換の方が安い場合は交換を選択しましょう。
もし費用をかけて修理を選択したとしても、故障する可能性が高い場合は交換が望ましいです。
ただし、賃貸物件の場合は勝手に修理や交換をするのではなく、必ず大家さんもしくは管理会社へ連絡しましょう。
給湯器が故障したら管理会社・大家さんなどに連絡
お湯が出ない、異音がする、水が漏れている、給湯器から黒い煙が出ているなどの症状を見つけた場合は、早急に管理会社や大家さんに連絡しましょう。
ここでは、給湯器の異変に気が付いた場合の対処法をご紹介します。
不具合を感じたら即使用を止める
故障した給湯器をそのまま使用していると、ガス漏れや不完全燃焼などのリスクが高まります。
さらに、一酸化炭素中毒やガスによる引火など、火災や爆発などが起こる可能性があります。
「誤魔化して使用していればそのうち直る」など安易に考えるのではなく、不具合を感じたらすぐに使用を中止してください。
大家さんか管理会社に連絡する
賃貸物件で給湯器の不具合を感じたら、すぐに大家さんもしくは管理会社に連絡しましょう。
入居時に、大家さんもしくは管理会社と交わした書類などに緊急連絡先が記載されています。
直接、給湯器などに「困ったときは」などと記載された連絡先が貼られている場合もあるので確認してみましょう。
また、入居した際に既に給湯器が付いている場合は貸主側の持ち物となります。
そのため、メンテナンスや修理に関しては貸主側の責任で行わなければなりません。
連絡する際には、給湯器の症状に加えてエラーコードが表示されている場合はその内容についても伝えておくとスムーズでしょう。
連絡が取れなくても修理業者への連絡は控える
大家さんや管理会社へ連絡が取れない、もしくは緊急時の連絡先がわからない場合、どのような方法を取るべきか困るかもしれません。
もし連絡が取れない場合でも勝手に修理を依頼するのは控えましょう。
事後報告をしたら修理費を返してくれると考えるかもしれませんが、賃貸物件である以上借りていることを忘れてはいけません。
大家さんや管理会社は修理業者と提携している可能性が高く、特定の業者への依頼しか受けていない場合もあります。
連絡が取れなくても、勝手に依頼しないようにしましょう。
賃貸物件の給湯器の修理費は誰が支払う？
給湯器の修理費は、故障の理由や契約内容によって誰が負担するのかが変わってきます。
給湯器の寿命は10～15年ということなので、入居するタイミングによっては住んでいるうちに寿命が訪れることもあります。
そんな時に備えて、給湯器の修理費を誰が負担することになるのかを把握しておきましょう。
修理費は基本的に大家さんが負担する
賃貸物件の給湯器が故障した場合、基本的には大家さんが修理費を負担します。
部品代はもちろん、業者の出張費なども大家さんが負担してくれるため、借主が修理費を請求されることはありません。
しかし、ここで言う故障は、劣化や不具合が原因となっているものに限ります。
給湯器が設置されて10年以上が経過し、寿命がきてしまったなど、故障が借主の原因でない場合などです。
借主側負担になるケースは主に4つ
ご紹介したように、修理費用は基本的に大家さんが負担します。
しかし、場合によっては借主側が負担しなければならないこともあります。
ここからは、借主側負担になるケースを4つ見ていきましょう。
故障した原因が借主にある時
給湯器をわざと壊したり、うっかり故障させてしまったりした時は、借主側が修理費を負担することになります。
借主には、賃貸に備わっている設備を自由に使用する権利があります。
しかし、ここで注意しなければならないのが「善管注意義務」についてです。
善管注意義務とは、設備を正しい使用方法で使う、一般的に要求される程度のお手入れなどを行うといった、世間一般的に見て「当然」と言われることを守る義務を言います。
善管注意義務を果たせなかった時は寿命で壊れやすくなっていても、借主負担になることがあるので注意しましょう。
故障しているのに使い続けていた時
給湯器が故障していることに気付きながら使い続けていた場合も、修理費用を請求されることがあります。
設備が故障した場合、速やかに管理会社や大家さんへ報告することは、善管注意義務の1つです。
給湯器の調子が悪い時は、すぐに大家さんへ相談するようにしましょう。
自己判断で修理をしてしまった時
悪意がなかったとしても、自己判断で修理をしてしまうと借主負担になってしまうことがあります。
賃貸物件の設備は借主に使用する権利があるものの、所有しているのは大家さんです。
そのため、給湯器が故障した時、どの業者に修理を依頼するのか、どういった処理を行うのかは、大家さんが判断します。
大家さんが定期的に依頼している業者であれば通常よりも安く済むといったケースも多いので、自己判断で修理するのは控えましょう。
修理は自己負担という契約内容の時
中にはわざと壊したり、勝手に修理したりしていなくても、修理費が自己負担になることがあります。
契約内容に「専有部分にある設備の修理費は自己負担」とあった場合は、借主側が修理費を支払わなければなりません。
給湯器は専有部分に取り付けられることが多いため、契約内容や取り付け位置を事前に確認しておくと良いでしょう。
また、この場合は業者の手配なども借主に任せられることがあるため、故障に気付いた時はなるべく早めに行動することが大切です。
入居する前なら給湯器が初期設備かどうか確認する
給湯器の修理費を支払わなければならないケースとして、給湯器が「残置物」である場合も挙げられます。
ここからは、初期設備と残置物について詳しく見ていきましょう。
初期設備なら修理費は大家さんが負担
賃貸物件にはキッチンやガスコンロ、エアコン、給湯器などが初期設備として備わっていることが多いです。
これらの初期設備は先ほどもご紹介したとおり、所有者は大家さんとなります。
そのため、寿命や不具合で給湯器が使えなくなれば、大家さんが修理費を負担するのが一般的です。
残置物の場合は修理費が借主負担になる
残置物とは、前に住んでいた人が置いて行った私物のことを言います。
給湯器はもちろん、照明やエアコン、ガスコンロといったものまで、初期設備ではく、残置物である可能性があるのです。
給湯器が残置物である場合は、所有者は大家さんではないので、修理費が借主負担になります。
入居を決める前に、どの設備が初期設備なのかをしっかり確認しておくと、給湯器の修理費に関する心配はなくなるでしょう。
もちろん、契約前にどの設備が残置物なのかという説明を受けますが、長く住んでいると忘れてしまうこともあります。
初期設備か残置物かは、契約書もしくは重要事項説明書を確認すると分かるようになっているため、修理が必要になった時にチェックしてみてください。
残置物の給湯器を交換する場合にかかる費用
万が一給湯器が残置物であった場合、使い続けるためには費用を自己負担して交換しなければなりません。
残置物の給湯器を交換する場合にかかる費用相場は、給湯器本体の価格＋施工費用で12万円～29万円と言われています。
施工費用だけで見れば、5万円前後です。
給湯器本体が安いものであれば10万円前後で交換可能ですが、必要最低限の機能しかついていないため、残置物よりも使い勝手が悪いと感じる場合があります。
とにかく安く済ませたいという場合は問題ありませんが、機能性を重視したい時は、20万円前後の予算で考えておくのがおすすめです。
また、給湯器には、「ガス給湯器」「石油給湯器」「電気給湯器」といった3つのタイプがありますが、どのタイプも交換にかかる費用に大きな差はありません。
交換する給湯器は残置物と同じタイプを選ぶことで、より安く抑えられます。
給湯器の故障に備えて個人的にできること
給湯器の寿命は10～15年と言われていますが、扱い方によっては10年経過する前に故障してしまう恐れがあります。
善管注意義務を果たすのはもちろん、残置物であれば修理費を抑えるためにも、給湯器を正しく扱う必要があるでしょう。
加えて給湯器の故障に備えてしっかりと工夫していけば、給湯器の寿命まで問題なく使用できます。
ここからは、給湯器の故障に備えて個人的にできることをご紹介します。
定期的に点検を行う
給湯器は寿命を長くするためだけでなく、安心安全に使用するためにも定期的な点検が欠かせません。
給湯器は正しく使用しないと火災やガス漏れ、一酸化炭素中毒などの事故が起きる可能性があります。
素早く異変に気が付けるように、点検するべきチェックポイントを押さえておきましょう。
給気口・排気口
給気口や排気口は、どうしてもホコリやゴミが溜まってしまいがちです。
これらによって給気・排気がうまくいかなくなると不完全燃焼が起き、一酸化炭素が発生してしまう原因になります。
大事故が起きる前に、しっかりと取り除いておきましょう。
排気口にススが見られた時は、不具合が起こっている可能性があるため、大家さんへ問い合わせてください。
給湯器の外装
中身が正常に動作していれば問題ないだろうと放置してしまいがちなのが、給湯器の外装です。
変色や錆びが見られた場合や、穴あきが起こっている場合は危険です。
放置すると内部へ影響してしまう可能性があるため、見つけた場合は速やかに大家さんに相談しましょう。
異常が見られない場合は外装を水拭きし、変色や錆びの原因となる汚れを拭き取っておくなどのお手入れを同時に行うのがおすすめです。
水漏れがないか
機器や配管から水が漏れていないかどうかチェックすることも大切です。
水漏れを放置すると最悪の場合、電源が入らなくなるまで状態が悪化してしまう可能性があります。
水漏れが確認できた場合も、早めに大家さんへ連絡しましょう。
異臭や異音がないか
給湯器から小さな爆発音、笛のような高い音が聞こえる場合は、異常が起きている可能性があります。
臭いに関しても何かイヤな臭いがするという時は不調のサインかもしれません。
異臭や異音がある場合は、大家さんや管理会社にその旨を伝えましょう。
また、異臭や異音に気付くためにはやはり定期的に点検を行い、通常時を知っておくことが大切でしょう。
見た目以外の不調にも気付けるよう、数ヶ月に1度はチェックするのがおすすめです。
こまめにお手入れをする
定期的な点検に加え、こまめなお手入れも欠かせません。
簡単にできる給湯器のお手入れ方法を押さえておきましょう。
水抜き栓
給湯器の水抜き栓についているフィルターは、ゴミなどが詰まりやすい箇所の1つです。
フィルターに詰まったゴミが原因で、お湯が出なくなることもあるため、こまめにお手入れを行いましょう。
フィルターのお手入れ手順は以下のとおりです。
①給湯元栓を閉める
②すべての給湯栓を開ける
③水抜き栓を外す
④フィルターに詰まった汚れを歯ブラシなどでこすって水洗いする
浴槽の循環金具
浴槽の循環金具のお手入れも給湯器を長持ちさせるために欠かせません。
特に追い焚きがうまくいかないと感じる場合は、循環金具に汚れが詰まっていることが原因かもしれません。
金具を取り外し、金具とフィルターの両方を歯ブラシなどでこすって水洗いしましょう。
給湯器の周りに物を置かない
給湯器の周りに物を置くのは厳禁です。
火災につながるだけでなく給湯器が酸素をうまく取り込めないため、不完全燃焼が起きてしまうのです。
このように、不安定な環境で使い続ければ給湯器に大きな負担がかかり、長持ちさせることができなくなってしまいます。
給湯器の周りに物を置かないように意識する、定期的に物が置かれていないかチェックすることが大切です。
水を使うなら水側の水栓を開ける
水の水栓とお湯の水栓がある場合、水を使う時は水側の水栓を開けるようにしましょう。
給湯器の電源を切っていても、お湯の水栓を開ければ水が出ます。
しかし、水を使うのにお湯の水栓を開けてしまうと結露が起き、錆びや腐食が起きてしまう可能性があるのです。
それらを防ぐためにも、お湯の水栓はお湯を使う時だけ開けるのが大切です。
バーナーに負担をかけないように工夫する
給湯器は、バーナーで水を温めることでお湯を作っています。
給湯器の寿命は、このバーナーの使用頻度で決まると言っても過言ではありません。
例えば一瞬水を出したい時、お湯側の水栓を開けるとバーナーがごく短時間点火します。
この短時間の使用を繰り返すことはバーナーにかなりの負担をかけてしまうため、経年劣化を早める原因になりやすいのです。
こういった意味でも、どちらの水栓を開けるのか日々意識しながら扱うことが大切です。
入浴剤を入れたお湯を追い焚きしない
入浴剤の中には、追い焚きをすると給湯器の配管を傷めてしまうものがあるため注意が必要です。
配管が傷むと給湯器が正しく動作していても、お湯が出にくくなってしまうことがあります。
もちろん、配管に大きな負担をかけ続けることで、給湯器にも負担がかかってしまうこともあります。
塩分や炭酸カルシウムなどが含まれている場合は、追い焚きを控えましょう。
入浴剤を入れたお湯を追い焚きする時は、成分をチェックするほか、入浴剤に書かれている注意事項を確認するのがおすすめです。
使用しない期間が長い場合は水抜きをする
旅行や帰省などで1ヶ月以上給湯器を使わない場合は、給湯器の水抜きを行いましょう。
給湯器のタンク内には水が溜まっていますが、給湯器が使われないと水の循環が行われないため、ヌメリや錆びの原因になることがあります。
水抜きの方法は給湯器によって異なるため、取扱説明書をチェックしてみてください。
今回は、給湯器が故障した時はどうすれば良いかをご紹介しました。
給湯器の耐用年数は10～15年と長めですが、入居するタイミングによっては、住み初めてからすぐに故障してしまうケースもあるでしょう。
給湯器が故障した時に表れる症状は様々ですが、軽い不調であっても放置すると悪化してしまう可能性が高いです。
給湯器の不調や故障に気付いた時は、できるだけ早く大家さんや管理会社へ連絡することが大切です。
修理費は基本的に大家さんが負担してくれるため、自己負担が決まっていない場合はその日のうちに問い合わせるのがおすすめです。
また、善管注意義務違反と判断されないよう、必要最低限のお手入れは欠かせません。
ご紹介した方法を参考にして、給湯器が長持ちするように工夫してみてください。
