マンションに暮らそうと考えている人の中には、車を所有する人も少なくありません。
車を所有している場合、マンションを購入したり、借りたりする際に駐車場のことを考える必要があります。
多くのマンションでは駐車場を完備していますが、どのような車種でも利用できるとは限りません。
今回は、マンションの駐車場にサイズはあるのか、駐車場の種類にはどのようなものがあるのかをご紹介します。
また、マンションで多く見られる立体駐車場の種類を選ぶ時のチェックポイントは何か、などの疑問に答えていくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マンションの駐車場にサイズはある?
マンションの駐車場は、平置きと機械式があります。
平置きの場合はサイズをそこまで気にしなくても大丈夫ですが、機械式は安全に利用するためのサイズ制限や収容制限が設けられているので注意が必要です。
機械式の駐車スペースは収容制限サイズよりも少し余裕をもって作られています。
しかし、サイズオーバーしてしまうと車体に傷がついてしまったり、タイヤホイールやタイヤ自体が擦れてパンクの原因になったりする恐れがあります。
また、ドアが開けられなくなってしまうなどのトラブルにつながるケースもあるので、サイズ制限は確認しておかなければいけません。
サイズオーバーが原因の事故は保険がきかなくなってしまう可能性もあるので、マンション探しをする場合は駐車場についてもしっかりと調べておきましょう。
適したサイズならマンションの駐車場は利用できる?
サイズ制限をクリアしていれば、マンションの駐車場は誰でも利用できるのでしょうか?
結論から言ってしまうと、マンションの駐車場は基本的に住民のみ利用できることになっています。
しかし、絶対に利用できるとは言い切れません。
住民なら利用できる
マンションの駐車場は、住民であれば基本的に利用できます。
しかし、短期的な入居で次の入居者が決まっている場合は、車庫証明を発行してもらえないこともあるので注意が必要です。
賃貸マンションは、アパ-トと同じように駐車場をあわせて契約することで利用可能となります。
分譲マンションは、駐車場の区画も購入するという形になります。
利用台数が制限されている場合もある
マンションの多くは駐車場を完備していますが、建築法において定められているわけではありません。
マンションの駐車場の設置率は、各自治体が条例で定めているのです。
そのため、駐車場の設置台数は自治体によって異なると言えます。
都市部の場合は、駐車場の台数が少なめで希望しても利用できない可能性が高いです。
地方や土地が安いエリアだと戸数の100%以上の駐車が可能となっているケースが多く見られます。
このことから、マンションが立地するエリアや購入・賃貸のタイミングによっては駐車場を敷地内に確保できない可能性もないとは言い切れません。
また、空きがあっても1戸に1台という制限を設けているマンションもあります。
車を複数台所有している場合は、契約前に何台分の駐車場を借りられるのか確認しておきましょう。
利用する前に車と駐車場のサイズを知っておこう
マンションの駐車場が機械式だとサイズ制限が設けられているケースが多いです。
自分が所有している車は問題なく利用できるのか知るためには、車のサイズを知っておく必要があります。
続いては一般的な車のサイズやマンションの駐車場サイズ、国土交通省が指針としている駐車場のサイズについて解説していきます。
一般的な車のサイズ
車には、軽自動車や小型自動車、普通自動車、ワンボックス車、大型車といった種類があります。
車の種別によってサイズが異なるので確認しておきましょう。
全長 | 全幅 | 全高 | |
軽自動車 | 3,400mm | 1,480mm | 1,750mm |
小型自動車 | 4,100mm | 1,700mm | 1,500mm |
普通自動車(中型) | 4,700mm | 1,700mm | 1,500mm |
ワンボックス車 | 4,800mm | 1,700mm | 2,000mm |
普通自動車(大型) | 5,000mm | 1,850mm | 1,500mm |
マンションの駐車場のサイズはどのくらい?
マンションの駐車場サイズを確認するためにチェックしたい項目は6つあります。
それが、全長・全幅・全高・重量・タイヤ外幅・最低地上高です。
機械式であれば、この6つは必ず確認しておきましょう。
平置きや自走式立体駐車場の場合は、全長、全幅、重量の3つはチェックするようにしてください。
ここでは、それぞれのチェック項目について説明します。
全長
全長は、5,000mmあれば基本的に困ることはありません。
しかし5,000mmだと、クラウンのCROSSOVERやレクサスLSは入らなくなってしまいます。
そのため、全長が5,300mmの駐車場を選んでおくと安心です。
全幅
全幅が1,850mmだと、車の選択肢が狭まってしまうので注意が必要です。
少なくとも1,950mm、可能なら2,050mmあると安心して利用できます。
日本の道路事情や駐車場のサイズに合わせて全幅が1,850mmという規格を守っている車種も多いです。
しかし最近は、日本国内で乗られる車のサイズも大きくなっている傾向があるため、広めの駐車場を選んでおいた方が無難だと言えるでしょう。
全高
機械式駐車場では全高もチェックしておかなければいけません。
近年は背が高い車も増えているので、ハイルーフにも対応できるサイズである2,100mmで設計されている駐車場がおすすめです。
ミドルルーフと呼ばれる1,800mmでも車の選択肢はそこまで狭まらないでしょう。
しかし、ノーマルルーフと呼ばれる1,550mmだと利用できる車種は一気に限られてしまいます。
ハリアーやCX-5といった人気車種に乗りたいのであれば、駐車場の全高がミドルルーフ以上となっているマンションを選ぶようにしてください。
重量
重量が2,500kgの駐車場を完備している場合は、車の選択肢が広がります。
2.600~2,700kgだと、さらに好きな車に乗りやすくなるでしょう。
平面駐車場であれば重量制限は厳しくありません。
そのため、車体が重い車を愛用しているなら平面駐車場を完備しているマンションを選ぶようにしましょう。
自走式立体駐車場の2階以上になると重量制限が厳しくなってしまうので要注意です。
タイヤ外幅
タイヤ外幅が1,920~1,960mmだと選べる車種が多くなります。
タイヤの外幅は、左右のタイヤが地面に設置する部分の中心間の距離を表すトレッドにタイヤ1本分のサイズを足した数値になります。
車検証などに書かれていないため、車の持ち主が図らなければいけません。
全幅にゆとりがあれば問題ないケースが多いですが、機械式駐車場の場合は一応確認しておきましょう。
最低地上高
最低地上高は、90~110mmあると車種の選択肢は広がります。
車高が低い車が好きな人の場合は選択肢が狭まる可能性があるので、契約前にしっかりと確認しておきましょう。
国土交通省が指針にしている駐車場のサイズ
国土交通省では、駐車場のサイズに関する指針を発表しています。
それが「駐車場設計・施工指針」 です。
この指針では、車種別に適した駐車場のサイズを示しています。
・軽自動車
軽自動車の場合は駐車場のサイズが長さ3,600mm、幅員が2,000mmとなっています。
天井の高さは車路が2.300mm、車室が2,100mmです。
・小型自動車
小型自動車の場合は駐車場のサイズが長さ5,000mm、幅員が2,300mmとなっています。
天井の高さは車路が2,300mm、車室が2,100mmです。
・普通自動車
普通自動車の場合だと駐車場のサイズが長さ6,000mm、幅員が2,500mmとなっています。
天井の高さは車路が2,400mm、車室が2,200mmです。
駐車場の種類と特徴、メリット・デメリットについて
マンションの駐車場には、平面駐車場・自走式立体駐車場・機械式立体駐車場といった種類があります。
マンションに引っ越しをしようと考えているなら、希望する物件の駐車場がどのタイプを採用しているのかといった点も確認しておきましょう。
ここでは、駐車場の種類と特徴、メリット・デメリットについて説明するので、マンション選びの指標にしてみてください。
平面駐車場
平面駐車場は、最も一般的なタイプです。
平置き駐車場とも呼ばれていて、平地を舗装して枠線が引かれています。
建物の1階部分が平面駐車場になっているケースもありますが、多くの場合は屋根がない青空駐車場です。
1台分の駐車スペースは、普通車を駐車できるように2,500mm×5,000mmとなっているケースが多いです。
しかし中には、軽自動車用として2,000mm×4,000mmの駐車場を設けているところもあります。
メリット
平面駐車場を利用する最も大きなメリットは、車高を気にしなくても良いという点です。
出し入れもスムーズにでき、駐車に時間をかけずに済むことも、他の2種類と比較した時のメリットとして挙げられます。
車種や車の大きさに左右されにくいという特徴もあるので、好きな車を乗り継いでいきたいと考えている人にも適しています。
メンテナンス費用もほとんどかからないので、金銭的なメリットもあると言えるでしょう。
デメリット
デメリットは、屋根がないケースがほとんどなので車が汚れやすいという点です。
車好きな人の中には、少しでも汚したくないと考える人もいるでしょう。
そのような人にとって平面駐車場は、デメリットが大きいので避けたいと思う可能性が高いです。
また、平面駐車場は広い土地も必要になるため、都心部のマンションだと駐車できる台数が限られてしまい、希望しても利用できない場合があります。
これも、平面駐車場ならではのデメリットです。
平面駐車場と機械式駐車場を併設しているマンションもありますが、平面駐車場は出し入れのしやすさなどから人気が高く、使用料が高めに設定されていることもあります。
自走式立体駐車場
自走式立体駐車場は、大型のショッピングモールにあるような駐車場です。
自分で運転しながら上り下りするタイプです。
土地がそこまで広くなかったとしても、高さを持たせることで駐車可能台数を増やすことができます。
多くの車を停められるので、100戸以上あるような大型マンションや土地が狭い都心部のマンションで採用されるケースが多く見られます。
メリット
自走式立体駐車場のメリットは、屋上以外であれば車が日焼けしにくかったり、雨や雪の日でも乗り降りしやすかったりするなどが挙げられます。
機械式よりも出し入れがスムーズにできること、出し入れする時の操作で待つ時間が少ないことも自走式立体駐車場ならではのメリットと言えるでしょう。
平面駐車場よりも土地を有効活用できるため、駐車場を確保できる可能性も高いです。
災害が起こった時は避難場所として活用できます。
デメリット
自走式立体駐車場の場合は、スロープを運転して登っていかなければいけません。
平面駐車場よりも時間がわずかですが時間がかかってしまうので、できれば避けたいと思う人もいるでしょう。
また、屋上には屋根がないので、自立式立体駐車場ならではの恩恵を受けられないこともデメリットの1つです。
駐車場のメンテナンスも必要なので、コストがかかってしまう点も把握しておく必要があります。
スロープはカーブにもなっているので、慎重な運転も求められます。
事故を起こしてしまうと大惨事になりかねないため、運転に自信がないと不安だと感じる可能性が高いです。
機械式立体駐車場
機械式立体駐車場は、区画に車を停めた後に機械で入庫するタイプです。
上記2つよりも管理コストがかかります。
また機械式立体駐車場にも大きく分けて5つの種類(地上二段式・ピット二段式・昇降横行式・垂直循環式・エレベーター方式)があり、車の停めやすさや使いやすさなどが異なります。
地上二段式は上下1台ずつ車を停められるタイプで、上の車を出す時は下の車を動かさなければいけません。
ピット二段式も上下1台ずつ車を停められますが、移動することなく出し入れできます。
昇降横行式は、車を台に乗せて上下左右に動かします。
垂直循環式は、車を乗せた台が建物内で回転しながら移動するという仕組みです。
そしてエレベーター方式は、車を乗せた台が上下左右に動きながら運ぶタイプです。
メリット
機械式立体駐車場は、狭い土地でも駐車できる台数を増やしやすいため、駐車場を確保できる可能性が高いです。
また、屋外に停めておくわけではないので、車の日焼けも回避できます。
悪戯や盗難の被害に遭うリスクも低いため、大切な車をしっかり守りたい人にも適しています。
他の車にぶつけられてしまう心配もありません。
デメリット
機械を使って動かすので維持費やメンテナンス費用は他よりも高めです。
機械式立体駐車場を完備するマンションで暮らすのであれば、駐車場代として支払う金額が大きくなってしまう可能性も視野に入れておきましょう。
また、駐車可能な車のサイズもあらかじめ確認しておかないと、契約したのに停められないといった事態になりかねません。
車のサイズが制限の範囲内に収まっているのか確認した上で利用を決めるようにしてください。
そのマンションに長く住むつもりであれば、今後車を買い替えた時のことも加味してサイズに問題がないか確認しておくと安心です。
駐車場のベストなサイズは?
駐車場のサイズがベストではない場合、使いにくさからストレスを感じてしまう可能性があります。
ここでは、余裕を持って使える駐車場のサイズについてご紹介します。
余裕が持てるサイズを知ろう
一般的に、車1台駐車するのに必要なスペースは、幅2.5×長さ5.0mと言われており、スムーズに駐車するには、車路幅も5 m前後あると良いでしょう。
ただし、これはあくまでも基準のため、軽自動車であればもう少し狭くても問題ありません。
大型で余裕を持って停めたいなら、もう少し広めの幅3 m、長さ5.5 mほどあった方が良いでしょう。
駐車スペースに余裕がない場合、ドアを開ける度に隣にぶつけないよう気を使ったり、白線内に停めるために何度も切り替えしたりと駐車する度にストレスを感じる可能性があります。
車の停め方で寸法が変わるケースも
車の停め方には直角駐車のほか、並列駐車や縦列駐車といった方法があります。
どの停め方をするかによって、必要な駐車スペースの寸法が変わることもあるので、注意が必要です。
道路と直角になるように停める直角駐車の場合、車両の左右には合わせて90cm以上のスペースが必要であり、前面道路の幅も最低限4 mは欲しいところです。
一方で道路と並行に停める並列駐車の場合、直角駐車ほど前面道路の幅がなくても問題ありません。
ただし、左右のスペースは直角駐車同様90cm以上確保しておくと安心です。
縦列駐車の場合、バッグで駐車するなら少なくとも車両の1.5倍のスペースが必要です。
基本のサイズよりゆとりがある方が良い場合も
人が歩くのに必要な幅は60cmと言われており、ドアを開けた時左右に60cm幅があればスムーズな乗り降りが可能です。
そのため、助手席や後部座席もよく利用するのであれば、左右合わせて120cmほどのスペースがあると乗降しやすく便利でしょう。
また、スポーツカーや軽自動車の中には、後部座席のドアがない車もあります。
左右1枚ずつしかドアがない場合、1枚のドアが通常よりも長いため、幅が60cmあっても乗り降りしにくい可能性があります。
乗っている車種や利用人数によって快適に使える幅は異なるため、どのくらい余裕があった方が良いのか、しっかり検討することが大切です。
必要なサイズは車種によって変わる
軽自動車と大型車では必要な駐車スペースが異なるように、駐車場に必要なサイズは車種によって変わります。
必要な駐車スペースを把握するためには、まず所有する車のサイズを知ることが大切です。
ただし、ここで注意しておきたいのは車の買い替え時です。
もしも将来的に現在所有する車よりも大きいものへ買い替える予定があるのなら、あらかじめ買い替え予定の車のサイズに合わせて選ぶことが大切です。
買い替え時に、運良くサイズがちょうど良い駐車場が空いているとは限りません。
軽自動車に乗っているからといって小さめの駐車場を選んでしまうと、車を買い替えた時に不便を感じる可能性があるので注意が必要です。
駐車場サイズはケースによって快適さが違う!?その理由は?
同じ駐車場サイズであっても、車種やシチュエーションによって駐車のしやすさは大きく異なります。
次に、快適さを左右する5つの条件についてご紹介しましょう。
前面道路の幅
一般的な駐車スペースが確保されていても、前面道路が狭いと、入出庫がしにくくストレスを感じる可能性があります。
先ほどご紹介した一般的な駐車場のサイズである幅2.5 mは、前面道路が6 m以上ある場合を想定しています。
前面道路が6 mよりも狭い場合、駐車場の幅に余裕がないと駐車しにくいため注意が必要です。
駐車場での乗り降りや積み下ろしの有無
自宅前の道路が狭かったり、交通量が多かったりと一時的であっても駐車場外に停めるのが難しい場合、乗り降りはもちろん、荷物の積み下ろしも駐車場内で行わなくてはいけません。
そうなると、左右のドアを開けても余裕のある幅とトランクを開けられるだけの奥行きも必要です。
子どもがいるかどうか
チャイルドシートを利用している場合、スムーズに乗せたり降ろしたりするにはドアを全開にする必要があるため、幅60cmあっても使いにくいです。
どのようなチャイルドシートを使っているか、子どもが自分で乗り降りできるかによっても変わりますが、ドア横に1 m以上スペースがあると良いでしょう。
ただし、スライドドアであれば余分にスペースを確保しなくても問題ありません。
家族構成の変化
家族が増えて大型のファミリーカーに、反対に子どもが独立して軽自動車にするなど、家族構成の変化によって車を乗り換えることは往々にしてあります。
大きいサイズから小さいサイズに乗り換えるのであれば特に問題はありません。
しかし、軽自動車からファミリーカーのように車のサイズが大幅にアップする場合、駐車場のサイズによっては不便に感じる可能性があるため注意が必要です。
趣味
自転車やキャンプ、釣りなど道具が多い趣味の場合、駐車スペースは広く取っておいた方が安心です。
荷物の積み下ろしには、ドアやトランクを大きく開ける必要があるからです。
また、収納スペースや物置が十分ではない場合、駐車場に置かなければならないこともあるでしょう。
そのため、趣味の道具が多く、車も頻繁に使うのであれば、標準的なサイズの駐車場では不便に感じる可能性があります。
マンションに多い立体駐車場!選び方のポイントは?
マンションでは、立体駐車場を採用しているところも多いです。
ここでは、立体駐車場を選ぶ際のポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
幅と高さを確認しよう
まず、立体駐車場を選ぶのなら、幅と高さの確認は欠かせません。
機械式立体駐車場と自走式立体駐車場のサイズや注意点を解説します。
機械式立体駐車場
機械式立体駐車場のサイズは一律ではありません。
設置場所によって異なるため一概には言えないものの、都市部では全長5 m以下、幅1.8 m以下、全高1.55 m以下に設定されていることも少なくありません。
自走式に比べて入庫できる車のサイズが制限されることが多々あるため、事前に駐車可能なサイズをしっかり確認することが大切です。
特に、高さのある車は制限により入庫できないこともあるので注意が必要です。
自走式立体駐車場
自走式立体駐車場の場合、高さ制限があります。
一般的な高さ制限は2~2.5 mであることが多く、一部の車種を除けばSUVやミニバンなど大型の車でも駐車可能です。
ただし、昔からある自走式立体駐車場の中には、高さ制限が1.79 mに設定されているところもあります。
その場合、例え軽自動車であっても高さのある車種は駐車することはできません。
また、自走式の場合だと積載荷重も制限があるため、契約する際は事前に確認しておきましょう。
機械式立体駐車場は方式によるメリットやデメリットを確認しよう
機械式立体駐車場には5つの方式があり、それぞれメリットやデメリットが異なります。
契約する際は、自分に合った方式を選ぶことが大切です。
地上二段式
パレットと呼ばれる台を使って、二段ベッドのように車を上下に収納するタイプです。
上段の場合、盗難やいたずら、水害などによる被害を受ける可能性が低い点がメリットです。
一方、下段の場合は上段が屋根のように覆いかぶさるため、紫外線や雨風によるダメージを減らすことが可能です。
ただし、上段の車を出すには下段の車を先に出庫しなければなりません。
ピット二段式
ピット二段式は、地上二段式同様、車を上下に駐車します。
しかし、下段は地下に収納できるため、車を駐車したままでも上段の車を出庫することが可能です。
二段式のメリットそのままに、上段は出庫しやすくなっています。
ただし、下段を出庫するには毎回機械動かさなくてはならず、時間がかかること、地下に駐車するため水害被害に遭うリスクが高いところはデメリットです。
パズル式(昇降横行式)
パズル式は、パレットを上下左右に動かして駐車するタイプの駐車場です。
あらかじめ空きスペースを確保しておくことで車を移動することから、パズル式と呼ばれています。
駐車した位置に関係なく出庫できるメリットがある一方で、出庫するには車を上下左右に動かす必要があり時間がかかる点はデメリットになります。
エレベーター方式
タワー式駐車場の一つです。
自動昇降装置を使い、車を上部まで移動させるので狭い土地でも多くの車を駐車することが可能です。
また、屋内駐車のため、いたずらや盗難のリスクや紫外線によるダメージを抑えられる点がメリットです。
一方デメリットとして挙げられるのは、タワー式のため保守点検が行われるタイミングには注意が必要な点です。
垂直循環方式
エレベーター方式と同じタワー式駐車場の一つで、観覧車のようにタワー内を移動させることで入出庫するタイプの駐車場です。
メリットはタワー式のため、雨風や紫外線に晒されたり、盗まれたりいたずらされたりする危険性を回避できることです。
反対に、デメリットは入出庫に時間がかかること、さらには稼働した際の音が大きいことが挙げられます。
また、エレベーター式と同じく、保守点検のタイミングには注意が必要です。
事故や災害リスクを確認しよう
立体駐車場を選ぶなら、事故や災害によるリスクも知っておくことが大切です。
機械式と自走式、それぞれに考えられるリスクをご紹介します。
機械式立体駐車場
機械式立体駐車場では、装置内に人がいるにも関わらず機械が作動したり、作動中の装置に接触したりと、機械による事故が多発しています。
機械式駐車場内は、機械の内部そのものです。
車が移動する様子は小さな子どもにとって興味深く映るため、利用する際は特に注意が必要です。
また、機械式の場合は耐震性を確認しておくことも重要です。
過去には、地震によってパレットが落下する事故も起きています。
最近は耐震性の高い機械式駐車場も増えているので、契約前に確認しておくことをおすすめします。
自走式立体駐車場
自走式立体駐車場の場合、見えにくい駐車場内で人身事故を起こしたり、スロープや車同士で接触してしまったりといった事故が起きやすいです。
また、自走式に限った話ではありませんが、地下を利用するタイプの立体駐車場の場合、大雨によって浸水被害を受ける可能性があります。
浸水時には一時的に車を地上へ移動させてくれるところもあるので、水害の可能性のある地域では、事前に災害時の対策や体制を確認しておくと良いでしょう。
駐車場付きでも周辺相場と比較しよう
駐車場付きの物件は多いですが、駐車場を契約するなら、周辺相場も確認しておきましょう。
駐車場の相場は、地域によって異なります。
都市部のように土地価格が高く、人気のあるエリアは駐車場代も高い傾向にあります。
また、屋根があったり、設備が最新だったりする場合も金額が上がるので、周辺相場と比較した上で決めることが大切です。
区分所有や契約などを確認しよう
分譲マンションでは、区分所有法によって専有部分と共用部分が定められています。
マンションの一室は占有部分ですが、エントランスやエレベーター、駐車場などは区分所有者全員で共有している共用部分となります。
しかし、古いマンションの中には、駐車場が売却され別の所有者の土地になっていたり、権利を特定の居住者に販売していたりするなどのケースがあります。
借りた後のトラブルを防ぐためにも、事前に区分所有や契約などを確認しておくことをおすすめします。
今回は、マンションの駐車場について、サイズや駐車方式、選び方のポイントなどを解説しました。
マンションの駐車場には平置きと機械式があり、どのタイプを選ぶかによってメリット・デメリットが異なります。
また、車や駐車場のサイズによって使いやすさも変わるため、駐車場を利用する際は、趣味や家族構成、子どもの有無や前面道路の幅など、様々な条件を加味した上で決めることが大切です。
マンションで多い立体駐車場を選ぶ際は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてください。