長年フローリングを使っていると、傷や汚れなどが目立ってきます。
壁とともに部屋の大部分を占めているフローリングは、部屋の印象を左右すると言っても過言ではありません。
そのフローリングに穴が空いたり軋んだりしてきて、張替えが必要なのか悩んでいる人もいるでしょう。
今回は、フローリングの耐用年数や張替えのタイミング、原状回復での扱いについて解説していきます。
フローリングを張り替えた方が良いのか悩んでいる方や、アパート・マンションにおける原状回復での扱いについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
フローリングの耐用年数について
耐用年数とは、対象物を資産として扱うことができる期間のことを言います。
建物などは耐用年数も決まっていますが、フローリングはどうなっているのでしょうか?
まず、フローリングの耐用年数について解説します。
フローリングには耐用年数がない
フローリングには法定耐用年数が定められていません。
賃貸の場合、国土交通省によるガイドラインでは原則経過年数に関係なく、床材は傷つけてしまった部分の原状回復を行うとしています。
フローリング全面張替えをする場合
フローリングの全面張替えを実施する場合、価値が復活するので経過年数が考慮されます。
ただし、該当建物の構造によってフローリングの耐用年数も異なってくるので注意が必要です。
フローリングの張替えのタイミングを見極めるには?
耐用年数が決まっていない分、フローリングの張替え時期やタイミングについて悩む方も多いでしょう。
続いて、フローリングを張り替えるタイミングについてご紹介します。
床材の耐久年数から判断する
フローリングには耐用年数がないからと言って、永遠に同じものが使えるというわけではありません。
一般的とされている床材ごとの耐久年数は、複合フローリングが10~15年、無垢フローリングが30年以上を目安としています。
床材の中でも、天然素材を活用した無垢フローリングは1番耐久年数が長いとされています。
自然オイルなどを使った浸透性塗料で仕上げられている場合、サンドペーパーで擦れば汚れや傷を修復できます。
そのため、30年以上という長い年月が経っても使い続けることができるのです。
一方、合板や集成材などの基材に天然木の単板を張っている複合フローリングは、耐久年数が10~15年と無垢フローリングよりもだいぶ短くなっています。
複合フローリングは汚れや傷ができると修復が難しいこと、合板をつないでいる接着剤の寿命が短いということも関係しているため、耐久年数もその分短くなっているのです。
床の状態から判断する
複合フローリングや無垢フローリングの張替え時期をご紹介しましたが、耐久年数を過ぎていたとしても張替えをしていないというケースは非常に多いです。
あくまでも耐久年数は目安として提示されているもので、実際にフローリングの張替えを行うかどうかは状態を見て判断しなければいけません。
そこで、張替えを行うタイミングを判断するポイントについて解説していきます。
傷や汚れが目立ってきた
無垢フローリングは汚れや傷を擦って修復することが可能ですが、複合フローリングは張替えを行わなければ修復が難しくなってしまいます。
費用がかかるからと言って、傷やささくれている部分を放置すると思わぬケガやトラブルにつながる可能性も考えられます。
フローリングの傷や汚れが原因で生活に支障が出てきてしまう場合は、時期に関係なく張替えを検討した方が良いでしょう。
日焼け・色褪せによる変色
一見目立った汚れや傷がなかったとしても、日当たりの良い部屋のフローリングは床の色が日に焼けていたり、薄くなったりしています。
これは経年劣化による影響なので、自力でどうにかできるものではありません。
さらに状態の悪いものだと板が浮いてきたり、剥がれてきたりして床自体の機能にも影響が出てきてしまいます。
フローリングの日焼けや色褪せが気になってきたら、張替えを検討するようにしましょう。
床がギシギシと音が鳴る
フローリングを歩いていると軋んだり音が鳴ったりする場合は、張替えのタイミングです。
この状態は経年劣化で床板の状態が悪くなっていることが考えられます。
張替えをして状況が良くなればいいのですが、張替えを行うだけでは解決しないケースもあります。
これはフローリングだけではなく床を支えている構造部分の状態が悪くなっている可能性があるためです。
構造部分の補修工事も専門業者に相談してみてください。
フローリングの原状回復は誰が負担するのか
フローリングの耐用年数を決まっていませんが、国土交通省のガイドラインでは傷つけてしまった部分の原状回復を行うと書かれています。
賃貸物件では誰が・どの基準で原状回復工事を行わなければいけないのか、心配になる人も多いでしょう。
ケースごとに大家負担になるのか、借主負担になるのか解説していきます。
大家負担となるケース
フローリングの傷を大家が負担しなければいけないのは、家具を設置していたことによる傷や設置跡、構造的な欠陥によって発生している変色(結露で黒ずんでいる)などのケースです。
普通に暮らしていてできてしまった傷は大家負担とされています。
借主負担となるケース
借主の負担になるのは、手入れをしなかったことによるシミや故意の引っかき傷、キャスター付きの椅子などによるへこみなどが当てはまります。
これらは経年劣化や自然損耗には当てはまらず、他にも故意や過失によってついてしまった傷・汚れは借主の負担になってしまいます。
借主による原状回復が必要になった場合、契約をする際に支払った敷金が費用として充てられます。
費用が下回れば返還されますし、敷金よりも高くなってしまえば追加で費用を支払わなければいけません。
まとめ
今回はフローリングの耐用年数や張替えのタイミング、原状回復での扱いについて解説してきました。
フローリングに耐用年数はありませんが、毎日過ごしていれば傷や汚れ、劣化が気になってきます。
賃貸物件の場合、退去する際に原状回復が必要になってくるのでフローリングの使い方には普段から十分注意するようにしましょう。