マイホームのメンテナンスを自分でしようと考えた場合、専門的な知識をある程度身に付けておく必要があります。
その中の1つがコーキングです。
今回は、コーキングにはどのような役割があるのか、どのような手順で行うのか、どのようなコツがあるのかといった点について解説していきます。
自分で家屋のメンテナンスをしたいと考えている人はぜひ目を通してみてください。
目次
コーキングにはどんな役割がある?
はじめに、コーキングの役割からみていくことにしましょう。
防水してくれる
1つ目は、防水してくれるという役割です。
コーキングによって、外壁・屋根の目地を埋めることで雨水が内部に侵入してしまうことを防ぎます。
雨水が内部に入り込むと雨漏りの原因になり、住宅の劣化しやすくなってしまう可能性があるため、外壁や屋根のコーキングはとても重要です。
それだけではなく、キッチンやバスルームといった水回りにもコーキングが施されます。
これも、内部に水が入り込むことを防ぐためです。
クッションになってくれる
2つ目は、クッションになってくれるという役割です。
最近の住宅は、軽量発泡コンクリート(通称:ALC)やサイディングボードといった建材を使うケースが多くなっています。
これは、目に見えないレベルで伸縮しているので、隙間なく設置してしまうと外壁材同士が干渉しあって破損の原因になってしまうのです。
そうなることを防ぐために隙間をあけて背ってされています。
その隙間をコーキングで埋めるとクッションのような役割を果たしてくれます。
動いたらその動きに合わせて追従するため、破損のリスクを軽減できるでしょう。
気密性を保ってくれる
3つ目は、気密性を保ってくれるという点です。
隙間が埋まるため、住宅の気密性が高まり、状態を保ちやすくなるのです。
気密性を保ってくれるというのも、コーキングの大きな役割だと言えるでしょう。
コーキングは使い分けが必要
コーキングといっても、実は色々な種類があります。
そのため、用途に応じて適切なものを選ばなければいけないのです。
では、種類があるのか、適切な使い分けも合わせて解説していきます。
シリコーンは、キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りに使われることが多いです。
耐水性が高いため、水を使う場所に適しています。
しかし、上から塗装するような場所には使うことができません。
変成シリコーンは、サイディング外壁の目地や屋根材、金属材に使われます。
このコーキング材にはノンブリード呼ばれる周りを汚染しにくいものもあるので、塗装した場所にも使うことができます。
柔軟性があるので伸縮しやすい金属材に使用するケースが多く見られます。
アクリルは、ALCパネルの目地やモルタル外壁にできたひび割れ、サッシと壁の隙間といった部分に使われています。
水性系のコーキング材なので扱いやすくなっています。
しかし、耐久性はそこまで高くないので外壁を塗り替える際の打ち替えに使われるケースは稀です。
ポリウレタンは、コンクリートのひび割れや木材・金属・配管・ダクト周りの目地などに使われているものです。
硬化するとまるでゴムのような弾力を持つため、耐久性が高いと言われています。
変成シリコーンよりもコストを抑えることができ、建材との密着性が高いという点もポリウレタンのメリットだと言えるでしょう。
しかし、ほこりが付きやすくて紫外線で劣化しやすいため、保護するために上から塗装するケースが多くなっています。
コーキングの手順は?
コーキングは、自分ですることも可能です。
しかし、正しい手順で行わないと失敗してしまう可能性があるので注意しなければいけません。
続いては、コーキングの手順についてみていくことにしましょう。
まずは汚れやカビをしっかり落とす
最初に、汚れやカビをしっかり落とさなければいけません。
汚れやカビなどが残ったままだと、新しく充てん材を補充してもはがれやすくなってしまうリスクが高まってしまいます。
そのため、綺麗にしてから作業に取り掛かった方が良いということになるのです。
古いコーキングを丁寧に撤去
汚れやカビを取り除くことができたら、古い充てん材を丁寧に撤去していきます。
外壁の場合は高圧洗浄をすると撤去しやすいですが、高い水圧で外壁材がひび割れてしまう可能性があるので要注意です。
水を使って洗浄したなら、しっかりと乾くように1日経ってから施工するようにしましょう。
マスキングで養生する
マスキングテープで養生すると、余計な場所にコーキング材が付いてしまうことを防げます。
この時に、歪みや隙間がないように貼り付けるのがポイントです。
外壁の場合はプライマーを塗る
外壁のコーキングをするならプライマーを塗る必要があります。
プライマーを塗ると、充てん材が劣化しにくくなるだけではなく、仕上がりも綺麗になるからです。
コーキングはヘラで奥まで押し込む
コーキングをする際はヘラで奥まで押し込むようにしましょう。
凸凹だと見た目が悪くなってしまうので、丁寧に仕上げる必要があります。
コーキングをする際のコツは?
最後に、コーキングをする際に知っておきたいコツについてみていくことにしましょう。
マスキングの位置は慎重に決める
マスキングテープを貼る位置によって、コーキングの仕上がりにも大きな差が出てしまいます。
そのため、より綺麗に仕上げるためにはマスキングの位置は慎重に決める必要があります。
直ぐに貼るのではなく、大体の貼る場所を決めてからにすると良いでしょう。
空気が入らないようにコーキングする
空気が入り込んでしまうと、充てん材の耐久性が低くなってしまいます。
それではせっかくのコーキングがもったいないので、空気が入らないように注意しながら作業を進めるようにしてください。
乾燥時間はしっかり取る
コーキング材は乾燥までに半日から24時間ほどかかるとされています。
乾燥する前に濡れたり、触ったりしてしまうと、不具合の原因になってしまう可能性があります。
そうなることを防ぐために、硬化時間はしっかり守るようにしましょう。
外壁の場合は天候もチェックが必要
外壁のコーキングをする場合は、天候もチェックしておく必要があります。
充てん材は温度や湿度による影響を受けやすいという特徴を持っているからです。
天気が良い日に作業するのがおすすめです。
室内の場合は、換気しながら行う必要があるため、やはり天気が良い日に作業した方が良いと言えるでしょう。
まとめ
コーキングは、自分ですることも可能です。
しかし、適当にやってしまっては効果を発揮しなくなってしまいます。
もしマイホームのメンテナンスを自分でしたいと思っているなら、充てん材や手順に関する基本的な知識を身に付けてからにすることをおすすめします。