賃貸物件を契約し長い間住んでいると、どうしても床の傷や汚れは目立ってきます。
フローリングの場合は、家具が擦れてしまい傷つく可能性もあり、退去時に費用が多くかかってしまうのではないかと心配する人もいるはずです。
そこで今回は、フローリングの剥がれや傷ができた場合、賃貸物件では退去時にどう対処すべきなのかをご紹介していきます。
フローリングが剥がれる原因についても解説していくので、現在フローリングのある賃貸物件に住んでいる人も予防法を知るために参考にしてください。
目次
フローリングが剥がれたら原状回復が必須!
賃貸物件を退去する際、原状回復を行う義務があります。
部屋を借りた時の状態に戻すことを指し、自身が傷をつけた部分や汚した部分は元に戻す必要があります。
ただし、日光が当たった部分の壁や床の色褪せや家具を長期間置いたことで起こる床の凹みといった経年劣化や通常損耗は含まれません。
これらの修繕は、貸主の負担になるので費用を支払わないようにしてください。
フローリングの場合、以下の内容は原状回復に含まれるので入居者の負担で修繕を行います。
・引越しの作業で傷がついた
・薬品をこぼして変色した
・ものを落としてしまい凹んでしまった
・たばこによる焦げ跡がついた
・水漏れを放置して腐食や剥がれができた
・ペットが原因の汚れ など
フローリングを修繕する場合には、6畳の張り替えで10万円程度かかると言われています。
さらに広い部屋であれば、15万円以上かかるケースもあるでしょう。
敷金だけでは足りない場合には、足りない分を支払う必要があります。
修繕費用を多く払うことにならないためにも、できる限り汚れや傷をつけないよう、ものを大切に扱って生活をしていきましょう。
フローリングが剥がれてしまう原因
フローリングが剥がれてしまう原因はいくつかあります。
これ以上損傷箇所を増やさないためにも、原因を知って剥がれを予防しましょう。
フローリングや接着剤が劣化している
劣化をすればフローリングは剥がれやすくなります。
丈夫に見えても、年月が経てば傷みがあり剥がれが生じてしまいます。
特に、子どもやペットのいる家、模様替えを頻繁に行う家はフローリングが傷みやすいと言われています。
賃貸物件の場合は、傷みがこれ以上進行しないよう、カーペットを敷く、模様替えを控えるといった対処法を行い、フローリングを守ってみてください。
また、フローリングの板が浮いている状態は、接着剤が劣化している可能性が高いです。
家具などのよる摩擦
生活をする中で家具などによってフローリングに摩擦が生じてしまいます。
椅子を引く、机を動かすなど、いつもしている動作が蓄積していくと、剥がれに似た傷ができてしまうのです。
特に椅子は引きずって動かすので摩擦が生じやすくなります。
同じ箇所を何度も擦ればワックスが剥がれ、傷が増えてざらざらとした状態になるでしょう。
この状態を放置していると、木片が足に刺さりケガをする危険性もあるので気を付けてください。
DIYで修繕しても大丈夫?
自分が原因でフローリングが剥がれてしまった、傷が付いてしまった場合、DIYで直してもいいのか疑問に感じる人もいるはずです。
自分でできれば修繕費用も多くかからずに綺麗な状態に戻せます。
そこで、補修方法をいくつかご紹介します。
・クレヨンを使って補修
フローリング補修用のクレヨンを使えば小さい剥がれを瞬時に直せます。
まず、剥がれた部分を拭き掃除して汚れを取り除きます。
次に専用のクレヨンを使って剥がれた部分に塗り込むだけです。
木目と平行に塗れば自然な見た目になります。
複合フローリングや無垢フローリングに向いた修繕方法です。
・パテを使って補修
剥がれが大きい時にはパテを使用して補修しましょう。
用意するものは、パテ・ヘラ・サンドペーパーのみです。
最初に剥がれた部分にサンドペーパーをかけて凹凸を平らにします。
次にパテを埋めてヘラで平らにし、乾いたらサンドペーパーを使用してさらに平らにします。
修繕をする際には他の部分に傷がつかないようにマスキングテープで保護してください。
この修繕方法も複合フローリングや無垢フローリングに向いています。
・接着剤を使って補修
複合フローリングや無垢フローリングに剥がれができた際、フローリング用の接着剤を使って補修もできます。
接着剤を塗って剥がれた部分を直し、隙間をパテで埋めてからサンドペーパーを使って平らにすれば剥がれた箇所がわかりにくくなります。
クッションフロアの場合は、クッションフロア専用の接着剤を使用し、上から抑えるだけで剥がれを直せます。
どの方法も簡単に見えますが、実際に行うと素人では難しい部分もあります。
失敗してしまえば、再度補修し直すか業者に依頼が必要です。
二度手間にならないためにも、最初から業者に依頼をすれば綺麗な状態に戻してくれます。
勝手に補修をしてしまえば、退去時にトラブルになる恐れもあるので、自分では行わずにまずは貸主に相談してから専門の業者に修繕を依頼しましょう。
敷金を少しでも多く戻したい時は?
原状回復のための修繕が必要になるのは仕方のないことです。
しかし、敷金を少しでも多く取り戻したいと考える人は多いはずです。
そこで、どうすれば敷金を多く返還してもらえるのか、コツをご紹介します。
契約時のルールを細かくチェックする
賃貸物件を契約する際、ルールは細かくチェックしてください。
賃貸借契約書の中には、敷金返還に関する事項が記載されているケースがあります。
「特約」と記載され、原状回復の原則とは異なる内容が明記されているかもしれません。
特にハウスクリーニングに関しては、原則貸主の負担になりますが、民法の基本原則に基づいて入居者が負担になっているケースも多いです。
自分がどの程度負担するのか、あらかじめ知るためにもしっかりと把握しましょう。
入居時チェック表を提出する
入居する際に、「入居時チェック表」や「現況確認書」などを渡される可能性があります。
これは、入居前からある傷や汚れ、設備の不具合が記載されている書類です。
チェック表に記載されていない傷などは、借主の負担で修繕がされます。
写真を撮って一緒に提出をすればトラブル予防につながります。
チェック表がなかった場合は、万が一のために傷や汚れをチェックし、不動産会社や貸主と情報を共有することをおすすめします。
まとめ
自分のせいでフローリングに傷が付いてしまった、剥がれが発生した、汚れがついたといったトラブルが起きれば、退去時に修繕する義務があります。
費用を減らすためには、掃除を頻繁にする、部屋を綺麗に大切に扱う、家具を引きずらないなど、日々の行動を改めなければいけません。
できてしまった剥がれは自分で直せますが、綺麗な見た目にならない、失敗する懸念もあります。
修繕は専門の業者に依頼をして直してもらいましょう。