物件の購入を考えている人の中には、リノベーションすることを前提に中古物件の購入を検討している方もいらっしゃるでしょう。
中古物件は新築に比べると費用を安く抑えられることもできます。
しかし、実際に中古住宅を購入するとなるとどのようなポイントに注意して選べばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、リノベーションを考えた中古物件の選び方についてご紹介します。
目次
リノベーション前提だといろんな中古物件が選べる!
リノベーションとは壁や床などを全て解体し、柱や基礎だけの状態にしてから内装・外装を新たに作り直す工事です。
リノベーションだと新築のように、自由に間取りを変更することもできます。
そのためリノベーションを前提に中古物件を選ぶ際は、間取りなどは関係なくなるのでいろんな中古物件から選べるようになるでしょう。
さらに、リノベーション前提で中古物件を選ぶのにはメリットがあります。
予算内で理想の間取りを手に入れやすい
リノベーションを前提として中古物件を購入するメリットには、予算内で理想の間取りを実現できる点が挙げられます。
新築物件と中古物件を比較すれば、広さなどの条件によって異なりますが、比較的中古物件の方が割安になります。
仮に同じ立地・同じ間取りの条件だった場合、新築で住宅を建てるのと中古住宅を買ってリノベーションするのとでは総予算に差が生じ、中古物件を購入してリノベーションした方が基本的には割安です。
理想の物件を探すのではなく、購入した物件を理想の形にするための物件を探すことで、予算内で理想の物件を手に入れやすいでしょう。
建物診断で安全性もきちんとチェックする
中古住宅は新築の住宅とは違い、立地条件や家主のメンテナンス、修繕の頻度などが違うため、物件によって設備や状態が異なります。
中古住宅をマイホームとする時に建物の状態や設備は気になるでしょう。
状態を知る手段として、専門家の調査によって建物や設備の状態を明らかにする「建物診断」というものがあります。
建築士が建物の劣化の具合や設備の不具合がある箇所などを調査し、法的な合否判定を下します。劣化状態や不具合の修繕方法、修繕費用を明示してくれるので、購入するかどうかの参考にしてみましょう。
実際の建物を見ながら選べる
中古物件を購入するポイントとして挙げられるのが、実際の建物を見て判断できるという点です。
出来上がる前の状態や模型でしか中の様子を確認できない新築と違い、中古物件は実際に建物に状態を見られます。
現所有者の意見や周辺の環境、マンションならば管理状態やそこに住む人の意見など、図面や模型では分からない情報も得られるのです。
実際の住宅に足を運ぶことで、そこでの生活もイメージしやすくなるでしょう。
リノベーションを考えた中古物件の選び方
リノベーションを前提とするといろんな物件が選べる理由をご紹介してきましたが、いろんな物件を選べるからこそ選び方が重要となってきます。
ここからは、物件を選ぶ時に見るべきポイントを解説していきましょう。
土台の柱の状態
中古物件を選ぶ際のポイントとして、柱や土台の状態が挙げられます。
解体してみないと分からないという場合もありますが、建物によっては柱がシロアリに食べられてボロボロだったり、基礎が欠けていたりする家もあります。
このような状況の場合、補強レベルの工事では済まなくなり、安全に住めるレベルにするめに新しく建て替えるほどの費用がかかってしまう場合もあるでしょう。
この他、現行の耐震基準を満たしているかも評価するポイントになります。
1981年6月以降に建てられた住宅であれば耐震基準を満たして建てられていますが、戸建ての場合は建築時期を正確に特定できなかったり、無茶な増設をしたりして、耐震基準を満たしていない場合があります。
耐震基準を満たしていないと耐震改修工事が必要になり、費用が掛かってしまいます。
不安がある場合は建築士などの専門家がいる会社を訪ね、一度診断してもらいましょう。
間取りを自由に変えられる構造かどうか
リノベーションを前提とした中古物件の購入ならば、間取りを自由に変更できるかは、確実に確認しなければならないポイントです。
住宅の構造は主に木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造に分けられます。
また、それぞれの構造ごとに木造軸組工法、ツーバイフォー工法、壁式構造、ラーメン構造、軽量鉄骨構造、重量鉄骨構造、プレハブ工法などに分かれています。
木造軸組工法やラーメン構造の建物は柱や梁建物を支えている構造なので、壁を取り除くことも容易で間取りの変更の自由度は高いです。
逆に、ツーバイフォー工法や壁式構造は壁が建物の重さを支えているため、壁の撤去や窓の新設は難しくなります。
軽量鉄骨も柱や梁で住宅を作る構造ですが、耐震性を高めるブレースという部品は取り外すことができないため、間取り変更が制限されてしまうでしょう。
プレハブ構造の住宅についてはメーカーが独自に開発している工法が多いため、建てたメーカー以外での大きな改修は難しいです。
鉄骨系は間取りが変更しやすいですが、コンクリートや木材系は難しいでしょう。
築年数20年以上がおすすめ
中古住宅を購入するならばできるだけ安い方が良いと考える人は多いです。
住宅の価格は新築が一番高く、木造だと築20年を境に大きく価格が低下します。
鉄筋コンクリート造のマンションと比べると、築21年以降は価格が大きく下落しているのです。
木造住宅の価格が下落するのは法的な耐用年数が22年とされているからです。
そのため、割安で手に入る築20年以上の物件がおすすめでしょう。
一戸建ての場合は土地がセットになっているので、価格が変動しにくいので注意が必要です。
まとめ
リノベーションを前提とした中古物件の選び方についてご紹介してきました。壁や扉を取り去って自由な間取りを作れるリノベーションを前提としているからこそ、現状の間取りを気にすることがなく、いろんな物件を選ぶことができます。住宅の工法の問題や耐震強度、壁や土台の問題など注意するべきポイントがいくつかありますが、確認を怠ると余計な費用が掛かったり、自由なリノベーションができなかったりする可能性もあります。十分に確認して、リノベーションで理想の間取りを手に入れましょう。