PC造のマンションってどうなの?メリットやデメリットをご紹介!

PC造

建物の構造には色々な種類があります。
その中の1つがPC造です。
PC造はマンションに用いられることも多いため、PC造のマンションがどうなのか気になっている方もいるでしょう。
そこで今回は、PC造とはどのようなものか、RC工法とは違うのか、PC造のマンションにはどのようなメリット・デメリットがあるのかなどを解説していきます。

PC造とは?

PC造

まずは、PC造について解説していきます。

PC造は建築用語の1つで、プレキャストコンクリート造のことです。
プレコンやプレキャストと省略して呼ばれる場合もあります。
プレキャストコンクリートとは、現場で組み立てや設置を行うという前提で製造されたコンクリート製品の呼び名です。
鉄筋コンクリート造の建物を建てる時に取り入れられる工法です。
現場で型枠を作ってコンクリートを打設するという工法は、現場打ち工法や場所打ち工法と呼ばれます。
現場打ちPC工法と呼ばれる工法もありますが、これは現場打ちを行ったコンクリートにPC鋼材を入れるという方法です。

RC工法とは違う?

PC造

PC工法とRC工法は混同されてしまうことがあります。
しかしこの2つは根本的に異なるため、どのような違いがあるか知っておいて損はないでしょう。

PC工法は、あらかじめ製造されたコンクリートを使って建設していくため、超高層ビルなどの外壁に適しています。
一方、RC工法は現場でコンクリートの打設を行います。
現場でのコンクリート打設は柔軟性に優れていて、デザインにこだわった建築を行うことができるのです。
デザインにこだわりたいのであれば、RC工法を選んだ方が良いでしょう。

PC造のマンションのメリット

PC造

PC造のマンションに入居しようか検討中の方は、どのようなメリットがあるのかも気になるポイントでしょう。
続いて、PC造のマンションのメリットについて解説していきます。

防音性が高い

1つ目のメリットは、防音性が高いという点です。
PC造は、コンクリートで造られた建物です。
そのため、木造の建物と比べてみると防音性が高いことが特徴です。
また、プレキャストコンクリートは工場で生産されるため、品質も統一されています。
画一的ではありますが、一定の品質を保った建物に仕上がります。
子どもがいる場合などは、生活音が周囲に響いてしまうことが懸念されるため、少しでも防音性の高い住居に住みたいと考える人も多いです。
防音性の高さを重視している人にとっても、RC造のマンションを選択することで不安を軽減できます。

耐火性に優れている

2つ目のメリットは、耐火性に優れている点です。
コンクリートという素材自体の耐火性が高いため、万が一火事が起こったとしても安心です。
木造の建物や軽量鉄骨造の建物は、1,000度を超えると燃えてしまったり、鉄骨が変形してしまったりします。
それに対してコンクリートの場合は、高温になったとしても耐えうる力を持っているのです。
火事は予期せぬタイミングで発生する場合もあります。
自分の部屋でなく、他の部屋から出火してしまうことも考えられます。
万が一の火事の時でも、PC造のマンションであれば建物全体が燃えてしまう可能性はほとんどないでしょう。
PC造の建物であれば、安全な逃げ道を確保しやすくなり、万が一の事態が起こった時に命を守るための行動が取れるのです。

耐震性が高く安心できる

3つ目のメリットは、耐震性が高く安心できる点です。
日本は地震大国なので、耐震性の高さがどの程度か把握してから入居することはとても重要です。
鉄骨造の建物は、建物が揺れることによって構造体を守ります。
それに対してコンクリートでできた建物は、壁や床、天井がとても強固なものとなり、建物の揺れを抑えることができるのです。
地震が来たとしてもあまり揺れなければ、家具や家電が倒れたり、転落したりするリスクも軽減します。
つまり、地震による直接的な被害だけではなく、二次災害を防ぐこともできるのです。
このことから、地震大国の日本において耐震性が高い建物は安心要素になるため、大きなメリットだと言えるでしょう。

PC造のマンションのデメリット

PC造

PC造のマンションには色々なメリットがあります。
地震が多い日本にとって嬉しいメリットも享受できるため、魅力的だと感じる方はたくさんいるでしょう。
しかし、メリットがあればデメリットもあることということを忘れてはいけません。
最後に、PC造のマンションにはどのようなデメリットがあるのか解説していきます。

家賃が高くなりがち

1つ目のデメリットは、家賃が高くなりがちになってしまう点です。
PC造のマンションは、木造や鉄筋造と比べてみると工賃が高くなってしまいます。
そのため、家賃に関しても自ずと高くなってしまうのです。
家賃が高くなると、予算内に収まらない可能性もあるでしょう。
それでもPC造のマンションに住みたいのであれば、できるだけ家賃が安い部屋を探さなければいけません。
PC造自体がまだまだメジャーではないため、こだわりの家探しをしている場合は理想的な物件に巡り合えるまでに時間がかかってしまう可能性も高いです。

コンクリート打ちっぱなしは暑さや寒さがネックになる

2つ目のデメリットは、コンクリート打ちっぱなしは暑さや寒さがネックになる点です。
コンクリート打ちっぱなしだと、室内に熱を溜めやすくなってしまいますし、外気の影響も受けやすくなってしまいます。
そのため、暑い夏や寒い冬は対策に苦労してしまう可能性があります。
昼間の温度がかなり高くなってしまう夏は、夜になって室温が下がらず蒸し暑いと感じてしまうでしょう。
そして冬は、外気でコンクリートが冷え切ってしまうと、暖房を強めてもなかなか暖まらなくなります。
1年を通して快適に過ごすためには、外気を遮断し、温度の変化を小さくする工夫が必要不可欠です。

まとめ

安全な暮らしを手に入れるために、PC造のマンションを購入しようと考えている方もいるでしょう。
確かにメリットが大きい造り方ではありますが、デメリットも理解した上で検討することがポイントです。
しかし、PC造のマンションは防音性や耐火性、耐震性の高さが魅力的です。
快適な住まいを実現するために、建物に求める優先順位を考えて検討すると良いでしょう。