憧れの分譲マンションを購入する際に、自治会への加入を求められる場合があります。
自治会への加入を求められると、「加入しなければいけないもの」とイメージしてしまう人もいるかもしれません。
しかし、マンションの管理組合とは違い、加入義務はないと言えます。
そこで今回は、マンションでの自治会とは何かを解説しつつ、加入のメリット・デメリット、発生する可能性のあるトラブルやうまく断る方法についてご紹介します。
マンションの購入を検討しており、自治会がどういった役割を持つ団体なのか知っておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マンションの自治会とは?

そもそもマンションの自治会とは、どういった団体なのか気になる方も多いでしょう。
ここでは自治会に関する基本的な知識をご紹介します。
自治会とは?
自治会とは、同じ地域に住んでいる人が親睦を深め、より良い生活環境を築いていくことを目的とした団体です。
総務省の定義では、「町や字の区域、その他一定の区域に住所を持つ人の地縁に基づき形成された団体」としています。
自治会の歴史は1930年代まで遡り、地域の人が助け合う「近隣共助」を目的に日本全国で作られていきました。
自治会と似た言葉として「町内会」が存在します。
町内会も自治会と同じように、同じ町内で暮らす人たちが暮らしやすい環境を築くための任意団体となります。
自治会の活動内容について
あくまで任意団体として存在する自治会は、法律などで「○○をしなくてはいけない」「○○を決める必要がある」などは特に定められていません。
そのため、それぞれの自治会によって活動内容などは異なっています。
各自治会で多く見られている活動内容は主に3つに分類されます。
・地域の安全を守るための活動
自治会では地域の安全を守るために、様々な活動に取り組んでいます。
例えば防災訓練です。
日本は地震や台風など、自然災害が発生することも多い国です。
そのため、万が一の事態に備えておくことが重要となってきます。
防災訓練ではどこに避難すれば良いのか、避難場所まで行く時はどういった経路をたどっていけば良いのかなどを住民同士で確認し、実際にその経路をたどることもあります。
また、マンションの防災訓練では地震が発生してエレベーターが動かなくなった時の対処法や安否確認の流れ、消火器の使い方のレクチャーなどを行います。
防災訓練以外にも、高齢者の多い地域であれば社会問題となっている高齢者の孤立や孤独死を回避するために、自治会が中心となって声掛けや見守りを行っています。
子育て世帯が多い地域の場合、登下校や夜間の見守り活動を実施する自治会も少なくありません。
・暮らしやすい環境を作るための活動
自治会では暮らしやすい環境を作るための活動として、地域清掃やゴミ拾い、廃品回収(集団回収)などを行っています。
地域の清掃活動は美しい状態を保てるだけでなく、地域住民同士でコミュニケーションを図れる場にもなります。
また、ゴミが多い地域は犯罪が起こりやすい傾向にあるとも言われているため、犯罪の抑止力としても地域の清掃活動は役立っています。
さらに、自治会の中には地域の街路樹や街灯の管理、ゴミ捨て場の清掃などを行っているところもあります。
清掃や管理活動は、自治会に加入する人が全員で取り組む場合もあれば、当番制にしている場合もあります。
・地域の情報を共有・拡散するための活動
行政や地域に関する情報を共有・拡散するための活動も、自治会が担っています。
例えば独自にホームページを開設して地域に関する情報を発信したり、定期的に広報誌を作成したりするなどです。
また、自治会で定期的に役員会や定例総会を実施し、活動内容に関する話し合いを行っています。
こうした話し合いの場を通して、住民同士で問題点などを共有できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
・地域に住んでいる人たちと親睦を深めるための活動
自治会では、住民同士の親睦を深めるために様々なイベントを開催していることもあります。
例えば季節のイベントに合わせてクリスマス会や餅つき大会など、子どもから高齢者まで楽しめるイベントを企画・運営するのです。
こうしたイベントで地域住民の親睦を深めておくと、どんな人が住んでいるのかなどを知ることができ、万が一災害が発生した際にも事前に交流していたことでお互いに助け合いやすくなります。
自治会への加入は義務付けられているのか?
自治会は住民同士が集まって造った任意団体であり、公的な団体とは異なります。
そのため、絶対に加入しなくてはならないという義務はありません。
特に都市部では各世帯でライフスタイルが異なっていることから近所付き合いへの意識が薄く、自治会に加入していないケースも多いです。
場合によっては自治会すら存在していない場合もあるでしょう。
ただし、地域によっては自治会に加入することが推奨されており、参加することが暗黙の了解になっている場合もあります。
また、高層マンションのように居住する人が多いマンションでは、地域とは別にマンションの自治会を形成しているケースもあり、義務ではないものの加入を求められることもあるようです。
自治会とマンション管理組合の違いは?

マンションにはそもそも自治会とは別に「管理組合」という団体も存在します。
管理組合も自治会と同様に、マンションに住んでいる人で構成された団体です。
しかし、自治会とは大きく異なる点があります。
マンションの自治会と管理組合では具体的にどのような違いがあるのか、解説していきましょう。
管理組合とは?
マンションの管理組合とは、マンションの維持・管理を担う団体です。
共用部のエレベーターや廊下、ロビーなどで不具合が生じた際の対応や、ゴミ出しのマナーなどが守られていない場合の対応などは管理組合が担当します。
また、マンションの長期修繕計画の作成・変更や修繕積立金の管理なども行います。
目的が異なる
マンションの自治会と管理組合の違いとして、最初に挙げられるのは「目的」です。
自治会と管理組合はどちらも暮らしやすい環境を作ることを目的としていますが、管理組合はどちらかというとマンションの設備や建物の維持管理による環境整備が主な目的となっています。
一方、自治会も清掃などで環境整備は行っているものの、主体となるのは住民のつながりを深めていくことです。
清掃活動や安全を守るための活動など、住民同士のつながりを重視することで暮らしやすい環境を目指しており、建物の管理などは行っていません。
加入義務が異なる
上記でもご紹介したように、マンションの自治会に加入義務はありません。
そのため、同じマンションに住んでいる人の中には自治会に加入している人もいれば、そうでない人も存在します。
管理組合の場合はマンションを所有している人であれば全員加入しなければいけません。
これは区分所有法という法律で定められており、区分所有者全員が組合員となります。
また、区分所有マンションで2人以上の区分所有者がいれば、法律上自動的に管理組合が組成されることになるため、管理組合への加入を回避することは不可能と言えます。
なお、管理組合は区分所有者の加入は義務となっていますが、賃貸契約で住んでいる人は加入する義務がありません。
マンションの自治会に加入するメリット

マンションに住んでいる人の中には「管理組合があるなら、自治会に加入するメリットはそこまでないだろう」と考える人もいるかもしれません。
しかし、自治会は管理組合と活動の目的が異なっているため、様々なメリットを得られる場合もあります。
ここでは、マンションの自治会に加入するメリットについてご紹介しましょう。
マンション住民と交流を深められる
日本では以前まで1つの家に複数の世帯が同居する「拡大家族」が主流でした。
しかし、時代と共に家族の考え方が変わり、地元を離れて都心で生活する人や、複数の世帯が居住できるほどの家を確保するのが難しい人などが増え、「核家族」が増えていったのです。
また、近年は晩婚化が進んでおり、単身世帯の数も増えています。
こうした核家族や単身世帯は、地域とのつながりが薄くなりやすく、周りに住んでいる人はどんな人なのか知らないケースがほとんどです。
住民同士の交流を深めることを目的とする自治会に加入すれば、年代や子育て世帯などに関係なく、住民同士での交流を深められます。
地域情報が入手しやすくなる
自治会の活動内容でもご紹介したように、積極的に地域の情報を共有・拡散しているため、加入することで地域情報を入手しやすくなるというメリットがあります。
例えばマンション付近の道路で行われる工事の日程や、近くの医療機関の休診日、新しい公共施設がオープンすることなど、その地域に住んでいる人にとって役立つ情報が入手できます。
地域情報が素早く入手できれば対策したり、予定を立てたりすることも容易です。
生活をより快適なものにしたい場合は、地域情報を入手しやすい自治会への加入を検討してみましょう。
防犯対策がしやすくなる
自治会に加入することで、地域はもちろん自身の防犯対策にもつながる点はメリットと言えます。
例えば自治会に加入することで、参加している人に顔と名前を覚えてもらえます。
住民であることがわかると安心感もあり、何かあった時もお互いに頼りやすくなるでしょう。
また、顔なじみが増えれば誰がマンションに住んでいる人で、誰が不審者なのかも判断しやすくなります。
万が一不審者だった場合でも、自治会に加入して情報共有がスムーズに行える環境であれば不審者情報をすぐに共有でき、防犯対策の強化が行えます。
災害時の助け合いにつながる
大きな自然災害が発生した場合、多くの人がパニック状態に陥ってしまいます。
混乱している中で何とか避難しようとした結果、途中で子どもとはぐれてしまうというケースも起こり得るかもしれません。
しかし、自治会に加入して近隣の人と顔なじみであれば、協力してはぐれてしまった子どもを探してくれる場合もあります。
また、地震によって家具が倒れてきて動けない状態に陥った場合、一人であることを知っている近隣の人が声を掛けに来てくれる可能性もあります。
このように、事前に交流を持っていたことで助けられるケースもあるのです。
いざという時の備えとして、自治会に加入しておくのも良いでしょう。
子ども向けのイベントに参加しやすい
自治会では季節に合わせて様々なイベントを企画・運営しているところもあります。
中には子ども向けのイベントを運営しており、自治会に加入していなくても参加することは可能です。
しかし、自治会に加入していない場合はイベント情報を知る機会が少なく、気付いた時にはイベントが終わっていたということもあるかもしれません。
自治会に加入していればイベントの日程なども共有され、参加しやすくなるでしょう。
子ども向けのイベントに積極的に参加することで、家族ぐるみの交流も増え、同じ子育て世帯での助け合いにもつながります。
会社などでは経験できない特別な体験ができる
自治会の活動は利益が発生するものではないため、基本的にはボランティアで行われます。
活動資金は助成金などで賄われますが、収益が出るものではありません。
利益を出すことを目的に活動する会社とは異なり、ボランティア精神を体験できる貴重な場と言えます。
特に欧米と比べてボランティア活動が一般的ではない日本では、報酬が発生しない関係性やつながりを得られる機会は少ないです。
ボランティア団体に所属するよりも手軽に参加できる自治会は、会社などで経験できない特別な体験を得られるでしょう。
マンションの自治会に加入するデメリット

マンションの自治会に加入することで様々なメリットがあることをご紹介しましたが、その一方でデメリットに感じてしまう部分もあります。
具体的にどのようなデメリットがあるのか、解説していきましょう。
費用がかかる
マンションの自治会に参加すると、毎月会費の支払いが求められます。
ほとんどの自治会は100円~数百円程度ですが、場合によっては1,000円以上かかるところもあれば、入会費用として数万円かかる場合もあります。
費用に悩んでいる場合は、まず活動内容や会費がどのようなことに使われているのか確認し、納得できたら加入を検討してみるのも良いでしょう。
なお、会費の使用用途には以下のようなものが挙げられます。
・集会所や公民館の電気代
・ゴミ収集場を掃除するための用具
・資料作成費用
・イベントやレクリエーション費用
地域の活動に無償で参加しなくてはならない
自治会への加入は任意であり、また活動に参加するかどうかも任意となっています。
しかし、場合によっては他の会員や会長から参加を求められる可能性もあるでしょう。
地域のお祭りの運営スタッフや防災訓練のサポート、地域の美化活動など、各種イベントに時間を作って参加しなくてはなりません。
しかも、これらの活動はすべて無償で行うことになります。
どれくらいの頻度で活動しているか、断りやすい雰囲気かどうかは自治会によっても異なります。
万が一仕事などが忙しく、活動に参加する頻度が低くなる可能性も考えられる場合は、あらかじめ加入する前に自治会へ相談しておくと良いでしょう。
役員になる可能性もある
自治会には管理組合と同様に役員が存在します。
役員は自治会費の回収・管理やイベントの企画・運営など、自治会における様々な活動を率先して担う必要があります。
地域活動に対してより積極的に参加していくことになるでしょう。
自治会ごとに役員の決め方は異なっており、くじ引きや多数決などで決まる場合もあります。
持ち回りで全員が役員を経験するようになっている自治会もあることから、自治会に加入したいものの役員にはなりたくないという方は注意してください。
時間を拘束される
自治会に加入して地域活動に参加するということは、それだけ地域活動に時間を使うことになります。
さらに役員や会長などになれば、自治会を運営するための打ち合わせなどにも参加しなくてはいけません。
会合や役員会などに参加する場合、平日の夜や休日に行われる地域もあることから、その分プライベートの時間を拘束されてしまうでしょう。
仕事で忙しい人だと貴重な休日を自治会の時間に費やすこととなり、十分に体を休められないケースもあるかもしれません。
どうしても会合などに参加するのが難しい場合は、リモートでも参加できるかなどを確認しておくと安心です。
高齢化や加入率の低下といった問題点もある
自治会は基本的に若い世代の加入率がそこまで高くありません。
加入していたとしても活動への参加率が低く、役員を希望する人も少ないのが現状です。
そのため、多くの自治会では高齢化や加入率の低下が問題視されています。
コミュニティの高齢化が促進すると、大きな負担がかかる役員は務められないと辞退する人も増えます。
そうなれば役員になる人がほとんどいなくなってしまい、一部の役員にはさらなる負担がのしかかってしまうことになります。
こうした問題を解消するためにも若い世代を取り込みつつ、活気あふれるコミュニティを形成するためには工夫が必要です。
例えば地域活動のデジタル化などが挙げられます。
回覧板をメールやアプリでの配信に置き換えたり、Web会議ツールを使って役員会を実施したりするなどです。
デジタル化が進むことによって役員の負担が軽減され、加入してくれる若者も増える可能性があります。
マンションの自治会への加入をうまく断る方法

もしマンションの自治会への加入を勧められた場合、基本的には加入はあくまで任意となっているため断ることは可能です。
しかし、加入しないことで自治会に加入している人との関係性が崩れてしまうなどに発展する可能性もあるかもしれません。
そこで、マンションの自治会への加入をうまく断る方法について解説していきましょう。
断る際のポイント
断る時のポイントとして、相手の気持ちにも配慮しながらはっきり断ることが重要となってきます。
・謝罪と加入できない理由を伝える
相手から加入を勧められた際に、自分が言われて嫌な断り方はしないことが大切です。
理由もなく「加入できません」と伝えると、自身を拒否された気持ちになってしまい、嫌な気分になることも考えられます。
そのため、嫌な断り方にならないためにも謝罪と加入できない理由を伝えるようにしましょう。
断る理由は「仕事の兼ね合いで活動に参加するのが難しい」「土日に仕事をしている」など、一般的な理由で問題ありません。
他にも以下のような理由をつけて断ってみましょう。
・経済的な理由から加入するのが難しい(会費が数万円以上する場合など)
・体調面が心配
・家族の介護をしなくてはならない
・他の活動に参加しており、休日はそちらの活動で身動きが取れない
・転勤が多く、何年も居住できない など
ただし、嘘をついてしまうのはNGです。
嘘をつくと後々嘘だとバレてしまった時に、地域住民との信頼関係が構築できなくなってしまいます。
・曖昧にはぐらかすような言葉は使わない
曖昧に加入をはぐらかすように伝えてしまうと、相手から何かと理由をつけて加入を要求される可能性があります。
場合によっては相手の押しが強く、負けてしまうこともあるでしょう。
そうならないように、伝える時は曖昧にならないよう明確に断ることが大切です。
加入後に退会したい場合はどうする?
自治会員に勧められてマンションの自治会に加入したものの、どうしても退会したい場合はその旨を会長に伝え、退会届を提出しましょう。
退会する際にも上記でご紹介したポイントを押さえて、明確に退会する意思を伝えることが大切です。
退会届には書類作成日と退会届の宛先、自身の名前、連絡先を明記して提出してください。
なお、今後も同じ地域で暮らしていくのであれば、良好な関係を保ったまま退会したいと思う方も多いはずです。
良好な関係を保つためにも、退会理由に問わず感謝の気持ちを伝えておきましょう。
マンションの自治会で起きやすいトラブルとは?

マンションの自治会に関して、様々なトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。
どのようなトラブルがあるのかを事前に確認しておきましょう。
知らないうちに自治会の役員に任命されていた
自治会の役員になると会合や役員会に出席しなくてはならないことから、自治会員に比べて業務負担が大きいと言われています。
仕事との関係上、自治会に加入することはできるものの役員になるのは難しいという人も少なくありません。
しかし、役員になることは難しいと前もって伝えていても、いつの間にか自治会の役員に任命されてしまっていたケースがあります。
役員の担当が持ち回りで、全員が役員にならなくてはいけないのであればまだ理解できますが、高齢化が進む自治会では役員の業務負担をこなせる人が少ないため、若い世代が優先的に選ばれる傾向にあるようです。
任意団体であるのに自治会役員になることを強制されてしまい、トラブルに発展する可能性があります。
高額な寄付金を要求された
自治会の活動では、基本的に会員から集めた会費で活動費を賄っています。
しかし、活動内容や支払った会費の使用用途がわからず、出費に負担を感じている方もいるでしょう。
毎月数百円程度でも、何年も住み続けていれば大きな金額になってくるため、トラブルに発展する可能性があります。
また、寄付金に関するトラブルとして、以下のような事例もあります。
自治会の活動内容として募金活動を行っており寄附金活動を行っていたものの、集金業務の負担が大きいため、自治会は自治会費を増額し、その分を寄付する提案がなされました。
しかし、会員から「寄付は本来個人の意思に委ねられるもので、強制的に徴収するものではない」と増額を拒否する人が現れたのです。
その結果、裁判へと発展しています。
このケースでは自治会側の行動(自治会費を増額して増額分を寄付する)は、思想や信条の自由を侵害し、公序良俗に反していると判決を受けていました。
断ったことで嫌がらせを受けた
自治会への加入や役員になることを拒否した場合、他の自治会員から嫌がらせを受けてしまう場合もあります。
例えば、自治会への加入を勧められたものの仕事の関係で断ったら、ゴミ収集場の利用を制限されてしまうという嫌がらせを受けていたケースがあります。
ゴミ収集場の利用を制限した自治会側の意見は、自治会に加入する全員で管理しており、自治会に加入しないと収集場を使えないというものでした。
実際に、自治会はゴミ収集場の掃除を持ち回りで行っていたり、カラス対策用にネットを購入したりするなど、きちんと管理は行われていました。
しかし、だからといってゴミ収集場の利用を制限されてしまうと、生活にも支障をきたしてしまう恐れがあります。
また、住み始めてから10年以上ゴミ収集場を自宅前に設置され続けるという嫌がらせを受けたケースもあります。
このように、嫌がらせを受けてしまう可能性もあることから注意が必要です。
加入していないことで地域のイベントに参加できなかった
自治会の中には加入していないことで地域のイベントに参加できないケースもあります。
例えば地域のお祭りを楽しみに自治会に加入したところ、新参者だからと神輿を担ぐことを許されず、裏方に回されてしまうなどです。
せっかく活動を楽しみにしていたのに、「まだ入ったばかりだから」という理由で蔑ろにされてしまうと、「加入しなければ良かった」と思われても仕方ありません。
自治会で起きたトラブルの相談先

万が一自治会でトラブルが発生した場合、どこに相談すれば良いかわからず、悩んでしまう方も多いでしょう。
自治会で起きたトラブルの相談先は以下のとおりです。
自治体
トラブルの相談先にも様々な種類がありますが、特におすすめしたいのが自治体(役所)への相談です。
まずは自治会の会長に相談する方法も考えられますが、会長がトラブルを生み出す原因となっている場合や、会長が他の自治会員の行動を黙認しているケースもあります。
そのため、万が一トラブルに巻き込まれてしまったら自治体(役所)に相談してみましょう。
弁護士
自治体に相談したものの、なかなか解決につながりにくい場合には弁護士に相談するのもおすすめです。
弁護士に相談するのはハードルが高いように感じられるかもしれませんが、30分無料で相談に応じてくれる法律事務所が多いですし、弁護士会が運営する法律相談センターに問い合わせれば、相談にもきちんと応じてもらえます。
また、「法テラス」と呼ばれる国によって設立された機関を活用すれば、法律に関するトラブルを解決するために欠かせない情報・サービスの利用が可能です。
警察
自治会のトラブルが原因で嫌がらせを受けている場合は、警察への相談も考えておきましょう。
ただし、警察は基本的に民事不介入であることから、刑事事件に発展している場合や刑事事件に及ぶ可能性がある場合のみに対応してくれます。
そのため、相談する際は嫌がらせを受けている事実が明確にわかる証拠を用意することが大切です。
証拠を収集する方法としては、以下の方法が挙げられます。
・自宅前に防犯カメラを設置する
・騒音や異臭の度合いを専門業者に調査してもらう
・問題が発生している日付や時間帯などを毎日メモしておく
・探偵を雇って問題行動の写真や動画を撮影してもらう
証拠があれば後日裁判に発展した場合でも重要な証拠として活用できるので、できるだけ集めるようにしてください。
また、緊急性のない場合に関しては警察相談用電話(#9110)の利用がおすすめです。
警察相談用電話は管轄警察の相談窓口につながり、生活の安全や平穏に関する悩みごとなどを相談できます。
基本的には最初に自治体へ相談し、解決できないようなら弁護士や警察に相談するようにしましょう。
今回は、マンションの自治会の加入義務やメリット・デメリット、自治会に関するトラブルと相談先についてご紹介してきました。
マンションの自治会は管理組合とは異なり、加入する義務がありません。
しかし、地域の人とのつながりを増やせることから、有事の際にもお互いに助け合いがしやすくなります。
メリットは多いものの、場合によってはトラブルに巻き込まれてしまうケースも考えられます。
自治会に関するトラブルに巻き込まれてしまったら、まずは自治体(役所)に相談して、解決が難しそうなら弁護士・警察に相談してみてください。