引っ越し先を探す中で、UR賃貸とは何かが気になっている人は多いでしょう。
UR賃貸とは公営住宅と同じだと思われがちですが、実は違います。
お得な駅チカ物件を探している人や広々とした住まいを探すファミリー、期間限定で住まいを探している人なら、UR賃貸も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
今回は、UR賃貸とはどんな物件なのか、メリット・デメリットは何かをご紹介していきます。
目次
UR賃貸とは?
UR賃貸とは、UR都市機構(都市再生機構)が運用する公的な賃貸住宅です。
民間の賃貸住宅とは異なり、公的機関である独立行政法人が運用しています。
UR賃貸住宅の特徴
UR都市機構は日本住宅公団として昭和30年に設立された独立行政法人です。
高度成長期に建設された団地が老朽化や住宅ニーズの変化で需要が低下する中、平成19年に「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」が公表され、団地再編への取り組みが始まりました。
これにより建て替え、リノベーションが行われ住みやすく再生された団地がUR賃貸住宅です。
公営住宅との違い
UR賃貸住宅とは公営住宅の一種であると説明されることもあるものの、実際には両者には大きな違いがあります。
そもそも公営住宅は低所得者向けに地方公共団体が運営している住宅です。
低所得者でも支払えるように家賃が低めに設定されています。
公営住宅に入居するためには定められた水準以下の収入であることが条件づけられています。
対して、UR賃貸住宅は定められた水準以上の収入があることが入居条件となっています。
また入居申し込みの方法も違い、公営住宅は抽選、UR賃貸住宅は先着順であることが一般的です。
UR賃貸住宅に住むメリット
UR賃貸住宅には様々なメリットがあります。
どのようなメリットがあるのか、一つひとつ解説していきましょう。
経済的な負担が軽い
UR賃貸住宅では民間の賃貸住宅の契約で必要な、礼金や仲介手数料、更新料がかかりません。
民間の賃貸住宅の場合は、入居時に敷金として家賃の1~3ヶ月分、礼金として家賃の1~3ヶ月分、仲介手数料として家賃の1ヶ月分、さらに2年毎に更新料として家賃の1ヶ月分が必要となるのが一般的です。
UR賃貸の場合も敷金として家賃の2ヶ月分が必要なものの、礼金や仲介手数料、更新料は不要で、経済的な負担が軽い点がメリットとなります。
また、UR賃貸にはお得な家賃プランがあるので、プランの対象になる人には経済的負担がさらに軽くなる点がメリットです
例えば、新婚世帯や子育て世帯なら「子育て割」、近くに二世帯で暮らすなら「近居割」、35歳以下なら「U35割」が適用され、通常の家賃より割引になるケースがあります。
今現在まとまったお金が手元になく、できるだけ初期費用を抑えたい人にとっても礼金や仲介手数料が無いUR賃貸は大きなメリットとなるでしょう。
さらに更新料が発生しないので、転勤族や学生など期間限定での住まいを探している人にもUR賃貸は経済的メリットが大きいと言えます。
保証人がいらない
保証人を頼めない人はもちろん、事情があって保証人を頼みたくない人にもメリットとなります。
民間の賃貸住宅に入居するためには保証人または保証会社の利用が必要です。
UR賃貸は自己責任で賃貸契約ができ、火災保険への加入義務もないため、手間がかからない点がメリットとなるでしょう。
改修されている住宅が多い
建物自体は古い物件も、多くのUR賃貸住宅はリフォーム・リノベーションなどの改修が行われています。
そのため室内はとてもきれいな物件がほとんどで、中には外装も美しくリニューアルしている物件もあります。
駅チカ物件も見つかる
高度成長期に開発された物件が多いため、広々とした敷地、公園や商業施設・病院など生活が便利な物件も多い点がUR賃貸の特徴です。
駅から徒歩10分以内など、理想的な立地の駅チカ物件もあります。
駅からのアクセスが良いUR賃貸は人気があり、グレードが高い部屋も多いです。
UR賃貸物件のデメリット
UR賃貸物件とは、魅力的なメリットがある物件だと飛びつく前に、デメリットもチェックしておきましょう。
戸数や立地が限定されている
UR賃貸物件は民間の賃貸住宅とは違い物件数が極めて少ないです。
もともと高度成長期に都市部に建設された物件なので、地方物件などはほとんどありません。
そして人気エリアの物件は特に空室も少ない傾向です。
人気エリアに住みたい人で、住まい探しの条件でエリアにこだわっている場合、希望の物件に出会えない確率は高いでしょう。
選択肢が狭い点はUR賃貸物件のデメリットとなります。
家賃が高め
住環境が魅力の一つなので、家にいる時間が極端に短いサラリーマンや学生には高めの家賃がデメリットになるでしょう。
改修の度合いに差がある
UR賃貸物件は築40年前後の物件を改修しています。
物件によってリフォーム・リノベーションの度合いが異なり、内装だけを変えた物件や全面的なリノベーションを行った物件、無印良品やイケアとのコラボ物件など、改修の度合いに差があります。
審査が厳しくスケジュールもタイト
UR賃貸物件は入居の審査や条件、スケジュールなども民間の賃貸物件とは異なっています。
まず、入居の条件として平均月収が基準を上回っていることが必要です。
例えば単身者で申し込む場合の基準額は、家賃が62,500円未満の場合は家賃額の4倍の月収が必要となります。
また、国籍についても決まりがあり、日本籍か永住権を持つ外国人であり、自ら居住することが求められます。
そしてスケジュールもとてもタイトで、希望の部屋を借りるためにはホームページをこまめにチェックし、営業センターに頻繁に問い合わせをしなければなりません。
先着順のため条件の良い人気物件はすぐに埋まってしまうからです。
そして、仮申し込みから1週間以内に1回だけの内覧、本申し込みは内覧できる最終日の翌日から1週間以内となっています。
じっくりと比較検討しながら住まいを探したい人にとっては、タイトなスケジュールがデメリットになるでしょう。
まとめ
UR賃貸とは、日本が高度成長期だった頃の団地を新しく住みやすくした物件です。
環境が良く、経済的なメリットもあるので人気となっています。
条件の良い物件に出会えれば、多世代交流などもできる魅力的な環境で生活ができます。
ぜひ、住まい探しをする際には、UR賃貸のメリット・デメリットを把握しながら検討してみてください。