賃貸住宅の網戸の張り替えは自分で行うべき?正しい対処法とは

網戸

窓に網戸があると、窓を開けても虫が侵入することなく、外の空気を室内に取り入れられるのでとても便利です。
しかし、賃貸住宅の網戸が破れてしまったり、壊れてしまったりした場合は自己責任になるのか、大家さんなどに伝えるべきか悩むこともあるでしょう。
この記事では、賃貸住宅の網戸の扱いについて解説していきます。
網戸について悩んでいる方は、参考にしてみてください。

目次

網戸が破れた時は自分で張り替えるべき?

網戸

入居時からある網戸は、自分で張り替えても問題ないのでしょうか?

勝手に張り替えするのはNG

網戸に関してですが、入居時にどのような扱いになっているかを確認する必要があります。
もし、網戸が賃貸借契約上消耗品となっている場合は、入居者自身で張り替えても問題ないでしょう。
心配な場合は、管理会社もしくは大家さんに確認すると安心です。
賃貸借契約で消耗品として扱っているものの、場合によっては大家さんの善意で網戸の張り替えをしてくれることもあります。
また、網戸が設備に含まれている場合はボロボロでも破れていても勝手に張り替えることはできません。

張り替えて欲しい場合は、必ず管理会社もしくは大家さんに連絡し、破れている部分やボロボロになっていることを伝えましょう。

老朽化によるものか過失かを明確にしよう

網戸が破れていたりボロボロだったりする場合、網戸にすることで虫が室内に侵入したり換気ができなかったりと不便に感じることでしょう。
しかし、不便だと思っても管理会社もしくは大家さんに連絡せずに勝手に交換することは避けてください。
もし、勝手に業者を手配して張り替えてしまえば、自宅に業者が出入りすることになり、そこで管理会社や大家さんと鉢合わせになってしまえばトラブルになる可能性が高いです。
また、勝手に網戸を張り替えてしまえば破れた原因が老朽化によるものか、過失によるものかを判断できなくなります。
自然に破れたり剥がれたりした場合は老朽化の可能性が高く、大家さんや管理会社など貸主の負担として請求できます。
ただし、破れに気が付いてすぐ連絡しないと経年劣化と認められずに修理費用を請求される場合もあるので早急に連絡しましょう。

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賃貸住宅における網戸の取り扱いとは

網戸

そもそも、網戸は賃貸物件でどのような取り扱いになるのでしょうか?
実は、網戸に関しては法律などで決められたものではないため、賃貸借契約書での取り決めによって変わってきます。
ここでは、賃貸住宅における網戸の取り扱いについて解説します。

網戸は消耗品扱い

賃貸借契約書には、消耗品や備品に関しての取り決めも記載されています。
これは、それぞれの賃貸住宅によって様々な消耗品や備品が備わっているからです。
一般的には、建物の一部とされるものであっても、取り替えができるものは備品もしくは消耗品になることが多いでしょう。

例えば、部屋の電球、障子、パッキンなども消耗品に該当します。
網戸も消耗品扱いになることが多く、この場合は入居者が負担して交換しなければなりません。
東京都では、賃貸住宅紛争防止条例を設けていて、その中で網戸を消耗品ではなく、次の入居者確保のために行うと位置付けています。
地域によって差が生じる場合もあるので、明確な取り決めが記載されていない場合は確認してみましょう。

設備として扱われることもある

賃貸借契約書の中で、網戸を設備として扱うこともあります。
設備として扱われている場合、貸主の負担で修繕しなければなりません。

設備に該当するものは、他にもエアコン、ウォシュレットなどがあり、最初から備え付けられているものです。
賃貸借契約書に明確な記載はないものの、入居時から窓に網戸が設置されている場合は設備に該当するケースが多いでしょう。

その場合は、大家さんもしくは管理会社に確認してください。

入居時に破損していた場合はどうなる?

入居した際に、網戸までチェックすることは少ないでしょう。
そのため、気が付いたら網戸が破れていたというケースも少なくありません。
網戸を使う時になって破れていたことに気が付いた場合、入居から間もない時期であれば管理会社もしくは大家さんに連絡しましょう。

時間が経過している場合、入居時から破損していたと信じてもらえない場合もあります。
そのまま放置しておくと、入居後に破損したとみなされて修繕費を請求される可能性もあるので、早めの連絡を心掛けましょう。
また、網戸の破れ以外にも網戸を開閉してみて外れていないか、パッキンが壊れていないかも確認してください。
網戸が原状回復費に含まれた場合、業者による修理となります。
費用は大きさによりますが、1枚2,000円~5,000程度かかる場合もあり、設備扱いでは賃借人負担になるので注意しましょう。

網戸が劣化する原因と張り替えの目安

網戸

虫の侵入を防ぐための網戸ですが、劣化した状態で使っていると効果を発揮しません。
そこで、気になるのが網戸の劣化原因と張り替え時期です。
では、どのタイミングで張り替えるのでしょうか?

網戸が劣化する原因

まずは、網戸が劣化する原因について解説していきます。

・紫外線
網戸が劣化する大きな原因は紫外線によるものです。
一般的な網戸の材質には、ポリプロピレンが使用されています。
プラスチックの代表的な存在であり、軽量なことから網戸にも用いられています。
しかし、ポリプロピレンは熱を加えると変形してしまう特性があり、反りやすいです。
そのため、紫外線を浴びやすい位置にある場合は劣化速度も速くなってしまうでしょう。

網戸の見た目に問題はないものの、虫が入ってくるようになった場合も紫外線によって耐久性が失われている可能性があります。

・開閉時
網戸を頻繁に開閉する場合、この行為が網戸の劣化を招く恐れがあります。
何度も開閉することで、スムーズに網戸を動かす車輪が歪んだり、削れたりすることがあり、これによって網戸そのものの動きが悪くなるのです。

・雨風
雨や風の当たりが強い位置にある網戸も、劣化を早める原因の1つになります。
網戸は過酷な環境にあるため、雨で濡れる、日光に当たる、強風にさらされるなど、頻繁にダメージを受けている状態です。

風が強く吹き込む位置にある網戸は、大きな負担がかかってしまい、その結果劣化が早くなるでしょう。

・ペット
ペットを飼っている場合、ひっかいたり衝突したりすることで網戸が劣化する場合があります。
子猫が網戸によじ登ったり、外に出たくて頭突きしたりして穴を広げたり、歪んだりすることも珍しくありません。
犬も網戸に頭を押し付けたり、何度も掻いてしまったりすることがあり、ペットがいるかいないかで寿命も変わってきます。

劣化した状態で放置するのは避けて

上記の内容が原因で網戸が劣化してしまった場合、そのままの状態で放置するのは避けましょう。
網戸が劣化したままだと、思わぬトラブルが起こる可能性があります。
どのようなトラブルが起こってしまうのでしょうか?

・虫の侵入
虫が侵入しないように設置されている網戸ですが、それが劣化したまま正しく機能しなければ室内に虫が入ってしまいます。
小さな隙間では蚊やハエが入りやすく、蛾やハチが入り込んでしまっては危険です。
ゴキブリが侵入する可能性もあるので、劣化した状態で放置するのは避けましょう。

・空き巣に狙われる
劣化している網戸をそのままにしておくと、空き巣に狙われる可能性があります。
空き巣は、防犯意識が低い家や、無頓着な外観の家は戸締りが甘いと判断するからです。

目立たない位置の網戸なら早急に直さなくても問題ありませんが、大きく穴が開いていたり破れていたりする場合は、空き巣に狙われる可能性が高いので早めに対処しましょう。

・人体への影響
網戸の素材であるポリプロピレンは、安全性が高い素材ですが、直射日光に弱いので劣化しやすくなり、低温になると脆くなってしまいます。
そのため、劣化してしまった網戸を放置するとより早く劣化してしまうのです。
網戸の劣化を放置したままにすると、網戸の素材であるポリプロピレンが粉末状になって空気中を舞ってしまいます。
ポリプロピレンそのものは人体に影響がないとされていますが、網戸についているホコリやごみなども舞ってしまうためアレルギーなどを持っている場合は影響がないとは言い切れません。

早めの対応を検討しましょう。

・ペットの脱走
劣化した網戸をそのままにしておくと、ペットが脱走するリスクも高まります。
劣化している網戸は脆く、些細な傷や力を入れることで破れたり穴が空いたりします。

猫や犬の爪とぎなどで大きく破れてしまう可能性も高く、そこから逃げてしまうと危険です。
ペットのいる部屋などの網戸は定期的にチェックしておくと安心です。

網戸は定期的な張り替えが必要

網戸は、特に太陽が当たりやすい西側、南側の網戸に関しては3年~5年、その他の方角に関しては6年~10年を目安に張り替えるのが最適です。
網戸が破れていないため、張り替える必要がないと思われるかもしれませんが、破れてからでは上記のようなリスクがあります。
劣化してからではなく、劣化する前のタイミングで張り替えていると大きな問題もなく快適な生活が送れるということです。

交換が必要になる場合も

網戸は何度も張り替えて新しくできますが、本体のフレームが壊れてしまった場合は網戸そのものの交換が必要です。
網戸の枠部分は、網よりも長い耐久性があり、10年程度は使用できます。

しかし、日当たりや天候などにより、予定よりも早めに交換時期が訪れる場合もあるでしょう。
網戸が動かしにくくなった、しっかり閉めていても虫が侵入してくる、網戸の枠や戸車が歪んでいる、動きにくくなったという場合は網戸本体の交換時期かもしれません。

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網戸の張り替えにかかる費用相場

網戸

網戸はプロに依頼する方法と、自分で張り直す方法があります。
自分で張り替えることもできますが、網戸の大きさによっては業者に依頼しなければならないケースもあります。
その場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

DIYで張り替えする場合

DIYで張り替えする場合、網戸の目の細かさ、機能性、大きさなどによって1枚500円~3,000円程度の費用が必要です。
網戸の張り替えが初めてであれば、網の他に網戸クリップ、網戸専用のカッター、網戸押さえローラー、ゴムなどが必要です。
ゴムは網戸の大きさによって使う長さが異なるので、網戸の大きさによって必要な長さも変わってきます。
そのため、DIYの場合は初期費用がかさんでしまいますが、自分の好きなタイミングで網戸を張り替えられるので便利です。

専門業者に依頼する場合

網戸を自分で張り替える場合、ちょっとしたコツが必要です。
一辺をキレイに張れたものの、他の部分を張り替える際に歪んでしまい、最初から張り直すケースも少なくないでしょう。
また、小さな網戸は張れるものの、大きな網戸となると歪んだからといって簡単に張り直すのも難しく、ゴムが思うように止められない、歪みを直そうとしてまた歪んでしまい、時間だけがかかったという場合もあります。
専用の道具やスペースも必要なため、数年に1度の張り替えなら業者に依頼するのもおすすめです。

網戸交換に関しては、1枚1,500円~4,000円程度が平均です。
これらの範囲内であれば、業者に依頼すると1日で網戸交換を終えられます。
さらに、戸車の交換、新品への交換などがあれば、一度業者から見積もりをもらうと良いでしょう。

修理の場合は業者に依頼できないことも

網戸の修理依頼を業者に検討している場合、内容によっては依頼できない可能性もあります。
それは、網戸に小さな穴が開いた時です。
網戸の小さな穴は何かが引っかかって空いた場合もあれば、動物の爪で穴が広がった場合もあるでしょう。
小さな穴に関して修理を請け負っている業者は少ないので、自分で修理するのが望ましいです。

網戸の小さな穴であれば、網戸に直接張る補修シートが販売されているのでこれを使うと簡単に修理できます。
穴が大きい場合も網戸補修テープを使えば、一気に穴を塞げるのでお得でしょう。
他にも、接着剤を使用していない網戸補修パッチ、ニトムズから協力補修シートも出ているので、補修したい穴の大きさなどに合わせて目立たなくさせても問題ありません。

自分で網戸の張り替えを行うメリット・デメリット

網戸

網戸の劣化に気付いた場合、業者に依頼するよりも自分で張り替えた方が早くて安く済むのでは?と考える方もいるでしょう。
ここでは、自分で網戸の張り替えを行うメリットとデメリットについて解説します。

メリット

自分で網戸の張り替えを行う場合は、費用・好み・タイミングといった点で大きなメリットがあります。
それぞれのメリットについて、以下で詳しく見ていきましょう。

張り替えにかかる費用が安い

業者に依頼する場合、網戸自体の費用はもちろん、人件費や手間賃といった費用も発生します。
一方、自分で張り替えた場合にかかるのは網戸の料金のみで、その網戸自体も値段が安いものを選べば、業者に頼むより断然コストを抑えられます。

好みの網戸に張り替えできる

自分の好きな網戸に張り替えられるのも、大きなメリットです。
ホームセンターには、色や形状が様々な網戸が豊富に取り揃えられています。

遮光性に優れたものや虫が入りにくいものなど、デザインだけでなく機能面でも、希望に合わせた網戸に交換できるのです。

張り替えのタイミングを決められる

業者に依頼するときは、あらかじめ日時を決め、予定を空けておかなければなりません。
忙しかったり先の予定が読めなかったりすると、作業日時を決めることすら難しく感じてしまいます。

また、急な用事が入ってキャンセルした場合は、キャンセル料が発生する可能性もあります。
自分で行うのであれば、仕事終わりや休日の少し時間が空いた時に、すぐに交換することができます。

デメリット

網戸の張り替えを自分でスムーズにできそうであれば、好きな網戸を選べ、好きなタイミングで作業でき、その上業者に依頼するよりも安く済ませられます。
しかし、網戸の張り替えに慣れていない方は、多くの手間がかかることと、場合によっては自分で交換できないケースもあるというデメリットも、しっかり理解しておきましょう。

手間がかかる

網戸の交換作業に慣れていないと、たった1枚張り変えるだけでも、予想以上に多くの時間と労力を要します。
自分で網戸を持ち込めば、交換作業のみ任せられる業者も存在するため、自力での網戸交換に不安がある方は、ひとまず業者に相談するのがおすすめです。

自分で交換できない場合がある

一般住宅の網戸には、様々なサイズの網戸が使われており、中には業者でなければ取り外しが困難なタイプの網戸もあります。
特に、比較的新しい住宅に多いロールタイプの網戸は、専門の道具を使用しなければならないこともあり、通常の網戸よりも交換が難しいとされています。

また、フレームがゆがんでいたり破損したりしている場合も、自分での交換が困難になります。
特殊な網戸を交換する時やフレームに不具合が生じている時は、業者に依頼した方が賢明です。

網戸の選び方

網戸

網戸を自分で張り替える場合は、まずどの網戸を使用するか決める必要があります。
素材、色、メッシュの細かさなど、様々な種類の中から、自分の希望に合ったものを選びましょう。

素材による効果の違い

網戸に使われる網の素材は、強度や使用目的によって異なります。
ここでは、主な網の素材をご紹介します。

・ポリプロピレン
多くの住宅で使用されている最も一般的な網戸の素材が、ポリプロピレンです。
見た目にコシがあり、安価なことでも人気ですが、5~10年で張替えが必要であり、耐久性の面では他の素材よりも劣ります。

・ポリエステル
ポリエステルは、見た目的には柔らかいですが、上記のポリプロピレンよりは線が太く強度が高いです。
見た目の柔らかさと、耐久性のバランスが良いものを求める方におすすめの素材です。
「ペットディフェント」といって、ビニールコーティングが施されたものも販売されており、猫が引っかいた程度では簡単に壊れないようになっています。

・グラスファイバー
ガラス繊維をポリ塩化ビニルでコーティングした網で耐熱・耐久性に優れています。
ほつれにくく、巻きグセも付きにくいので、比較的簡単に張替えられます。
落ち着きのある美しい色合いは海外でも人気があり、高級網に位置付けられています。

・ステンレス
網戸に使用される素材の中では最も耐久性に優れ、15~20年使用されることもあります。
汚れが付着しにくい、錆びにくい、通気性が良い、といった特徴があり、手入れの手間がかからないのがメリットです。
価格が高いため一般にはあまり流通していませんが、猫などのペットによる網戸の破損を防ぎたい方に選ばれることが多いです。

上記の他にも、防虫剤が練り込まれていて虫を寄せ付けない網や、水をかけるだけで汚れが落ちる網など、様々な機能を併せ持つ網が販売されています。

カラーは3色

網戸の色は白、黒、グレーの3色が一般的で、色ごとに見え方や効果が異なります。
それぞれの色の特徴は、以下の通りです。

・白(ホワイトグレー)
白系は網目模様が見えにくいので、外側から見ても内側から見ても網戸だと分かりにくく、外観を損ねません。
また、ホコリが付いても目立たないことや、光を反射するので目隠し効果が高いこともメリットです。
一方で、室内側からの景観も遮ってしまうため、外の風景を楽しむことが目的の窓には不向きです。

・黒
白系の網とは反対に光を反射しないので、室内から外の景色が鮮明に見えます。
しかし、外からも室内の様子が良く見えるため、人通りの多い道路に面した窓には向きません。
また、ホコリが目立ちやすく、こまめな掃除が必要です。

・グレー
白と黒、両方の特徴を併せ持っており、目隠し効果と透過性のバランスに優れています。
白に近い色ほど目隠し効果が高まり、黒に近くなるほど透過性が高まるので、好みに合わせて調整できます。

現在、網戸の色として主流なのは黒ですが、外から室内が見えやすいこともあって、プライバシーが懸念されます。
そこで近年は、内側は黒で外側はシルバーという網も販売されています。
価格は、白やグレーの1.5~2倍と高めですが、プライバシーの側面では優秀です。

メッシュのサイズ

網戸には、網目の細かさを表す「メッシュ」という単位があります。
メッシュとは、1インチ(2.54cm)あたりの網目の数を指し、数字が大きいほど網目が細かくなります。
主に流通しているのは、18、20、24、30、40メッシュで、中でも一般住宅に使用されることが多いのは、18や20メッシュです。
しかし、18や20メッシュだと、ハエなどの小さな虫が侵入してしまうこともあるため、微小な虫の侵入を防ぎたいのであれば、24メッシュ以上の網がおすすめです。

とはいえ、30や40メッシュでは網目が小さくて風通しが悪くなるという欠点も出てくるので、風通しを考慮する場合は24メッシュを選び、微小な虫には防虫剤などで対処するといった方法も考えましょう。

自分で網戸を張り替える方法

網戸

ここからは、実際に自分で網戸を張り替える方法を解説していきます。
業者に頼らず自分で張り替えようと考えている方は、参考にしてみてください。

網戸と押さえゴムのサイズを確認する

網戸を張り替えるにあたって、まずは網戸と押さえゴムのサイズを確認します。
網戸のサイズを確認する際は、ネットだけの長さではなく、枠まで含めた全体の長さを図ります。
途中で区切られていて2枚のネットを張り替える必要がある場合は、途中にある枠の端までを計測してください。
枠を含めた横幅が約90cmであれば、市販の網戸ネット(幅91cm)が使えます。
幅広の場合は、ネットが張られた部分の長さに約10cmの余裕を足して必要な幅を算出し、それに応じて120cm、140cm幅のネットを購入しましょう。
押さえゴムは、ネットを固定するために網戸の枠に固定されているのもので、サイズは3.5mm、4.5mmなど複数あります。
網戸の溝にマイナスドライバーを差し入れて、押さえゴムの端を少し引き出してから直径を図ると正確に測れます。

道具を準備する

網戸の張り替えには、張り替え用のネットと押さえゴムの他に、次の道具が必要です。

・網戸用ローラー
・カッターまたは網戸専用カッター
・プラスドライバー、マイナスドライバー
・クリップ
・ブラシなどの掃除用具

古い網を取り外す

必要な道具が揃ったら、古い網を取り外していきます。
まずは、「外れ止め」といって網戸を固定している部品を解除するため、網戸の上部にあるネジをプラスドライバーで緩めてから、カチッという手ごたえがあるまで外れ止めを下に降ろします。
網戸の左右に1個ずつついている外れ止めを解錠した後、網戸を持ち上げるようにして窓枠から外し、押さえゴムが見える側を上にして平らな場所に置きます。
押さえゴムの切れ目を探し、マイナスドライバーを差し込んでゴムの先端を浮かせたら、手で引っ張って枠からすべて外します。
これで、古いネットも簡単に外れます。

サッシ枠のホコリやゴミを綺麗にする

網戸のサッシ枠には、砂やホコリが溜まっていることが多く、そのままでは網戸を窓枠に戻す時に、室内に汚れが落ちる恐れがあるため、ブラシなどで綺麗に掃除しておきましょう。

網をセットして押さえゴムで固定する

新しい網を網戸枠の内側よりも約10cm大きめにカットして、枠と平行になるように置きます。
この時、枠の4辺をクリップで留めておくとネットがズレにくいです。

つづいて、網押さえローラーでネットを挟むようにして、押さえゴムを網戸の溝にはめていきます。
最初に、ゴムの先端から約5cmの部分を溝の角に押し込んでから、はみ出ている先端を90℃折り曲げ溝に押し込むときれいに仕上がります。
残りのゴムを、すでに押し込んだ箇所から近い順に溝へ押し込んでいきます。

枠からはみ出た部分をカットする

ネットは大き目にカットしてあるので、枠からはみ出る部分があるはずです。
4辺の溝にゴムを押し込み終えたら、枠からはみ出た部分のネットをカットします。

網戸を窓枠に戻す

ネットの張り替えが済んだら、網戸を窓枠に戻します。
網戸の上部から下部の順で窓枠にはめた後、左右の外れ止めを上に押し上げます。
最後に、プラスドライバーでネジを締めて作業完了です。

自分で網戸の張り替えを行う際の注意点

網戸

賃貸物件の網戸を自分で張り替える際は、いくつか注意点があります。
これを知らずに張り替えてしまうと、後でトラブルとなる可能性があるので、必ずチェックしておいてください。

賃貸借契約書を確認する

賃貸契約書には、網戸を含む室内設備の修理に関して、決まり事が記されていることがあります。
自分で勝手に網戸の張り替えを行ってしまうと、費用が借主負担となるばかりか、契約違反などのトラブルになる恐れもあるため、事前に賃貸契約書の内容をしっかり確認しておきしょう。

窓枠が交換できないことがある

賃貸物件では、窓を共有部分としていることも多く、網戸の張り替えは許されていても、窓枠の交換は禁じられているケースもあります。
トラブルを避けるためには、やはり前もって賃貸契約書を確認することが重要です。

業者に依頼した方が良いケースもある

網戸の張り替えは、慣れている方にとってはそれほど難しくない作業ですが、以下のようなケースでは業者に依頼することも検討すべきでしょう。

・1枚だけ張り替える場合
網戸を張り替えるには、張り替え用の網だけでなく、押さえゴムや網戸ローラー、カッターなども揃える必要があります。
1枚張り替えるために、それらの道具をすべてそろえるのは割高であり、自分で張り替える手間も考えると、業者に依頼する場合と比べても費用に大差はありません。
むしろ自分で張り替えるのと変わらない値段で、プロに張り替えてもらえるなら、業者に頼んだ方がお得と言えます。

・アレルギーが心配な場合
花粉症やホコリアレルギーまたは呼吸器系の持病がある方は、自分で網戸の張り替えを行うのは避けた方が賢明です。
網戸には、花粉やホコリ、PM2.5などが付着していることが多く、網戸を張り替える際にそれらを吸い込むことで、症状が悪化する恐れがあります。

・初めて網戸の張り替えを行う場合
網戸の張り替えに慣れたプロの業者であれば、作業時間は1枚につき5~15分ほどですが、初心者の場合は、1枚張り替えるのに30分以上はかかると覚悟しておきましょう。
特に、押さえゴムを溝にはめ込んだり、ネットを綺麗にカットしたりする作業は、慣れていないと手間取って、時間と体力を消耗してしまいがちです。
また、かがんで作業することが多いので、腰への負担も心配です。
そうして時間や体力を消耗して張り替えたとしても、初心者ではどうしても網にたるみや緩みが生じてしまうものです。
家全体の網戸を張り替える場合は、1日で終わらない可能性も十分考えられます。
そのため、網戸の張り替えに時間をかけたくない方や、自分できれいに張り替える自信がない方は、業者に依頼するのがおすすめです。

賃貸物件の網戸が破れたり、しっかり閉めても隙間が生じたりする場合は、網戸の張り替え時期です。
自分で網戸を張り替えることもできますが、たるみや緩みなく短時間で綺麗に張り替えるには、職人の技が必要です。
また、賃貸物件の網戸は共有部分に指定されていることも多く、自分で勝手に張り替えてしまうと、トラブルになる可能性もあります。
網戸の張り替えが必要な時は、事前に賃貸借契約書を確認するか、管理会社や大家さんに相談するようにしてください。