市街調整区域に家を建築する裏ワザがある?!やり方を解説

市街化調整区域

家を建てるためには土地が必要不可欠です。
土地には、市街化区域と市街化調整区域の2種類があり、各自治体によって指定されています。
市街化調整区域に指定されているエリアには、家を建設することは不可能とされていますが、実際には区域内に住んでいる人もいます。
では、なぜ禁止されているにも関わらず、区域内に家が建っているのでしょうか?
今回は、「市街化調整区域に家を建設する裏ワザはあるのか?」についてご紹介します。

市街化調整区域について

市街調整区域

そもそも、市街化調整区域とは一体どのようなエリアのことを言うのでしょうか?
我が国の都市政策の一つとして設けられている市街化調整区域には、原則として建物を建てることは不可能です。
無秩序な市街化を防ぐために、市街化開発をせず、都市化することを抑制するために設けられているエリアです。

戦後の高度経済成長期では、都市部の人口が大幅に増加したことに伴い、住宅地の乱開発が行われていました。
中でも、乱開発による大きな被害を被ったのは農地です。
農地は、農地転用によって宅地に変更することも可能ですが、農地が減少することによって、我が国の農業は衰退してしまう恐れがあります。
万が一、農業が衰退すると今よりも食料自給率が低下し、海外からの輸入に頼らざるを得ない状況に発展してしまう恐れがあります。
海外からの輸入に頼っていると、世界情勢の影響を受けやすくなるため、何か起こった際に食料が十分に届かないといった問題が発生する可能性が高いです。
市街化が進むのは、ただ単に農地が減少してしまうだけでなく、その先に様々な問題が待ち受けていることを考えなければいけないのです。
しかし、区域内には家が建っており、実際にそこで生活をしている人もいます。
これは、例外によって家を建てることが認められているからです。

市街化調整区域は、制限が多いことから重要が少ない傾向にあるため、土地や建物の価格や固定資産税が安い傾向にあります。
少ない資金でも土地活用をすることができるほか、固定資産性が安いことで、コストを大幅に削減できるのが魅力的です。

また、自然環境が良いほか、交通量なども少なく、周辺は閑静な環境となっている場合が多いため、騒音に悩まされることもありません。
静かな環境で暮らしたい人にとっては最適な土地だと言えます。
ただし、学校や病院、商業施設などの施設が近くにない可能性が高いため、生活する上での利便性が良いとは言えません。
また、助成金の対象外になること、売却が困難になることなど、市街化調整区域ならではのデメリットがあることも事実です。
市街化調整区域の土地活用を考えているのであれば、メリット・デメリットを加味した上で検討しましょう。

市街化調整区域に家を建築する方法とは?

家

結論から言うと、市街化調整区域に家を建設するための裏ワザはありません。
しかし、条件次第ではその区域内に建物を建てるのは可能であり、実際に市街化調整区域に建つ建物が存在しています。
では、一体どのような条件であれば建設が可能なのでしょうか?

調整区域開発許可・建築許可申請を得る

原則として市街化調整区域に建物を建設することは不可能ですが、農家の子(一般分家・大規模分家)である場合や、やむを得ない自己用住宅の場合は再建築が可能です。
また、家を建てようと考えている土地が、昭和45年以上前から謄本地目が宅地であった場合、許可が下ります。
このように、例外となるケースもあるため、区域内に家を建設したいと考えているのであれば、該当しているかどうか調べてみましょう。

6親等以内の親族が済む

都市計画法第34条に該当する場合のみ許可が下ります。
土地を所有している本人や、その親族が住む住宅であれば、市街化調整区域であっても家を建設することは可能です。

親族が住む場合は、6親等以内、または3親等以内であることが条件です。
都道県や市町村によって異なるため、あらかじめよく調べておきましょう。
区域に指定される前の既存住宅であった場合、建て替え後も同様の目的、規模であれば、問題なく建て替えできます。

許可なくできる土地活用も知っておこう

土地

ここまで、市街化調整区域に家を建設する方法についてご紹介してきましたが、実は許可がなくても市街化調整区域を土地活用することは可能です。
では、一体どのようなケースであれば無許可でも土地活用ができるのでしょうか?

太陽光発電を設置する

土地や建物を建設することを求めない範囲での太陽光発電システムの設置であれば、市街化調整区域であっても各自治体の許可は必要ありません。
区域内には大きな建物が存在しないため、太陽光を受ける面積が広くなることから、効率良く発電ができるようになります。

区域内ならではの特徴を活かした活用方法です。
また、太陽光発電は設置するだけで良いため、集客リスクを抱えずに済みます。
安定して経営ができるほか、一度設置すればランニングコストがかかることもありません。
ただし、電気エネルギーとなるのは太陽光であるため、日照の変化によって発電量が不安定になったり、節税効果が得られなかったりなどの懸念点もあります。

駐車場を運営する

土地に線引きをするだけであれば、建物の建設とみなされることはないので、駐車場として活用できます。
駐車場は土地を整地し、線引きをするだけであることから、初期費用を抑えられるのが魅力的なポイントです。
ただし、市街化調整区域は郊外に設定されているケースが多いため、駐車場として活用する上でどのように集客をするのか考える必要があります。
一般的に、月極駐車場やコインパーキングとして活用されていることが多いですが、立地環境によって需要があるかどうかは異なるため、しっかり考えた上でどちらの経営方法が適切か判断してください。

まとめ

市街化調整区域は、市街化を抑制することを目的に設けられているエリアであり、原則として家を建設することはできません。
しかし、例外によって建設が可能な場合もあるため、今回ご紹介したケースに該当している場合、都道府県知事からの開発許可を得られれば再建築が可能になります。
また、許可が不要な方法で土地を活用する場合は、不動産会社に相談することから始めるのがおすすめです。