駐車場経営の経費はどう考えれば良い?

駐車場

余っている土地の活用方法の一つとして駐車場の経営を考えている人もいるのではないでしょうか。
使用していない土地に駐車場を作ることで、利用した方から駐車料金を得ることができます。
初期費用も他の土地活用に比べて少なく済みますし、管理会社に管理を任せることで、自分ではとくに何もしなくても収入を得られます。
しかし、経費などの費用が全くかからないわけではありません。
今回は駐車場経営の経費について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

駐車場経営はどの所得に当てはまる?

駐車場

駐車場経営で得た所得は、事業の規模や運営形態によって不動産所得・事業所得・雑所得のいずれかに区分されます。
また事業の規模や所得の区分によって特別控除の金額にも違いがでますので、詳しく解説します。

事業所得と不動産所得のどちら?

これらは自動車の管理が経営者の責任で行われているかによって異なります。
管理者を置いたりフェンスで囲んだりと対策をして、自動車の傷や盗難等の行為に対する責任を経営者が負う場合は、事業所得か雑所得のどちらかになります。
しかし、自動車を駐車するスペースを提供しているだけの場合は不動産所得に分けられます。
また、事業所得と雑所得の違いは事業的規模によって分類されます。

受けられる控除は?

事業所得でも不動産所得でも青色申告をすることは可能です。
しかし、不動産所得で65万円の特別控除を受けるには、事業的規模だと認められる必要があり、より厳しい条件が課せられます。
確たる基準があるわけではないものの、不動産所得に区分される駐車場経営の場合は、大体50台以上の規模を有していることが事業的規模と認められる目安です。
しかし、駐車場が建物であれば台数関係なく事業的規模と判断されます。事業的規模と認められない場合は簡易帳簿による10万円の特別控除しか受けられません。
また、不動産所得で事業的規模と認められなければ、生計を同一とする家族への給与を、青色事業専従者給与として経費に算入することができず、白色申告でも同様です。
雑所得では青色申告ができないため、税務面から駐車場経営を考えると、事業所得か不動産所得で事業的規模と認められる規模が有利であると言えます。

駐車場経営で経費に計上できる費用

経費

駐車場経営における経費には計上できる費用とできない費用がありますが、土地の購入費や地代、賃料は経費として計上できません。
しかし、駐車場を経営するために土地を買ったり借りたりした費用は経費にならないものの、利子などの支払い手数料は経費に計上できるのです。
また、土地の購入の仕方によっては、かかった費用を一部経費に計上できるケースもあります。
経費として計上できるものは、税金や減価償却費、水道高熱費や管理費・修繕費に損害保険料があります。

経営を始めるまでに必要な費用は計上できる

駐車場の経営を始めるには土地の整備費や看板の設置費用、料金精算機や監視カメラなどの設備費用などさまざまな準備が必要になるため、こんなに初期費用がかかるのかと驚かれるかもしれません。
更地を駐車場にするには整地する必要がありますが、その費用は経費にすることができます。
土地の整備といっても、アスファルトにするか砂利にするのかでかかる費用が異なりますが、車が走れる程度に整える必要があります。
また、駐車場だとわかりやすいように看板や料金表を設置したり、精算機や監視カメラを設置したりするかによっても大きく費用は変わります。
もし管理会社に委託する場合には、どちらが負担するかなどは契約によるため初めに確認しておきましょう。

経営中に経費として計上できる費用は?

駐車場を運営していくうえでかかる費用が大きくわけて6つありますので解説します。

・管理費
駐車場を運営するには必ずかかる費用であり、設備の管理やメンテナンス、清掃やトラブル対応などがあり、人を雇った場合の人件費も含まれます。
管理会社に委託している場合は管理費を管理会社に支払うことになりますが、その費用が経費として計上できます。

・減価償却費
10万円を超えた初期費用は、耐用年数に応じて減価償却費として経費に計上することができます。
フェンスの設置やアスファルト舗装にかかった費用などがこれに含まれますが、10万円未満の場合には一括償却として経費に計上されます。

・水道光熱費
駐車場でも電気や水道は使用するため、水道高熱費もコンスタントに発生します。
特にコインパーキングでは照明などの電気代や清掃するために水道代がかかりますが、金額は駐車場の規模によって異なります。

・家族への給与上記の受けられる
控除にも記述したように、所得区分が事業所得である、もしくは特定の条件を満たし青色申告をしている場合には、生計を同一とする家族への給与は必要経費に計上することができ、節税対策にもなります。

・固定資産税
固定資産税だけでなく消費税や都市計画税など駐車場を経営するうえで発生する税金は経費に計上できます。
しかし、所得税は個人にかかる税金であり、駐車場の経営には関係ないため経費にはできません。

・不要資産の除去損・貸し倒れ損失
事業所得である、もしくは特定の条件を満たしている場合には、不要資産除去損の発生時に経費として全額計上できます。
しかし不動産所得の範囲内に限られており、駐車料金を回収できないなどの貸し倒れ損失でも同様です。

経費に計上できない費用もある

経費が多いほど節税対策になるため、ついあらゆる費用を計上してしまうかもしれませんが、何でも経費と認められるわけではありません。
基本的には接待費などの飲食費や家賃や車両費など駐車場を経営するうえで直接的な関係のないものを経費に含むことはできません。

まとめ

駐車場経営にかかる費用について、経費として計上できるものできないものについて解説しました。
土地の購入費用が経費として計上できないことを意外だと思われた方も多いのではないでしょうか。
経費として計上できる費用に関しても、いろいろな種類があります。全てを一気に覚えるのは難しいかもしれませんが、駐車場経営をしたいと考えているならば1つずつ調べながら知識を身に付けていく必要があります。
また控除に関しても、不動産所得で65万円の特別控除を受けることが難しいことも初めて知ったという人が多いでしょう。
始める際や運営していくなかでもある程度の費用はかかりますので、駐車場経営を始める際の参考にしてみてください。