壁紙の減価償却は6年?それ以降は1円って本当?

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減価償却は、入居している年数や壁紙を汚したり、破いたりした理由によって変動します。
意図的に壁紙を破った時と経年劣化によって破れやすくなっていた場合、借りている側の負担が大きく変わります。
壁紙の減価償却は、3年で5割まで減り、6年経過するとほぼなくなってしまうのです。
今回は、壁紙の減価償却が何年なのか、6年以上経過すると1円になるのか、といった疑問に答えていきましょう。

壁紙の減価償却について

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はじめに、壁紙の減価償却について解説していきます。

減価償却とは?

減価償却は、物の価値が時間の経過によって下がっていくことを意味します。
壁紙を何らかの不注意で破ってしまったら、借主が張替えのコストを負担しなければいけません。
しかし、破損した部分も経年劣化や通常損耗でダメージを受けやすい状態になっているので、その分はオーナーが負担することになります。
借主は、補修にかかるコストから、オーナー負担分を差し引いた金額を負担すれば良いのです。
借主が1年ほどで毀損させてしまったケースと、10年経過してから毀損させてしまったケースを比べてみましょう。
この場合だと、10年入居していた方が経年劣化や通常損耗の割合が大きいのは当然です。
そのため、修繕にかかるコストを同じだけ請求するのは公平性に欠けてしまうという見方ができます。
公平性を保つために、入居している年数が長ければ長いほど、借主が負担する割合は減少していきます。
これが減価償却の考え方です。

壁紙は6年入居すると1円に

壁紙は減価償却により、6年入居すると1円の価値になります。
しかし、壁紙に経済的な価値がある場合はこの限りではありません。
リビングやキッチン、寝室などは6年経過すると汚れなどが目立ってしまうので、それは当然だと言えるでしょう。
トイレや廊下、押し入れなどは汚れにくいので、同じような見方をするとは言い切れないのではないかと思う方もいるかもしれません。
確かにそれも一理ありますが、基本的に6年経過したら1円の価値になるケースが大半だと覚えておいてください。

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残存価値がなくなれば好きなようにして良いのか

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壁紙に価値がなくなってしまったら、好きなようにしても問題ないのでしょうか?
続いては、その疑問に答えていきましょう。

6年以上入居していて、壁紙の価値が1円であればどうしても問題ないと思う人もいるかもしれません。
確かに、価値がわずか1円であれば、負担は大した金額にならないため、問題ないのではないかと考えるケースも多いでしょう。
しかし、実際は破損や汚れの具合によって、借主が負担しなければいけないケースもあります。
小さい子どもがいる家庭では、賃貸物件を借りていた場合を仮定して借主の負担が必要になるケースを見ていきましょう。
小さい子どもがいると、壁などに落書きをしてしまう場合があります。
長年入居していたのであれば、壁紙に残存価値がないので納得できないと考える人もいます。
そのような場合、壁紙の修繕にかかるコストを敷金から差し引くことはできないかと問われる可能性が高いです。

確かに、通常損耗であれば敷金から差し引いたり、オーナーが負担したりすることができます。
しかし、壁紙への落書きは明らかに通常損耗ではありません。

この事例のように、明らかに通常損耗とは言えない破損がある場合は借主が負担しなければいけないことを覚悟しておかなければいけません。
もちろん、6年経過していれば壁紙の価値はほとんど皆無に等しくなります。
それでも、故意または過失で設備などが破損した場合は、修復するためのコストを負担しなければいけません。
これは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で定められています。
子どもがしてしまった落書きは、それを消すために必要な工事にかかるコストや人件費などを借主が負担しなければいけません。

耐用年数を超えた壁紙の原状回復義務は誰が負う?

原状回復

「耐用年数を超えた壁紙の原状回復義務は誰が負うのか?」という疑問は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を確認すると答えが見つかります。
長く入居していると、減価償却により壁紙の価値は0円や1円になると言われています。
これは、あくまでも善管注意義務を尽くしていた場合です。
善管注意義務は、民法第400条における「善良なる管理者の注意義務」を指します。
民法第400条では、借りている側が善良な管理者として特定物を保存しなければいけないといった内容が書かれています。

アパ-トなどの賃貸物件における特定物は、部屋や備え付けの設備を指すのです。
そのため、賃貸借契約で借主が使用する権利を認められたものが特定物に含まれます。
使用する権利が認められたとしても、好き勝手しても問題ないというわけではありません。

オーナーに返すまで借主自身が管理者という認識を持ち、大切に使わなければいけないのです。

善管注意義務に違反している例としては、借主の管理が不十分だったとみなされる破損や劣化が当てはまります。
床に飲み物をこぼしたまま掃除をせず、フローリングにカビが発生した・雨が吹き込んでいるのを放置して窓枠が腐敗した、といった例が挙げられます。
また、水回りの掃除を怠ってカビや汚れが発生した場合、釘やネジを使って壁に穴を開けた時に下地のボードまで損傷してしまった場合も、善管注意義務違反です。
善管注意義務違反に該当する損傷があった時は、借主が修繕のコストを負担しなければいけません。

耐用年数を超えた壁紙は、価値がないので借主が修繕のコストを負担する必要がないと思っている人も多いでしょう。
確かに、通常損耗や経年劣化のみであれば、オーナー側が負担してくれるケースが多いです。
しかし、明らかに借主が意図的に傷や汚れを付けているのであれば、自己負担となることも覚えておきましょう。

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まとめ

物の価値が時間の経過によって下がっていくことを減価償却と言います。
壁紙の場合は、3年で半分ほどの価値まで下がり、6年でほぼ価値は無くなるとされています。
通常損耗や経年劣化であれば、借主が修繕のコストを負担することはほとんどありません。
しかし、子どもが壁紙に落書きをしてしまった・窓から入り込んだ雨を放置してカビが発生してしまった、といったケースは、意図的に損傷させたとみなされてしまいます。
そのため、減価償却と関係なく修繕のコストをオーナーから請求される可能性が高いです。