賃貸経営と聞くとアパートやマンションが一般的ですが、一戸建てを貸し出す方法もあります。
一戸建てはアパート・マンションなどの集合住宅よりも得られる収入は少ないと言われていますが、うまく運用すれば十分に利益を出せる賃貸経営だと言えます。
しかし、「本当に儲かるのか」「管理は大変ではないのか」などが気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、一戸建てで賃貸経営を行うメリットや注意点、賃貸管理会社を利用するメリット・デメリットなどをご紹介します。
目次
一戸建てで賃貸経営を行うメリット
まずは、一戸建てで賃貸経営を行うとどのようなメリットを得られるのかご紹介します。
供給量が少ない割に需要は多い
一戸建ての賃貸経営は、アパート・マンション経営と比較すると投資効率が悪いと言われています。
しかし、その一方で需要は高くなっています。
例えば、子どもがいるため集合住宅には住めない、趣味の楽器を楽しみたいなどの要望や悩みを抱える層は、あまり生活音を気にしなくても良い一戸建てを希望する傾向にあります。
このような需要があるにもかかわらず競合が少ないため、貸し出せば比較的早く借り手が見つかりやすい、空室リスクが低いといったメリットがあるのです。
また、メインの入居者層がファミリーとなるため入居期間が長くなりやすく、安定した収入も期待できるでしょう。
戸数が少ないため管理の手間が減る
1つの敷地に一世帯のみが暮らすため、管理が楽になるというメリットもあります。
集合住宅の場合、複数の世帯が入居しているので管理に手間がかかりやすく、自主管理の場合にはお金の管理やトラブル処理などの対応に追われることになります。
一方で、一戸建て管理の相手は一世帯のみです。
集合住宅の場合、共有部分の清掃は大家さんや管理会社が担当しますが、一戸建てなら庭の手入れや掃除、植物の管理なども入居者自身が行ってくれるのが一般的です。
また、そこまで頻繁に退去されることもないので、退去時の清掃やリフォームなどが少ない点もメリットだと言えます。
そのまま売却することも可能
一戸建ての場合、入居者から「この物件を購入したい」と申し出を受けるケースもあります。
数年、何十年と長く住むケースは多く、その家や街に慣れ親しみ「このままこの家に住み続けたい」と思う方も珍しくありません。
貸し出している期間は賃料をもらえて、そのまま入居者に購入してもらえたら売却収入を得られるので、トータルで見るとただ売るよりも多額の収入を得られるチャンスがあります。
売却資金を使って新しい賃貸経営をスタートさせることも可能です。
入居者に売却できる点は、アパート・マンションなどの集合住宅にはない大きなメリットだと言えるでしょう。
一戸建ての賃貸経営で注意すべきこと
競合が少ない、売却も可能などの様々なメリットがある一戸建ての賃貸経営ですが、着手する際には注意点もあります。
続いては、どのような点に注意するべきかをまとめていきます。
住宅ローンを組んでいると貸し出せない
住宅ローンの残債がある家を無断に貸し出すと契約違反となり、違約金の発生や一括返済を求められてしまいます。
そもそも住宅ローンとは、契約者本人が暮らすための不動産の購入費用や諸費用の借り入れが目的の融資です。
契約者本人の居住が目的でなくなった場合は、賃貸住宅ローンなどに変更する必要があります。
ただし、建物の半分以上を自身の居住用として使っている賃貸併用住宅として運用する場合は住宅ローンの継続利用が可能です。
例えば、1階が自身の居住空間、2・3階を入居者に貸し出すといったケースで、その場合は住宅ローン控除の対象にもなります。
空室時や家賃の滞納リスクが大きい
需要の割に供給量が少なく入居者が見つかりやすいメリットはありますが、管理戸数が1戸の場合はその物件が空室になると家賃収入がゼロになります。
長期的に契約してくれる入居者さえ見つかれば安定した収入を期待できますが、退去後に新しい入居者が見つかるまでの期間は収入ゼロの状態が続く点に注意してください。
また、家賃の滞納リスクの高さも注意しておきたいポイントです。
複数の世帯が暮らすアパート・マンションはいくつか空室や滞納があっても多少の収入は獲得できるため、利益が全くのゼロになるリスクはそれほど高くありません。
しかし、一戸建ての賃貸経営はその世帯が家賃滞納すると支払いまでの期間は収入が入らないため、損失リスクの大きさは理解しておきましょう。
正当事由が認められないと大家さん都合で退去してもらえない
正当事由が認められない限り、大家さん都合で退去してもらうことは困難です。
賃貸に出したもののやはり自宅にしたい、売却して一気にお金を手に入れたいなどの理由で退去を申請しても、入居者側が住み続けたい場合は退去させられません。
たとえ2年おきの賃貸借契約の更新タイミングであっても、そのような理由では強制退去させられないので注意が必要です。
なお、将来的に自宅用としたい場合、貸し出す期間を事前に定めた定期借家契約がおすすめです。
一戸建ての賃貸経営をするなら「賃貸管理会社への委託」がおすすめ
一戸建ての賃貸経営は、アパート・マンションと比べると管理の手間は少なくなります。
しかし、家全体の劣化チェックやリフォームは必要であり、全く手がかからないわけではありません。
そのような管理負担をなくすためには、賃貸管理会社への委託がおすすめです。
次に、賃貸管理会社の特徴とお願いできる業務の範囲などをご紹介します。
賃貸管理会社とは?
賃貸管理会社とは、所有者である大家さんが入居者へ不動産を貸し出す際のサポートを行う会社です。
例えば、誰も暮らしていない一戸建てを所有しており、空き家のまま放置するよりも誰かに貸し出したい場合、どのようにすればいいかわからない方も多いでしょう。
また、入居者や物件管理は大変そうと感じる方もいるかもしれません。
そのような時に頼りになるのが、入居者とのやり取りや物件管理など幅広い業務を代わりに行ってくれる賃貸管理会社です。
賃貸管理会社の管理形態は「全部管理」と「一部管理」の2種類があります。
全部管理は賃貸経営における管理をすべて任せる方法で、一部管理は特定の業務のみを依頼する形態です。
契約書作成や滞納者の対応などを委託し、物件の清掃や退去時検査などは大家さん自身で行うなどのケースを、一部管理と言います。
全部管理の方が委託管理費用は高くなりますが、クレームや急な設備トラブルにも対応してもらえるため、精神面・体力面の負担を考えて全部管理を選ぶ大家さんがほとんどです。
賃貸管理会社が行う業務の範囲
賃貸管理会社によって対応可能な業務範囲は異なりますが、大きく分けると建物管理・入居者管理・金銭管理の3つがあります。
・建物管理
建物管理とは、物件や設備の点検、メンテナンス・修繕、空室対策、清掃などです。
入居中や退去後に室内や設備などの修繕工事が必要な場合は、工事を手配します。
入居中に設備の不具合や故障が発生した時は修理もしくは交換、そして退去後は入居前の状態に戻す原状回復工事を行います。
入居者からの報告があった時だけでなく、定期的に賃貸管理会社が見回り物件の劣化箇所を確認してくれるところもあります。
・入居者管理
入居者管理とは、入居者募集、新規・更新契約手続き、退去検査、クレーム対応などです。
空室が発生した時には宣伝活動をし、新たな入居者が見つかったら賃貸借契約関係の手続きも行います。
その際には入居審査も同時に実施し、安定した収入が見込め滞納リスクはないか、トラブルを起こすような人物ではないかなどを見極めます。
・金銭管理
金銭管理とは、家賃回収、滞納家賃の督促、敷金管理などです。
大家さんに代わって家賃の回収と督促を行うため、入居者が家賃を正しく支払っているかどうかの確認や滞納者への対応は必要なく、賃貸管理会社からの入金を待つだけです。
ただし、管理会社によって対応可能な範囲は異なるため、どこまでを依頼できるかを確認した上で契約を検討しましょう。
賃貸管理会社に委託するメリット
賃貸管理会社に委託することで得られるメリットは多いです。
続いては、管理を委託しようか悩んでいる方に向けて賃貸管理会社を利用するメリットをご紹介します。
仲介から管理業務まで代行できる
賃貸管理会社によっては、仲介から管理業務の両方を委託できます。
仲介とは、不動産を借りたい人と貸したい人をマッチングさせて契約を結ぶことで、入居者募集や入居審査、賃貸借契約手続きなどが当てはまります。
仲介から管理業務をすべて自分だけの力で行うのは大変な労力がかかり、専門知識やスキルが乏しいと効率性にも問題が出てきます。
不動産管理の専門家である賃貸管理会社を利用すれば、慣れないトラブルが発生した時はいつでも相談できたり、工事業者を紹介してくれたりするので安心です。
クレームに対応してもらえる
入居者からのクレームに対応してもらえる点も、利用する大きなメリットです。
入居者の立場が優位の賃貸借契約において、入居者からクレームや苦情が来る頻度は高く、さらなる問題発生を防ぐためには迅速な対応が欠かせません。
クレームで多いのがゴミ出しや騒音、無断駐車などで、中には近隣住民からのクレームにつながるような大きな問題もあり、対応にはかなりの時間を要します。
しかし、手間がかかるクレーム対応も賃貸管理会社へ委託が可能です。
また、今ある問題を解決するだけでなく、今度同じようなクレームが発生しないように予防策の提案もしてくれる会社もあります。
家賃の回収も委託できる
家賃滞納が発生した時には、入居者への督促をかけてくれます。
入居者の中には何度督促をかけても対応しない悪質な方もいますが、そのような時も対応してもらえます。
家賃の払い込みがなければ大家さん側の収入が減ってしまうので、迅速に集金を済ませることは安定した賃貸経営には欠かせないポイントです。
遠方の戸建てでも安心して賃貸経営ができる
賃貸管理会社に委託するメリットとして、自宅から遠い距離にある一戸建てでも賃貸経営が可能なことがあります。
自主管理であれば、日常的に物件管理や清掃などをする必要があるため、所有物件が遠方だと経営は難しいという理由で諦めてしまう方はいます。
しかし、委託すれば自分の目が届く範囲にない物件も任せることが可能です。
遠方に物件を所有していたとしても、その物件の近くにある賃貸管理会社を利用すれば良いだけなので、両親から相続した不動産であっても対応してもらえます。
賃貸経営の幅が広がり、より多くの利益が期待できます。
本業に専念しやすくなる
本業に専念できる点も、委託するメリットの1つです。
日中は働いているサラリーマンにとって、本業と賃貸経営を同時に進行するのは容易ではありません。
特にクレームやトラブルはいつ発生するかわからないため、仕事中に電話がかかってきたり、対応のために仕事を休んだりして本業に支障が出てしまう可能性があります。
しかし、賃貸管理会社にすべて委託すれば経営業務を大幅に削減でき、本業に専念できるようになります。
空室対策について提案してもらえる
管理の委託だけでなく、空室対策の提案をしてもらえるメリットもあります。
賃貸経営は入居者がいて初めて成り立つものであり、特に一戸建ての賃貸経営は空室リスクが大きく早急な対策が求められます。
空室対策として他物件との差別化や敷金・礼金の見直し、賃料の改正などがありますが、実施するタイミングが非常に重要です。
タイミング次第では他の入居者からクレームが発生する可能性もあるため、いつ・どのように対策をすべきかを正しく見定める必要があります。
しかし、賃貸経営の経験が少ないと最適なタイミングで講じるのは難しく、場合によっては対策自体に問題がある可能性も考えられます。
賃貸管理会社はそのような時にも適切なアドバイスをしてくれて、物件に合わせた有効的な空室対策の提案を聞けるでしょう。
利回りの向上も期待できる
賃貸管理会社に委託すると利回りの向上も期待できます。
迅速かつ的確なクレーム処理や定期的な物件管理により入居者の満足度が向上するほか、入居率をアップさせる対策を提案してもらえるので、結果的に利回りの向上につながります。
委託管理費用の高さから利用に抵抗を感じる大家さんは多いですが、利回りや入居率の向上を考えると管理委託の方が効率的です。
賃貸管理会社に委託するデメリット
賃貸管理会社に委託することでメリットもありますが、デメリットだと感じてしまう部分もあります。
続いては、賃貸管理会社に委託した際に感じるデメリットをご紹介します。
委託費がかかる
賃貸管理会社に委託すると委託費がかかってしまいます。
自主管理であれば発生しない委託費を支払うと、大家さんの手元に残る利益は当然ながら少なくなります。
委託費はどこに依頼するかによっても異なりますが、支払いが負担だと感じてしまう場合もあるでしょう。
委託費は、空室が続いても一定の金額を支払わなければいけません。
物件の状況を把握する機会が減る
賃貸管理会社に委託すると任せきりになってしまう大家さんもいます。
自主管理の場合だと、大家さん自身がこまめに物件の状況をチェックし、修繕などの必要がないかチェックします。
しかし、委託すると安心してしまい、自分で状況を把握しようとしなくなるケースもあるのです。
賃貸管理会社に対して信頼を置いている場合、特にその可能性が高くなるでしょう。
そうなってしまうと、自分の物件がどのような状況になっているか把握できなくなってしまいます。
実態がわからないまま放置しておくと、実は管理が雑で退去数が増えるなどの恐れもあるでしょう。
賃貸管理会社に委託しても、積極的に足を運ぶ必要があります。
入居者とコミュニケーションを取りにくくなる
入居者とのコミュニケーションが取りにくくなってしまうことも、デメリットの1つに挙げられます。
物件に対する不満や改善点は、入居者だからこそわかる部分もあります。
そのため、賃貸物件を運用するなら入居者とコミュニケーションも重要です。
自主管理なら気軽にコミュニケーションを取れますが、賃貸管理会社に委託すると大家さんと入居者との直接的な関わりが減ってしまいます。
対応がずさんな賃貸管理会社も存在する
賃貸管理会社の中には、ずさんな対応をしているところもあります。
業務の質が低い会社に委託してしまうと、トラブルの原因になりかねません。
入居者にとっても大家さんにとっても良い結果を招くことはないので、会社選びは非常に重要です。
どのような業務を行っているのかなど、きちんと調べた上で委託するようにしてください。
一戸建てを管理してもらえる業者の選び方
一戸建ての賃貸物件を自主管理することも可能ですが、負担軽減のために業者へ委託するケースは多いです。
次に、一戸建てを賃貸管理してもらう会社の選び方についてご紹介します。
「賃貸管理登録事業者」に登録している
賃貸管理登録事業者に登録しているかどうかは、必ずチェックしましょう。
国土交通省では、貸主の権利を保護するために賃貸住宅管理業の登録制度を設けています。
登録している業者は管理ルールをきちんと守っていることになるため、安心して依頼できます。
このことから、依頼予定の賃貸管理会社がある場合に賃貸管理登録事業者かどうか確認することは重要です。
登録の有無は、国土交通省のWebサイトから確認できます。
事業者名や所在地から検索して探せるので、ぜひ調べてみてください。
一戸建てがある場所から30分以内に事務所へ到着できる
物件の場所からの事務所までの距離も確認すべきポイントです。
距離が遠いと、クレームに対して迅速に対応してもらえない可能性があります。
水漏れや雨漏りなどにすぐ対応できないと、入居者からの不満が募ってしまいます。
不満が多くなれば退去される原因にもなりかねません。
一戸建ての場合、退去されると家賃収入がゼロになってしまうので大家さんにとって大きな痛手となります。
そのため、クレームがあったらすぐに対応できる賃貸管理会社を選ぶことが大切です。
具体的な改善提案をしてくれる
改善点がある場合に、具体的な提案をしてくれるかどうかも重要なポイントになります。
空室になってしまった時に少しでも早く入居者を見つけたい、クレームを減らしたい、など悩みは様々です。
それらの悩みを賃貸管理会社に伝えた時、改善に向けた提案を受けることもあります。
賃貸管理会社の専門家が提案する改善策は、不動産経営に良い効果をもたらす可能性が高いです。
そのため、提案してもらったらできるだけ積極的に取り入れるのがおすすめです。
ただし、中には結果に結びつかないような提案をしてくるところもあります。
抽象的なアドバイスで何をしたらいいのかわからない、コストがかかる提案ばかりおすすめされる、修繕費の見積もりを送ってもらうように依頼したが音沙汰がない、といった賃貸管理会社だった場合、他社への乗り換えを検討した方が良いでしょう。
大家さんからの評判が良い会社は、具体的かつ迅速な提案をしてくれます。
また、オーナーの立場になって考えた提案もしてくれるので、不信感を覚えずに済みます。
業者のことしか考えていない賃貸管理会社を選ばないようにしっかりとリサーチしてください。
入居者の審査を丁寧に行ってくれる
入居者の審査を丁寧に行ってくれるかどうかも、賃貸管理会社を決める上で重要なポイントになります。
審査を丁寧に行っていれば、トラブルが少ない入居者に物件を利用してもらいやすくなります。
家賃を滞納することがなく、ちょっとしたことでクレームを言ってくることもありません。
良い賃貸管理会社であれば、物件にとってネガティブな影響を与えそうなだと判断した場合、「審査に通らなかった」や「先に申し込みがあった」などと当たり障りのない理由で断ってくれるケースが多いことも、大家さんにとって嬉しいポイントです。
一方、雑な審査を行っていると、質の低い入居者が入居する可能性が高まります。
質の低い入居者は、家賃を滞納してしまったり、近隣トラブルが起こりやすくなったりします。
そうなってしまうと、賃貸管理にも良くない影響を与えてしまうでしょう。
一戸建ての賃貸管理を委託した場合の費用は?
一戸建ての賃貸管理を委託した場合、どのくらいコストがかかるのか気になる人もいるでしょう。
続いては、一戸建ての賃貸管理を委託した場合の委託管理費用について解説していきます。
賃貸管理会社に委託すると、建物管理や賃貸管理をしてもらえます。
建物管理は清掃や法定点検、緊急対応、原状回復、修繕工事の手配などです。
賃貸管理は入居者の対応や入居者の募集、賃貸仲介、賃貸契約、更新の手続き、家賃集金、滞納督促などがあります。
すべての業務を行ってもらえるわけではなく、依頼先によって対応できる内容が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
一戸建ての委託管理費用の相場は、家賃の5~8%が目安です。
委託管理費用が家賃5%、家賃20万円の一戸建ての場合だと、管理会社に支払う費用は1万円になります。
依頼先によってパーセンテージが異なりますし、家賃も物件によって変わります。
そのため、一概には言えませんが、このくらいが目安になると考えておいてください。
一戸建てを自主管理する場合のポイント
一戸建ての賃貸物件を自主管理したいと考えるケースもあるでしょう。
その際、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
最後に、一戸建てを自主管理する場合のポイントにはどのような点が挙げられるのかみていきましょう。
入居者と直接連絡が取れるようにしておく
入居者とは直接連絡が取れるように、LINEでつながっておくのがおすすめです。
自主管理だと、大家さんのところに入居者が連絡することになります。
その時の連絡手段は電話を採用するケースが多いですが、LINEのようにチャットと無料通話ができるツールを使った方が便利です。
契約時に、大家さんのLINE IDやQRコードを入居者に伝えてもらうように仲介業者に依頼しておきましょう。
LINE IDやQRコードが書かれた名刺を渡してもらうという方法も良いでしょう。
しかし中には、スマートフォンを持っていない人やLINEを使っていない人もいます。
そのような場合は、携帯に留守電機能を付けておいたり、留守番電話サービスが元々ついているIP電話サービスを利用したりするなどの方法があります。
連絡が取りやすいか、履歴はしっかり残るか、などは双方のストレスにも関係する要素です。
ストレスのない良好な関係を築くためには、連絡手段にもこだわるようにしてください。
連絡や要望が入ったら素早く対応すべき
入居者から連絡が入った場合は、なるべく早く対応しましょう。
入居者から連絡が来るのは、クレームが大半を占めています。
そのため、素早く対応することは鉄則だと考えておくべきです。
深夜や会議中など、対応が難しい場合は無理をしなくても大丈夫です。
しかし、返信が遅れてしまったり、折り返しの電話が遅くなってしまったりした時は、お詫びの言葉を忘れてはいけません。
素早くレスポンスでき、礼儀正しいコミュニケーションができれば、円滑に物事が進んでいきます。
入居者の要望には、修繕や回収に関するものもあります。
要望をすべて受け入れたくなる気持ちもわかりますが、すべて承諾する必要ありません。
一般的な賃貸借契約書には、軽微な修繕であれば入居者が負担するといった内容が盛り込まれています。
軽微な修繕というのは、蛇口のパッキン交換や電球の交換、エアコンのクリーニングなどです。
これらの要求を受けた場合は、契約書の内容を再度説明し、入居者に負担してもらうように伝えてください。
古い一戸建てだと、細かい部分までリノベーションしても細かい部分を直さなければいけない部分が出てくる可能性があります、
その分家賃を安くし、あらかじめ入居者の了承を得ていれば、やんわりと大家さんが負担することを断っても問題ない場合もあるでしょう。
もちろん、生活に支障が出ていないことが大前提です。
自然災害が発生したら状況確認を行う
地震や台風などの自然災害が発生した時は、所有している物件の状況確認を怠らないようにしましょう。
築年数が経過した一戸建てであれば、脆くなっている部分もあります。
そのため、地震や台風などの影響を受けやすいです。
すぐに足を運べない時は、入居者に連絡するようにしてください。
そして、物件や入居者の状況がどうなっているのか確認します。
万が一、自然災害で建物に何らかの損害が発生した時は、加入している火災保険で修繕費用を賄えるでしょう。
損害が出ているのに放置してしまうと、雨漏りなど別のトラブルが発生するリスクもあります。
そうなってしまうと入居者からの信頼も失うことになり、退去されてしまう可能性も考えられます。
災害が起こったらすぐに対応することを意識しましょう。
火災保険のありがたさにも気が付けるので、加入しておいて良かったと感じられるはずです。
家賃が入金されているか毎月チェックする
一戸建てを賃貸に出す場合も、入居者に対して家賃保証への加入を義務付けるのが一般的です。
家賃保証への加入は、大家さんが安定した家賃収入を得るために必要なものです。
それでも、毎月の家賃がしっかりと入金されていることは確認するようにしましょう。
家賃を頻繁に滞納する人は、それ以外のトラブルを引き起こす可能性も高いからです。
家賃滞納の頻度が高い入居者だとわかれば、トラブルに備えて警戒し、準備ができます。
一方、しっかりと入金してくれる入居者の場合は、どこかのタイミングでお礼を伝えると良好な関係を築きやすくなります。
保証会社は、入居者から大家さんへの家賃支払いや未払い時に連絡すると対応をしてくれるところ、入居者から保証会社に支払って大家さんへと渡すところがあります。
後者の場合は、大家さんが何も言わなくても未払いの対応をしてくれるのでおすすめです。
ただし、いずれの場合も保証会社に任せきりにするのではなく、大家さん側もしっかりチェックする必要があります。
未払いが発生した時は保証会社が倒産しそうな状況になっており、売掛金が未収となってしまう可能性も考えられます。
賃貸物件は、アパートやマンションだけではなく一戸建てもあります。
一戸建てはファミリー層からの需要があるため、うまく運用すれば安定した収益を手に入れられます。
一戸建てを賃貸に出したいと思った時は、メリットや注意点をしっかりと把握しておきましょう。
また、自主管理ではなく賃貸管理会社に委託するのもおすすめです。
賃貸管理会社に委託するメリットやデメリット、選び方のポイントなどを把握しておけば、安心してお任せできる委託先を見つけやすくなります。
コストはかかりますが、負担を軽減するためには賃貸管理会社への委託を検討してみてください。