床暖房のおすすめメーカー10選!特徴やラインナップをまとめてご紹介

床暖房

寒い時期に欠かせない床暖房は、温水式と電気式があります。
特徴やメリットを知っておくと、光熱費を抑えながら暖かく快適な生活が送れるでしょう。
しかし、床暖房を選ぶ際にはメーカーの特徴を把握するだけでなく、床暖房を取り入れるメリット・デメリットを知るとともに、寒冷地や臨海地域、戸建て、マンション、またライフスタイルから選ぶ必要があります。
この記事では、床暖房のおすすめメーカーの紹介を加えて解説していきます。
床暖房について知りたい大家さんは、この記事を参考に適したものを取り入れてください。

床暖房のおすすめメーカー10選

床暖房

床暖房には、温水式と電気式があり、それぞれの特徴が異なります。
また、各メーカーによって製品のラインナップも変わっています。
ここでは、床暖房のおすすめメーカー10選と特徴について紹介するので参考にしてください。

リンナイ

愛知県名古屋市に本社を構えるリンナイは、給湯器、給湯暖房機などを扱う企業です。
ここでは、リンナイの床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

リンナイは、ふく射熱暖房、伝導熱暖房、対流暖房で陽だまりのような暖かな空間を作るのが特徴です。
ふく射熱暖房は、遠赤外線の効果で天井や壁に反射して部屋中を暖めます。
暖かい空気が部屋の天井に広がりやすいのですが、伝導熱暖房で足元を中心に暖めることができます。
部屋の空気を循環する対流暖房により、床面で冷たい空気を暖め、空気の流れを自然に作りだせるのです。
ふく射熱の効果で部屋全体がまんべんなく温まるので、室温が18℃未満でも暖かくなるだけでなく、暖房による乾燥が起こらないので湿度の低下を招きません。
冬に冷えやすい足元も直接暖かくなるので冷えを感じにくくなり、カビの原因になる結露も抑制できます。
風が起こらないので空気が汚れにくいので小さな子どもや花粉症の方、高齢者の方にも安心して使えるでしょう。

製品のラインナップ

・床ほっとE
新築、本格リフォーム用の床ほっとEは、リンナイが独自に開発した熱源機、断熱配管、REM温水マットの相乗効果を利用した商品です。
放熱ロスの抑制で暖かさを維持したままエネルギーを抑えます。
ガス温水式の特徴であるホットダッシュ機能を使用し、スピードある暖かさを実現できます。

・HEMシリーズ
新築、本格リフォーム用のHEMシリーズは、60℃の温水でまんべんなく暖めるのが特徴です。
6畳、10畳、12畳、18畳のマットを組み合わせて好きな範囲が決められます。
フローリング以外の場所にも設置可能です。

・床ほっと6・6
フローリング材と温水マットを組み合わせるタイプのリフォーム床暖房です。
2つの材質を合わせることで、通常のフローリングと同じ厚さになります。
キッチン、廊下、寝室など、好みの広さに対応でき、通常の温水マット同様の工事で簡単に施工できます。

・畳タイプ
現在使用している和室に畳専用の温水マットを設置できます。
ダミーパネル、温水マット、畳仕上げ材を使用し、従来どおりの畳と同じ厚さで仕上げます。
湿気にも強く、防ダニ、防カビにも優れているのが特徴です。

ダイキン

大阪市北区梅田に本社を構えるダイキンは、空調、冷凍機などを中心に事業展開している企業です。
ここでは、ダイキンの床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

ダイキンは、ヒートポンプ式温水暖房に力を入れているメーカーです。
ヒートポンプ式温水暖房はどれも同じと認識されがちですが、ダイキンでは大気の熱を利用して暖かい空間を作っています。
大気中の熱を再利用しながら、水を暖めて温水を作り出します。
床に埋めた温水配管にお湯を循環させて暖めるため、高い効率を維持したまま床も暖めてくれるのです。

ヒートポンプ式温水暖房は熱源を使っていないので、都市ガスと比較するとCO2の排出量も抑えられます。

製品のラインナップ

・ホッとく~る システムマルチ
ホッとく~る システムマルチは、設計時に合わせて使用できる床暖房です。
床暖房とエアコンを組み合わせると、暖かい空気が部屋中をめぐって足元から暖まります。

・ホッとく~る システムマルチ(ココタス接続タイプ)
ホッとく~る システムマルチは、洗面所、キッチン、廊下など少しの空間に適したエアコンと床暖房を組み合わせたものです。
床暖房とエアコンを組み合わせることで、冷え込んだ日でも部屋全体を暖かい空気で包み込めます。
室温が安定してきたら、床暖房をメインに作動させてじんわりと暖かい空間に仕上げます。

・ホッとく~る スタンダード
床暖房とエアコンを同時に運転できるのが、ホッとく~る スタンダードの特徴です。
部屋の温度が快適になった時、エアコンの消費電力を抑えて床暖房と連動で動きます。
どちらかの単独運転と比較した場合、多くの消費電力を削減できるので、寒い時期でも節電可能なタイプでしょう。
また、寒冷地でもヒートポンプ式で快適な暖かさを感じられます。

・ホッとエコフロア
ヒートポンプ式の温水床暖房で、わずかな電気から温水を作り出して床を暖めます。
最大適用できる範囲は33畳分、4つのゾーンまで対応可能です。
運転開始時はフルパワーで一気に暖め、その後は湯量を抑えて無駄な消費電力を削減します。

コロナ

新潟県三条市に本社を構えるコロナは、空調、暖房機器、家電機器を中心とした事業を展開しています。
ここでは、コロナの床暖房について解説します。

メーカーの特徴

コロナは、床暖房に力を入れているメーカーです。
コロナが発売しているエアコン付ヒートポンプ床暖房のエコ暖クールエアコンは、2019年には地球温暖化防止活動環境大臣表彰、2020年には省エネ大賞の資源エネルギー庁長官賞を受賞しています。

製品のラインナップ

・エコ暖システム11.6
エコ暖システム11.6は、適応畳数が最大80畳まで可能です。
ヒートポンプ式を採用しているタイプになります。
地面の内側に発生する熱を使うロードヒーティングを搭載しているだけでなく、3階でも暖かさを維持できるのが特徴です。

・エコ暖フロア6.7
エコ暖フロア6.7は、ヒートポンプ式床暖房を採用しています。
地球環境に配慮した構造で、CO2削減を実現できます。
部屋の空気を汚すことなく、火も使わないので安心です。
フロアサイズ4.5もありますが、どちらも受注生産限定品です。

・エコ暖フロア3.9
コロナの床暖房で最もポピュラーな床暖房です。
床暖房導入時のコストを削減できるだけでなく、ランニングコストを抑えられます。
ふく射熱と伝導熱の暖かさで、心地よい暖かさが快適です。

三菱電機

東京都千代田区に本社を構える三菱電機は、家庭部門から産業メカ部門まで様々な事業を行う企業です。
ここでは、三菱電機の床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

三菱電機は、グループ企業として技術革新と創造力でゆとりのある社会を実現することを理念としています。
研究開発や技術などにも注力を注ぎ、企業、個人向けの商品開発にも努めています。
ヒートポンプ温水式床暖房の性能は高く、優れていることが魅力です。

夏場には、冷房として使用できるため、1年中快適な空間が保てます。

製品のラインナップ

・エコヌクールピコ30
最もスタンダードなタイプです。
対応部屋数は4部屋で、比較的温暖地向けとなります。

・エコヌクールピコ40
温暖地から寒冷地まで広い地域で使用できるタイプです。
本格的な床暖房を検討している方に適しています。
対応部屋数は4部屋です。

・エコヌクールピコ50
最大50畳の暖房にも対応できるタイプです。
外気温が-5℃であっても60℃のお湯で使えます。
ヒートポンプ式冷温水システムなので、温度ムラを起こさずに温めてくれます。

パナソニック

大阪府門真市に本社を構えるパナソニックは、グループ会社523社を持つ企業です。
暮らしから車関係、家電、デバイステクノロジーなど幅広い分野に取り組んでいます。
ここでは、パナソニックの床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

パナソニックでは床暖房システムを含め、様々な住まいの設備を取り扱っています。
床暖房では、暮らしを快適にするヒートポンプ式温水床暖房、電気式床暖房を取り扱っていて、環境に合わせて選べます。
遠赤外線の床暖房は、人体への熱エネルギーの吸収が良いとされていて、結露やカビ抑制効果も発揮します。
大気熱を利用しているので、足元の冷たさを感じないので快適です。

製品のラインナップ

・フリーほっと温すいW
ヒートポンプ式温水床暖房のフリーほっと温すいWは、効率のよい温水を作って温めてくれます。
床下スペースが少ない1階、2階への設置も可能です。
複数の部屋を暖めたい場合に最適でしょう。

・You温すい
3タイプの床暖房パネルを埋め込んだ商品です。
床材に温水パイプを内蔵している仕上げ材一体型となります。
足元から暖かしたい方に適しています。

・フリーほっと
リビングやトイレに適しているのが電気式床暖房のフリーほっとです。
発熱を抑制できるPTCヒーター搭載なので、無駄なエネルギーを使用しないのが特徴です。

・Youほっと
リビングやキッチンなど、長時間使用しない場所に適しているのが電気式床暖房Youほっとです。
温度に応じてヒーターが発熱量を抑制します。
床の温度を一定に保てるのが特徴です。

LIXIL

東京都品川区に本社を構えるLIXILは、日々の暮らしを快適にするための製品や建材の開発、提供を行う会社です。
約270のグループ会社で構成されていて、環境サステナブル企業に選定された実績もあります。
ここでは、LIXILの床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

LIXILの床暖房は快適で暖かな環境を保ちつつ、部屋全体をポカポカにしてくれる床暖房システムを取り扱っています。
床暖房に採用しているのは、熱伝導、放射を組み合わせたもので、理想的な床暖房とされています。

部屋の場所によって温度差が生まれることがないので、顔のほてりを感じません。
頭寒足熱を保持できる快適な環境となるでしょう。

製品のラインナップ

・HOTひといき
部屋全体を暖める床暖房システムです。
分離型の床暖房パネルを使用しているので、インテリアに合わせたい色にできます。
ヒーターやエアコンと違うのは、空気が汚れない点です。
燃焼ガスの臭いが充満することもなく、空気を汚さないのでエコな暖房となります。
また、空気の乾燥もホコリを舞い上げることもないので、肌やのどにも優しいでしょう。

東京ガス

東京都港区に本社を構える東京ガスは、ガスの製造や販売、関連器具などの事業を中心に行っています。
ここでは、東京ガスの床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

東京ガスでも、新築やリフォーム用のガス温水床暖房を取り揃えています。
東京ガスのガス温水床暖房を使用した場合、床暖房シーズンにガス料金がお得になる「暖らんぷらん」の他に、床暖房設備使用料を支払うと、部屋で床暖房が使用できる制度を設けています。

東京ガス以外の床暖房でも対象なので、お得に使用できるのが特徴です。

製品のラインナップ

・ガス温水床暖房(NOOK・はやわざ)
ふく射熱、熱伝導、自然対流の相乗効果を利用して均一に部屋を暖めます。
床面温度は約25℃~30℃で、じんわり暖かい心地良さが感じられます。
室温を適温のまま保てるので、上部だけ暑くなることがないのが特徴です。

DAIKEN(大建工業)

富山県南砺市に本社を構えるDAIKEN(大建工業)は、国内外に関連企業を持っています。
資材事業、建材事業、エンジニアリング事業に取り組んでいます。
ここでは、DAIKEN(大建工業)の床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

DAIKENの床暖房の特徴は、省エネ暖房なのに熱伝導に優れている点です。
電気式と温水式から選択可能で、シリーズによって選択できます。
施工の簡単さも大きな魅力でしょう。

製品のラインナップ

・あたたか12シリーズ
あたたか12シリーズは、電気式床暖房です。
仕上げ材と一体化しているので、新築でもリフォームでも設置可能となります。
隣接した暖房の面での切り替えが可能で、最適な使い方ができます。

・はるびよりシリーズ
はるびよりシリーズは、温水式床暖房です。
あたたかシリーズ同様に、仕上げ材と一体化しているので、ランニングコストの軽減も可能でしょう。
メンテナンスの手軽さを感じる床暖房です。

サンライズ工業

新潟県糸魚川市に本社を構えるサンライズ工業は、電子機器や基盤、融雪装置の設計や製造などを手掛けています。
ここでは、サンライズ工業の床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

サンライズ工業は、雪国としても名高い新潟県の会社です。
融雪装置なども開発しており、雪国の暮らしを熟知しているのが特徴です。

寒冷地ということもあり、暖かくて快適な生活を送るためのシステムや開発にも取り組んでいます。

製品のラインナップ

・ゆか暖らん
サンライズ工業が理想とする電気式床暖房システムのゆか暖らんは、安全性と快適性を備えた製品です。
床からの伝導熱、ふく射熱を利用し、部屋を暖めます。
寒冷地は部屋が暖かくても底冷えすることがありますが、足元が暖かくて理想的な空間を保てます。
特別な掃除やメンテナンスも不要です。

アルシステム

大阪府大阪市に本社を構えるアルシステムは、床暖房設備や空気清浄システムを中心に取り扱っています。
ここでは、アルシステムの床暖房の特徴をご紹介します。

メーカーの特徴

アルシステムは、「ない」から「ある」に変える企業です。
変化する人々の暮らしに寄り添った商品やシステムを提供し、持続可能な幸せを追求しています。
それに伴って様々な床暖房を製品化し、スペースを選ばず長期保証可能なものを提供しているのが特徴です。

製品のラインナップ

・プリマヴェーラ・ネオ
導電性カーボンペーストを採用し、狭小スペースでも設置できるのが特徴です。
業界初の30年保証が付いているのが特徴です。

・プリマヴェーラ・ボード
S-JET認証済みの信頼性の高い床暖房です。
電気用品安全法に基づいた安全基準を設けていて、万が一異常加熱が起こった際には通電遮断を行います。
パネルが発熱体となった製品です。

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床暖房を取り入れるメリット・デメリット

床暖房

床暖房を取り入れることによって、快適な生活を手に入れられます。
メリットばかりのように感じるかもしれませんが、デメリットだと感じてしまう部分もないとは言い切れません。
続いては、床暖房を取り入れるメリット・デメリットについて解説していきます。

メリット

床暖房を取り入れるメリットには、以下のような点が挙げられます。

・空気が汚れない
石油ストーブやファンヒーターを使うと燃焼するので二酸化炭素が排出されます。
しかし床暖房はそのような仕組みではないため、空気が汚れません。
気流も発生しないことから、ハウスダストを巻き上げてしまう心配がないという点もメリットの1つです。

・室内を均一に温められる
ファンヒーターやエアコンの場合だと吹き出し口付近は暖まりますが、気流で暖かい空気が上昇して足元が冷えてしまいます。
それに対して床暖房は、赤外線のふく射熱で部屋をまんべんなく暖めてくれます。

・安全に使える
火を使うことがなく、高温になることもありません。
そのため、小さい子どもや高齢者がいる家庭でも安全に使用できます。
コードに躓いてケガをするリスクも回避できます。

デメリット

床暖房にはメリットもありますが、デメリットもあります。
導入前に知っておきたいデメリットには、以下のような点が挙げられます。

・設置するためのコストがかかる
床暖房を導入するためには、設置するためのコストが必要です。
エアコンやファンヒーターを買うよりも高くなってしまうので、金銭的な部分で敬遠してしまう人もいるでしょう。
部屋の広さにもよりますが、工事費で100万円ほどかかってしまう場合もあります。
コスト面が懸念点になっている場合は、一部だけ施工するなどの工夫が必要です。

・修理やメンテナンスをする際、手間がかかる
リモコンや熱源機が故障した場合はそこまで手間がかかることはありません。
しかしパネルが故障した時は、床を剥がして修理しなければいけないため、大きな費用と手間がかかるのです。
温水式床暖房の品質を維持するには、不凍液と呼ばれる循環駅の補充や交換などの定期的なメンテナンスが必要不可欠です。

・暖まるまで時間がかかる
電源を入れてすぐに暖まらないのも、床暖房のデメリットです。
ふく射熱で室内が暖まるまで長い時間がかかってしまうことは、導入時から把握しておくべきポイントです。
暖かいと感じるようになるまでに1時間程度かかるので、他の暖房器具と併用するといったパターンは珍しくありません。

床暖房の選び方

床暖房

床暖房にはいくつか種類があるため、どれにしようか迷ってしまう人も多いです。
続いては、床暖房の選び方についてみていきましょう。

熱源方式から選ぶ

床暖房の熱源方式は、温水式と電気式の2種類があります。
それぞれで異なる特徴を有しているため、熱源方式から選ぶというケースは多く見られます。

温水式の特徴

温水式は、ガスや灯油を使って水を温め、循環させます。
熱源機にヒートポンプを使うと、ランニングコストの節約ができます。

ガスを使うタイプは、ガスボイラーで作ったお湯をパイプに流すという仕組みです。
面積が広い場合は、電気式よりもコストを抑えられるケースもあります。
灯油を使うタイプは、灯油式ボイラーを使って温水を作るという仕組みです。
ガス式と比べるとランニングコストを抑えられますが、オイルタンクを設置するコストがかかり、定期的な給油も必要です。
ヒートポンプを使うタイプは、空気中の熱を集めて温水を作るので、エネルギー効率は高くなっています。
初期費用は他より高めですが、ランニングコストを抑えたいのであれば非常におすすめです。

電気式の特徴

電気式は、ヒーターパネルを設置して暖めます。
熱源機が不要で温水式よりも簡単に導入できるため、リフォーム時に床暖房を設置する場合に採用されるケースが多いです。

電気式には、電熱線ヒーター、蓄熱式、PTCヒーターの3種類があります。
電熱線ヒーターは、最もシンプルで簡単に設置できるため、部分設置にもおすすめです。

蓄熱式は、深夜に熱を蓄えておいて日中に使用するタイプです。
深夜は電気代が安いので、毎月のランニングコスト節約につながります。
PTCヒーターは床面の温度を一定に保つシステムになっているので魅力的に思えるかもしれませんが、おすすめしていない業者もあります。

部材構成から選ぶ

部材構成も確認しておく必要があります。
床暖房の部材構成は、仕上げ材分離型と仕上げ材一体型の2種類です。
それぞれの特徴は以下のとおりです。

仕上げ材分離型の特徴

仕上げ分離型は、仕上げ材と発熱部が分離しているタイプです。
床暖房のフローリングや畳、カーペットなどの仕上げ材を選択できます。
部屋の用途やインテリアに合わせられるという点がメリットです。

しかし床暖房を設置した部分は高さが出てしまうので、隣の部屋との高さ調整が必要になる場合があります。
また、発熱部の床暖房パネルが壊れてしまった場合、床暖房パネルの修理と床材の交換が必要になるので工事費が高額になるという点もデメリットです。

仕上げ材一体型の特徴

仕上げ材一体型は、発熱部に仕上げ材が組み込まれているタイプです。
仕上げ材分離型と比較すると、発熱部から表面までの距離が近くなっているため、表面に熱が伝わりやすいです。
施工の手間も省けるので、工事期間も短くなります。

しかし、仕上げ材のバリエーションが限られてしまうので、インテリアに合わせるのが難しくなってしまう可能性があります。

仕上げ材から選ぶ

床暖房選びで迷ったら、仕上げ材から選ぶという方法もあります。
表面仕上げの方法や木材の種類、色味などが選ぶ時のポイントになります。

表面仕上げ

表面仕上げの方法には、無垢フローリングや突き板仕上げ、シート仕上げなどがあります。

・無垢フローリング
無垢フローリングは、天然木の1枚板を加工したもので、調質作用があるのが特徴です。
耐久性も高いですが反りや隙間が生じやすく、値段も高めに設定されています。

・突き板仕上げ
突き板仕上げは、合板などの基材の表面に無垢の突板を貼り付けたもので、品質の安定性や施工にのしやすさに優れています。
種類やデザインも豊富なので、インテリアや好みに合わせやすいです。

・シート仕上げ
シート仕上げは、合板などの基材の表面にプリントしたシートを貼り付けます。
安定した品質と施工性に優れており、天然木では生み出せない色やテクスチャーを選べます。

木材の種類

無垢材や突き板仕上げを選ぶ場合、木材の種類も選択することになります。
代表的な木材は、乳白色で明るくて木目が少ないメープル、ナチュラルな色味で虎班と呼ばれる木目があるオーク、重厚感があり木肌の美しさが魅力的なウォールナット、淡い色できめ細かい木肌が特徴的なバーチなどです。
どれを選ぶかによって印象が大幅に変わるため、じっくりと考えるようにしましょう。

色味

床材は、塗装することもできるのでどのような色味にするかという点も迷ってしまう部分です。
部屋の印象を左右する重要なポイントになります。
ホワイト系なら部屋全体が明るくなりますし、ナチュラル系なら家具などと合わせやすいです。
ブラック系は高級感があり、落ち着いた雰囲気に仕上がります。

どのような雰囲気の部屋にしたいかによって色味をどうするか考えてみてください。

立地から選ぶ

どのような立地の物件に床暖房を設置するのかという点も、選ぶ際に念頭に置いておきましょう。
ここでは、寒冷地・臨海地域の場合と戸建て・マンションで選ぶ場合について解説していきます。

寒冷地・臨海地域の場合

寒冷地の場合は、電気式がおすすめです。
温水式を導入する場合は、循環水に不凍液を使用してください。
不凍液は経年劣化してしまうので、5年に1回程度のスパンで交換しなければいけません。

臨海地域の場合は、塩害対策をしなければいけないので屋外に機器を設置しなくても良い電気式がおすすめです。
温水式で機器を設置すると、海からの距離が300m以内の物件だと塩害対策が必要です。

戸建て・マンションで選ぶ場合

戸建ての場合は、電気式でも温水式でも問題ありません。
ただし温水式は、電気式よりも設置しなければいけないものが多いので時間がかかってしまいます。

マンションの場合は、仕組みがシンプルな電気式がおすすめです。
ただし、床材が直貼りになっているケースが多いのでバリアフリー物件であっても段差が生じてしまいます。
温水式は配管工事が難しいため、導入は難しいです。
オール電化のマンションだと、ガス式の採用は基本的に不可能です。

ライフスタイルから選ぶ

ライフスタイルによって適した床暖房のタイプが変わってきます。
続いては、使用する時間帯や部屋の広さ、オン・オフの回数、使用する電気量によって異なる選び方について解説していきます。

使用する時間帯

家にいる時間が長くてどちらかというと寒い地域に暮らしている場合は、電気式蓄熱床暖房がおすすめです。
オール電化住宅の場合だと、昼間の電気代単価が高くなってしまいます。
そのため、昼間も使いたいと考えている場合は、温水式ガス床暖房がおすすめです。
昼間は仕事などでいない場合はそこまで気にする必要はないかもしれませんが、電気代などを節約したいなら使用する時間帯に合わせて選ぶようにしましょう。

部屋の広さ

電気式床暖房は狭い部屋を暖めたい場合におすすめです。
ただし、面積が広い場合や部屋の数が多い場合は、電気容量の制約があるので注意が必要しなければいけません。
家電体を同じ方式の床暖房にしたい場合、20畳以上の部屋を暖めたい場合は、エコジョーズやハイブリッド給湯器といった断熱材を用いた温水式床暖房が向いています。

オン・オフの回数

スイッチのオン・オフをする回数が多い場合は、電気式の床暖房がおすすめです。
温水にする必要がないので、スイッチのオン・オフで無駄なエネルギーを使わずに済むからです。
オン・オフをする頻度が少なく、広い面積を暖めたいといった場合は温水式ガス床暖房が適しています。
温水式ガス床暖房は、スイッチを入れてから1時間ほどで暖かくなり、快適性が持続します。

使用する電気量

電気式床暖房を設置すると、電気を使って暖めることになるため、電気容量を大きくしなければいけません。
電気容量を上げると、毎月の基本料金も高くなってしまいます。
したがって、電気代の節約効果を期待することは難しいと言えます。
温水式床暖房だと、ガスを使って温水を作り、床を暖めるという仕組みです。
そのため、電力はほぼ使いません。
部屋中暖かくなって他の暖房器具も不要になるため、電気代を節約したいなら温水式床暖房が有力候補になるでしょう。

費用から選ぶ

電気式と温水式では、費用にも差があります。
初期費用の予算は決まっているケースが大半なので、どちらがお得になるのか知りたいという人も多いでしょう。
また、ランニングコストやメンテナンスの有無もあらかじめ把握しておくべきポイントです。
最後に、費用面の違いをみていきましょう。

初期費用

電気式はシンプルな構造なので、初期費用や工事にかかる費用は温水式よりも安く抑えられます。
温水式は、熱源機の設置にコストがかかりますし、機器も電気式より高くなっています。

また、排水管や温水マットなどを設置するための工事も必要になるので、温水式の方が高くなりがちです。

ランニングコスト

電気式床暖房を設置する家がオール電化の場合、昼間は電気料金が高くなってしまいます。
そのため、ランニングコストも高くなってしまうでしょう。
また、複数の部屋や広い部屋を暖めるために電気容量を上げると、基本料金が高くなるので必然的にランニングコストも高くなるのです。
一方、温水式床暖房を設置する場合はエコジョーズやハイブリッド給湯器を採用すると効率的に温水を作れるので、電気式よりもお得に利用できます。

メンテナンスの有無

シンプルな構造の電気式床暖房は、基本的にメンテナンスが必要ありません。
メンテナンスが必要ないのはメリットのように感じますが、それは修理できないことの裏返しでもあります。

万が一不具合が起こったら、取り換え工事が必要になると思っておきましょう。
それに対して温水式床暖房は、パイプの耐用試験で30年以上使えることがわかっています。
ただし寒冷地だと、不凍液の交換が必要です。
不凍液の交換を行う目安は10年に1回なので、忘れないようにしましょう。

床暖房は、多くのメーカーが手掛けています。
メーカーによって特徴やラインナップが異なるので、ニーズに合うのはどれか見極めることが重要です。
どこの床暖房を選ぼうか迷った時は、今回紹介したメーカーの特徴やラインナップを参考にしてみてください。
さらに、メリット・デメリットや選び方のポイントなども把握しておけば、後悔のない床暖房を選択できるでしょう。