これから、家の購入や、リフォームなどについて調べていると「減価償却」という言葉をよく目にすると思います。今回は「減価償却とは何か?」というところと、実際の計算について説明していきたいと思います。
目次
減価償却費とは
建物を含めモノは長期間使用していると、だんだん経年劣化していき価値を失っていきます。「減価償却費」というのはその失ってしまった価値をお金にしたものを指します。そして、そのお金を「費用」として計上することを「減価償却する」言います。
費用で計上することは所得を下げることになります。所得が下がると課税される納税額が下がることにつながるため、不動産をうまく運用したい場合に「減価償却」は切っても切り離せない関係にあるのです。
減価償却費を考えるキーワード、「法定耐用年数」とは?
では、減価償却費はどうやって決めるのでしょうか?
経年劣化していく際の価値をお金に表したものと言いましたが、この経年劣化を考える際に、税収上のモノの寿命は法律で定められています。これが「法定耐用年数」です。この年数に基づいて減価償却費は計算されます。
住宅についての法定耐用年数を紹介すると、木造・合成樹脂造22年、木造モルタル造22年、鉄骨鉄筋コンクリート造47年、れんが造・石造・ブロック造38年といった風に定められています。同じ造りの建物であっても用途や大きさによっても異なるので各自、対象の不動産が何年なのか調べてみるといいかもしれません。
ただし、土地について減価償却は適用できないので注意してください。
計算してみよう!減価償却費の求め方
計算方法は「定額法」と「定率法」の2種類があり、建物については「定額法」が使用されます。減価償却費は「減価償却費=購入費÷法定耐用年数」で求めます。実際には法定耐用年数で割ると計算上都合が良くないので、償却率をかけて計算します。償却率については「定額法償却率 =1÷ 法定耐用年数」です。そのため「減価償却費=購入費×償却率」という計算式になります。
[ 減価償却費 ] = [ 購入費 ] × [ 償却率 ](定額法)[ 償却率 ] = 1 ÷ [ 法定耐用年数 ]
すると土地が減価償却できない理由がわかりますね。土地は地球がある限り存在しますから耐用年数は地球の寿命と同じになります。正確には無限ではないですが、購入費を無限で割ると限りなく0に近づきます。だから土地は減価償却することができないのですね。
中古物件の場合は、「取得時の耐用年数=耐用年数 – 経過年数 + 経過年数 × 0.2 」という計算式を使用します。また、中古物件が耐用年数を購入時すでに過ぎている場合は取得時の「耐用年数=新築時の耐用年数 × 0.2」 と計算して求めます。
まとめ
今回は「減価償却」とその計算方法についてご紹介しました。普段はあまり目にしませんが、不動産にかかわる場合はほぼ確実に出会うことになる言葉ですので、ぜひこの機会に、お持ちの物件などで計算してみてくださいね。