近年、自然災害が頻発している中で注目されているのが、耐久性・耐震性に優れた鉄骨住宅です。
鉄骨住宅は多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
デメリットも踏まえつつ、ハウスメーカーはどのようなポイントで選べば良いのでしょうか?
今回は、鉄骨住宅の魅力やデメリットに触れながら、おすすめのハウスメーカーについてもご紹介していきます。
鉄骨住宅を検討している方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
鉄骨住宅のメリット・デメリット
まずは、メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
メリット
鉄骨住宅は耐久性・耐震性に優れています。
鉄骨は木材と比較して腐食しにくく、サビが生じなければ何年でももつと言われています。
設計時には構造計算をして地震に強い設計にしているため、耐震性があり大きな地震でも崩れる心配がありません。
サビ対策や地震の揺れ対策をしているハウスメーカーも多いです。
また、鉄骨住宅は構造上耐久壁の制約や柱が少なくて済むので、広々とした開放的な間取りを組みやすいです。
壁が少ないことから、後々リフォームするのも容易な点が大きなメリットとなります。
デメリット
鉄骨住宅は、木造住宅よりも、コストが高くなる傾向があります。
鉄そのものの価格が高騰している場合も注意が必要です。
また、鉄骨住宅は一般住宅でもかなりの重量があるため、場合によっては土地の地盤強化が必要になるかもしれません。
地盤強化が必要と判断された場合、負担額が大きくなるので、余裕を持って資金を準備しておく必要があります。
さらに、鉄骨住宅は木造住宅と比べて通気性や断熱性が劣ることもデメリットとして挙げられます。
通気性が悪いと梅雨時期では湿気を帯びてしまいますし、冬期は熱伝導率が悪く寒く感じる場合もあるでしょう。
ただ、通気性や断熱性については対策を講じて独自の工法を取り入れているハウスメーカーもたくさんあります。
ハウスメーカー選びのポイント
では、鉄骨住宅を計画する上では、どのようなポイントを踏まえてハウスメーカーを選べば良いのでしょうか?
ここでは、ハウスメーカー選びのポイントである鉄骨・構造のタイプ・耐震性能・坪単価計算について解説していきます。
鉄骨のタイプ
鉄骨住宅には、軽量鉄骨と重量鉄骨の2つのタイプがあります。
軽量鉄骨は鋼材が6mm未満の厚さのものを指し、重量鉄骨は6mm以上のものを指します。
戸建てやアパートなどの一般住宅では軽量鉄骨が多いですが、3階建て以上のマンションやビルなどは重量鉄骨を主に使用するのが特徴です。
もちろん、重量鉄骨を取り扱うハウスメーカーもあるので、どちらのタイプにするか判断した上でハウスメーカーを選びましょう。
構造のタイプ
構造にも2つのタイプがあり、1つは鉄骨ラーメン構造、もう1つは鉄骨軸組構造です。
鉄骨ラーメン構造とは、柱や梁などの部分になる箇所を溶接し、強度や耐久性を高めた構造を言います。
本来必要となる「ブレース(斜材)」が不要なため、広々とした間取りに対応しやすいのが特徴です。
一方、鉄骨軸組構造は、木造軸組構造の鉄骨版のようなもので、柱と梁などの部分を溶接でつなぐのではなく、「ピン接合」と呼ばれる方法で固定するものです。
中低層マンションやアパートなどに用いられる構造となっています。
耐震性能を「耐震等級2」以上に
耐震等級は、耐震等級1から耐震等級3までの3つの段階があり、この数字が大きいほど耐震性能が高いということになります。
建築基準法では耐震基準は義務付けられていますが、耐震等級は明確な等級区分が定められているわけではありません。
しかし、住宅の購入を考えているのであれば、より耐震性能の高い耐震等級2以上がおすすめです。
というのも、現在の耐震等級は関東大震災当時の地震を想定して決められたものとなっているからです。
近年では、それを上回る大規模な地震が発生しており、多くの被害を出しています。
また、耐震等級2以上であれば、「長期優良住宅」の水準に該当するため、住宅ローンや固定資産税などの面で様々なメリットがあります。
坪単価の計算
坪単価は、以下の計算で算出できます。
「坪単価=建築費用(本体価格)÷延床面積(坪)」
坪単価でみると、鉄骨住宅は軽量鉄骨で60万円~90万円/坪、重量鉄骨で70万円~90万円/坪が一般的です。
木造住宅の場合の坪単価は50万円~60万円/坪なので、構造別で大きな差が出ることがわかります。
こうした坪単価についても、ハウスメーカーを選ぶポイントになります。
鉄骨住宅におすすめのハウスメーカー
鉄骨住宅を手掛けるハウスメーカーはたくさんあります。
最後に、鉄骨住宅におすすめのハウスメーカーをご紹介します。
へーベルハウス
へーベルハウスは、軽量鉄骨・重量鉄骨どちらも取り扱っており、工業化住宅では初となる制震構造を標準仕様化しました。
品質や地震耐力・耐火性などの性能も高く人気のあるハウスメーカーです。
積水ハウス
積水ハウスもまた軽量・重量どちらにも対応しており、独自開発の「シーカス」、「フレキシブルβシステム」などを採用しています。
厳しい品質管理をクリアした高性能な住宅が実現できます。
工場生産化率80%で自社工場での生産が得意なことも魅力です。
パナソニックホームズ
軽量鉄骨のみに対応しており、強さと空間対応力、また高層化を両立させた独自の構造技術である「パワテック」を採用しています。
間取りの自由度が高く、優れた耐震性も魅力となっています。
高気密高断熱にも定評があるハウスメーカーです。
セキスイハイム
セキスイハイムもまた軽量鉄骨のみに対応しており、耐震等級3程度の耐震性能を標準仕様としながら低コストを実現しています。
工場生産化率80%以上で、短期間での工期が可能です。
エコ住宅も多く手掛けており、長く快適に住み続けられる住宅を叶えることができます。
ダイワハウス
軽量・重量どちらにも対応しており、独自開発の耐震技術を採用した高い耐震性が特徴です。
採用している鉄骨には防サビ処理も施しているため、耐久性も優れています。
トヨタホーム
重量鉄骨のみに対応しているハウスメーカーで、「パワースケルトン」と呼ばれる鉄骨ラーメン構造採用で耐震等級3を標準仕様にしています。
採用している125mmの柱は業界トップクラスの太さとなっており、高い耐久性・耐震性が期待できます。
まとめ
今回は、近年注目されている鉄骨住宅についてまとめてきました。
鉄骨住宅にはデメリットもありますが、それを踏まえても、長く快適に住み続けられる家を実現させる上ではメリットが大きいのが魅力です。
耐久性・耐震性に優れた鉄骨住宅を建てようと考えている方は、今回ご紹介したハウスメーカーを比較して検討してみてはいかがでしょうか?