賢くアパート経営をするなら、必要となる経費は事前にしっかり知っておくことが肝要です。
基本的に、アパート経営の初期費用は新築なら購入費の7~8%、中古で購入費の10%程と言われています。
今回は、アパート経営の初期費用内訳や、残しておくべき自己資金について詳しくご紹介していくので、ぜひアパート経営の参考にしてみてください。
目次
初期費用の内訳はどうなる?
不動産投資への関心の高まりから、アパート経営にも注目が集まっています。
資産を増やすためにアパート経営をするなら、まずは初期費用について知っておくべきです。
アパート経営の初期費用について、その内訳を詳しく見ていきましょう。
アパートの購入費用
まずは、不動産投資用のアパートを取得する費用として、坪単価で50~120万円程度の金額がかかります。
取得費用自体は坪単価と延べ面積から算出でき、坪単価については構造ごとに違い、鉄筋コンクリート、鉄骨造、木造の順で価格が安くなります。
構造ごとのアパート購入費用の坪単価目安は以下の通りです。
2~3階建て木造…40~60万円
2~3階建て鉄骨造…50~70万円
鉄筋コンクリート…70~100万円
新築アパートを建築する場合、木造の坪単価は平均で87万円、鉄骨造で坪単価平均は94万円に上がります。
建築会社によっては、坪単価に加えて別途工事費がかかることもあります。
もちろん、アパートの部屋数や間取り、階数など規模や設備によっても購入費用は変わってきます。
購入費用の金額だけでなく、採算の取れるアパートかという視点で見極めることがアパート経営では重要です。
外構・駐車場などの工事費用
アパートの建物以外の部分にも費用は掛かります。
生活に車が必需品となる地域なら、駐車場の敷地費用がかかります。
タイルを敷いたり、門やフェンスを設置したり、植栽や屋外の電気なども必要で、外構など建物本体以外の工事に本体工事費の約10%の費用が必要です。
不動産取得税や印紙税
不動産取得税は、土地・建物を購入した際にかかる税金で、購入後半年~1年半で請求されます。
不動産の公的な価格である固定資産税評価額に税率(3%)をかけた額が不動産取得税の金額です。
印紙税は、契約書に添付する収入印紙代で、契約の金額により定められています。
登記費用
登記費用には「保存登記費用」や「抵当権設定登記費用」、「表示登記費用」などいくつかの種類があります。
5000万円のアパートを購入する場合、約30~50万円の登記費用が必要です。
そして、司法書士に登記を依頼すると司法書士報酬も発生します。
ローンの手数料
投資用アパートの購入に際しては不動産投資ローンを活用し購入資金の借入も可能です。
しかし、貸し倒れリスクの観点からフルローンでの購入は難しくなっており、ある程度の手持ち予算は必要となります。
一般的には、中古アパートで購入金額の1割程度、新築アパートでは購入金額の3割程度の頭金が必要です。
また、ローンを組む際には保証料と事務手数料も用意しなければなりません。
保証料は残債を肩代わりする保証会社に支払うもの、事務手数料はローンを組む金融機関に支払うものです。
保証料の目安は購入額の2%程度、事務手数料は定額制なら3万円程度が目安となります。
保険料
火災保険や地震保険など、各種保険料も初期費用に見積もりましょう。
購入数する投資用アパートによって保険料は異なるものの、一般的に10年契約で50万円前後が必要です。
火災保険への加入をローンの必須条件にしている金融機関も多く、資産を守るためにも加入をしておくべきでしょう。
火災保険の内容は選べるものの、保険料は物件の購入時点で支払うことになります。
ローンの頭金以外に必要な現金となるので、忘れずに確保しておきましょう。
委託・外注費用
アパート経営で、税理士や弁護士に相談すれば相談料がかかります。
また、アパートへの新規入居者募集・管理などを委託する場合も費用が発生します。
そして、アパートを購入する場合には不動産仲介会社に仲介手数料を支払います。
税理士・弁護士への相談料金はケースバイケースで、無料の場合もあれば時間制など有料の場合もあります。
物件の管理を管理会社に委託する場合、手数料は賃料の5%が目安です。
仲介手数料は、売買価格に税率をかけ、6万円を足して消費税を加えた金額となります。諸費用の中で最も額が大きくなるのが仲介手数料です。
アパート購入に必要な諸費用はローンで支払うことができないので、現金を確保しなければなりません。
なお、アパートを購入せず建てて経営する場合には仲介手数料は不要です。
しかし、各種税金やローンの事務手数料、保険料などは諸費用として掛かります。
自己資金はどれほど残しておくべきか?
アパート経営の初期費用には、これまでにご紹介した購入や建築の費用と諸費用の他に、当面の運転資金も含めなければなりません。
いざアパート経営をスタートしても、想定したとおりに家賃が入るとは限らず、万が一家賃が想定通りに入らなければローン返済が難しくなってしまいます。
空室により家賃収入が下がるケースもアパート経営ではよくあることです。
残しておくべき自己資金はケースバイケースではあるものの、ローンの半年分~1年分は確保しておくべきでしょう。
また、空室リスク以外にも家賃回収のリスクは存在します。
例えば、地域の家賃相場が下がり満室でも収益が減るケースや、滞納により家賃が入らないケースなどです。
空室、家賃相場の下落や滞納への対策にも資金が必要になるので、手元には余裕を持って自己資金を残しておくと安心でしょう。
まとめ
アパート経営を始める場合、不動産投資用に新しくアパートを建てる場合も、投資用アパートを購入する場合も初期費用は必要です。
全ての初期費用をローンで賄うことはできないため、自己資金は必ず必要となります。
実際のアパート購入費用や保険料などは物件によって異なるので、不動産会社に確認しなければ分かりません。
長くアパートを経営し収益の最大化を目指すなら、パートナーを見極めて主体的に経営に関わることが大切です。
ぜひ、必要な初期費用についてはオーナーとして正しい知識を得た上で概算を算出し、自己資産に見合ったアパート経営プランを検討していきましょう。