生活習慣・様式の変化から、畳を使った住宅や部屋が減って久しいですが、みなさんは畳の良さをご存知でしょうか?
フローリングでのテーブルやイスによる生活は、立ち居などが便利な半面、じっくり腰を落ち着けて、あるいはゴロンと横になるという気軽さがなく、どこか物足りなさを感じます。
カーペットや木材のフローリングにはない、畳の性質や特性、素材などを紹介するとともにメリット、デメリットなどについて見ていきましょう。
目次
自然素材の香りとクッション
日本ならではの床材である畳。
原料は、自然素材であるイグサです。
湿地や浅い水中に生える植物で、細い茎部分を乾燥させたものを畳の表面に使用しています。
このイグサで乾燥させた稲藁などを板状にした藁床(わらどこ)包むように縫ったものが畳です。畳に特有の香りは、表面に使われているイグサの香り。
香りでホッとする方も多いのではないでしょうか。
畳のサイズは地域ごとに違う?!
一般的な畳のサイズは、江戸期までの日本の尺貫法で3尺 x 6尺(約910mm x 1820mm)が標準です。しかし、同じ1畳といっても地域ごとに若干サイズが違うのが畳の特徴で、多くの規格が存在します。
このため畳が必要な場合は、サイズをしっかり販売店などに伝えるようにしましょう。
京間、中京間、江戸間、団地間の4種類が広く知られ、汎用サイズとなっています。
部屋の環境を良くしてくれる畳
そんな畳のメリットは主に以下の5つです。
1. 調湿効果
2. 有害物質の吸着と抗菌効果
3. 癒しや安らぎを与える香り成分によるリラックス効果
4. 断熱効果
5. 吸音・防音効果
梅雨時期など、湿度の高い日本で長く使われてきただけあって、調湿効果に優れ、防音や断熱といった住まいに嬉しい効果が得られるのがメリットです。
定期的なメンテナンスが必要になる
定期的な手入れが必要になる点には注意が必要です。
畳の部屋では換気が書かせません。
調湿効果に優れる一方で、湿気を溜め込んでしまうと、カビやダニが発生してしまうからです。
万一濡れたり汚れたりした場合には、すぐに掃除機や乾拭きで汚れを取るようにしましょう。
重い家具や荷物によって凹んでしまうこともあります。
窓際では日焼けにも注意が必要なので、家具を置く際には気をつけるようにしましょう。
3年ほどしたら畳を裏返し、6年経過するくらいには「表替え」(イグサの交換)をすることにより長く使用することも可能ですので、メンテナンスを行いながら愛着を持って使い続けたいですね。
新たなデザインやサイズの畳も
最近では、様々なサイズの部屋に合わせた大きさの畳を提供している会社もあります。縁のない畳や、カラフルな畳、光の反射の違いを利用した模様の畳など、デザイン豊富になりインテリアの一部としても楽しめるようになりました。
小上がりや寝室の一部、書斎、子供部屋に一部分だけ畳を敷いて、和モダンな雰囲気にすることもできるので、もし改装をするときに相談が可能なら、頼んでみるのもよいでしょう。
まとめ
現在、畳の部屋で生活されている方はもとより、これから畳のある部屋で暮らしたい、と考えている方にも、日本古来の床材である畳の良さが改めてお分かりいただけたかと思います。
自然素材ならではのリラックスや癒し、安らぎとともに、懐かしさを感じてみてはいかがでしょうか。