開業をきっかけに、店舗付きの住宅を新しく建てようと考えている方も多いでしょう。
しかし、自宅と店舗が一緒になるため、万が一のことがあった時に店舗部分をどうしたらいいのか悩んでしまうケースも多いです。
店舗付き住宅を建てる前に、いざという時に店舗部分は賃貸に出せるのか知っておきましょう。
今回は、店舗付き住宅を建てる際の注意点やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
店舗付き住宅での開業を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
店舗付き住宅を建てるメリット
まずは店舗付き住宅を建てるメリットについてご紹介していきます。
店舗付き住宅を建てるメリットは主に5つ挙げられます。
店舗を持った時の家賃が不要
店舗付き住宅を建てる最大のメリットは、店舗の家賃がかからないという点です。
店舗を借りるとなった場合、契約している間は毎月家賃を支払わなければいけません。
建物を借りるには保証金や敷金・礼金などの取得費用も必要で、まとまったお金を用意する必要もあります。
経営が軌道に乗るまでは家賃の支払いがかなりの負担になってしまうでしょう。
しかし、店舗付き住宅であれば最初の建築費用やローンの支払いがありますが、家賃の支払いがない分負担は軽くなります。
経営が厳しくても家賃の出費がないので、赤字経営になりにくい点はメリットです。
低金利の住宅ローンを利用しやすい
店舗付き住宅の場合は、金融機関によって低金利で住宅ローンを利用できるケースもあります。
住宅ローンで借りると低金利で借りられるので、毎月の支払の負担が軽くなります。
ただし、住宅ローンと事業用ローンで融資を2つに分けてくる金融機関もあるので注意しましょう。
こうなると金利が高くなってしまうため、あらかじめ複数の金融機関を見比べて確認してください。
建設費用の一部を経費にできる
店舗を経営する場合は、毎年確定申告をする必要があります。
店舗付き住宅には家賃がかからないため、経費として家賃を計上できないから逆に損してしまうのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、家賃はかからなくてもローンの支払いがある場合は、建築費のうち店舗の部分にかかった費用を減価償却費として計上できます。
減価償却費とは購入した資産に対し、使用可能年数に合わせて計上していく経費です。
確定申告では住宅ローンの利息分を計上できるので、それも合わせて節税効果を得られるでしょう。
ローン減税が利用できる
住宅部分については、その割合に応じて住宅借入金等特別控除、いわゆるローン減税を受けられます。
借入金の償還期間が10年以上など、要件を満たせば所得税の還付を受けることも可能です。
税金面で優遇を受けられる
税金面に関しても、都市計画税や固定資産税など市町村が満たす条件を満たしていれば軽減措置を受けられます。
店舗付き住宅を賃貸に出すことは可能?
店舗付き住宅を建てても、将来的にはどうなるか分かりません。
お店の経営を止めた場合、店舗付き住宅の店舗部分を賃貸に出すことは可能です。
貸し出すことでその分家賃収入を得られるので、万が一のことがあっても住宅ローンの返済の負担も軽減されます。
店舗付き住宅を賃貸で出す時に気を付けたいポイント
店舗付き住宅を賃貸に出す際には、気を付けなければいけないポイントがいくつかあります。
ここからは、注意点についてご紹介していきましょう。
住宅ローンは住宅部分のみに適用される
店舗付き住宅を建てる際には金融機関でローンを利用する場合が多いでしょう。
この際に注意しておきたいのは、店舗部分には住宅ローンを利用できないという点です。
店舗付き住宅を建てると、住んでいる部分は住宅ローン、店舗の部分は事業用ローンと2つのローンを申請しなければいけません。
店舗部分の面積に関しては特に注意が必要で、面積が広すぎると住宅ローンが使えない場合もあります。
住んでいる部分であったとしても、住宅ローンが利用できないとなると全部を事業用ローンで賄わなければいけなくなってしまいます。
こういった事態にならないためにも、店舗付き住宅で住宅ローンを利用したい場合は店舗の部分の面積を考えておくことが大切です。
借り手が付かない場合もある
店舗付き住宅を手放したい時に、なかなか次の借り手が見つからない場合もあります。
一般住宅と違ってニーズが少なく、不動産会社によっては思い通りに進まないこともあるでしょう。
そのため、店舗付き住宅の売却実績がある不動産会社と契約を結ぶことがスムーズに借り手を見つけるためには重要なポイントになってきます。
しかし、このような不動産会社を自分で見つけるのは非常に難しいです。
そういった場合に活用すると便利なのは、土地活用プランの比較サイトになります。
全国の不動産会社が登録しているため、1度で複数の査定をすることが可能です。
査定額を比較すれば、売却の相場についても把握できます。
相場が分かれば売り出し価格も的確に決められるので、売却が成功する可能性も上がるでしょう。
騒音などの問題点
店舗付きの住宅だと、店舗と住居部分の区別をつけるのも難しくなります。
店舗の部分から住居部分、その反対の場合でも音が漏れてしまう可能性も大いにありえるでしょう。
子どもがいる家庭は店舗に音が漏れてしまうこともありますし、「店舗側の音が聞こえて子どもが起きてしまった」といったケースもあり得ます。
そういった面もありますが、柔軟な対応ができれば時間効率的に使ったり、子育てをしながら働いたりすることも可能です。
まとめ
今回は店舗付き住宅のメリットやデメリット、注意点などについてご紹介してきました。
店舗付き住宅を賃貸に出すことは可能であるため、万が一何かあった時には手放すことも可能ですが、なかなか借り手がつかない場合もあります。
そういった場合にはどうしたらいいのか、あらかじめ考えておきましょう。
また、メリット・デメリットについて知っておくことで、損をするか・しないかにも直結してきます。
後悔をしないためにも、店舗付き住宅を建てる前に将来の予定についてしっかりと考えてから行動してみてください。