2020年以降の中古マンション相場はどうなる?

2020

現在新型コロナウイルスの影響で経済はもちろん、不動産業界にも大きな影響をもたらしています。
そんな中で、中古マンション相場は現在どのように変動しているのでしょうか?
また、「withコロナ」の時代へと移り変わっていく中で、2020年以降の中古マンション相場はどんな変化が見られるのでしょう?
今回は中古マンション相場の現状と将来の見通しについてご紹介していきます。

2019年までの中古マンション相場推移

時計

まずはこれまでの中古マンション相場の推移を確認しておきましょう。
不動産業界では2008年のリーマンショック以降、マンション価格は軒並み下がり続けていました。
例えば首都圏にある中古マンション(70㎡)の換算価格は、2010年で約2,965万円だったのに対し、2013年には約2,791万円と150万円近く低下しています。
首都圏だけでなく関西や中部圏でも大きな低下は見られないものの、ずっと横ばいの状態が続いていました。

しかし、2015年を迎えてから徐々に中古マンションの価格上昇が続き、2019年の段階で首都圏の中古マンションの換算価格は3,709万円まで上昇したのです。
不動産投資用にマンションを購入した人にとっては、売却しやすい状態になったと言えます。
ただし、ここから2020年に入ると新型コロナウイルスが中古マンション市場にも大きな影響を及ぼしてきました。

2020年、コロナ禍でマンション市場はどう変化する?

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新型コロナウイルスは不動産業界だけでなく、経済において世界規模で多大な影響を与えてしまいました。
日経平均株価も大幅下落を見せ、経済が悪化していったことが分かります。コロナ禍において中古マンション市場はこれからどのような変化を見せていくのでしょうか?

コロナ禍における不動産市場への影響

現在の不動産市場ですが、首都圏の中古マンションの成約件数を見てみると、2019年の同時期に比べて約50%も減少したと判明しています。
また、成約価格も15ヶ月ぶりに5.8%も減少してしまいました。
首都圏以外の地域でも軒並み成約件数は減少しており、中古マンション価格の低下にもつながったと考えられます。

オリンピックの中止で価格相場が落ちる可能性も

2020年は本来東京オリンピックが開催される年でしたが、新型コロナによって2021年に延期されてしまいました。
延期であれば周辺環境の再開発も続き、中古マンション価格が上昇していく可能性も高いです。
もしも2021年までに開催の目途が付かず、結局中止になってしまった場合、算出されていた経済効果が全てなくなってしまい、景況感がかなり悪化する恐れもあります。
景況感は中古マンション相場にも影響が出てしまうので、場合によってはさらなる下落につながる可能性も十分に考えられるでしょう。

都市部への価値観が変われば価格が安くなる?

今回の新型コロナウイルスの流行は人々の生活スタイルまで大きく変えてしまいました。
企業でもできるだけ出勤しなくて済むようにテレワークの取り組みが進んだり、プライベートでもおうち時間を満喫したりするようになってきています。
こうした生活スタイルの変化は、価値観の変化にもつながっていくでしょう。
価値観の変化は中古マンション相場にも影響を与える可能性があります。
例えば、これまで会社に近い都市部のマンションが人気で価格も高騰していましたが、テレワークによって通勤が不要となり、それよりも家の広さや周辺環境に目を向ける人が増えてくるかもしれません。
そうなるとこれまで高価格だった都市部のマンションは値が下がり始め、逆に郊外のマンション需要が高まる可能性もあるのです。

価格が下がるのを待つのはアリ?

不動産

少しずつ改善されてきてはいるものの、まだまだ中古マンション相場は下がっている状態です。
今後、さらに下がる可能性も考えられますが、これから中古マンションの購入を考えている人は価格が下がるのを待った方が良いのでしょうか?

マンションの価格が下がっても金利が上がる可能性はある

結論を言うと、価格が下がるのを待つのも良いのですが、リスクにつながる恐れもあります。
これは、良い物件が早く買われてしまうかもしれないというリスクだけでなく、金利リスクも含まれています。現在も国は経済を以前の水準まで引き戻そうと、資金を投入している状態です。
万が一新型コロナウイルスが再び猛威を振るった場合、インフレを引き起こし、住宅ローンの金利が大きく上昇してしまう可能性も考えられるでしょう。
今後どうなるか予測が付きにくい状態だからこそ、価格が下がるのを待つのにもリスクが出てしまうのです。

景況次第で金利は変わる

住宅ローンの金利というのは景気との関連性が高く、景況によっては現在の低金利時代が変わる可能性も十分にあり得ます。
特に今回の新型コロナウイルスの影響は、日本のみならず世界各国に多大な影響を及ぼしている最中です。
今後、すぐにワクチンが開発されたり、ウイルスの抑制につながったりすれば景況も徐々に回復していき金利も上昇していくでしょう。
ただし、日本銀行の金融緩和が継続されることで低金利の状態はひとまず続くのではないかとも予想されています。
政策金利自体が下がった状態にあれば、無担保コールレート(コール市場において、無担保で資金を貸し借りした場合に、約定日に受け払いを行って翌営業日を返済期限とする金利)も上昇せず、住宅ローンの金利も据え置きのままになります。
そもそも、現在実施している金融緩和政策では長期金利が上昇しないように誘導しており、この政策が解除されない限り固定金利が大きく上昇することもないでしょう。
そのため、景況次第ではあるものの今後急激に変動する可能性は低いと言えるでしょう。

まとめ

中古マンション相場は新型コロナウイルスの影響を受け、価格が低下している状態です。
しかし、大きな下落を見せたのは春頃であり、現在は少しずつ元の相場に戻る兆しを見せています。
購入価格を少しでも安くしたい方には良い時期かもしれませんが、あまり焦ってしまうと物件選びで後悔してしまう可能性もあるでしょう。
今後景況によっては金利も上昇する可能性はありますが、しばらくは超低金利が続くとも見込まれているので、まずは焦らずにしっかりと物件を見極めてから中古マンションを購入するようにしましょう。