UR賃貸は、公的な賃貸であることから契約に関する費用が抑えられ、通常の賃貸物件に比べてお得に住めると考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、UR賃貸を借りようと調べてみると、立地環境下での家賃相場より高額に設定されている場合もあります。
そこで今回は、UR賃貸の家賃が相場よりも高くなっている理由から借りる前に把握しておくべきポイントを解説していきます。
今後UR賃貸を借りようと検討している方は、ぜひご参考ください。
目次
UR賃貸とは?
UR賃貸は、UR都市機構(都市再生機構)と呼ばれる独立行政法人により管理されている賃貸物件を指します。
独立行政法人が管理していることもあり、公的な賃貸物件です。
UR賃貸は都市部だけでなく全国にあり、その数は約74万戸とされています。
中には、これまでと同じような公団住宅の他に、最新の設備を搭載した住宅もあります。
UR賃貸の特徴
UR賃貸の特徴としては、民間の賃貸物件を契約するのに比べて契約時にかかる手間や初期費用が抑えられることが挙げられます。
民間の賃貸物件では、敷金だけでなく礼金、不動産会社への仲介手数料、2年ごとの更新料などがかかることから、多額の初期費用が必要となります。
しかし、公的な賃貸物件であるUR賃貸では、契約時の礼金や仲介手数料はかかりません。
敷金は家賃2ヶ月分かかるものの、入居した日からの日割り家賃と共益費のみとなっているので、初期費用が抑えられます。
契約更新も1年ごとに自動更新となり、更新料もかかりません。
敷金はUR賃貸からUR賃貸への引っ越しであれば、引き継ぐことも可能です。
保証人も不要とされていますが、その分審査基準が民間の賃貸よりも厳しくなります。
条件としては、月収や貯蓄額などURが定めた基準以上であることが挙げられます。
UR賃貸と一般賃貸はどれくらい家賃に差がある?
UR賃貸と一般賃貸の家賃の差は、地域や物件の間取りなどによっても異なりますが、5~6万円ほどUR賃貸の方が高く設定されています。
家賃はUR賃貸の方が高くはなるものの、一般賃貸の敷地面積よりも広い傾向にあります。
UR賃貸の2LDKであれば、一般賃貸の3LDKほどの敷地面積となることが多いです。
それでもUR賃貸が人気の理由
UR賃貸は一般賃貸と比べて、初期費用が抑えられはしますがその分家賃が高く設定されています。
広さもありますが、都市部になればなるほど高額な家賃となっていきます。
それでもUR賃貸が人気となっているのにはどんな理由が隠されているのでしょうか?
ここからは、UR賃貸の人気の理由を解説していきましょう。
充実した設備と機能性
UR賃貸は一般賃貸に比べて、設備と機能性が充実している場合が多くあります。
UR賃貸は設備も古くなっているし、一般賃貸よりも機能性に劣っていると勘違いしているは非常に多いです。
実際には、UR賃貸は順次設備や内装を新しいものに入れ替えているので、一般賃貸と同じかそれ以上となっている物件が多くなっています。
特に、エアコンや水回り設備が最新になっていることがあるので、一般賃貸よりもグレードが高く感じられるでしょう。
また、UR賃貸は高い防音性を備えています。
住み替えがしやすい
UR賃貸からUR賃貸への住み替えがしやすいことも人気の理由として挙げられます。
新しいUR賃貸へ住み替える場合、これまで住んでいたUR賃貸を借りる際に払っていた敷金をそのまま引き継ぐことが可能です。
UR賃貸では通常家賃2ヶ月分の敷金が必要となるので、住み替え時に2ヶ月分の敷金をそのまま引き継げれば、さらに初期費用を抑えることができるのです。
このことから、住み替えがしやすいとされています。
保証人が不要
UR賃貸では入居申し込みをする際に、本人確認書類を提出すれば保証人が不要となっています。
保証人を立てられない場合でも、問題なく入居可能です。
保証人を立てたくない、立てられない人に人気となっています。
ただし、その分UR賃貸に入居できる条件や審査基準が一般賃貸に比べて高くなっています。
長期的に住むならUR賃貸と一般賃貸、どっちがお得?
長期的に住む場合、UR賃貸と一般賃貸であればUR賃貸の方がお得になる可能性は高いです。
家賃は相場よりも高額とはなりますが、初期費用が抑えられることや更新料が掛からないことから、長期的に見るとUR賃貸の方がお得だと言えます。
例としては、家賃10万円のUR賃貸と一般賃貸を5年ほど借りたとします。
UR賃貸の場合、
家賃10万円×60ヶ月=600万円
敷金10万円×2ヶ月=20万円
のみなので、トータルで620万円となります。
一般賃貸の場合、
家賃10万円×60ヶ月=600万円
敷金10万円×1~2ヶ月=10~20万円
礼金10万円×1ヶ月=10万円
仲介手数料10万円×1ヶ月=10万円
更新料(5年ごと)10万円×2回=20万円
すべて合計すると、660万円ほどかかる計算となります。
また、UR賃貸は家賃交渉などができない代わりにお得な家賃プランもあります。
子育て世帯や新婚世帯には子育て割、二世帯が近くのUR賃貸で暮らしている場合には近居割、35歳以下の世帯が対象となるU35割など、様々な割引制度が設けられています。
長期的に住む場合であれば、このような制度を利用することでよりお得に住めるようになります。
まとめ
今回は、UR賃貸の家賃が高い理由や借りる前に把握しておくべきポイントをまとめてご紹介してきました。
UR賃貸は一般賃貸に比べて家賃は高く設定されていますが、その分初期費用や更新料が抑えられるメリットがあります。
また、設備や内装も順次新しいものに入れ替えていたり、年数が経過している物件になると大幅なリニューアルをしていたりすることも多くなっています。
鉄筋コンクリート造で防音性も高く、広さも一般賃貸より大きくなっていることから、子育て世帯にもおすすめの物件です。
一般賃貸とUR賃貸ではどちらにもメリット・デメリットがあり、人それぞれで向き不向きがあります。
UR賃貸に住みたいのであれば、あらかじめメリットだけでなくデメリットも把握してから検討することをおすすめします。