資産形成のための不動産投資をスタートさせようかと考えている人もいるでしょう。
しかし、どの程度の費用が必要なのか疑問い感じている人はいるはずです。
そこで、アパートの建設費用やコストを抑えた建設方法について解説していきます。
目次
アパートの建築費用について
アパートを建築するにはどのくらい費用がかかるのか、内訳を見ていきましょう。
坪単価と構造
建築費は、立てる建物の坪数や構造によって異なります。
構造には、木造や鉄骨造、あるいは鉄筋コンクリート造など種類があり、どのくらいの大きさの建物にするかで費用は大きく変わりますが、何坪でどの程度の価格かを表すために「坪単価」という言葉が使われます。
この坪単価は建築費を延床面積で割ることで出すことができ、一坪あたりの建築費をそのように言います。
建築費は概算であるものの「坪単価×延床面積」で出すことが可能です。
例を挙げると、坪単価40万円で80坪のアパートを建築した場合には、その費用は3,200万円ということになります。
建築費に含まれる項目
建築費には、大きく分けると本体工事費、付帯工事費、その他の諸費用といった3つに分類できます。
先ほど解説した坪単価で求める建築費は、本体工事費のみを指すことがほとんどで、そこに付帯工事費を合わせたものが建築工事費、さらに諸費用を合わせたものを総工事費と呼びます。
付帯工事費は別途工事費と言われることもあるように、建設設備に関わる工事を指しており、電気やガス、給排水などが該当します。
諸費用がかかることも忘れずに
建物を建築する際には、工事費の他に税金やローン手数料、印紙代や確認申請の手数料など、さまざまな費用を自己資金から支払う必要があるため、全体の費用の10%ほどを用意しておくと安心です。
建築のコストを削減するためのポイント
周辺の家賃相場に見合っており、収益を確保するためにできるコスト削減ポイントを紹介します。
構造について
同じ大きさの建物でも構造によって建築費は大きく異なります。
構造には木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造など様々な種類があることは先ほど紹介しましたが、その中でも最も建築費を抑えられるのが木造です。
ただし、木造は安く済む分他の構造よりも耐震性など強度の面で不安に感じる人も少なくありません。
だからと言って鉄骨造は高いと思われるかもしれませんが、軽量か重量かでも費用も大きく違います。
木造より少しコストはかかるものの、性能性で優れている軽量鉄骨を選ぶ人も増えています。
建物は建築地だけでなく、その後の維持費も発生します。
将来的にかかるコストも見据えたうえで構造を選ぶことが大切です。
仕上げや設備について
建築費が予定していた額より上回る原因として挙げられるのが、内装や外装の仕上げや、設備などのオプション追加です。
一般的に計画段階では、設備などの費用は標準使用計算されています。
しかし、計画が進むにつれ良いものに変えたいと選んでいると、費用が増額してしまうのです。
周辺にある物件との差別化も含め、どこに重点を置くのか、事前によく考えておくことが大切です。
形状について
建物の構造体である躯体部分は、そこまで増減がないと言われているものの、形状によっては費用が大きく増える場合があります。
曲線を多く使ったデザインや中庭のあるコの字型など、複雑な形状であればあるほど、費用は嵩みます。
コストを抑えたいのであれば、あまり凝ったデザインではなく、シンプルな形状の建物にすると良いでしょう。
規模について
費用は建物の規模に比例します。
大きくなればあるほど、費用は上がるため当初予定していた予算を超えることも珍しくありません。
さらに、増えた費用を削るにも設備などのグレードを下げただけでは難しいです。
そのため、設備などのグレードや内装・外装にこだわるのであれば、建物の規模を縮小することも必要です。
階数を減らすだけでも数千万円の費用削減が可能ですので、費用を抑えたい場合におすすめです。
建築会社の選び方について
建築会社を選ぶ際、地域密着企業と大手企業のどちらが良いか迷われる方も少なくありません。
より収益性のある建物を建築するには、その土地に適したプランかどうかが重要です。
地域密着型ならばもしものときのすぐに対応してもらえる安心感があります。
会社を選ぶ際には、住宅だけでなく規模の大きい建物建築のノウハウのある会社を探してください。
大手企業の場合、安定した品質と幅広い経験から培ったノウハウを活かした提案をしてくれるでしょう。
どちらにも良いところがあるため、適したプランを提案してくれるのかどうかで選ぶのも一つの方法です。
ローコストアパートにはこんなメリットとデメリットがある
建築費をなるべく抑えたいと考えるのは当然のことですが、ローコストにはメリットもあればデメリットも存在しますので、紹介します。
メリット
メリットは何といっても初期費用も含め、費用負担を抑えられることにあるでしょう。
諸費用は建築費用の5%程度かかると言われているため、建築費が抑えられればその分諸費用も安く済みます。
また、アパートなど規模の大きい建物の場合、その費用を全て自己費用で賄える人は少なく、ローンを利用する人がほとんどです。
しかし、アパートのローンは住宅のローンに比べて金利が高い傾向にあります。
金利が高ければその分返済額も高くなるため、借入金額が安く済むローコスト住宅は負担が少ないです。
デメリット
ローコストで建築した場合、コストを下げるため規格化した部材を使用することがあります。
つまり、大量発注することで一つの部品を安く抑えているため同じ部材を使用した、似ているデザインの建物が他にも多くあるということになります、
また、コストを削減するため設備などのグレードを下げた場合、耐久性が低いことがあります。
耐久性が低いということは、修繕にかかる費用も増えてしまうため、後々収益を圧迫する可能性があります。
まとめ
アパートの建築費にはどの程度費用がかかるのか、コスト削減するポイントやローコスト住宅のメリット・デメリットも併せてお伝えしてきました。
アパートを建てるには、建築費用の他にもさまざまな費用がかかります。
中々予算内で希望通りの建物を建築することは難しいこともあるでしょう。
そのような場合には費用を掛けるところ、削るところをそれぞれよく考えて予算配分することが大切です。