賃貸人とは何をする人?役割と賃貸人になる方法もご紹介!

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不動産について調べていると、聞きなれない言葉や堅苦しい言葉が多く、意味を理解しづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は賃貸借契約の際に頻繁に登場する「賃貸人」という言葉について詳しく解説していきます。

賃貸人とはどんな人?読み方は?

賃貸人

そもそも「賃貸人」とはいったい何をする人なのでしょうか。
「賃貸人」の読み方は「ちんたいにん」であり、賃貸借契約の際に建物や部屋等の目的物を提供する側を指します。
一般的に貸主や大家と呼ばれている賃貸物件を貸す側です。
物を他人に貸すことで賃料や使用料といった収益を得る側を賃貸人と呼ぶため、不動産だけでなくレンタルなどの貸し出しをする動産にも当てはまります。

賃貸人の義務について

不動産

賃貸人に発生する3つの義務について詳しく解説します。

使用収益させる義務

部屋や建物、テナント等を賃借人(借りる側)に貸し出す際には、生活や業務といった活動をできるようにしておく必要があります。
また、貸し出したスペースだけでなく、エレベーターや廊下、ゴミ置き場といった他の賃借人との共有スペースも使用させなければいけません。

修繕義務

賃借人が安全に使用できるよう貸し出している目的物に対し、通常の状態に修繕する義務が発生します。
例えばマンションを貸し出している場合には、共有部分の廊下や階段の電気、郵便ポストといったものが対象に含まれます。
修繕義務が発生するということは、修繕権を持つことであるため、賃借物が外的要因によって傷んだ場合には、賃借人が拒否しても賃貸人は修繕することが可能です。

費用償還義務

賃借人が物件に対し、費用を出した場合には、賃貸人はその費用を負担しなければならない義務が発生します。
この費用は「必要費」と「有益費」の2つに分類できますが、「必要費」は窓の破損や屋根の修理など必ず修繕する必要があるもの、「有益費」は壁紙の張替えやウォシュレットといった物件の価値を高めるために支払った費用を指します。

賃借人とはどういった違いがあるのか?

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ここまで、賃貸人について詳しく解説してきましたが、借りる側である賃借人との違いは何なのでしょうか。
賃借人は、物や物件等を借りる際に賃料を対価として支払う義務があります。
また、賃貸人から借りた物件を返却するときには、経年劣化や自然損耗は除き、借りた当初の状態に回復させる義務があります。
他にも借りる際に交わした賃貸借契約書の内容について遵守する必要があるため、契約内容はきちんと確認しましょう。

賃貸人にはこんな人が多い

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賃貸人には不動産投資として脱サラをして賃貸人になる人や、副業として賃貸人を始める人が多くいますので、詳しくご紹介します。

脱サラした人

脱サラとは、サラリーマンが会社を辞め、賃貸人を本業として不動産を運用していくことであり、時間をかけて管理することが可能になります。
賃貸人によってしっかり管理されていると感じることのできる不動産は、賃借人からしても魅力的に感じるため、人気が高いです。
また、大家として、賃借人が意見や求めていることにしっかり耳を傾けいい関係を築くことができれば、長期間の賃借にもつながります。

副業として行っている人

本業とは別に、副業として不動産投資を行い、賃貸人を始める人もいます。
サラリーマンであっても、副業であれば会社を辞める必要もなく、本業で安定した収入を得られるため、家賃収入が不安定な場合にも安心です。
独身向けの賃貸なら、昼間は仕事で不在の人も多いため、万が一トラブルが発生した場合でも、仕事後や休日に対応できます。
また、管理会社に建物の管理を依頼すれば、ほぼお任せできるため、本業を疎かにしてしまうこともありません。

賃貸人として賃貸経営を始める方法

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不動産投資を行い賃貸人として賃貸経営を始める方法についてご紹介していきましょう。

建物を取得

まず始めに部屋や建物といった貸し出す物件を取得します。
予算に合わせて、マンションにするのかアパートにするのか、一棟まるまる購入するのか1部屋の購入にするのか検討します。
このときに大切なのが、借りる側が暮らしやすい間取りや向きなのかも考えることです。
高い物件を購入しても借り手がつかなければ意味がありません。
初めてでどうしたらいいかわからない場合には、不動産会社に相談するのも良いでしょう。

仲介業者や管理会社を選ぶ

仲介業者や管理会社を選ぶ際には、評価や口コミの評判が良く、しっかりと仕事をしてくれる実績のある会社を選びましょう。
そうすることで、予算と収益性のある不動産を見つけられたり、管理が行き届き綺麗な状態で運営できたりするため、賃貸物件として人気が出やすいでしょう。

自身も管理にしっかりと努める

買ったら全て管理会社に委託をして終わりではなく、負担の少ない範囲で自主管理を行い、管理会社を管理することも重要です。
近場の物件であれば除草や掃除、点検といった雑用をすることで、建物だけでなく賃借人の確認やコミュニケーションを取れるでしょう。
大家として管理することが、賃借人と良い関係を築くうえで大切になるのです。

確定申告や決算作業も忘れずに

賃貸人として収益を得た後は、確定申告を行う必要があります。
書類に必要事項を記入し、税務署に提出しましょう。
源泉徴収票は勤務先から、賃料入金明細や礼金資金などが記載されている賃貸契約書は管理会社から発行してもらいます。
必要な書類を集めたら、決算書を作りますが、この決算書には不動産所得用の青色申告決算書と収支内訳書の2種類作成する必要があります。

まとめ

賃貸人とはどういったものか、どんなことを行うのかなど、詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
賃貸人にも賃借人にもそれぞれ役割と義務が発生しますが不動産投資を行い、賃貸人を始める場合にはトラブルを防ぐためにも事前にしっかり契約内容を確認することが大切となります。
気になる点があった場合には仲介業者や管理会社に確認しましょう。
また、物件購入後も全て管理会社にお任せではなく、自らも管理に関わることで借りる側である賃借人とも大家として良い関係を築くことができ、安心して運営することにつながります。