物件選びの条件として、日当たりの良さを重視する人は多くいます。
中には、日当たりが良いというイメージの強い南向きの物件に絞って探している方もいるのではないでしょうか?
しかし、向きだけに気を付けていても、ライフスタイルやその他の要因によっては、期待していたようなメリットが得られない可能性もあります。
この記事では南向きの家のメリット・デメリットから、南向き以外の家の特徴、日当たりの良い物件を探す際のポイント、方角以外でチェックすべきことまで、まとめて解説していきます。
「日当たりで選ぶなら南向きがいい」と決める前に、ぜひ一度この記事に目を通してから自分にあった物件選びを行ってください。
目次
南向きの家とはどんな家?人気や価格に影響も…
一般的に、南向きの家には日当たりが良いというイメージが大きく、物件選びでも南向きにこだわる方は少なくありません。
しかし、何を持って南向きと言うのか、いまいちかわからないという方もいるでしょう。
そこで「南向きの家」とはどんな家を言うのか、また人気や物件価格との関係について解説していきます。
南向きの家とは?
不動産関連で使われる「○向き」とは一般的に、バルコニーやベランダなどの最も大きな窓が面する方角のことを指します。
北半球に位置する日本では南から太陽の光が差し込むため、南向きの家は他の方角に比べて日照時間が長いという特徴があります。
日中の日当たりが良く、通気性にも優れていることで、開口部が少ないアパートやマンションでは特に南向き物件の人気が高くなっているのです。
日当たりによる人気や価格の違い
日当たりの良さは物件選びに大きく影響しており、家の向きを人気が高い順に並べると、1位:南向き、2位:東向き、3位:西向き、4位:北向きとなっています。
それに比例して物件価格や家賃も南向きが高く、北向きが安い傾向にあります。
ただし、最近は家の向きだけで物件を選ぶ方は減っており、方角よりも間取りや住宅設備、周辺環境など、他の要素の方が重視されるようになってきています。
むしろ「住まいを決めるなら絶対に南向きがいい」と決めつけてしまうと、選択肢を狭めてしまい自分に合った物件選びができなくなってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
南向きの家に住むメリット
南向きの家は日当たりが良いことで人気であることをご紹介しましたが、日当たりが良いことで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは、南向きの家に住むメリットを解説していきます。
部屋が明るい
南向きの家に住む最大のメリットは、1年を通して日当たりが良いことで、長い時間明るい部屋で過ごせることです。
特に冬は太陽の高度が低いことから、他の方角よりもたくさんの日光を取り入れられます。
冬至の日には、日光の進入角度が一層大きくなるため、日の出から日の入りに至るまでの間、室内を明るく照らしてくれるでしょう。
南側にリビングなどの滞在時間が長い部屋を配置することで、照明をつける時間を短くすることが可能です。
光熱費を抑えられる
南向きの家は冬でも日照時間を確保できる上に、太陽の位置が低くなり部屋の中まで日差しが入りこみます。
そのため、冬でも暖かく過ごせて暖房を使う時間を短くでき、光熱費の節約につながるのもメリットの1つです。
しかし、南向きでも立地や周囲の環境によっては、期待していたよりも日差しが入らなかったり、昼間カーテンを開けにくかったりして、せっかくの恩恵を受けられない場合もあります。
物件選びの際は、実際にどの程度日差しが入るのかをよく確認しておきましょう。
洗濯物が乾きやすい
南向きの家では、南側にバルコニーを配置するケースも多く見られます。
南側のバルコニーに洗濯物を干せば、乾かす時間を短縮できるのもメリットです。
最近は部屋干しのみという方も増えていますが、部屋干しの場合でも窓を開けて直射日光を当てることで紫外線による殺菌効果が期待できます。
また、乾燥機を使う頻度を減らせるので電気代の節約になりますし、洗濯物を傷めるといったトラブルも防げるでしょう。
湿気がこもりにくい
日当たりが良い家は、通気性が良く湿気がこもりにくいというメリットもあります。
南向きの家なら、カビの繁殖や食品の劣化、湿気に起因する病気などを防止することも可能です。
反対に日当たりの悪い家だと、湿気がこもってカビや悪臭が発生するだけでなく、心身にも悪影響を及ぼします。
健康的な生活を送りたいのであれば、できるだけ明るく通気性の良い物件を選んだ方が良いと言えます。
売却時に高く売れる可能性が高い
南向きの家には、高い資産価値があることもメリットとして挙げられます。
せっかくマイホームを購入しても、転職や転勤などによって引っ越しを余儀なくされるケースがあります。
その結果、家を手放すことになった場合でも、人気の高い南向きの家であれば比較的高い値段で売却できる可能性があります。
しかし、その分自分が購入する場合は取得費用が高額になりやすいことにも注意が必要です。
南向きの家に住むデメリット
南向きの家にはたくさんのメリットがありますが、ライフスタイルや求める条件によっては必ずしも南向きの家が適しているとは限りません。
以下で紹介するデメリットも踏まえた上で、自分に合った物件を選ぶようにしてください。
夏は室温が高くなりやすい
南向きの家は1年中日当たりが良いため、冬でも比較的暖かいところがメリットである一方、夏は暑くなりやすいのがデメリットでもあります。
屋根やバルコニーなど、庇(ひさし)になるものがあればまだ、急激な室温の上昇を抑えられますが、タワーマンションなどのように庇が全くない物件の場合は、猛烈な直射日光が部屋に差し込むことになります。
そのため、夏場は暑くて過ごしにくく、エアコン代が高くなりがちなことも把握しておく必要があります。
なお、夏の暑さを少しでも和らげるためには、遮光カーテンや断熱フィルムなどを活用すると良いでしょう。
内装が日焼けしやすい
日当たりが良いことで、壁や床、畳などの内装が日焼けしやすいところもデメリットです。
紫外線によって内装が色褪せたり変色したりすれば、張り替えに高額な費用がかかる恐れもあります。
また、南側に書斎やパントリーを設置すると、本や食品を傷める可能性が高いため注意が必要です。
内装の日焼けが心配される部屋には、遮光カーテンや紫外線カットフィルムを設置するなどの対策を行うようにしましょう。
ほとんど日が当たらない部屋や外壁面がある
南向きの家だからと言って、すべての部屋の日当たりが良いわけではありません。
特に、真南に向いた家の場合は、真北に面した部屋や外壁もできることになります。
真北を向く部屋や外壁には1日中ほとんど日が当たらないため、部屋に湿気がこもったり、外壁に苔が繁殖して外観が損なわれたりする可能性があります。
昼間でも室温が低くて暗いことで、物置やデッドスペースとなる部屋ができてしまうのはもったいないことです。
しかし、日当たりが悪いことを逆手にとって仕事部屋やコレクション部屋として利用すれば、日差しの影響を抑えて作業に集中したり、大事なものを劣化させずに保管したりすることも可能です。
南側に道路があるとカーテンを開けにくい
南向きの家でも南側に道路が面している場合は、通行人や車からの視線が気になってカーテンを開けにくく、日差しを取り込めない可能性があります。
日当たりの良い南側で洗濯物を干したくても、外部の目があることで結局は部屋干しまたは乾燥機を使うことになります。
日当たりの良さで南向きの物件を選ぶなら、南側に道路が面していないかどうかも確認しておくことが大切です。
相場より高額なケースもある
日当たりが良い南向きの家は人気があるため、相場よりも土地や物件の取得に費用がかかることも珍しくありません。
賃貸物件の場合は、日当たり条件だけで家賃に数千円の差が出ることもあり、方角だけで見れば南向きの物件が高い傾向にあります。
しかし、立地や物件、あるいは階数、間取りなどによっては、南向きでも安価で手に入るケースも見られます。
物件選びは、家の向きだけでなく様々な条件を総合的に見て判断することが大切です。
南向きの家が適している人とは?
ここまでは、南向きの家に住むメリットとデメリットをご紹介してきました。
これらも踏まえて自分には南向きの家が適しているのか、それとも適していないのかを判断してみましょう。
1つの目安として、次に該当する人は南向きの家が適しています。
・日中家にいる時間が長い人
・ガーデニングが趣味の人
・洗濯物が多い人
日中家にいる時間が長い人ほど、南向きの家の最大のメリットである日当たりの良さを実感しやすいです。
特に在宅勤務の方や小さな子どもがいる家庭では、家で過ごす時間が長くなるため、南向きの恩恵を多く受け取れるでしょう。
また、南向きの家はガーデニングを趣味とする人にも適しています。
バルコニーが南側に面していれば、植物にとって最適な環境で趣味を楽しめます。
家族数が多く洗濯物がたくさんある家庭も、洗濯物も乾きやすい南向きの家がおすすめです。
反対に、日中家にいる時間が少ない人は、日当たりによるメリットを実感しにくいため、南向きにこだわる必要はないと言えます。
他の方角の特徴もチェックしよう
物件選びの条件として日当たりを最も重視するのであれば、確かに南向きの家は最有力候補となるでしょう。
しかし、様々な条件を複合的に見れば、南向き以外にもベストな方角が見つかるケースもあります。
そこで、南向き以外の家の特徴やメリット・デメリットを解説するとともに、それぞれの向きにどんな人が適しているかもご紹介します。
自分のライフスタイルや希望条件と照らし合わせつつ確認してみてください。
東向きの家
東向きの家は、朝方から午前中の時間帯に日当たりが良いことが特徴で、南向きの次に人気があります。
朝日と共に気持ちよく目覚めて1日をスタートさせることができるため、朝型の生活を送っている方にはメリットが大きいと言えます。
朝早くに洗濯をする習慣のある人なら、午前中は洗濯物も乾きやすく、効率的に家事を進められます。
その一方で、午後からは日差しが遠のいていき、冬場だと午後の早い時間帯から暗くなり室温が低下するところがデメリットとなります。
とはいえ、日中家にいる時間が短い方であればそれほど気にならないでしょう。
逆に、夏場は夜間の涼しさを残したまま朝を迎えられるため、爽やかに起床できます。
以上のことから、次に該当する方には東向きの部屋が向いています。
・朝型生活の方
・夏の暑さが苦手な方
・午後は家にいる時間が少ない方
西向きの家
西向きの家は、午後から夕方の時間帯に日当たりが良くなるのが特徴です。
朝方や午前中はあまり日が当たらないため、夜型の生活を送っていて午後までゆっくりと寝ていたい方におすすめです。
ただし、午後からは徐々に日差しが強くなっていきます。
特に夏場の西日は部屋に強烈な熱さをもたらすことから、日中家で過ごす場合は冷房が欠かせません。
また、日中家を空けていた場合は、帰宅後にクーラーをつけても西日によって上昇した室温を快適な温度まで下げるには時間がかかります。
暑さで夜寝苦しさを感じることが予想される場合には、就寝時間の2時間ほど前から冷房をつけておくのがおすすめですが、冷房代が高くなることは否めません。
反対に、冬場であれば西日によって部屋を暖かく保てるので暖房代の節約になります。
西日が気になる方は、窓を複層ガラスにしたりフィルムを貼ったりするなどの対策を行いましょう。
西向きの家に適しているのは、次のような方です。
・夜型生活の方
・冬の寒さが苦手な方
・日中は家にいることが少ない方
北向きの家
北向きの家は、1年中日が当たりにくいため寒くて暗いといったマイナスな印象を持たれがちですが、夏場は涼しくて過ごしやすいというメリットもあります。
日光の影響を受けにくいので家具や内装が日焼けする心配がなく、蔵書やコレクションの保管場所としても最適です。
また、北向きの家の場合、リビングは南側に配置することが多いことから、日当たりの良い南側にリビングを広く取ることもできます。
冬は日中でも照明が必要で暖房も欠かせないため光熱費がかさみやすいですが、夜寝るためだけに帰宅する方や、夜勤をしていて帰りは朝になる方にとっては、それほど大きな問題ではないでしょう。
さらに、北向きの家は日当たりが悪いことで価格が安い傾向にあります。
これらから、次に当てはまる方は北向きの家も住まいの候補として十分検討する価値があると言えます。
・南側に広いリビングを設けたい方
・購入費用を抑えたい方
・日中家にいる時間が少ない方
南向きの家に固執して賃貸物件を探すのは避けよう
良い面ばかりに目を向けて南向き物件に固執しすぎることは避けましょう。
南向きと謳った物件でも日当たりが良いとは限らないからです。
また、人気のある南向きの家がネックとなるケースもあります。
続いては、南向きの家でも日当たりが悪くなるケースや南向き物件を選ぶ際の懸念点についてご紹介しましょう。
南向きの家でも日当たりが悪い場合とは?
1日を通して日当たりが良いとされる南向きの家でも、以下の場合は望むような日当たりが得られないケースもあります。
高い建物が希望の物件周りにある場合
南向きの部屋でさえあれば、満足のいく日差しが得られると単純に考えるのは止めましょう。
南側に高い建物があった場合、太陽を遮ってしまうため、望むような日当たりが得られない場合があるからです。
また、目の前に高い建物がなく、眺望が気に入って契約しても入居後に高い建物が建ち、日当たりが悪くなってしまうケースも考えられます。
日当たりが良くても、向かいの建物から部屋の様子が丸見えだったり、景観が悪かったりする場合、日中カーテンを自由に開けることができないかもしれません。
そういった場合、南向き物件に絞って選んだ意味がなくなってしまうでしょう。
安易に南向き物件に飛びつかず、周辺の住宅状況を確認する必要があります。
ベランダや窓際の構造が日差しの届きにくい設計になっている
南向きの物件で、周辺に日差しを遮る建物がなかったとしても望むほどの日差しが得られない場合もあります。
バルコニーやベランダなどが広くて奥行きがある場合は注意が必要でしょう。
日差しが室内の手前までしか届かず、日当たりの良い部屋ではなくなる可能性があるからです。
もしバルコニーやベランダが広く設計されているのであれば、内見の際に広さや奥行きを確認して、日差しが室内のどの程度まで届くかチェックしておくと良いでしょう。
また、ベランダに使用されている手すりの素材によっても日当たりが変わるのでチェックしておきましょう。
ガラス素材を使った手すりであれば、光を遮らず部屋の奥まで光が入り込みやすいです。
一方、素材がコンクリートなど日差しを遮るものであった場合、思ったよりも日当たりの悪い部屋になる可能性があります。
間取りによっては部屋全体に日差しが届かないケースもある
南向きの家であっても、間取りによって日の入り方が変わってきます。
もし窓に対して縦に長い部屋の場合は、窓付近に日は差し込みますが、部屋の奥まで日は届きません。
そのため、日当たりを見込んでリビングが南向きの物件を選んだとしても、窓際だけ明るく室内が暗いというケースもあるのです。
一方、窓の開口部分が横に長い間取りの場合は、部屋全体の日当たりは良くなります。
部屋全体に日差しを行き届かせたい場合は、南向きであっても間取りと窓がどのように設計されているか確認しておく必要があるでしょう。
南向き物件を選ぶ際の懸念点とは?
人気の南向き物件だからこそ、物件選びの際にネックになる場合もあります。
また、日差しの良さが売りの南向き物件ですが、日当たりの良さが問題になる場合もあるので確認していきましょう。
南向きの家は家賃が高い傾向にある
家賃は方角によっても差があり、南向きの家賃価格は高い傾向にあるとされています。
一般的に方角における家賃の額は北、西、東、南の順で高額になっていきます。
他の方角と同条件であっても、「南向き」というだけで家賃が高くなりやすいことは知っておきましょう。
立地や設備にこだわった場合は、さらに家賃が高くなるので、予算と条件を考慮して物件選びをする必要があります。
「人気の立地×南向き」の物件は需要が高く見つけにくい
立地が良い南向きの物件は需要が高いです。
そのため、空室が出てもすぐに契約者が決まり、なかなか思うような物件選びができません。
特に駅から近い好立地で日当たりの良い物件は多くの人から人気があるため、より見つけにくい傾向にあるでしょう。
南向きである条件も重要かもしれませんが、他にも部屋探しの軸となる条件を決めておくと効率良く物件探しができます。
譲れないポイントや妥協しても良い条件をあらかじめ決めておき、その中から絞っていくと良いでしょう。
日差しが強すぎて生活しにくいケースもある
好感視される日当たりの良さも、日差しによっては快適さを奪うものになります。
日差しの角度によっては眩しすぎて、日中生活しにくい場合も出てくるでしょう。
特に、夏場などは日差しも強く日照時間も長いため、部屋の温度も上がりやすいです。
真夏日などは夜になっても温度が下がりにくく、寝苦しさを伴うかもしれません。
余計なコストがかかる場合も
日差しが強い南向きの部屋は、日中照明をつける必要がない分、電気代は節約できるかもしれません。
しかし、先述したとおり、夏場などは温度が上昇しやすく熱中症のリスクが出てきます。
部屋が暑くなる分エアコンの使用頻度が高くなるので電気代も高くなりやすいでしょう。
また、日差しが強い南向きの部屋の場合、家具や床が紫外線で傷みやすいです。
室内で快適に過ごしたり、部屋や家具の状態を維持したりするために、遮光カーテンや断熱カーテンを用意する必要が出てくるでしょう。
また、日差しの強い日中は、カーテンを閉めっぱなしにする対策も必要かもしれません。
南向きを条件にすると選択肢を狭めてしまう場合もある
南向きにこだわって物件探しをしているとそこだけが重要視され、良い物件を逃してしまう可能性があります。
南向き以外の物件でも場所によって十分な日当たりを確保できる場合も多いです。
また、生活スタイルによっては、必ずしも南向きの物件だけがベストなものとは限らないでしょう。
「南向き」を条件にしていると、立地や家賃、設備が整っていて日当たりに問題ない物件を取りこぼす可能性があります。
選択肢を狭めないためにも、南向きだけにこだわらず自分に合った条件の中から選んでいくと良いでしょう。
南向きを含めた日当たりの良い賃貸物件を選ぶポイント
日当たりの良い方角として人気の南向きですが、生活スタイルによって求める日当たりの良さにも差が出てくるでしょう。
方角によって日当たりに違いがあるので、自分のライフスタイルに合わせて物件選びをしてみてもいいかもしれません。
ここでは、南向きを含めた日当たりの良い物件選びのポイントについて紹介しましょう。
生活スタイルによっては南向き以外の日当たりが適している?
日当たりと言っても方角ごとに特徴があり、南向きだけが日の光に恵まれているわけではありません。
早朝から動き出す朝型人間の方であれば、朝方から日当たりが良い東向きの物件が向いているでしょう。
日中家を空ける機会が多いのであれば、南向きの物件にこだわる必要はないのです。
また、夜型の人間や夜勤で起床時間が遅い方であれば、西向きの物件の方が快適な生活を送れるかもしれません。
日の光で睡眠を邪魔されることなく、午後から活動しやすいからです。
このように日当たりの良さは個人によって異なってくるので、自分に合う日当たりの良い物件がベストな家と言えるでしょう。
日当たりの良い物件選びのポイントとは?
ここからは、南向きの家を含めた日当たりの良い物件選びのポイントについてご紹介します。
間取りから各部屋の採光面を考える
日当たりの良い物件選びの際に、重要なのが「間取り」です。
日差しの量は、方角だけでなく、時間帯によっても変化します。
そのため、南向きのリビングだけではなく、各部屋の間取りや窓の位置にも注意しておく必要があるでしょう。
間取りと採光面を照らし合わせながら考えるとより快適な空間が得られるからです。
例えば、バルコニーが西や南に面していれば、気温が高くなるお昼過ぎに日差しが一番強くなるので、洗濯物が乾きやすいでしょう。
また、午後から活動量の多くなる子ども部屋にも日当たりが良く適しています。
東側にある部屋は、朝日が入り込むため、寝室として利用するのがおすすめです。
北側に位置する部屋は、他の方角に比べて強い日差しが望めません。
そのため、日差しや温度変化に向かない物を収納するスペースや書籍やパソコンなどを利用する勉強部屋などに向いています。
南向きの日当たりだけでなく、間取りから日当たりを考えるのも良い物件選びのポイントになってくるでしょう。
周辺の用途地域や高い建物がないかを確認する
日当たりの良い物件を選んでも、目の前に高い建物や横幅の広い建物が建ってしまっては意味がありません。
高さがない建物だったとしても、太陽の位置によっては、影が長く伸び、日当たりが悪くなる可能性もあります。
後悔しないためにも、物件周辺の建物の方角や高い建物が建っていないかを確認しておきましょう。
また、用途地域についてもチェックしておく必要があります。
用途地域とは、都市計画法に基づいた用途に応じた地域を指します。
用途が、商業系や工業系地域とされている場合、将来的に高層ビルや大型の商業施設が建設される可能性があるので注意が必要です。
長期間の賃貸契約を考えているのであれば、日当たりに影響しにくい住居系の「住居専用地域」であれば大きな問題はないでしょう。
用途地域については、国土交通省や自治体のホームページから確認できます。
手すりや室内ドアなど素材にも注目する
内見の際に、手すりや室内ドアにどんな素材が使われているか確認してみてください。
手すりが格子状の場合、ガラス素材の手すりに比べて光が通りにくいです。
ベランダからの光を最大限取り入れたいのであれば透明ガラス素材の手すりが良いでしょう。
また、室内ドアも素材を活かして日の光を取り入れることができます。
リビングと廊下をつなぐドアにガラスが使用されている場合、リビングに入り込む光がガラス部分を通過し廊下まで日の光を届けることができるからです。
方角以外でチェックするべきこと
方角以外にも部屋の快適さを左右する条件はいくつもあります。
南向きの物件=日が差し込むとは限りません。
ここでは、方角以外にチェックしておきたいポイントについて紹介しましょう。
周辺の環境
先述したとおり、周辺の建物によって日が遮られる可能性があります。
低層階に住む場合、高い建物でなくても、建物同士の距離が近いだけで南向きでも日が当たらない場合もあります。
日当たり状況を確認するためにも昼頃の内見をお願いしておくと良いでしょう。
また、周辺に高い建物がない場合でも今後、建設予定の場合もあります。
用途地域の確認や不動産屋などに聞いておくと良いでしょう。
窓の位置・数・大きさ
室内に日の光を入れるには、窓の位置や大きさ、数が重要になってきます。
日差しが入りやすい位置に窓がある場合、日の光を取り入れやすいです。
また、窓の数が多いほど日当たりの良い部屋となり、風通しも良くなるでしょう。
ベランダ・バルコニーの広さ
ベランダやバルコニーが広いと洗濯物を多く干せるメリットがあります。
しかし、広さや奥行きがある分、日差しが室内まで届かなくなるケースもあります。
日差しの入り具合を知るには実際に部屋に入り、中から確認する必要があります。
日当たりの良さを確認できる時間帯に内見予約を取りましょう。
部屋の階数
部屋の階数によっても日差しは変わってきます。
低層階であれば、周辺の建物によって光が遮られる可能性があるため、南向けの物件であっても日当たりが悪くなる可能性があるでしょう。
高層階になるほど、風通しや日当たりも良くなり防犯的にも安心できます。
しかし、家賃も並行して上がるため何を重視するのか考える必要が出てくるでしょう。
今回は、南向きの家についてメリット・デメリット、日当たりの良い賃貸物件選びのポイントについて紹介しました。
日当たりが良く、メリットの多い南向きの家ですが、方角や間取りによって日照時間が変わってくるので注意が必要です。
窓の数や周辺の環境によっても左右されるので、物件資料だけでなく実際に足を運んで確認することが重要になってくるでしょう。
また、南向きの部屋が万人に向いているとも限りません。
この記事を参考に、ぜひ自分の生活スタイルに合う物件選びをしてみてください。