花・ハーブ・野菜・果樹などの植物を混植しながら育てるフランス式家庭菜園、それが「ポタジェ」です。
テレビや雑誌で紹介されるようになり、耳にする回数がぐっと増えたような気がしています。
でも、どんな風にするのかな…と、図書館の大きな園芸コーナーに足を運んでも『ポタジェ』というタイトルの本はまだほとんど並んでいないんです。
そこで今回はポタジェをはじめるにあたり、最初に知っておきたい情報をまとめて、皆さんにお届けします!
目次
オーガニックな家庭菜園:ポタジェを造りながら考えること
植物同士の相性を知る!「コンパニオンプランツ」と「アレロパシー」
「ポタジェ」の最大の特徴、それは農薬や化学肥料に頼らず、様々な植物の相性を考えながら混植することで、
- 『病気予防』
- 『害虫忌避』
- 『生長促進』
といった効果をに生み出していくことです。これらの効果を生み出すのが「コンパニオンプランツ」と呼ばれる、相性の良い植物の組み合わせ。植物を増やしていく過程で少しずつ、この組み合わせを知っていきましょう。
一方で植物には「アレロパシー(他感作用)」という、他の植物が生長するのを阻害する働きを持つものもありますので、それぞれの植物がどんな場所を好み、どんな特徴を持っているのか、よく調べながら植える必要があります。
植物にはそれぞれの成長スピードと時期がある!間作とリレー栽培
卒業・入学シーズンにはサクラが、ゴールデンウィーク頃にはツツジが、梅雨時にはアジサイが咲くように、植物はそれぞれ固有の生長サイクルを持っています。このズレを上手に利用して、間作したり連作したりしていくのもポタジェの重要なポイントです。
やってみないとわからない!ポタジェは日々実験の家庭菜園
「コンパニオンプランツ」と「アレロパシー」、それぞれの植物とその組み合わせについて調べると、たくさんの情報が出てきます。
「よーし、調べた通りやってみた!これでばっちり!」と思って植えてみても、「思うように育たなかった…。」ということも多いです。
植物の生育状況には、土の状態、日のあたり方や気温、雨の降り方、植え方や種のまき方、そして個々の苗の状態など、植物同士の相性以外にも、非常にたくさんの条件が組み合わさって関わっています。
あれこれ全部を考えると、とても難しく感じてきますので、気軽に。
じっくりと庭の植物たちの生長を見守る気持ちで「ゆったりと」、一方で「あの植物を一緒に育ててみたい!」という好奇心も大事に、そして「大胆に」試してみるのがおすすめです。
これだけあればできる!ポタジェスタートアイテム
植えるところを作るもの…『土』と『枠』
ポタジェはどんなに小さな庭でも出来ますし、庭がなくともプランターやコンテナで楽しむこともできます。縦横1メートルのスペース、つまり畳1枚分ほどのスペースでも、レンガや石で枠を作れば植物はすくすく育ちます。
まずはコンテナか、地植えか、どちらかやりやすい方を選びましょう。
庭にそのままある土を使ってもある程度は育ちますが、栄養状態が不安定な場合もあるので、ホームセンターなどで腐葉土や栄養が混ざった「花と野菜の土」などを購入してくるのが安心です。
土を触るのに使うもの…『スコップ』、必要なら『軍手』
土を混ぜ合わせたり、苗を植えたりするのにスコップは一つ必要です。庭の土はとても固いので、地植えの時には一本大きめのものがあってもいいかもしれません。また、土いじりで手が荒れる人も多いので、気になる方は軍手もどうぞ。
水をやるもの…『じょうろ』
地植えの場合でも、最初は土がむきだしの部分も多く、水をやらないとすぐに弱ってしまうことも多いです。強い水流にならないように水のあげ方をコントロールできる『じょうろ』はあると便利です。もちろん、散水ホースなどがあれば、それでも大丈夫です。
植物…『苗』か『種』
まずは近くのホームセンターや種苗店に行って眺めてみましょう。
ほとんどのお店で、花・野菜・ハーブ・果樹が揃っています。こだわりの固定種の種も良いですが、まず手近な苗からはじめるのをおすすめします。
迷ったらまずはこれ!簡単鉄板の組み合わせ
ミニトマト&バジル&シソ&カレンデュラ
育てやすい&そのままで食べられてお弁当にも大活躍の『ミニトマト』が家庭菜園をするならやっぱりおすすめです!
ミニトマトは乾燥に強く(むしろ水のやりすぎNG)、多少ほったらかしでも実をつけてくれる初心者にぴったりのお野菜です。対してバジルは水が好き。雨が降り続いた日の水分や栄養を吸収し、土中のバランスを調整してくれます。また、その香りはトマトに群がるアブラムシを遠ざけてくれるという…まさにベストカップル!
シソやカレンデュラも同じく虫を避けてくれつつ、お互いの生長を助けます。
キュウリ&長ネギ&ナスタチウム
こちらもサラダやぬか漬けにと家庭で大活躍間違いなしのキュウリ!育てやすいのですが、単体ですと病気になりやすい一面も。しかし、長ネギの根っこにつく菌が病気や害虫を防いでくれる上、保湿の効果も発揮してくれます。根が触れるように植えるのがポイントです。
ナスタチウムはアブラムシやアリなどの害虫避けになってくれます。
いかがでしたでしょうか。ポタジェの世界はとっても奥深く、今回ご紹介したような定番の組み合わせもあれば、もしかしたら全く知られていない組み合わせもあるかもしれません。
植物から日々の恵みを受け取りながら、その組み合わせの世界を試していくのも楽しいと思いますよ♪