知らないと損をする?すまい給付金とは

すまい給付金

住宅の購入には多額の費用がかかるうえ、消費税も高額になりがちなので購入者の大きな負担となり、二の足を踏む人も少なくありません。
そこで、国が住宅購入費用の負担を軽減してくれる制度を設けました。
その名を「すまい給付金」と言いますが、この制度を利用するには一定の条件をクリアしなくてはなりません。
今回はすまい給付金について、どんな制度なのか、申請の条件や注意点をご紹介します。

すまい給付金とは?

すまい給付金

すまい給付金とは、住宅を購入した人が一定額の給付を受けられる制度で、消費税率が8%から10%に引き上げられたことで設けられました。
消費税率は2014年から2019年までの5年の間に段階を踏んで5・8・10%と引き上げられ、5%から8%に引き上げられた際には増税前には駆け込み需要が増加し、増税後は反動による消費の冷え込みが起こりました。
それは住宅業界も同様で、増税後の消費の冷え込みに対応するため、5%から8%へ引き上げられた際は住宅ローン控除の控除額が拡充され、冷え込み緩和の役割を果たします。
しかし、一定額以上の年収がないとあまり恩恵を受けられなかったこともあり、8%から10%へ引き上げる際に対応策として打ち出されたすまい給付金制度では一定額以下の年収の人を対象としているのが特徴です。

すまい給付金を申請できる条件とは?

すまい給付金

すまい給付金の申請には細かな条件があり、そのすべての条件を満たすことではじめて給付を受けられます。
条件内容を詳しく見ていきましょう。

対象はどんな人?

・自分名義の住宅を購入し実際に居住すること
・住宅購入時に住宅ローンを利用していること
・50歳以上かつ年収が650万円以下であれば住宅ローンを利用しなくても対象となる
・2014年4月から2021年12月までに住宅の引き渡しと入居が完了していること
・消費税率8%の住宅の場合、年収の目安が510万円以下であること
・消費税率10%の住宅の場合、年収の目安が775万円以下であること

中古マンションでも対象になる?

中古マンションであっても条件を満たせばすまい給付金の対象となります。

対象となる住宅の条件は以下の通りです。
・床面積が50平方メートル以上であること
・消費税率8%または10%が適用された住宅であること
・第三者による検査を受け、品質が保証されていること
・新築物件の場合は住宅瑕疵担保責任保険に加入しているか建設住宅性能表示制度を利用していること
・中古物件の場合、売主が不動産会社であること

中古マンションの売主は不動産会社のような宅地建物取引業者であることが条件となります。
すまい給付金とは消費税率の引き上げによる増税分を緩和させるための制度なので、消費税が発生しない個人間の売買契約は対象となりません。

住宅ローンに条件はある?

・自分が居住する住宅の取得に必要な住宅ローンであること
・返済期間が5年以上の住宅ローンであること
・金融機関等を利用した住宅ローンであること
・親族や友人、知人といった個人からの借金でないこと

給付額はどのくらい?

すまい給付金の給付額は住宅取得者の収入および不動産登記上の持分割合によって決まり、計算式は以下のようになります。
・給付額=給付基礎額×持分割合
収入については都道府県民税の所得割額に基づき決定するため、申請時は必ず、引っ越し前の居住が存在する市区町村発行の個人住民税の課税証明書を入手しなければなりません。
住宅ローンを利用し、消費税率10%の場合の給付基礎額は以下の通りです。
・基礎給付額50万円:収入目安450万円以下、所得割額7.60万円以下
・基礎給付額40万円:収入目安450万円超525万円以下、所得割額7.60万円超9.79万円以下
・基礎給付額30万円:収入目安525万円超600万円以下、所得割額9.79万円超11.90万円以下
・基礎給付額20万円:収入目安600万円超675万円以下、所得割額11.90万円超14.06万円以下
・基礎給付額10万円:収入目安675万円超775万円以下、所得割額14.06万円超17.26万円以下
※夫婦(妻は収入なし)および中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において、住宅取得する場合の目安です。
※政令指定都市に居住している人は都道府県と住民税の税率が異なるため、所得割額が異なります。
※国土交通省のホームページでは簡単な入力だけですまい給付金の給付額をシミュレーションできます。

申請方法は?

すまい給付金の申請は住宅購入後に可能となります。
申請方法は、必要書類をすまい給付金事務局へ郵送するか、各都道府県に設けられたすまい給付金窓口へ持ち込むかの2通りあります。
ここで注意しなければならないのが、申請書類の取得方法です。
直接窓口へ赴いても給付申請書は用意されていないので事前に国土交通省のホームページからダウンロードしておかなくてはなりません。
給付申請書に加え、必要書類をすべて添えて提出しなければ申請が通らないので注意しましょう。
また、すまい給付金の申請は住宅の引き渡しから1年以内となっており、期限を過ぎると給付を受けられなくなるので注意が必要です。
主な必要書類は以下の通りです。
・中古住宅販売証明書
・不動産登記における建物の登記事項証明書
・謄本・引っ越し後の住民票の写し
・個人住民税の課税証明書(非課税証明書)
・不動産売買契約書・住宅ローン契約書・通帳やキャッシュカード

すまい給付金の注意点

すまい給付金

すまい給付金は消費税率引き上げによる増税負担を緩和するために設けられた制度で、中古マンションであっても条件を満たせば適用となります。
しかし、給付を受ける第一の条件として名義人本人が居住することが挙げられているため、投資目的で購入する中古マンションについては対象外となり、申請ができないので注意が必要です。
投資用ではなく、自身の居住用に中古マンションを購入するのであれば、条件さえ揃えば給付を受けられるので確認してみましょう。

まとめ


今回はすまい給付金について、どんな制度なのか、申請の条件や注意点をご紹介しました。
度重なる消費税率の引き上げによって増税前の駆け込みや増税後の消費の冷え込みは住宅業界でも起きています。
どうしても高額になりがちな住宅の購入は消費税だけでも大きな負担となります。
すまい給付金はそんな購入者の負担を軽減すべく設けられた制度なので、対象となる場合はしっかり活用してお得に住宅を購入しましょう。