不動産投資の収入があるなら、2020年度分の確定申告について正しい知識を持っておきましょう。
しかし、会社勤めなどで年末調整により所得税等が精算されてきた人の場合、確定申告の経験がなく不安なのではないでしょうか?
そこで今回は、不動産投資で一定の家賃収入を得た場合に、どのように確定申告をすれば良いかを解説します。
用紙の入手方法や注意点など、不動産投資の確定申告について詳しくご紹介しましょう。
目次
不動産投資の確定申告のやり方
不動産投資で利益を出すなら確定申告は避けて通れません。
確定申告について正しく理解しておくと、自分にとって何が有利になるかが分かるようになるでしょう。
まずは、不動産投資の確定申告について流れをチェックしていきます。
確定申告の時期
確定申告書の提出期間は2月16日~3月15日の1ヶ月間です。
申告書の用紙には前年の1月1日~12月31日までの収支をまとめて提出します。
税務署は3月に入ると相談者で混雑しやすく、相談に時間がかかる場合があるので、2月中には確定申告を済ませておくと良いでしょう。
確定申告で必要となる書類リスト
確定申告をするにあたり、用意すべき書類があります。
いざとなって慌てないように、必要書類はしっかりと把握して事前に用意してください。
【白色申告の必要書類】
・確定申告書B
・収支内訳表
・各種控除の証明書類
各種控除の証明書類は、保険料や医療費などの証明書類です。
【青色申告の必要書類】
・確定申告書B
・家賃送金明細書
・不動産売買契約書
・譲渡対価証明書
・賃貸契約書
・売渡清算書
・保険料証明書
・ローン支払い明細書
・修繕積立金
・管理費明細書
・税金の納付書
・源泉徴収票(給与所得がある場合)
不動産投資の所得はBの用紙に記入
不動産所得がある場合、白色申告よりも節税効果が期待できる青色申告を利用します。
青色申告には正規の簿記での帳簿付けをする必要があり白色申告よりも手間がかかるものの、最大で65万円の控除を受けられる点がメリットとなります。
確定申告書の入手方法
確定申告に必要な用紙の入手方法についてまとめました。
自分の住まいや生活で入手しやすい方法を選んで、確定申告の用紙を手に入れてください。
翌年1月から用紙は入手可能
確定申告の用紙は1月の初開庁日以降から行っています。
申告書の様式は頻繁に変わっていて、細かい改正により記入欄の名前などが変わることも多いです。
そのため、前回の確定申告書が家にあったから使うということは基本的にできません。
毎年、新しい確定申告書の用紙を取得してください。
税務署や市区役所へ直接取りに行く
確定申告書の用紙は、税務署に直接出向いて入手できます。
申告書の用紙は窓口に置いてあったり、窓口の職員から受け取ったりします。
住んでいる地域によって、最寄りの税務署までが遠い場合などは市区町村の役場にも確定申告の用紙が置いてあるケースもあります。
税務署から郵送してもらう
最寄りの税務署までが遠い、あるいは地区町村の窓口には用紙がない場合などは、郵送で確定申告の用紙を取り寄せることもできます。
税務署に行く手間、時間をかけたくない人にもおすすめの方法です。
返信用封筒と「2020年度分の確定申告の用紙を1部送付してください」と書いたメモを入れて、所轄の税務署に郵送しましょう。
申告相談会場で用紙をもらう
2~3月の確定申告シーズンには、各地の税務署が確定申告相談会を行います。
相談会場は、税務署の敷地内や自治体が用意したスペースなどです。
確定申告の相談会場で確定申告書を作るなら、その場で用紙を入手しても良いでしょう。
国税庁から用紙をダウンロードして印刷する
国税庁のサイトから確定申告の用紙をダウンロードできます。
インターネットからダウンロードした確定申告書用紙を使っても良いでしょう。
ただし、ダウンロードして印刷した場合は、複写式ではないため控えが別用紙になってしまいます。
もし、ダウンロードして印刷し記入するなら、提出用紙に記入後にコピーし、余白部分に控えと記載して提出すると手間が省けます。
確定申告をする上での注意点
不動産投資で収入を得て確定申告をする場合に知っておきたい注意点をまとめてご紹介します。
提出期限や記載ミスに注意する
確定申告は2月16日~3月15日までの定められた期間に済ませましょう。
期限内に確定申告を行わないと、無申告加算税を課されることがあります。
また、記載ミスなどで申告額が違っていると「過少申告加算税」を課されることもあります。
不動産売却の利益は計算方法や必要書類に注意する
不動産投資の中でも、物件売却を行った場合は特殊な申告になります。
不動産売却の収入は譲渡所得として計算を行ってください。
必要書類は以下の4点です。
・譲渡所得の内訳書
・売却不動産の証明書
・取得時の書類
・譲渡時の書類
海外不動産は海外税額控除の申告が必要
海外不動産からの収益を得ている場合も、確定申告の方法は変わりません。
ただし、現地で納税している場合、さらに日本でも納税すれば二重課税となるので「海外税額控除」の申告が必要になります。
外国税額控除の対象国かどうかは国税庁のサイトでチェックできます。
還付の有無を確認する
給与所得がある人は、還付が発生する場合があります。
不動産投資からの所得と給与所得とは合算し損益通算を適用できます。
つまり、不動産投資が赤字なら課税所得が減り、税金の還付が行われるので、仕組みをしっかり理解しておきましょう。
2020年から青色申告特別控除額が変更になった
2020年の確定申告から青色特別控除額と基礎控除の適用条件が変更されました。
現行では青色申告特別控除額は最高65万円、改正後は55万円になります。
また、基礎控除額については現行が38万円、改正後が48万円です。
なお、青色申告について改正後の適用条件に加え、電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存をすれば、最大65万円の申告特別控除を継続して受けられます。
まとめ
不動産投資をしている場合、確定申告のやり方や仕組みを詳しく知っておくことが大切です。
確定申告を正しく理解しておくと、節税のために何をすべきかが分かるでしょう。
特に給与所得がある人は損益通算による効果的な節税が可能です。
2020年度分の確定申告からは青色申告特別控除の最高額が変更になっているので、65万円の申告特別控除を継続して受けたい場合は、電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存をして下さい。
確定申告の期間は1ヶ月しかありません。
必要書類は事前に揃えて正しく青色申告を行いましょう。