不動産投資をするならどのくらいの築年数の中古マンションが良い?

中古マンション

不動産投資をしようと考えた時に、新築マンションの購入ではなく中古マンションの購入を検討する投資家は多いです。
しかし中古マンションは、築年数によって劣化が進んでいる可能性などがあるため、状態をきちんと把握しておかなければいけません。

今回は、不動産投資物件としておすすめなのはどのくらいの築年数の中古マンションなのかご紹介していきます。
さらに、築年数が経っている中古マンションを購入する時の注意点についてもご紹介します。

築20年の中古マンションがおすすめ

マンション

不動産投資のために中古マンションを購入するのであれば、築20年の中古マンションがおすすめだと言われています。
まずはその理由から解説していきましょう。

判断材料が多い

築20年の中古マンションは、長く不動産投資物件として活用できるか否かの判断材料が多いというメリットがあります。

国土交通省がまとめた「RC造(コンクリート)の寿命に関する既往の研究例では、鉄筋コンクリートで作られたマンションの寿命は117年となっています。
マンションはかなり長く活用できる物件なのですが、寿命を全うできるかどうかはメンテナンスの仕方に左右されてしまうのです。

メンテナンス状況をチェックするためには、ある程度築年数が経っていなければいけないと考えられています。
新築のマンションや築年数が浅いマンションだと判断するために必要な材料が揃っていない可能性も高いため、築20年が目安になります。

内見をする時に、窓ガラスやゴミ捨て場、駐輪場、駐車場、バルコニー、階段の踊り場、壁や廊下のひび割れは要チェックです。
共有部分の修繕は、修繕積立金を活用して行われます。そのため、修繕積立金をきちんと徴収できていたのかを判断する指標になるでしょう。

築20年くらいの中古マンションを購入する場合は、大規模修繕が行われているかどうかも確認しておいた方が良いポイントになっています。
計画的に修繕されていて管理が行き届いていれば、入居率は高くなりますし、家賃水準も維持やすくなります。

購入後に下落するリスクが低い

築20年くらいの中古マンションは、既に価格が下がっています。
そのため、購入後にさらに下落してしまう可能性が低いという特徴もあります。

新築マンションは購入してから築年数が経過するごとに坪単価がどんどん下がっていくのです。
そして、築20年くらいで下がり方が緩やかになっていきます。

東京都内では、場合に寄りますが購入時よりも坪単価が上がるケースもあるので、購入後の下落が少なくて経済性が高いという点も、中古マンションならではのメリットだと言えます。
購入後の下落が低いということは、万が一手放すことになったとしても、リスクが低くなるということです。それは投資家にとって大きな安心要素になるでしょう。

築年数が経っている中古マンションを購入する時の注意点

マンション

築年数が経っている中古マンションは、投資物件としてメリットが大きいかどうかを判断するための材料が多かったり、購入後に下落するリスクが低かったりといったメリットがあります。

これらのメリットは投資家にとってとても魅力的ですが、築年数が経っているからこそ注意しなければいけないポイントもあります。
続いては、築年数が経っている中古マンションを購入する時の注意点についてみていきましょう。

設備の劣化度

RC造のマンションは、築50年くらいまでなら安心して暮らせると考えられています。
しかし、先ほども説明したように修繕を計画的に行っていたかが重要なポイントです。
定期的に外壁の塗装や防水処理などのメンテナンスを行うことで、中古マンションは良好な状態を保ちやすくなります。
定期的な修繕が行われているマンションであれば、内見の時に綺麗な状態を保てていることを確認できるでしょう。
設備が劣化しているかどうかを判断するためには、修繕計画や修繕履歴を見せてもらうのもおすすめです。

耐震基準

耐震基準が、旧耐震基準か新耐震基準かも重要なポイントになります。
1981年6月以降に建てられたマンションは新耐震基準で建てられているので、可能であればその条件に合う中古マンションを選ぶようにしましょう。

耐震基準は、建築基準法で定められている建物に必要とされている最低限度の耐震能力を持っていることを保証する基準です。
1981年6月に改正され、建築業界では改正前の基準を旧耐震基準、改正後の基準を新耐震基準と呼んでいます。
新しい耐震基準で建てられている中古マンションは安全性が高く設定されているので、新耐震基準の方は入居者に対して安心感を与えられます。

しかし、東京カンテイ「東日本大震災宮城県マンション被害状況報告」によると、大地震があった際に旧耐震基準と新耐震基準ではそこまで被害に大きな差が出なかったことも分かっているのです。
そのため、こだわりのエリアが合って旧耐震基準の物件しか見つけられないというのであれば、旧耐震基準の中古マンションを選ぶという選択肢もでてくるでしょう。

修繕計画

ここまでにも何度か説明していますが、修繕計画もきちんと確認しておかなければいけません。
修繕計画を立て、計画的に修繕を行っている中古マンションの場合は、購入後に大きな修繕をしなくて済む可能性が高いです。

大規模な修繕は1戸あたり100万円~120万円ほどかかると言われています。
50戸あるマンションだと、5,000万円~6,000万円ものお金が必要になります。
そのため、修繕計画をきちんと考えていて、修繕積立費を徴収しているか確認しなければいけません。
もしも、修繕積立費が安すぎると、十分な修繕ができない可能性も出てくるでしょう。

まとめ

不動産投資を検討している人は、どのような物件を選んだらいいのか迷ってしまうことが多いです。
新築の方が良いと思うかもしれませんが、築年数が経過した中古マンションならではのメリットもあります。
そのため、新築にこだわるのではなく、中古マンションも視野に入れて考えてみるのがおすすめです。

特に、築20年以上の中古マンションは、長く不動産投資物件として活用できるか否かの判断材料が多い、購入後に下落するリスクが低いといったメリットがあるため、とても魅力的です。
しかし、設備の劣化度や耐震基準、修繕計画について確認しないまま購入を決めてしまうと、後々後悔してしまう可能性が高いので、築年数が経っている中古マンションを購入する時の注意点も頭に入れておきましょう。