35坪の平屋は狭い?間取りアイデア&快適な住まいにするポイント

平屋

家づくりの際に2階建てではなく平屋を建築しようという方が増えてきています。
ワンフロアの限られた空間でも、設計の段階で工夫を凝らせば3~4人家族でも快適な暮らしを手にできます。
そこで今回は、住宅の延床面積で多く見られる35坪で平屋を建てる場合、どんな家づくりができるのか、快適な平屋にするにはどうすれば良いのかをご紹介します。
これから平屋建てのマイホーム建築を検討されている方はぜひご参考ください。

35坪の平屋とはどんな家?

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まず、35坪とは具体的にどれくらいの広さで、平屋を建てる場合の相場はいくらになるのか解説していきます。
具体的な広さや相場を把握して、どんな平屋が建てられるのかイメージしてみましょう。

3~4LDKの間取りにできる広さ

35坪は約115.7平米の広さで、大体3~4LDKが作れるほどの広さと言われています。
LDKに夫婦の寝室、子ども1人につき独立した部屋を持たせるのにちょうど良い間取りになります。
より詳しく解説すると、戸建て住宅には「これだけの広さがあればいい」と思えるほどの誘導居住面積水準という数値が設けられており、3人家族の誘導居住面積水準は約30.3坪、4人家族では約37.8坪と定められています。
そのため35坪は3人家族だと快適な広さを確保でき、4人家族でも十分ではあるが若干狭く感じる可能性があることになるのです。

相場は約1,000~2,000万円

35坪の土地に平屋建てを建築した場合、どれくらいの費用がかかるのかも気になるところです。
間取りや導入する設備などによっても異なりますが、3LDKと想定した場合の相場は約1,000~2,000万円になります。
4LDKの場合は2,000万円前後を想定しておくと良いでしょう。
この価格はあくまで相場であり、例えば建材や設備をこだわればさらに金額が高くなる可能性もあれば、工夫次第でコストを抑えることも可能です。

35坪平屋の間取りアイデア

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35坪の平屋を建てる場合、どんな間取りにしようか迷ってしまう方も多いでしょう。
続いては、35坪平屋で4LDKを想定した間取りのアイデアを3つご紹介します。

子育て世代は子ども部屋・客室を用意

まず、子育て世代で35坪平屋を建てるなら、子ども部屋は用意しておきたいところです。
子どもの数にもよりますが、1~2部屋を用意しておき人数が増えても独立した部屋が持てるようにしておきましょう。
最初は1部屋、後から間仕切りを付けて2部屋にできるようにしておくと、将来部屋を仕切るためのリフォームをせずに済みます。
また、来客が多いことを想定して客室を用意しておくのもおすすめです。
客室があれば来客があっても家族のプライベートも守りやすくなります。

仕事や趣味専用の部屋をつくる

新型コロナウイルスの影響から、在宅で仕事をする人が増えています。
プライベートの空間で仕事をしてもなかなか集中できない場合も多いため、仕事に活用できるワーキングスペースを設けておくと良いでしょう。
在宅の仕事にはならない方も、ワーキングスペースがあると様々な作業を行う際にも使えて便利です。
また、居住空間が余ったら趣味専用の部屋を作るのもおすすめです。
趣味専用の部屋があれば自分や家族がリラックスできる空間を作れるでしょう。

部分共有・同居型の二世帯住宅も可能

4LDKなら部分共有・同居型の二世帯住宅にすることも可能です。
部分共有・同居型の場合はLDKを共有することになり、その他の部屋は二世帯で分けることになります。
完全分離型だとどうしても建築コストが高くなりがちですが、部分共有・同居型の二世帯住宅なら一般的な住宅設計でも問題なく、追加でコストが掛かることもありません。

35坪でも快適な平屋にするポイント

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一般的な住宅面積と言われる35坪ですが、平屋にすることで2階建てよりも使えるスペースが少なくなってしまいます。
そこで、35坪の平屋でも快適に暮らせるように下記でご紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。

収納スペースの確保も忘れない

まず押さえておきたいのは、収納スペースです。
平屋では収納スペースが不足しやすいという問題点が発生しやすくなります。
しかし、収納スペースばかりにこだわっていても、逆に居住空間が狭くなってしまうので注意が必要です。
例えば平屋でもロフトを設けたり、ちょっとしたデッドスペースに収納棚を取り付けたりするなど、空間を上手に活用して収納スペースを確保しておきましょう。

部屋数を変更できる工夫をする

子ども部屋は人数に応じて独立した部屋を持たせた方が将来的にも良いです。
ただし、子どもが小さい時期から独立した部屋を持たせてしまうと、親の目も届きにくくなってしまいます。
そこで、先ほども少しご紹介したように後から間仕切りを使って独立した部屋を確保できるようにしておくと良いでしょう。
また、部屋数を変更できる工夫を施しておくと、子どもが成長して家を出ていき夫婦2人になっても部屋を使いやすい形に変更しやすくなります。

水まわりをばらけさせない

キッチンや浴室、トイレなどの水まわりを設置する場合、なるべくばらけさせない方が良いです。
バラバラに設置してしまうと動線が複雑化しやすく、また施工・メンテナンスもしにくくなりコストへの影響も考えられます。
家事動線を想定しつつ、水まわりは1ヶ所に集中させておきましょう。

平屋は最適な形を選ぶことも大事

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平屋を建築する際に、形にも注目してみましょう。
それぞれの形で家族の暮らしやすさが異なってきます。

I字型の特徴

比較的一般的な平屋の形で、縦に長いのが特徴的です。
長方形だと一直線に動線を結びやすいため、複雑化しにくいというメリットもあります。
ただし、扉はあっても空間的には1つにつながっているため、音が響きやすく遮音性を確保しなくてはなりません。
また、縦に長いことから採光・風通しについても考える必要があります。

L字型の特徴

L字型の平屋は手前にリビングを設置し、他の部屋を奥に設置できることから来客が多くてもプライベート空間を確保しやすいという点が挙げられます。
だからと言って開放感が失われてしまうこともありません。
デメリットとしてはI字型に比べて建物の構造がシンプルではないことから、建築費が少し高くなる可能性があります。

ロの字型の特徴

ロの字型は家の真ん中に中庭を設置し、その周りを回遊するような間取りになります。
中庭からは日光が入り、どの部屋も採光が取りやすい点はメリットです。
また、1周すれば同じ場所に戻ってこられるため家事動線も確保しやすくなります。
中庭で注意したいのが、水はけです。
雨が降ってきた時に中庭に溜まった水をきちんとはけられるようにしておき、枯れ葉や泥が排水溝に詰まらないよう、定期的にメンテナンスを行う必要があります。

コの字型の特徴

コの字型もロの字型と同様に中庭を設けられます。
ロの字型に比べて広く中庭のスペースが取れるため、ガーデニングなどを楽しみたい方におすすめです。
ロの字に比べて開放的であり、風通しも良いというメリットがあります。
ただし、コの字型もロの字型と同様に中庭の水はけを気にしなくてはなりません。
また、一般的なI字型よりも施工の難易度が上がり、コストが高くなりやすいです。

まとめ

今回は35坪・平屋の間取りアイデアや快適な住まいにするためのポイントをご紹介してきました。
35坪は一般的な住宅面積であり、平屋も問題なく建てることが可能です。
家族が多くなると手狭になってしまう可能性はあるものの、今回ご紹介した点も踏まえて設計すると35坪平屋でも快適な生活を送りやすいでしょう。