ツーバイフォー住宅を建てる前に知っておきたい、後悔しないためのポイント

ツーバイフォー

ツーバイフォー住宅は地震に強いと評判で、地震が多い日本に最適な工法と考えて新築に採用する方もいます。
しかし、ツーバイフォー住宅にも弱点があるので、それを知らないと後悔する可能性もあります。
後悔しない家づくりを実現するためにも、今回はツーバイフォー住宅の弱点やポイントをご紹介しましょう。

ツーバイフォー住宅に潜む弱点

ツーバイフォー

ツーバイフォーは2インチ×4インチ(38mm×89mm)の木材を使用した北米から来た工法で、従来工法と並んでメジャーです。
メジャーな上に耐震性や台風、強風に強いというメリットがありますが、その反面デメリットとなる部分もあります。
納得のいく家を建てるためにも、ツーバイフォー住宅に潜む弱点を知っておきましょう。

雨に弱い

屋根から作ることができないため、建築中の雨に注意が必要です。
ツーバイフォーは住宅の基礎作りから始まり、1階部分の壁から2階部分の床というふうに下から上に向かって建てていきます。
屋根は最後に取り付けるため、建築中に雨が降ると木材が濡れてしまいます。
木材に水分が含まれると伸縮によりひずみが発生したり、腐食を起こしたりする可能性もあって、その影響で住宅の品質が下がる恐れがあるのです。
元々日本より雨量が少ない北米の工法なので、雨量が多い地域や時期には向かない工法と言えます。

結露が発生しやすい

ツーバイフォーは気密性に優れているので、防音性が高く、室内の空気が外へ漏れにくく快適な空間にできるというメリットがあります。
その一方で注意したいのは結露です。
室内の暖かい空気が漏れにくいということは、常に湿気がこもった状態となるので結露が発生しやすくなります。
結露を放置すると濡れた部分にカビやダニ、シロアリが発生しやすくなります。
さらに、窓のサッシや木材部分が痛む原因となるので注意が必要です。

窓が少ない

ツーバイフォーはパネル(壁)によって家が支えられている構造が特徴的です。
窓を作るためには壁をくりぬく必要があり、多く窓を作ると強度が下がってしまいます。
そのため、窓が少ない住宅となってしまう点がデメリットです。
また、大きな窓も同じ理由で作れないので、開放感や採光のために大きな窓を作りたい場合は柱で家を支える従来工法を選びましょう。
ツーバイフォー住宅はリフォームやリノベーションが難しいことも頭に入れておいてください。
窓の増設だけではなく、壁をなくして空間を大きくしたいというリフォームも強度の関係で基本的には対応できません。

建てられる土地に制限がある

箱を組み立てるイメージのツーバイフォーでは、建てられる土地が限られています。
原則正方形や長方形の住宅となるので、その形が難しい三角形や台形などの変形字型の土地では建築できません。
特に都市部は住宅が密集していて敷地面積が狭かったり、変な形をしていたりするので、ツーバイフォー住宅は不向きです。
すでに保有する土地の形が正方形や長方形でない場合は、従来工法を選んだ方が無難です。

ツーバイフォー住宅で後悔しないためのポイント

ツーバイフォー

ツーバイフォー住宅には弱点がありますが、弱点をカバーできれば安心して暮らせる住宅にできます。
では、ツーバイフォー住宅を建てる上でどんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
ここからはツーバイフォー住宅で後悔しないためのポイントをご紹介します。

家づくりで何を重視したいのか明確にする

納得のいく家づくりをするためには、まず何を重視したいのかはっきりさせることが大事です。
どんな家にしたいのか、一番優先したい部分は何かが決まらないと、そもそもツーバイフォーが最適なのか判断が付きません。
例えば、自然光をたっぷり取り込みたい、庭やウッドデッキなど外の空間とつながりを持たせて部屋を広く見せたいという理由で大きな窓のあるリビングに憧れがあれば、ツーバイフォーでは不向きです。
しかし、大きな窓の優先度がそこまで高くないのであれば、別の形で開放感や明るさを工夫し、ツーバイフォーで建てるという選択もできます。
何を優先するか順位を決めることで、それに適した工法と難しい工法が明確になっていきます。

他の工法とよく比較してみる

木造住宅ではツーバイフォーと従来工法以外に、木造ラーメン工法があります。
従来工法は基礎の上に柱や梁、筋交いなどを組み立てて作られる工法で、職人の腕が重要となります。
設計や間取の自由度が高く、増築・リフォームのしやすさがメリットです。
そして、木造ラーメン工法は太い柱で枠を作り、それを組み合わせて建物を建てる工法となっています。
元々大型施設に使われていた工法なので、壁や柱が少なくても優れた強度を誇り、大きな窓や大空間を作りやすいです。
その代わり、他の工法よりもコストは高めとなります。
このように特徴やメリットに違いがあるので、他の工法ともしっかり比べて判断しましょう。
さらに、住宅メーカーでは各工法をベースに独自で加工した工法を使っている場合も多いので、そちらも比較して選んでみると良いです。

信頼できる営業マンか見抜く

安心できるツーバイフォー住宅は営業マンとの関係性も重要になってきます。
営業マンや住宅メーカーの中には、成績を重視して粗末な住宅を提案してくるケースもあります。
特に詳しい説明がないまま話が進み、理想とは違った住宅になってしまうこともあるでしょう。
ツーバイフォー住宅を作るにあたり良い情報だけ与えられ、弱点や自分たちの希望に合う住宅が作れるのかどうかなどデメリットの部分を伝えてくれない人は要注意です。
また、こちらの質問に対しても正確な回答をくれない営業マンも信用に足らない可能性が高いです。
信頼できる営業マンを見抜く方法は、こちらの話や質問をよく聞き、きちんと応じてもらえるかチェックしてみてください。
可能であれば実際の建築現場を見せてもらえるようにお願いしてみましょう。
提案や施工に自信がある業者であれば、特別な事情がない限り現場見学に応じてもらえるはずです。
そして、実際に建築現場を見る時は雑な作業をしていないかよくチェックしてください。

まとめ

ツーバイフォー住宅は雨に弱い、結露ができやすい、窓が作りにくいなど弱点があります。
しかし、耐震性や防音性、断熱性など機能性に優れ、コスパも良いというメリットがあるので、一概に悪い工法とは言えません。
ツーバイフォー住宅でも満足のいく家づくりは可能なので、重視したい部分を明確にし、信頼できる営業マンと共にプランニングしていきましょう。