家の建て替えに際して、多くの方が頭を悩ませることの一つが、「工事期間中の仮住まいをどうするか」です。
そこで今回は、立て替えにおける仮住まいの種類、仮住まいでの生活や引越しにかかる費用、仮住まいの選び方と注意点などをまとめて解説していきます。
近いうちに家の建て替えを予定しているけれど、仮住まいについてはまだ考えていなかったという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
建て替えにおける仮住まいの期間はどれくらいになる?

まずは、家を立て替える際の流れや仮住まいでの生活が必要な期間について把握しておきましょう。
建て替えの流れ
家の建て替えは、以下のような流れで進めることが一般的です。
1.予算やプランを立てて建築業者を選定する
2.仮住まいへ引っ越す
3.旧居を取り壊す
4.新築を建てる
5.工事完了
6.新居へ引っ越す
仮住まいへの引っ越しが必要となるのは、予算やプランの樹立・業者の選定などの事前準備を終えてから、旧居を取り壊しが始まる前です。
そして、仮住まいを退去するのは、新築工事が全て完了して竣工検査も済み、業者からの引き渡しを受けた後となります。
仮住まいで生活する期間
住宅を建て替えるために仮住まいで暮らす期間は、半年~1年程度が一般的です。
仮住まいとはいえ、半年以上そこで暮らすことになるので、ある程度の快適性を求めるのであれば、できるだけ早い段階から探し始めた方が良いでしょう。
特に、家族数が多かったりペットがいたりする場合は、物件探しが難航する傾向にあります。
ギリギリになって焦ることがないように、遅くとも着工の2ヶ月前には物件探しに着手することをおすすめします。
ただし、入居時期が早すぎると余計な費用がかかってしまうため、契約するタイミングにも注意しなければなりません。
費用節約のためには、旧宅の取り壊しが始まる1週間前くらいに仮住まいへ入居し、新居が竣工してから1週間程度で退去するというのがベストです。
仮住まい選びで発生しやすい問題点

仮住まい選びでは、以下のような問題が発生しやすいです。
・短期入居に応じてくれる物件が少ない
・荷物の収納場所が足りない
・ペット可の物件が見つからない
短期入居に応じてくれる物件が少ない
一般的な賃貸物件では、契約期間を2年としているところが多く、半年程度の短期入居に応じてくれる物件は少ないです。
その理由は、普通借家契約において契約期間が1年未満だと、借地借家法29条により「期間の定めがない建物」とみなされ、解約に関する決まり事を契約内容に盛り込むことができなくなってしまうからです。
例えば、「退去連絡は1ヶ月前までに行うこと」といった決まり事も設定できないので、契約期間を1年未満にするというのは管理会社や大家さんにとっては非常にリスクのあることなのです。
そのため、一般的な賃貸物件の中から探そうとしても、なかなか見つからずに時間がかかってしまう可能性があります。
仮住まいを探す際は、最初から短期入居が可能な物件に絞り込んで探した方が効率的と言えます。
荷物の収納場所が足りない
アパートやマンションなどの集合住宅は、一戸建てに比べて居住スペースが狭いため、荷物が多いと収納しきれない可能性もあります。
しかし、ただでさえ短期入居可能な物件が少ない状況で、広い収納スペースという条件を付け加えれば、選択肢をより一層狭めることになりかねません。
その場合は、無理に広い部屋を探そうとするのではなく、仮住まいとは別に倉庫やトランクルームを借りるのも一つの手です。
また、旧宅から引っ越す際に、できるだけ不要な荷物を処分することで、仮住まいに持ち込む荷物を減らせます。
家の立て替えを機に、古い家具や家電を処分して、新居に引っ越すタイミングで新しいものを購入するという方法もあります。
ペット可の物件が見つからない
短期入居が認められている上に、ペットの飼育も可能という物件は限られているため、ペットと一緒に仮住まいで暮らしたいと考えている場合は、通常の仮住まい探しよりも難航しがちです。
ペットを実家や友人に預ける方法もありますが、ペットとの相性だけではなくアレルギーなどの問題もあるため、必ずしも受け入れてもらえるとは限りません。
ペットホテルを利用するにしても、預ける期間が半年以上ともなれば、高額な費用が発生します。
いずれにしろ飼い主と離れた場所で生活させることは、ペットにとって大きなストレスとなります。
ペットを伴っての仮住まい暮らしを検討しているのであれば、立地や広さなどの細かな条件はある程度妥協することも覚悟した上で、物件探しを行った方が良いでしょう。
仮住まいで選ばれることが多い物件の種類と特徴

仮住まいで選ばれることが多い物件は、以下の4種類です。
・短期契約可の賃貸物件
・マンスリーマンション
・ホテル
・実家
それぞれの特徴と、仮住まいに選ぶ上でのメリット・デメリットをご紹介します。
短期契約可の賃貸物件
賃貸物件なら、アパートからマンション、一戸建てまで物件数もバリエーションも豊富です。
しかし、先述のとおり2年契約のところが多いので、スムーズに仮住まいを決めたい場合は、「短期契約可」という条件に絞って探すようにしましょう。
1年未満の短期契約が可能な物件では、一般的な賃貸物件と違って契約更新を行えない分、家賃を抑えめに設定しているところも多いです。
ただし、たとえ短期間の入居であっても、敷金・礼金、仲介手数料などの初期費用は支払わなければなりません。
仮住まいに賃貸物件を選ぶメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・バリエーションが豊富
・1ヶ月分の家賃が安め
【デメリット】
・初期費用がかかる
マンスリーマンション
マンスリーマンションは、1ヶ月単位での契約が可能なマンションです。
1ヶ月分の家賃は、一般的な賃貸物件よりも高めに設定されていますが、敷金・礼金、仲介手数料などが不要のため、短期間であればトータルコストは安くなります。
また、生活に必要な家具や家電があらかじめ備え付けられている上に、ネットやライフラインも整備されているので、引っ越しや手続きの負担が軽くて済みます。
ただし、マンスリーマンションは基本的に内見ができないため、細かな情報はホームページの画像などから収集しなくてはなりません。
そもそも、単身赴任時や出張利用などを目的とする一人暮らし向けの物件が多く、家族で入居できる物件は少ないです。
居住面積も限られているため、家族分の荷物をすべて収納するのは難しいでしょう。
仮住まいとしてマンスリーマンションを選ぶ場合のメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
【メリット】
・初期費用がかからない
・入居期間が短いほどトータルコストがお得
・引っ越しや手続きの負担が軽い
【デメリット】
・内見ができないことが多い
・ファミリー向けの物件が少ない
・荷物の保管場所を別途確保する必要がある
ホテル
単身世帯や荷物が少ない人は、ホテルを仮住まいにする方法もあります。
ホテルなら、予約を取って宿泊料さえ支払えば、初期費用や引っ越し費用がかからずに済みます。
立地も駅から徒歩圏内であるなど、比較的利便性が良い傾向にあります。
しかし、家具を持ち込めないことや、滞在期間が長期になるほど宿泊料金が高くなることなどに注意が必要です。
また、自炊ができないため食費がかさみがちで、洗濯もコインランドリーかホテルの有料サービスを使用するとなれば、その度に費用がかかります。
仮住まいでの生活が半年以上になる場合は、短期契約可の賃貸物件やマンスリーマンションを選択した方がトータルコストを抑えられる可能性が高いです。
ホテルを仮住まいにするメリット・デメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
・初期費用や引越し費用がかからない
・立地条件が良い傾向にある
【デメリット】
・滞在期間が長いほど宿泊料金が高額になる
・食事や洗濯などに費用がかかる
・家具を持ち込めない
実家
最も費用を抑えられるのは、建て替え工事が完了するまで実家に住まわせてもらう方法です。
ただし、居住地が大きく変わると通勤や通学に影響が出るため、実家が近くにある場合のみ有効な方法となります。
また、一時的とは言え、普段別々に生活している者通しが、急に同居するとなれば、生活スタイルの違いからストレスを感じたりトラブルになったりする可能性もあります。
もし、家の建替えのために夫か妻、どちらかの実家に身を寄せる場合は、丁寧な話し合いを行って慎重に検討するようにしてください。
仮住まいに実家を選ぶメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・費用を抑えられる
・賃貸契約などの手続きが不要
【デメリット】
・トラブルを防ぐために丁寧な話し合いが必要
仮住まいへの引越しや入居後に必要な費用

続いて、仮住まいへの引っ越しや入居後に必要な費用についてご紹介します。
先ほどご紹介した仮住まいとして選ばれることの多い、賃貸物件、マンスリーマンション、ホテルの3種類でシミュレーションしてみましょう。
引越し費用
引越し業者に依頼する場合の費用は、荷物の量や距離など様々な条件によっても異なりますが、例えば「両親と子ども2人の4人家族で50km圏内」の引越しであれば、1回の引越し費用は約10万円程度が相場です。
家を建て替える際は、旧居から仮住まいへの引越しと、仮住まいから新居への引越し、計2回の引越しが必要です。
そのため、10万円×2回で20万円程度が家の立て替え時に必要な引越し費用となります。
賃貸物件を選んだ場合
仮住まいとして賃貸マンションを選んだ場合にかかる費用は、どの物件を選ぶかにもよりますが、ここでは以下の条件でシミュレーションしていきます。
・4人家族
・東京都内で2LDKの間取りの物件
・契約期間は半年間
両親と子ども2人の4人世帯でも、2LDKならある程度ゆとりのある生活が送れるでしょう。
上記の条件で物件を契約した場合、初期費用の内訳と合計は以下のようになります。
・敷金…30万円
・礼金…30万円
・仲介手数料…15万円
・火災保険料…2万円
初期費用の合計…77万円
続いて、半年間の生活費の内訳と合計は、以下のとおりです。
・家賃18万円×6ヶ月=108万円
・光熱費3万円×6ヶ月=18万円
半年間の生活費の合計…126万円
77万円(初期費用)+126万円(半年間の生活費)に、2回分の引越し費用となる20万円と足すと、仮住まいとして賃貸物件に半年住む場合にかかるトータル費用は、223万円程度ということになります。
マンスリーマンションを選んだ場合
マンスリーマンションを選んだ場合にかかる費用もシミュレーションしていきます。
なお、賃貸物件の時と同様に、「4人家族で東京都内の2LDK物件に半年間住む」という条件を想定しています。
マンスリーマンションでは、敷金・礼金。仲介手数料がかからないため、初期費用はゼロ円です。
半年間の生活費の内訳と合計は、以下のとおりです。
・家賃…30万円×6ヶ月=180万円
・光熱費…2.5万円×6ヶ月=7.5万円
・火災保険…0.1万円×6ヶ月=0.6万円
半年間の生活費の合計…188.1万円
マンスリーマンションに家族全員分の荷物が収まらない場合は、トランクルームも借りる必要があります。
トランクルーム料は、広さによっても異なりますが、家族4人分の荷物となると4畳くらいの広さが適当でしょう。
4畳の広さのトランクルームをレンタルした場合、1ヶ月の費用は3万円程度が相場なので、半年間ではおよそ18万円かかります。
よって、マンスリーマンションで半年間生活した場合のトータル費用は、188.1万円(半年間の生活費)+18万円(トランクルーム料)+20万円(2回分の引越し費用)で、「226.1万円程度」となります。
ホテルを選んだ場合
仮住まいにホテルを選んだ場合の費用のシミュレーションもご紹介します。
ホテルは、マンスリーマンション同様、初期費用がかかりませんが、家具などを持ち込めないので、トランクルームを借りる必要があります。
家族4人で1泊3万円のビジネスホテルに宿泊した場合は、3万円×6ヶ月(180日)で、宿泊費用の合計は540万円となります。
これに、半年間のトランクルーム料18万円と、2回分の引越し費用20万円を足します。
よって、建て替えでホテルを仮住まいにすると、半年間で「578万円程度」のトータル費用がかかることにとなります。
上記のシミュレーションからも分かるとおり、仮住まいとして半年間借りる場合、最もトータル費用を安く抑えられるのは、マンスリーマンションです。
ただし、建て替え工事が1年近くに及ぶ場合は、賃貸物件の方がお得になることもあります。
仮住まいの探し方

仮住まいを探す際は、自身で手配する探し方と、施工業者やハウスメーカー、仲介業者に斡旋してもらう方法があります。
仮住まいと言っても、新居に移り住むまでの間、生活の拠点となる場所なので住みやすさを重視して物件探しを始めましょう。
ハウスメーカーや施工業者に斡旋してもらうケース
建て替えやリフォームをする場合、ハウスメーカーや施工会社から仮住まい用の物件を斡旋してもらえるケースもあります。
紹介してもらえる仮住まい用の物件がないか相談してみると良いでしょう。
業者から仮住まい用物件を斡旋してもらえれば、仮住まい探しの手間が大幅に減ります。
また、仲介手数料が必要ないケースも多いのでその分費用を抑えることができます。
自分が希望する物件や条件を提示しておけば、会社側が物件を選定してくれるでしょう。
しかし、物件数には限りがあり、タイミングによっては空もなく、希望するような物件がない状況も珍しくありません。
そのため、なるべく早い段階で相談し、なかった場合自分でも探せるように準備しておくことも必要です。
自分で物件を探すケース
多くの場合、自分自身で条件に合う物件を探すことになるでしょう。
自分で物件を探す場合、以下の方法を利用してみてください。。
・仮住まい用物件を取り扱う専門業者に問い合わせる
不動産業者の中には、仮住まい用物件を専門に扱う会社もあります。
仮住まい専門なので、短期の入居が原因で仲介を断られることはありません。
仮住まいで発生しがちな、急な入居のお願いや初期費用を抑えたいといった要望にも応えてくれる場合が多いです。
しかし、仮住まい用物件専門の業者数はかなり限られるため地域によっては利用できないケースもあります。
・地元の不動産会社に問い合わせる
これまでの生活スタイルを崩さないためには、なるべく近隣の物件から探すのがポイントです。
その場合、地元の不動産会社であれば、近場の物件を多く取り扱っているので、希望の物件を探しやすくなるでしょう。
ただし、仮住まい用として希望する場合、短期間の契約であるため、取引が断られるケースもあります。
断られないように仮住まいであることを言わずに契約・解約した場合、短期解約の違約金が発生する場合もあります。
そのため、物件探しに苦戦していても前提条件を伝えた上で相談に乗ってくれる不動産会社を探すことをおすすめします。
・不動産賃貸のサイトから物件を選ぶ
不動産賃貸のサイトを使えば、住所や条件を入力するだけで多くの物件をチェックすることが可能です。
細かい希望の指定もでき、掲載写真からどんな物件か家にいながらチェックできます。
気になる物件がでてきたら、そのまま不動産会社へ問い合わせます。
・自治体に仮住まい物件があるか相談する
自治体の中には、空き家などを自己管理している組織もあります。
自治体自己管理物件であれば、家賃も賃貸物件より安く、短期間契約であっても問題なく入居できるケースが多いでしょう。
しかし、自治体管理物件を取り扱う自治体が少なく、利用条件も各自治体によって異なるなど利用しづらさがあります。
・ウィークリーアパート・マンスリーマンションも視野に入れる
数ヶ月~1年未満の仮住まいの予定であれば、ウィークリーアパートやマンスリーマンションも悪くない選択肢です。
一般的に賃貸物件の場合は2年契約が求められますが、これらの物件の場合は短期契約でも問題なく借りられます。
しかし、通常の賃貸物件よりも割高になるため、長期での契約は不向きです。
仮住まいを探す時のポイント

一時的に住む家だとしても、生活の拠点となるため安易に決めてしまうと仮住まい期間がストレスや後悔の多いものになってしまいます。
ここでは、仮住まいを探す時のポイントについてご紹介しましょう。
仮住まいを探し始めるタイミングと契約期間
建て替えの計画と同時進行で仮住まい物件を探し始めると良いでしょう。
仮住まい探しには、時間がかかる場合も多いからです。
一般的に大家さんは長期での契約を希望しています。
半年以内で退去の予定がある場合、希望の物件を契約できなかったり、割高になってしまったりする場合もあります。
また、ペットを飼っている、子どもがいて学区内にある物件を探しているといった条件がある場合は、さらに物件が限られるため、余裕を持って仮住まいを探し始めた方が良いでしょう。
仮住まいにかかる費用
仮住まいにかかる費用は、契約する仮住まいの種類によって大きく変わってきます。
例えば、賃貸物件を仮住まいとして選択した場合、敷金・礼金・仲介手数料などがかかり、家賃3ヶ月分と同額の支払いが発生します。
また、賃貸契約書の締結時に、契約期間が短い場合、一括での支払いや割増料金を提示されるケースもあるでしょう。
さらに、仮住まいと新居への計2回にわたる引越し費用も忘れてはなりません。
そのため、仮住まいにかかる費用をすべて洗い出し、しっかりとした資金計画を立てておく必要があるでしょう。
どれくらいの広さが必要になるか
家族の人数や家財、荷物の多さからどれくらいの広さが必要になるか考えておかなければなりません。
夫婦だけなら、1LDK、子どもがいるのであれば2LDKは必要でしょう。
一般的に、引越しをしようとした際に、思った以上に荷物が多く、置き場所に困る方も多いです。
特に一戸建てに長期間生活していた場合は、押し入れや倉庫など普段あまり気にしていなかった荷物が大量に眠っています。
そのため、想定しているよりも少し大きめの部屋から探し始めた方が引越しの際安心かもしれません。
なるべく、不要なものを処分して荷物を減らすのが望ましいですが、仮住まいの期間中だけ、貸倉庫を利用するという方法も使えます。
どの種類の物件が適しているか
仮住まいとして選択する物件には、賃貸物件、ウィークリー・マンスリーマンション、ホテルや実家といった選択肢があります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った種類から選ぶようにしましょう。
賃貸物件は、物件数が多く希望の物件を選びやすい反面、敷金・礼金といった初期費用がかかります。
マンスリーマンションの場合は、家具家電が備え付けられ、光熱費が含まれるため、身軽な引越しが可能でしょう。
敷金礼金が不要なので初期費用が安く抑えられるメリットもあります。
しかし、家賃が割高なため長期での契約には不向きと言えるでしょう。
もし、子どもがいて足音や生活音が気になるのであれば、一戸建てやメゾネットタイプのアパートなどを選ぶと安心です。
家族構成やペットの有無、小さい子どもがいるなど条件を整理して自分にあった物件を絞っていくと良いでしょう。
立地や利便性も考慮する
仮住まいであっても、約半年~1年の間はそこを拠点に生活しなければなりません。
その期間中も、これまでどおり仕事や学校などの生活は続きます。
そのため、駅やバスなど交通のアクセスの良さ、住みやすさなども考慮しておく必要があるでしょう。
子どもが中学生未満である場合、学区が変わると一時的に転校が必要になるケースもあります。
仮住まいを学区内で選ぶのであれば、早めの物件選びが重要です。
また、費用を抑えるために治安が悪い場所に住むことはおすすめできません。
特に女性や家族に子どもがいる場合、余計な心配が増えてしまうでしょう。
立地や利便性が悪さは、生活するうえでストレスにつながる恐れがあります。
なるべく自分や家族にとって負担の少ない住みやすい物件を選ぶようにしましょう。
仮住まいに引越しする際の流れ

通常の引越しとは異なり、仮住まいへの引越しは作業や手間がかかる場合が多いです。
やることが多く、引越しまでに必要な手続きや届出も様々です。
ここでは仮住まいに引越しする際の流れと、必要な手続きを紹介します。
建て替えが決まってから新居へ移るまでの流れ
引越し作業が2回あるため、仮住まいを挟んでの引越しの流れに不安がある方は多いかもしれません。
建て替えが決まってから新居へ引越すまでの流れは以下のとおりです。
・仮住まい物件の選択と決定
・引越し業者を選択
・仮住まいへの引越し
・建て替え工事開始
・新居完成
・新居へ引越し
この間、仮住まいの引越しに必要な手続きを済ませていくことになります。
仮住まいの引越しで必要な手続きは以下のとおりです。
ライフライン関連の手続き
・電気
・ガス
・水道
それぞれ、撤去希望日の10日前までに契約会社へ電話で申し込みしておきましょう。
役所関連の手続き
・転出届:10日~当日までに所轄の役所で手続き(仮住まいが1年以上の場合)
・転入届:引越し後14日以内に転入先の役所で手続き(仮住まいが1年以上の場合)
・マイナンバー:引越し後に所轄の役所窓口で手続き
・運転免許証の住所変更:現住所の所轄の警察署で手続き
その他必要な手続き
・固定電話:局番なし/116番にかけてNTTの事務所へ連絡
・郵便物の転送届:最寄りの郵便局で申し込み
・インターネット関連:回線会社、プロバイダへ連絡
家族に子どもがいる場合、転園転校、児童手当の住所変更が必要です。
また、国民年金・健康保険に加入している方も所轄の役所の国民年金課、健康保険課で手続きが必要になります。
仮住まいへの引越し費用を安く抑えるコツ

建て替えを挟んで新居へ引越す場合、2回の引越しが必要になります。
そのため、できる限り引越し費用を抑えたい方が多いでしょう。
ここでは、引越し費用を安く抑えるコツについてご紹介します。
不用品を徹底的に処分する
運び出す荷物の量を減らすことで、引越し料金を安く抑えられます。
荷物量が少なければ使用する段ボール数だけでなく、トラックのサイズやスタッフの人数を下げて依頼できるからです。
なるべく不用品は処分し、必要なものだけを厳選しましょう。
繁忙期を避けて12~1月に引越し依頼する
転勤や進学と重なる3月の引越しは避けた方が良いでしょう。
繁忙期のため、料金も高く、希望の日時で依頼することも難しいです。
12~1月の閑散期であれば、繁忙期の半額近い料金になる場合もあります。
引越し業者の荷物預かりサービスやレンタル倉庫を活用する
仮住まいはどうしても一戸建ての住居よりも収納に限りがあります。
荷物をすべて置けるような大きな仮住まい物件を契約するよりも、一時的に荷物を預けることで家賃を節約する方法もあります。
仮住まい近くにレンタル倉庫があれば、少し離れた倉庫として問題なく利用できます。
また、引越し業者によっては、荷物預かりサービスを用意している場合もあります。
もし、利用できれば、レンタル倉庫分の費用を節約できるかもしれません。
引越し業者の建て替えプランを利用する
引越し業者によって「建て替えプラン」が用意されているケースもあります。
複数の引越し業者で相見積もりをしてお得なプランがあれば積極的に活用していきましょう。
地元密着型の不動産会社を利用する
地元密着型の不動産会社の場合、近隣物件の大家さんとのつながりも深いです。
そのため、大手の不動産会社よりも初期費用や家賃の交渉がしやすく、費用を抑えられる場合もあります。
仮住まい用の物件情報も把握しているので、入居期間に融通が利く場合もあるでしょう。
仮住まいへ引越しする前にチェックすべきポイント

仮住まいへの引越しでトラブルや問題を回避するためには、事前に注意したいポイントを押さえておく必要があります。
引越し後に後悔しないようチェックしておきましょう。
工事が延長するリスクも考えておく
建て替えで仮住まいが必要な場合、余裕をもって仮住まいの契約をすることが重要です。
なぜなら工事が必ずしも計画通りに進むとは限らないからです。
工事内容の変更、自然災害、工事中のトラブルなど工事が延長するリスクは多くあります。
工事が延長した場合、仮住まいの期間も延長となり、その分家賃が発生します。
また、延長に対応できない物件であれば、また新たに仮住まい先を探さなくてはならないでしょう。
余計な費用や労力がかからないよう仮住まい期間は長く見積もって計算しておくことが重要です。
ペットを飼っている場合、了承を得ておく
ペットを飼っている場合、仮住まいはペット可能な物件から選ぶ必要があります。
ペット不可の物件で問題が発生した場合、契約違反で損害賠償請求をされることもあるからです。
後々のトラブルを避けるためにも大家さんや不動産会社にペット同伴である旨を伝えておきましょう。
建て替えが1年以上かかる場合住民票を移す必要がある
仮住まいしている期間が1年未満の場合は、住民票を移す必要はありません。
しかし、1年を超える場合、住民票の移動手続きが必要になります。
本拠地に変更がない場合、手続きを怠っても法令違反には問われません。
しかし、仮住まい先が市外だった場合、地域のサービスを受けられないなどの弊害が出てきます。
福祉施設や図書館などは基本的にその地域の住民票がある人のみが使用できるサービスです。
また、子どもの医療の助成もすぐに受けられないため、1年以上の仮住まいの場合は住民票を移すようにしましょう。
インターネット契約が必要
固定のネット回線を利用していた場合、仮住まい先でもネット契約が必要になるでしょう。
ただし、仮住まいで短期契約になる場合は契約会社によっては違約金が発生する可能性があるので注意が必要です。
違約金がかからない会社を選ぶか、携帯電話のデザリングやモバイルWi-Fiを利用するなどして対応すると良いでしょう。
仮住まいにかかる費用も含めて多めに建て替え費用の予算を組む
建て替えにかかる費用は、仮住まいにかかる費用を含めて予算を組んでください。
仮住まいにかかる費用に住宅ローンは使用できず、実費で準備しなければなりません。
工事が延長するリスクも考えて、多めに予算を組んでおくと安心でしょう。。
荷物の保管場所を確保しておく
荷物を多く処分するつもりでいても予想以上に運び出す荷物が多くなるケースもあります。
仮住まいの物件によっては、荷物の持ち込みを禁止している場合もあるで注意が必要です。
そのため、極力荷物を減らしておき、保管場所をあらかじめ確保しておくことが必要になるでしょう。
今回は、建て替えで仮住まいへ引越す方に向けて、知っておくべき情報をご紹介しました。
仮住まいは一時的な住居とはいえ、生活の拠点となるため、よく考えて物件選びをしなければなりません。
引越しに費用がかかるからと安さだけを重視すると、快適な生活が送りにくいなどストレスにつながる恐れがあります。
そのため、仮住まい物件を選ぶ際は、自分が求める条件と費用面でのバランスを考えた選択が重要になってくるでしょう。
この記事を参考に、仮住まいにおける注意したい点やコストを抑えるポイントをチェックし、後悔のない引越し先を選択してください。