自然の空気清浄機?炭が持つ様々な効果と住宅への利用例をご紹介!

炭

「炭」と聞いて、皆さんは何が頭に浮かびますか?
活性炭?備長炭?それとも燃料としての炭でしょうか。
エコロジーに代表される環境への配慮が注目され出してから、自然素材への関心の高まりと相まって、近年は炭が持つ様々な特性を住宅に利用する例が増えてきています。
炭の特性や種類の説明を交えつつ、住宅での炭の使われ方をまとめました。
炭が持つパワーを改めて知ることで住宅での利用の一助としてください。

「炭化」により表面積が増えて様々なメリットが生じる

炭

炭とは「酸素が少ない状態で燃やした、木材などのガス成分(二酸化炭素や水素など)が揮発した残りが炭化した物質」のことです。
炭化とは、木材の組織を残しつつ、極小の穴が無数に空いた状態を指します。
炭化すると実質的な表面積が広くなり、酸素が入り込む余地が多くなるため燃えやすく、火持ちも良いのです。
炭にする原料の種類は、クヌギやクリなどの広葉樹、スギなどの針葉樹といった種類だけでなく、竹も使われます。
竹は成長が早いため、炭として使っても自然環境に与える影響が少ない原料として注目されています。

炭の無数にある極小な穴が有害物質などを吸着

炭

続いて、炭による独特の効果や機能を見てみましょう。
まず挙げられるのが吸着効果です。
空気中のほこりや花粉、有害化学物質を、細孔とよばれる多くの微小な穴が吸着することにより、空気の清浄効果があります。
また、細孔は空気だけでなくにおい成分も吸着するため、室内の嫌なにおいが軽減されます。
こうした微細な物質やにおいは、シックハウス症候群の原因とされています。
炭が健康を保つのに良い作用をしてくれるんですね。

調湿作用に加え、遠赤外線の放出で物質を温める効果を発揮する炭

炭

調湿作用も炭の特色の一つで、多湿であれば吸収し、乾燥していれば湿気を放つという作用があります。
また炭は、遠赤外線を放出しており、物質を温める効果があるとされる遠赤外線により、神経痛や冷え性といった症状に間接的に作用するともいわれています。

住宅で利用される炭の良い効果とは?

炭

そんな炭は、住宅のどんな場所に使われているのでしょう?

かつての日本家屋では、炭は身近な存在でした。
火が燃やされる囲炉裏に炭があり、また家の内外に備蓄用の炭が置かれていたのです。
そうした炭の使われ方は最近では見られません。
それではどのように使用されているのでしょうか?
昨今では炭の様々な効果が認められてきたことで、独特の工夫による炭の利用が取り入れらているのです。
主な例をいくつか紹介します。

炭を床に使う

リノベーション目的や施工業者の判断などにより、若干の違いはありますが、炭の住宅への利用は、床下または天井裏、2階建て以上であれば階間に炭を敷くことで、前述したような炭の効果を期待できます。

製品としては、炭そのものを通気の良い不織布に入れて床下などに置くタイプや、炭を含ませたシート状の製品、使い捨ての除湿剤といった種類があります。

炭には主にシロアリを目的にした防蟻効果もあるといわれています。
防蟻効果は、湿気を含んだ木材を好むシロアリに対して、調湿作用を持つ炭を使うことで、住宅木材の湿度を一定に保ち、シロアリを寄せ付けない、という考えに基づいています。

炭を空気清浄機として使う

他にも、エアコンのエアーフィルターに炭が使われたり、顆粒状にした木炭を漆喰の材料に混ぜたりすることもあります。
室内の空気と触れ合う機会の多い場所に炭を利用することで、空気の浄化作用や調湿作用をうまく利用することができると考えられます。

まとめ

囲炉裏をはじめ、かつての日本には身近にあった炭。
紹介したように自然素材である炭の効能が昨今、住宅用として改めて見直されています。
新築家屋だけでなく、リノベーションや増改築時に、炭を住宅に取り入れて、化学物質を含まない炭が持つ様々なメリットを活用してみてはいかがでしょうか。