マンションは一戸建て住宅に比べて、隣人の生活音や子どもの足音が気になりやすく、トラブルに発展することも珍しくありません。
そのため、マンションを選ぶ際、防音性を気にする方は多いです。
そこで、この記事では防音性が高いマンションに住むにはどうすれば良いのか、選ぶ時に
重視したいポイントをご紹介します。
また、生活音の騒音レベルや音漏れが起きる原因をはじめ、防音性の高いマンションを選ぶメリット・デメリットも解説しています。
マンションの防音性について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
生活音の騒音レベルを知っておこう
そもそも人間は、どの程度の音から騒音と感じるのか知っておきましょう。
音の大きさには、「dB(デシベル)」という単位が使われます。
通常、20~40dBは静か、50~60dBは普通、70dB以上をうるさいと感じる方が多いです。
20~40dBは雪の降る音や囁き声、図書館や静かな住宅地、50~60dBはエアコンの室外機や普通の会話程度、70~80dBが掃除機の音やパチンコ屋さんの店内レベルの音量をイメージするとわかりやすいでしょう。
犬の鳴き声やカラオケの音、地下鉄構内などは90dB以上あります。
人間は90dB以上の音を聞かされ続けると我慢できなくなると言われており、120dB以上の音に関しては聴覚に異常をきたしてしまいます。
なお、人間が生活する際、ストレスを感じずにいられる騒音は50dB以下であり、睡眠中に関しては、40dB以下でないと眠れなくなる人もいます。
これらを踏まえた上で、日常生活で出る音の騒音レベルは以下のとおりです。
内容 騒音レベル
エアコン 約41~59 dB
子どもの走る音 約50~66dB
テレビ 約57~72dB
洗濯機 約64~72 dB
掃除機 約60~76 dB
目覚まし時計 約64~75 dB
ピアノ 約80~90 dB
犬の鳴き声 約90~100 dB
ただし、何を騒音と感じるかは人によって違います。
一時的な使用である掃除機や洗濯機は気にならなくても、常に走り回る子どもの足音は気になるという方もいます。
反対に、子どもの足音は全く気にならなくても、話し声やテレビ音は気になる方もいるでしょう。
マンションなどの集合住宅で暮らす際は、隣室や階下への配慮を常に忘れないことが大切です。
なぜマンションで音漏れが起きてしまうのか?
マンションで音漏れを起こす原因として「空気音」と「固体音」が挙げられます。
ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
空気音
空気音とは、空気中を振動させることで伝わる音のことです。
話し声や管弦楽器、子どもやペットの鳴き声は空気音に該当し、窓や壁のように空気を遮断するものがあると小さくなります。
ただし、壁や窓に隙間があったり薄かったりする場合、空気振動が遮断されずに音が通り抜けてしまうため、室外への音漏れにつながります。
空気音による音漏れを防ぐには、気密性を高める、壁や床を厚くするなど、音が伝わりにくい環境を作る必要があります。
固体音
固体音とは、床や壁など構造そのものを振動させることで伝わる音のことです。
マンションでは、床や壁が振動することによって、隣室や階下の部屋に音漏れすることがあります。
ドアの開閉音や足音、ドラムのように床と接する打楽器などの音は固体音に含まれます。
「防音」「遮音」「吸音」の違い
生活騒音のレベルや音漏れの原因がわかったところで、続いては防音対策の基礎知識として防音・遮音・吸音の違いについて解説しましょう。
防音の特徴
室内の音が外に漏れたり、外からの音が室内へ入ってきたりするのを防ぐことを「防音」といいます。
ただし、防音とは音を防ぐ方法ではありません。
音漏れを防いだり、外からの音を遮ったり、音を小さくする仕組みであったりを総合して防音と呼んでいるだけなのです。
つまり、防音は概念であり、具体的な対策として遮音や吸音が挙げられます。
したがって、防音対策や防音素材は、厳密に言えば遮音や吸音機能を持つ素材や対策を示す言葉です。
遮音の特徴
遮音とは、空気中を伝わってくる音を遮断し、音が通り抜けないようにすることで音を遮断させる防音方法の1つです。
外に漏れる音が小さいほど遮音性は高く、音漏れの心配も少なくなります。
遮音によく使われる素材は、コンクリートや鉄板、石膏などです。
特に石膏は比較的安価なため、遮音素材としてよく使われています。
しかし、遮音には優れていても重量が重くなるなどの難点があります。
さらに、遮音性が高くなると音が反響しやすく、聞き取りにくくなったり、音そのものが変わってしまったりすることもあります。
吸音の特徴
吸音とは、音を吸収することで音の反射を防ぐ防音方法の1つです。
グラスウールやロックウール、ウレタンフォームなど小さい穴がたくさんある吸音素材を使い、音を取り込みます。
そして、取り込んだ音をその中で拡散させ吸収することで、音を小さくします。
反射する音を吸収して小さくするほど、吸音性は高いということになります。
吸音は遮音とは違い、室内でも音が聞こえやすい点が特徴です。
ただし、吸音性が高くなりすぎると音の反響も全くなくなるため、音楽を楽しむ方の中には物足りなさを感じる方もいます。
そのため、防音対策ではまず遮音を基本とし、そこに吸音対策を組み合わせて考えることが大切です。
防音性が高いマンションを見分ける際に注目すべきポイント
防音性の高いマンションに住みたいなら、「賃貸・分譲」「構造」「階数」「間取り」「位置」に注目して物件を選ぶことが大切です。
ここでは、見分ける際に注目すべきこれらのポイントについて詳しく解説していきます。
賃貸・分譲
防音性の高いマンションに住みたいなら、分譲マンションを選びましょう。
一般的に、賃貸マンションよりも分譲マンションの方が音を比広めない構造となっており、防音性が高い傾向にあります。
所有権を購入する分譲マンションは生涯を通して住むことが前提となっているため、トラブルになりやすい防音について、きちんと対策されていることが多いためです。
さらに、分譲マンションはジムやプールなどの設備が充実していたり、管理会社によるメンテナンスが行き届いていたりするなど、賃貸マンションに比べて快適に暮らせる環境が整っています。
防音性が高い方が良いものの分譲マンションを買うことに抵抗がある場合は、分譲賃貸をしているマンションを選ぶと良いでしょう。
構造
防音性の高いマンションに住みたいなら、構造にもこだわって選びましょう。
以下では、建物に多い木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造のそれぞれの防音性について解説します。
木造の防音性
木造は、建物の主要構造を木材で作られています。
木造は他の構造に比べ工期も比較的短く、建設にかかるコストを抑えることが可能です。
さらに、通気性が良い・湿度を保ちやすいといったメリットから、賃貸アパートでは木造建築が採用されていることが多いです。
ただし、防音性はそれほど高くないため、隣室や上階からの騒音に悩まされるケースも多々あります。
鉄骨造の防音性
鉄骨造は、建築物の骨組みに鉄骨を使っています。
使われている鉄骨の厚みによってさらに種類が分けられ、6mm未満の鋼材は軽量鉄骨造、6mm以上の鋼材を使っている場合は重量鉄骨造です。
軽量鉄骨造はアパートやマンション建築に採用されることも多いです。
設計の工程が少なくて済むため比較的家賃を抑えられるほか、シロアリなどの害虫被害が起こりにくいなどのメリットがあります。
ただし、工場や建物の建築に用いられることが多い重量鉄骨造であれば、多少の防音効果は期待できるものの、軽量鉄骨造は防音性に関しては木造とそこまで大きな違いはありません。
鉄筋コンクリート造の防音性
コンクリートに高い強度を持つ鉄筋を埋め込んで作る構造を、鉄筋コンクリート造といいます。
鉄筋コンクリート造は耐久性や断熱性に優れており、マンションやビルなど建物建築にも多く用いられています。
壁や床に使われているコンクリートは、木材に比べ生活音を遮断する効果があるため、他の構造に比べると防音性は高めです。
ただし、建設コストがかかるため、家賃は高くなる傾向にあるほか、木造に比べて結露やカビが発生しやすくなります。
また、他の構造に比べて防音性は高いと言われているものの、実際には必ずしも防音性に優れているわけではありません。
そのため、鉄筋コンクリート造の物件であっても、生活音には十分に配慮して暮らすことが大切です。
階数
マンションの防音性を判断する上で、階数は非常に重要なポイントです。
防音性の高いマンションを選ぶ目的には、「自分が他の住人の足音を気にしたくないケース」と「自分や家族の足音が気になるケース」の2パターンがあります。
上記のケースではどの階数を選べば良いのか詳しく解説します。
足音が気になるなら最上階
他の住人の生活音や足音を気にしたくない場合は、最上階を選びましょう。
当然ですが、最上階であれば上階には誰も住んでいません。
したがって、上階からの足音や生活音に悩むこともなくなり、他の住人による騒音被害に巻き込まれるリスクを抑えられます。
ドアを開閉する音も階下の部屋へ響きやすいため、上階からの生活音が気になる方にも最上階はおすすめです。
下の階に迷惑をかけたくないなら1階
小さい子どもがいる、以前足音がうるさいと注意されたことのある場合は、1回の部屋を選ぶことをおすすめします。
子どもの走り回る音やおもちゃで遊ぶ音などは、思っている以上に階下へ響きます。
とはいえ、騒音を気にするあまり、日常生活にストレスを感じてしまっては元も子もありません。
自分たちの足音や物音で他の住人に迷惑をかけたくないならば、下には誰も住んでいない1階を選ぶことで、気兼ねなく暮らせるでしょう。
間取り
どのような間取りかによって、騒音リスクは変わります。
また、軽減できる騒音の種類も変わるので、マンションを選ぶ際はぜひ参考にしてください。
水回りと居室の間に収納がある
水音を気にしたくない時は、水回りエリアと居室の間に収納スペースのある間取りを選びましょう。
キッチンや浴室で水を使用した際、給排水管から流れる音が聞こえることもあります。
寝室など居室スペースと接している場合、思っている以上に音が気になり、ストレスを感じたり、途中で目が覚めたりするなどの問題が起こる可能性もあるでしょう。
しかし、水回りと居室の間に洋服や布団などを収納するスペースがあれば、それらが音を吸収してくれるため、水音が聞こえにくくなります。
家族で暮らす場合は、住戸内で音が伝わりにくい間取りかどうかもチェックしておくと安心です。
隣接する住戸との間に収納がある
騒音トラブルや生活音によるストレスを回避したいなら、隣室との間にクローゼットや押し入れなどの収納スペースがあるか確認しましょう。
収納スペースがある作りなら、日常的な生活音が隣室まで伝わるのを防ぐことが可能です。
また、隣接住戸との間に、トイレや浴室など水回りのある間取りもおすすめです。
基本的にトイレや浴室は使用する時しか使わず、長居することも少ないため、隣室の生活音が気になりにくいです。
隣接する住戸との接地面が少ない
生活音を気にしたくないなら、隣接する住戸との接地面が少ない間取りを選びましょう。
生活音は接している壁が多いほど伝わりやすいです。
そのため、隣接しているのが隣室ではなく、階段やエレベーターなどマンションの共用部の場合、隣室から生じる生活音を気にする必要がなくなります。
ただし、構造によってはエレベーターや階段の音の方が気になってしまう可能性もあります。
エレベーターと接している場合はどれくらい音が響くのか、内見時にチェックしておくと安心です。
階段と接している場合、音の響き方はもちろん、どのくらい利用する人がいるのか確認しておきましょう。
位置
部屋の位置は、角部屋がおすすめです。
角部屋であれば、両隣に部屋がある場合に比べて、接する住戸を半分に減らせます。
最上階や1階であれば、1/4まで減らすことも可能です。
隣接する住戸が減れば、その分自分の生活音によって迷惑をかけるリスクを抑えられるほか、他人の生活音に悩まされる可能性も減るでしょう。
角部屋を選ぶ際、隣室との接地面に収納スペースや水回り設備が置かれた間取りを選べば、より騒音リスクを下げられます。
事前に不動産会社へ聞いておきたいこと
防音性の高いマンションを選ぶ時は、内見前に不動産会社へいくつかの質問をしておくのがおすすめです。
事前に聞いておくことで、求める防音性がしっかり整っているかがわかるためです。
求めている防音性よりも低い性能だった場合、内見に訪れる時間が無駄になってしまうかもしれません。
防音性にこだわる場合は、以下のポイントを事前に聞いておきましょう。
壁の構造
特に聞いておきたい項目として、壁の構造が挙げられます。
壁の構造は、人の話し声やテレビなどの音漏れに関係してきます。
壁は隣の部屋と直に接している箇所であることから、壁の構造次第では話し声やテレビの音などが伝わりやすくなってしまうでしょう。
そのため、壁にはどのような素材を使っているのか確認してみてください。
壁の防音性を左右する仕上げ方法は、一見防音性が高そうに見える二重構造の「GL工法」ではなく、「クロス直貼り方法」がおすすめです。
GL工法を避けた方が良い理由は、壁と壁の間にある空洞が振動し、音が伝わりやすくなってしまうためです。
また、安心できる壁の厚さは、150~180mmと言われています。
厚みに関しては不動産会社に聞くことも可能ですが、実際に施工した際に使われた竣工図でも確認できます。
床の構造
壁と同じく厚みがあるほど防音性が高くなるのが床です。
床の構造に関係してくるのは足音や物を落とした時の音で、上下の部屋と直に接していることがその理由になります。
一見騒音トラブルにつながりそうなフローリングでも、遮音フローリングが採用されていたり、緩衝材を詰める二重床工法などが採用されていたりすれば、防音性に優れた床の構造と言えるでしょう。
防音性が高いと言える床の厚みは、180~200 mmほどと言われており、こちらも竣工図で確認できます。
窓のサッシ
外から聞こえてくる音を防ぐ役割をするのは、窓のサッシです。
車や電車の音、人の声などが気になるという方は、窓のサッシについてもしっかりと聞いておきましょう。
そこまで気にならないという方でも、周辺に大きな道路や線路がある場合は窓サッシにもこだわるのがおすすめです。
窓サッシには等級があり、防音性の高さでT1~T4までが存在します。
防音性が低いT1ですが、実際はT1のサッシが一般的であり、線路沿いなどでなければ十分な防音性が期待できるでしょう。
線路沿いのマンションや外からの音を遮断したいという方は、T2以上のサッシがおすすめです。
居住者の家族構成・ペット
マンションに住んでいる人の家族構成やペットの有無も必ず確認しましょう。
小さな子どもがいる場合は、子育て中の世帯が多いマンションを選ぶ、できるだけ静かに暮らしたいという場合は単身世帯やセカンドライフ世代の多いマンションを選ぶといった工夫が必要です。
ペットに関しても、ペットを飼っている住居者が多いほど住みやすくなります。
自分と同じ世帯や特徴を持っているマンションでは「お互い様」と思えることも多いため、自分も相手もある程度寛容になれるでしょう。
内見時にチェックしておきたいポイント
次に、内見でチェックしておきたいポイントです。
数字で見た防音性と実際に耳で確かめる防音性とではギャップが生じる可能性があります。
実際にマンションを訪れ、防音性の高さを確認しましょう。
部屋にいることが多い時間帯に内見する
昼間の内見は防音性の確認には向きません。
理由としては、住んでいる人のほとんどが仕事や保育園、学校に行っている時間帯であるということが挙げられます。
防音性をチェックしたい場合は、住民が帰宅する時間帯に内見を行うのが望ましいです。
場所によっては、曜日によって騒がしさが異なるケースもあるため、自分が部屋にいることの多い時間帯・曜日に内見してみましょう。
窓を開けた時・閉めている時で音を確認する
外からの音を防ぐ役割を持つサッシの性能を確かめるために、窓を開け閉めして防音性を確認しましょう。
等級などで確認していても、人によっては物足りないと感じることがあります。
同時に窓を開けた時に入ってくる音を許容できるかどうかのチェックも行いましょう。
窓を開けられないほどの騒音が聞こえるケースもあるため、忘れずに確認することが大切です。
壁を叩いてみる
壁の防音性を確かめるために、壁を叩いてみるという方法があります。
壁の中の密度が低い場合は、防音性も低い可能性があります。
壁の中が詰まっていて低い音が鳴る場合は防音性が高く、壁の中に空洞があるような高い音が鳴る場合は防音性が低いと言えます。
壁を叩く前に不動産屋に許可をもらうことも忘れないようにしましょう。
共用部が清潔でマナーも守られている
共用部分が綺麗で大切に使われているかどうかは、住民の質を見極める材料になります。
いくら防音性の高いマンションであったとしても、常識を超える騒ぎ方をする住人がいれば騒音トラブルに発展するでしょう。
住民の質もしっかりとチェックすることによって、トラブルが起きにくいマンションを選べます。
周辺環境のチェックも忘れずに!
マンションの周辺に駅や学校、幹線道路がないかをチェックすることも大切です。
防音性が高くても、車や電車、通行人が最低限であった方が騒音を気にせず静かに過ごせるためです。
ここでのポイントは、マンションの周りに建物が密集しているかどうかになります。
駅や学校がマンションの近くにあっても、周りに建物が多ければさほど音は気になりません。
特に駅が近いマンションは利便性に優れていて快適に過ごせるため、駅が近いからと言って諦めるのは惜しいです。
内見で防音性を確認するとともに、周辺環境による影響もしっかりとチェックしましょう。
防音性が高いマンションを選ぶメリット
防音性が高いマンションを選ぶと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
続いては、防音性が高いマンションを選ぶメリットについてご紹介します。
音を気にする心配がない
防音性が高いマンションに住む最大のメリットは、やはり生活音を気にしながら生活する必要がない点です。
近隣からの音も聞こえづらくなるため、快適に過ごせます。
構造によっては常識の範囲内の生活音であっても騒音になってしまい、近隣トラブルに発展する恐れもあるでしょう。
防音性が高いことは、近隣トラブルの回避にもつながるのです。
また、利便性は高いものの駅や学校が近いことによってどうしても騒がしくなりやすいエリアに住む場合も、防音性が高ければ生活しやすくなります。
保温性が高い
防音性が高いマンションは、構造上壁の密度が高いため、外気が室内に侵入しづらくなっています。
もちろん室内の熱も逃さないため、保温性が高いと言えます。
保温性の高さはエネルギー効率アップにもつながり、ランニングコストが抑えられるというメリットにもなるでしょう。
防音性に加えて環境に優しい暮らしを考えている方にも向いています。
住民同士で配慮し合っている
防音性の高いマンションを選ぶ方は、静かな暮らしを求めると同時に、周りに迷惑をかけたくないと考えていることが多いです。
そのため、住民同士が配慮し合う傾向にあります。
これは、住民同士のトラブルが起きにくくなるだけでなく、地震や災害が起きた時にもお互いに助け合えます。
住民同士の関係が良いことで、大変な時にも助け合えるという点は、防音性の高いマンションに住むメリットと言えるでしょう。
防音性が高いマンションを選ぶデメリット
防音性の高いマンションに住むメリットは多くありますが、人によってはデメリットに感じる点もいくつか存在します。
デメリットを把握して、入居した時の対策などを考えておきましょう。
家賃が周辺相場より高め
建物の防音性を高めるには、一般的な構造よりも高価な素材や高い技術が必要になります。
そのため、家賃が周辺相場よりも高めに設定されていることが多いです。
家賃が高いことは、住民の質を良くするというメリットもありますが、予算の関係で悩む方も出てくるでしょう。
住み始めても家賃の高さに苦しんでしまうといったケースもあります。
予算を超えてしまう場合は、立地やエリアなどを見直し、しっかりと計画を立てるのがおすすめです。
壁に画びょうなどが刺さらない
防音性に特化したマンションでは、壁に鉄板が入っていることがあります。
壁に鉄板が入っていることによって、画びょうが刺さらず不便に感じるというデメリットがあるのです。
とはいえ、画びょうの代わりになる両面粘着剤といったアイテムを使えば、カレンダーや書類などを壁に貼り付けることが可能です。
壁にインテリアや収納などを設置したい時も、壁を傷つけないアイテムを中心に探してみると良いでしょう。
壁の厚さで部屋が若干狭い
防音性を高めるために欠かせない壁の厚みは、その分部屋を狭くしてしまうというデメリットにもなります。
部屋の広さにこだわっている場合は、この点がマンション選びを難航させるかもしれません。
防音性が高く広い部屋に住みたいという場合は、2つを絶対条件として物件探しを行うのがおすすめです。
もちろん、通常よりも若干狭くなる程度であるため、気にならない方にとってはデメリットに当てはまらない場合もあります。
マンションで音漏れを防ぐためのコツ
防音性の高いマンションに住んでも音漏れが気になるという方は少なくありません。
そんな時は、以下の方法で音漏れ対策を行ってみましょう。
隙間テープを貼る
隙間から漏れる音が気になる場合は、安価で手に入れられる隙間テープがおすすめです。
細長いスポンジがテープ状になっているもので、窓などの長さに合わせてカットし、貼り付けていくことになります。
作業自体も簡単で、100円均一などでも購入できるため、比較的すぐに実践できる音漏れ対策です。
隙間テープは防音性を高める他、隙間風を防いでくれるため、防寒対策にもつながる便利なアイテムです。
天井に防音シートを貼る
上階からの音は対策のしようがないと思われがちですが、上階からの音を防ぐ防音シートも多く存在します。
密度が高くクッション性があるシートになっているため、物が落ちた時の音を抑えられます。
裏側がシールになっている防音シートもあり、簡単に施工できるのも魅力の1つです。
デザインも豊富に取り揃えられているため、部屋の雰囲気を変えたい時にもおすすめです。
防音マットを敷く
下の階への音が気になる場合は防音マットを敷くのがおすすめです。
防音性の高いジョイントマットはお手入れが簡単であるため、小さな子どもがいる家庭に適しています。
他にも、厚みのあるもっちりとしたカーペットを防音マット代わりに設置する方法があります。
中には防音性に特化したカーペットも存在するため、お部屋の雰囲気やインテリアに合わせて選んでみてください。
防音パネルを貼る
壁からの音漏れは、防音パネルで防ぎましょう。
音を通さないタイプや、音を吸収してくれるタイプなど、種類が豊富にあるのが特徴です。
ただし、虫ピンで固定する防音パネルもあるため、防音性の高いマンションでは取り入れられない可能性があります。
防音性の高いマンションに設置したい場合は、テープなどで貼り付けられるタイプの防音パネルを探しましょう。
防音カーテンを付ける
防音カーテンも外からの音漏れを防ぐことに役立ちます。
防音カーテンは音を跳ね返してくれる仕組みになっているため、外からの音が気になる方におすすめです。
防音カーテンは高い音に効果を発揮しやすいのが特徴で、踏切や救急車のサイレンなどの音に効果的です。
もちろん室内の音を外に漏れないようにする効果もあるため、子どもがいる家庭にも多く取り入れられています。
また、生地の密度が高いことから保温効果や遮熱効果も得られ、エネルギー効率の向上にもつながるでしょう。
今回は、防音性の高いマンションの選び方や注目すべきポイントについてご紹介しました。
防音性の高いマンションの見分け方や内見時にチェックするべきポイントなどをふまえ、満足できるマンションを探してみましょう。
求める防音性が得られなくても、防音に特化したアイテムなどを用いることで音漏れ対策ができます。