賃貸物件を探している時に、「メゾネットタイプ」と表記されたアパートを目にしたことがあると思います。
メゾネットタイプは、賃貸の集合住宅なのに一戸建てのように暮らせる物件で、隣人に気を遣いすぎない生活を送りたいと希望する方も多いでしょう。
そこで今回は、メゾネットアパートの特徴やメリット・デメリットについてご紹介していきます。
メゾネットタイプに住みたいと考えている方は、ぜひ今記事を参考にしてください。
目次
メゾネットアパートの特徴
メゾネットの語源はフランス語の「maisonnette」とされ、「小さい家」という意味です。
日本でいうメゾネットとは、集合住宅の中に階段が設けられていて、2階層以上に分かれているものを指します。
例えば、5階建てマンションの3・4階を使用して一つの住居とするケースや、物件によっては上部のフロアのみをメゾネットにしていることもあります。
他にも、賃貸アパートでは縦半分に分けた物件を「メゾネットアパート」と呼ぶこともあります。
逆に、ワンフロアのマンションやアパートのことを「フラットタイプ」といいます。
メゾネットはアパートやマンションなどの集合住宅内で、一戸建てのように階層を分けて暮らせるのが魅力です。
また、メゾネットやメゾネットアパートに似た造りとしてロフト付き物件がありますが、ロフトは上下階をつなぐ役割はありません。
ロフトは物置小屋的な存在のため広さに制限があり、基本的に窓の設置は許可されていません。
しかし、メゾネットなら階段上の階は住居スペースとして扱われるため、大きさに制限がなく、不便なく暮らせるでしょう。
メゾネットアパートのメリット
まずは、メゾネットアパートで暮らすメリットについてご紹介していきましょう。
生活音を気にせずに済む
賃貸アパートを縦半分に分けたメゾネットアパートなら、生活音を気にしすぎる必要がありません。
通常のアパートの場合は子どもが走り回ったり、夜中の物音などが下の部屋に伝わらないように配慮したりする必要がでてきます。
しかし、メゾネットアパートなら2階に子ども部屋を持って来れば、足音を立ててもそこまで気になりません。
また、2階建てのタイプであれば下で暮らす住民は自分なので、階下に伝わる生活音の配慮がいらなくなり、ストレスなく暮らせるでしょう。
もちろん隣に住む人への配慮はいりますが、騒音トラブルになりやすいのは下の階の住民だと考えるとクレームになりにくいといえます。
また、同じ家族でもライフスタイルが異なることがありますが、その場合も階層が分かれていれば快適に過ごせます。
ワンフロアだけのフラットタイプよりも生活音を気にせず過ごせるので、小さな子どもがいる家庭にはピッタリです。
開放的な空間を作りやすい
メゾネットアパートは、吹き抜けや上の階層にバルコニーがある間取りが多く、開放的な空間を造りやすいのもメリットです。
玄関がないフロアの場合は廊下がいらないため自由に設計ができ、太陽光が入りやすい南北か東西の方向にバルコニーがある間取りが多いです。
バルコニーから入ってくる温かい太陽光が住居全体を明るく照らし、外からの風や空気を取り込んでくれます。
ワンフロアのフラットタイプでは味わえない開放感が味わえます。
メゾネットアパートのデメリット
集合住宅なのに一戸建てのように暮らせるメゾネットアパートですが、デメリットも存在します。
では、どのような面がマイナスポイントなのかを見ていきましょう。
有効面積が減る
床面積が同じフラットタイプと比べると住居内に階段がある分、部屋全体の有効面積が減るというデメリットがあります。
階段の下を収納スペースとして活用したとしてもデッドスペースは生まれてしまい、狭いと感じる方は多いようです。
また、階段の昇り降りが手間に感じるようになると、リビングに私物や生活用品が集まるようになり、せっかくの階層を有効的に活用できない場合もあります。
しかし、その分フラットタイプにはできない吹き抜けの設計ができるので、階段があるからといって狭いわけでありません。
もし、部屋の狭さが気になるようであれば、実際に希望する物件を訪れて階段の場所や大きさをチェックしたり、吹き抜け設計を選んだりしましょう。
家庭内事故の危険性が高まる
内階段があるメゾネットアパートは、落下の危険性があります。
例えば、子どもが上のフロアで前を見ずに走り回って階段に落ちたり、大人でも脚を滑らせて転がったりする恐れも考えられます。
しかし、これらの危険性はロフト付物件や一軒家にも言えることです。
子どもが過って転落しないように上の階にゲートをつけたり、階段に滑り止めを設置したりと対処すればケガの危険性は下げられるでしょう。
また、吹き抜け部分の掃除や電球交換の際にも過って転倒し、大けがにつながる可能性もあるので、入居前にライトの位置を確認しておくのがおすすめです。
冷暖房の効率があまり良くない
フラットタイプに比べると、冷暖房の効率が落ちるというデメリットもあります。
メゾネットアパートは上下に空間が存在するため、住居全体が希望の温度になるまで時間がかかり、エアコンの運転を強くする必要があります。
冷たい空気は下に溜まって温かい熱は上に逃げていくので、下階は冷えやすく、上階は暑くなりやすい傾向があるため光熱費が高くなりがちです。
また、生活空間が階層ごとに分かれていると、それぞれの部屋やフロアにエアコンを設置しなくてはなりません。
家族の生活スタイルが異なれば、上下ともにエアコンを付ける必要が出てくるので、夏場・冬場の電気代は高くなるでしょう。
まとめ
今回は、メゾネットアパートについてご紹介してきました。
一軒家のように暮らせるため、フラットタイプと比べると隣人への配慮がいらず、小さい子どもがいる家庭にはピッタリの物件です。
また、家族内で生活スタイルが異なる場合でも階層が分かれていれば、深夜に帰ってきてもリビングでテレビを見たり、物音をたてたりできます。
しかし、その分狭さを感じたり、光熱費が高くなったりというデメリットも存在します。
メゾネットアパートはフラットタイプにはない魅力が多いので、デメリット以上の良さがあると感じれば、入居を検討してみてはいかがでしょうか。