賃貸物件にオフィス、店舗がテナントとして入っているケースは多く、移転や閉店する際は物件を退去しなければいけません。
この際、原状回復にかかる費用の値下げ交渉をするのは可能なのでしょうか?
または、交渉をしたことで逆効果となってしまう可能性はあるのでしょうか?
この記事では、原状回復費用を減額する方法についてご紹介します。
物件を退去する予定がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
原状回復費用の値下げ交渉が逆効果になることも
原状回復とは物件から退去する際、契約時の状態に戻すことを言い、賃貸オフィスや店舗を移転・閉店する際、原状回復工事を行うのが一般的です。
オフィスや店舗として借りていたのであれば、工事を行う必要があり、その工事費用は居住を目的として借りている場合よりも高くなります。
しかし、むやみに値下げ交渉をすると逆効果になる可能性があるため、十分注意しなければいけません。
オフィスや店舗の原状回復にかかる最終的な費用は予想しづらく、消耗状態や適用される範囲によって異なります。
費用を削減するつもりが、逆に費用を膨らませている恐れがあります。
費用のことばかり考えながら値下げ交渉をしていると、追加で工事をしなければいけない事態を招いてしまうかもしれません。
原状回復費用の値下げ交渉は慎重に
以下では、オフィスや店舗として運営していくために物件を借りていた場合の原状回復費用についてご紹介します。
賃貸物件を借りている人は、ぜひ参考にして考えてみてください。
原状回復にかかる相場を把握しよう
まずは、原状回復工事にかかる費用の相場をみていきましょう。
規模によって相場は異なり、小規模で2~3万円程度、中規模で3~5万円程度、大規模で5万円以上が相場となっています。
この数字はあくまでも目安として考えるようにしてください。
また、施工を行う業者によって見積金額には差が生じるため、1社に絞って検討するのではなく、複数社に依頼し、相見積りを取ってもらうのがおすすめです。
そうすることで、交渉がスムーズに進みます。
賃貸借契約書と見積書の内容を確認する
賃貸借契約書や見積書にしっかり目を通し、内容に不審な点がないか確認しておきましょう。
不必要な工事が組まれていたり、身に覚えのない費用の請求があったりした場合、書面に記載された内容を見直す必要があります。
工事が始まってからでは遅いため、あらかじめ契約書や見積書の内容を確認しておくことが重要です。
余裕を持って工事のスケジュールを組む
原状回復工事をする際は、計画的に予定を立てる必要があります。
値下げ交渉が長引いていることが原因でスケジュールが押している場合、退去日までに間に合わなくなる可能性があります。
工事をする際は余裕をもってスケジュールを組むようにしてください。
査定や交渉をプロに任せるのもおすすめ
自身で交渉を行うのは難しいと感じた場合、査定や交渉をプロに任せるのもおすすめです。
金銭が絡む問題は場合によってトラブルにつながり、オーナーとの関係性が悪化してしまう可能性があるため、第三者であるプロに依頼するのも有効的な手段です。
プロであれば、正しい知識や経験をもとに、スムーズに査定から交渉まで進めてくれます。
居抜き退去の検討も
現在、賃貸オフィスや店舗における居抜き物件は増えており、実際に得られるメリットも大きいとして注目されています。
すでに入居しているテナントはもちろん、新規テナントに対するメリットも大きい物件です。
ここでは、居抜き退去について詳しくご紹介します。
居抜き退去とは
そもそも居抜き物件とは、以前のテナントの内装、設備、家具などを残したまま引き継ぐ物件のことを言います。
最初から必要なアイテムが揃っているため、移転経費の削減ができるほか、契約してからすぐにオフィスや店舗として利用できるのが特徴です。
居抜き退去とは、このように内装、設備、家具などをそのままの状態にして退去することを言います。
居抜き退去のメリット
居抜き物件とは対照的に、内装や設備、家具などがないスケルトン物件という条件の物件が存在しています。
契約する際に物件がスケルトン状態であれば、退去する際も同じ状態で返す必要があります。
スケルトン状態にする場合、工事が必要となり、原状回復にかかる費用は膨らんでしまいます。
しかし、居抜き退去の場合は工事が必要だったとしても一部のみであるため、原状回復費用を大幅に削減できるのです。
場合によっては工事の必要がなく、原状回復費用がゼロになることもあります。
また、処分するためにかかる費用や手間を省けるのも居抜き退去の大きなメリットです。
居抜き退去の注意点
上述した通り、居抜き退去には様々なメリットがあるとわかりますが、注意しなければいけないこともあります。
居抜きで退去しようと考えた場合、まずはオーナーに相談しなければいけません。
オーナーの承諾を得ずに決行することはできないため、必ず相談してください。
承諾を得たら、居抜き退去をする際は退去日までに後続テナントを探し、引き渡しの同意を得る必要があります。
ただし、物件のレイアウトが奇抜だった場合、後続テナントが現れない可能性があります。
そのような場合は、原状回復工事に切り替えなければいけません。
時間をかけて探したとしても後続テナントが現れなければ契約は成り立たないため、これまでの時間と労力が無駄になる恐れがあります。
多少のデメリットがあることも念頭に置いておきましょう。
まとめ
今回は、賃貸オフィスや店舗の原状回復費用を減額する方法についてご紹介しました。
安易な値下げ交渉はかえって逆効果となる可能性があるため、原状回復に関する交渉は慎重に行わなければいけません。
あらかじめ、契約書を確認して後にトラブルが起こらないよう対策をしておきましょう。
オフィスや店舗として物件を借りている上で、退去時の原状回復にかかる費用を最小限に抑えたい、またはゼロにしたいのであれば、居抜き退去がおすすめです。