木造の耐用年数はいったいどのくらい?不動産投資をするなら知っておこう!

木造

不動産投資をする場合、建物の耐用年数についても知っておく必要があります。
建物の耐用年数は木造か鉄骨かによっても大きく変わるため、予め投資用に購入する物件の耐用年数がどのくらいかを把握しておくことは重要なポイントになります。
今回は、そもそも耐用年数とは何を表しているのか、耐用年数を超えてしまった物件はどうなのか、木造物件を選ぶ時に確認しておきたいポイントについてご紹介しましょう。
木造物件を購入して不動産投資を検討している人は、ぜひ目を通してみてください。

耐用年数とは?

耐用年数

耐用年数という言葉は耳にすることが多いですが、法定耐用年数と物理的耐用年数の2つに分けられることを知っている人はどのくらいいるでしょうか?
まずは、法定耐用年数と物理的耐用年数の違いからみていきましょう。
法定耐用年数は、建物や設備、機械などの固定資産を安全に使用できる期間として定められているものです。
これは、税法で定められています。
固定資産の所得費用は、耐用年数に応じて計上されます。
そうすることによって、原価償却している期間は課税対象となり、所得を抑えることが可能になるのです。
つまり、所得税を抑えることにつながると言えるでしょう。
このように説明すると法定耐用年数を過ぎた物件にはもう住めないと思ってしまう人もいるかもしれませんが、そうではありません。
なぜかというと、法律で定められている法定耐用年数と住み続けられる物理的な耐用年数には差があるからです。
資産の寿命でもある物理的な耐用年数は、使用頻度や使い方、メンテナンスの頻度などによって大幅に変動します。
きちんとメンテナンスを行っている物件であれば、物理的な耐用年数は法定耐用年数の2倍から3倍に延びることもあります。
そして経済的残存耐用年数は、不動産としての価値がなくなるまでの期間を表す耐用年数です。
どのくらい劣化しているか、建物の機能はどうかといった点だけでなく、将来的に必要となる補修や修繕にかかる費用も踏まえて算定されるのが経済的残存耐用年数になります。
最後に紹介する期待耐用年数は、物理的な耐用年数と経済的耐用年数の間の意味合いを持っています。
物理的な耐用年数は劣化しても使えるぎりぎりの期間を指しますが、期待耐用年数は一般的なメンテナンスを行って使用し続けられるという期待を込めた耐用年数を指すのです。

耐用年数を超えてしまった物件について

耐用年数

耐用年数を超えてしまった物件であっても、住めないことはありません。
しかし、そのような物件の場合はいくつか注意しなければいけないポイントがあります。では、どのようなポイントに注意すべきなのかみていきましょう。

減価償却ができなくなってしまう

1つ目は、減価償却ができなくなってしまうという点です。
耐用年数を超えてしまった建物は、当たり前ですが減価償却ができなくなります。
7,000万円で法定耐用年数22年の木造アパートを建てた場合を例にみていきましょう。
この場合では、償却率が0.046となります。
つまり、7,000万円×0.046=322万円という計算ができます。
このことから、1年間で322万円の減価償却費を22年間に渡って計上できることが分かるでしょう。
しかし、減価償却期間を終えてしまうと課税額が大幅に増えてしまうという点に気を付けなければいけません。
耐用年数を超えてしまった物件が売却されるのは、課税額の負担が大きくなることが理由として考えられます。
償却率に関しては、国税庁が公表している資料でチェックできます。

機関から融資を受けられなくなってしまう

2つ目は、金融機関から融資を受けられなくなってしまうという点です。
不動産投資のためにアパートを購入する際に、アパートローンを利用するケースは珍しくありません。
しかし、アパートローンは法定耐用年数に当てはまる物件でなければ融資を受けられないのです。
築10年の木造アパートの場合であれば、法定耐用年数として定められている22年から10年を引いた12年が返済期間となるケースが多くなっています。
法定耐用年数よりも築年数が長い場合は、融資を受けられないと思っておいた方が良いでしょう。

木造物件を選ぶ時のポイント

木造

最後に、木造物件を選んで不動産投資を行う際に知っておきたい選び方のポイントについてご紹介します。

過去に改修工事を行っているか

1つ目は、過去に改修工事を行っているかという点です。
築年数が経っている物件であればなおのこと、過去の改修工事を行っているかどうかはとても重要なポイントになるため、必ず確認するようにしましょう。
定期的に適切なメンテナンスが行われている物件であれば、築年数が経っていても耐久性に不安を感じずに済む可能性が高いからです。
しかし、改修工事の内容が雨漏りや水漏れが理由になっている物件は、構造自体が劣化している可能性がないとは言い切れません。
そのため、木造物件を選ぶなら過去に改修工事を行っているか、そしてどのような改修をしているのか忘れずに確認することをおすすめします。

耐震基準はどうなっているか

2つ目は、耐震基準はどうなっているかという点です。
1981年より前に建てられた物件は、旧耐震構造で建てられている可能性が高いです。
旧耐震構造は、大きな地震が起こった時にリスクが高まってしまうだけではなく、住宅ローンを利用できない、住宅ローン控除によって得られる優遇を受けられないといったデメリットも生じます。
旧耐震構造の物件であっても耐震工事をすれば新耐震構造と同等の強度を持たせることはできますが、かなり費用がかかってしまいます。
そのため、所有している物件がその費用をかける価値があるのか費用対効果を考えて検討しなければいけません。
このことから、新耐震基準に準拠した物件を購入した方が良いと考えられるでしょう。

まとめ

建物には、耐用年数があります。耐用年数を超えた物件には様々なリスクが潜んでいるため、できるだけ購入しない方が良いと言えるでしょう。
アパートなどの不動産物件は、購入時にも費用がかなりかかってしまうため、金融機関からの融資を受けられないのは特に大きなデメリットだと感じてしまう人も多いはずです。
そのため、不動産投資用の物件を購入するのであれば、建物の耐用年数に関する知識も身に付けておいたほうが良いと言えます。
これから不動産投資を始めようと考えている人は、この記事で紹介したポイントを押さえた上で物件選びをするようにしましょう。