パチンコ業界で使用されていた物件はどう扱うべき?

パチンコ

パチンコ業界は長期的に販売数やホール数が減少傾向にあり、やむを得ず閉店してしまう店舗もあります。
お店の閉店により物件が空けば新たに賃借人の募集が始まりますが、パチンコ業界で使われていた物件はどのように扱われるのでしょうか?
今回はパチンコ施設の特徴や借りるメリット・デメリット、物件の活用方法についてご紹介します。

居抜き物件のメリット・デメリット

居抜き物件

パチンコ業界で使われていた物件の中には、空調やテーブル、椅子など当時の設備が残されている物件があります。
そのような物件を「居抜き物件」と呼びます。
居抜き物件には借りる人にとってメリットが色々ありますが、デメリットもあるのでその点を理解して借りるようにしましょう。

メリット

居抜き物件の最大のメリットは初期費用を抑えられることです。
コンクリート打ち放しのスケルトン物件だと必要な設備を一から整えていく必要がありますが、居抜き物件は残された設備をそのまま使用できます。
工事が必要であっても工数が減るので、大幅なコストダウンとなるのです。
初期費用を抑えることができれば、投資した資金の回収も比較的早い期間で完了するでしょう。
節約した分を広告費など集客のために使うことも可能です。
ある程度設備が整っており、工事の期間も短いと出店も早くできます。
工事期間中も賃料は発生するので、出店が長引くほど売り上げがないまま家賃を支払わなければならない状況が続きます。
スピーディーな出店が可能であれば、資金回収を早められるので機会損失を防げることもメリットです。

デメリット

ある程度設備や内装が完成された状態なので、レイアウトやお店の雰囲気を作る自由度が低くなってしまうのは居抜き物件のデメリットです。
思い描いていたコンセプトや雰囲気が合わない場合は、内装工事のやり直しが必要となるので撤去費やさらに大きな内装工事費が発生します。
設備が正常に動作しない場合は、メンテナンスや補修の費用もかかってしまいます。
また、以前のお店の雰囲気をそのまま残して使うことになるので、前のお店のイメージを引きずってしまう場合もあるでしょう。
特に同じ業種で出店する場合、以前のお店のイメージが悪いと新しいお店でも同じイメージを持たれてしまう可能性があります。

オープンする前に挨拶回りやチラシ配りなどを行い、運営者やお店が変わったことを前面にアピールし、イメージアップしていく工夫も必要です。

パチンコ施設の特徴

パチンコ

パチンコ施設として使われていた物件を借りる場合は、物件の特徴を知っておくことも大事です。
ここでパチンコ施設の特徴を確認していきましょう。

坪数・階層共に大型

パチンコ施設はパチンコ台を置くスペースや利用者の数などに考慮して、100坪以上と坪数は大きいです。
また、パチンコ施設は2階建てとなるケースが多く、2階は主に従業員の住居や社員食堂、休憩室、倉庫などに使われています。
居抜き物件の場合は、社員寮や食堂の設備をそのまま使える可能性があります。
また、都市部では駅周辺の高層ビルの1階や地下に入店していることも多いです。

防音設備が整っている傾向にある

パチンコ施設を利用したことがある方は分かると思いますが、ホール内は非常に騒がしいです。
営業中は騒音が鳴り響くため、近隣への配慮として施設内の防音対策は必須となっています。
空きのパチンコ施設は防音設備が整った状態であるケースが多いので、その点は賃借人にとってはメリットとなるでしょう。

そのまま新しいパチンコ店として利用するだけではなく、居酒屋や大衆的な飲食業種でも防音設備の整った物件は重宝します。

大型居抜き物件はパチンコ店以外にも

大型の居抜き物件はパチンコ店以外にも色々あります。
例えばカラオケやゲームセンター、スポーツセンターなどの娯楽施設やレジャー施設も大規模な設備が置かれ、利用者も多いので施設も必然的に大規模となります。
立地などの都合で良い元パチンコ施設がない場合は、他の娯楽・レジャー施設も候補に居抜き物件を探してみるのも良いでしょう。

元パチンコ施設の活用方法

パチンコ

元パチンコ施設はそのまま新しいパチンコ店として使われることもあれば、それ以外の用途で活用されることも多いです。
具体的にどのような活用方法があるのかご紹介します。

遊技場やカラオケへの活用が多い

大規模な空間と整った防音設備を活かし、遊技場やカラオケ施設としてリニューアルするケースが多いです。
ボーリングやビリヤード、ダーツ、カラオケなどアミューズメント系の設備を設置するには、大きな敷地を必要とします。
パチンコ施設は100坪以上あるので、設備を置くスペースは十分にあり、たくさんのお客さんに利用してもらえる余裕があります。
そのため、新しいアミューズメント施設の出店に元パチンコ施設は最適です。

フィットネスジムやゴルフ練習場なども

同じく物件の広さを活かしてフィットネスジムやゴルフ練習場などのスポーツ施設に生まれ変わるケースもあります。
特に駅周辺に入店していたパチンコ店の物件はフィットネスジムに最適です。
駅前のフィットネスジムは仕事帰りやお出かけのついでに気軽に運動したい人にニーズがあります。
しかし、駅周辺の物件は幅広い業種から需要が高く、また新しく大規模な施設を建てることが難しい立地となるので、大規模な物件となる元パチンコ施設は狙い目と言えます。
また、市街地から少し離れたパチンコ施設であれば、ゴルフ練習場として活用しやすいでしょう。
独立したパチンコ店は駐車場も含めて大きな敷地を有しており、周辺の施設とも離れた位置に建てられていることも多いので、ゴルフボールを安全に打てる環境を確保できます。
交通便の良い立地であれば、市街地から少し離れていても集客は難しくありません。

まとめ

今回はパチンコ業界で使用されていた物件の扱いについてご紹介しました。
パチンコ業界は全体的に減少傾向にあり、閉店するお店が今後も増えてしまう可能性があります。
そうなると物件が残されてしまいますが、空き物件は新しい用途で使うことが可能です。
同業種であれば、ライバルがいて参入できなかった場所に店舗を出店できるかもしれません。
既存の設備や環境を活かして、別に施設にリニューアルする方法もあり、活用方法は様々です。
既存の設備や物件の雰囲気、集客のしやすさなども考慮した上で、元パチンコ施設も賃貸先の候補に検討してみてはいかがでしょうか?