問題点多数!?多重請負の原因や対策をご紹介!

多重請負

多重請負は、日本のIT業界や建設業界、不動産業界におけるネガティブな習慣です。
会社説明会などで説明されることがほぼないため、どのような問題があるのか分からない人もおおおでしょう。
そこで今回は、多重請負の原因やメリット・デメリット、対策について解説していきます。

多重請負とは?

多重請負

はじめに、多重請負とはそもそも何なのか、というところから説明していきます。

多重請負は、発注した企業から委託された業務を元請けとなる企業から二次請け、三次請けといったように下層へと流れていく構造を指します。
大手のゼネコンが大型の案件を受注した時に、受注した仕事を服薄の中堅企業に振り分けるケースが多いです。
そして中堅企業がさらに仕事を細分化し、中小企業、そして零細企業へと仕事が流れていきます。
ピラミッドのような構造だと考えれば分かりやすいでしょう。
この構造は建設業界だけではなく、IT業界にも存在しています。

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多重請負のメリットとデメリット

多重請負

多重請負で成り立っている業界もあるため、メリットもあります。
しかしデメリットもあるので、どちらも把握しておかなければいけません。
どのようなメリットやデメリットがあるのかみていきましょう。

メリット

メリットは、中小企業や零細企業など営業力がそこまで強くない会社でも仕事が得られるという点です。
三次請けや四次請けなど下層にいる企業は、自分たちだけで大きな案件をこなせるほどの余裕がありません。
人員を割くこともできないので、請けたいと思っても請けられないのです。
しかし、多重請負構造の中であれば、仕事が割り振られるので大型案件であっても請けられるようになります。

また、仕事を発注する側は大型の案件に割くための人員を自社で抱え込んでいると効率が良くありません。
万が一仕事が少なくなった時もリスクも大きくなってしまいます。
しかし、下請け企業に仕事を割り振ることができれば、そのようなリスクを回避できます。

つまり、発注する側と請け負う側の利害関係が一致しているのです。
それが今でもこの構造を存続させている大きな要因となっています。

デメリット

一見するとメリットが大きいと感じる人は多いでしょう。
しかしメリットがある分、デメリットもあります。

1つ目は、発注する側と請け負う側が受ける待遇の格差が大きい点です。
元請けの企業は1人あたり150万円で受けていたとしても、末端になると1人あたり30万円ほどの売上にしかならないといったケースも珍しくありません。
発注元の業務には顧客と仕様を調整したり、設計したりといったものが含まれます。
これらは難易度が高いと言われているため、下請けの企業は抜け出せないままになってしまう傾向があります。

2つ目は、責任の所在が曖昧になってしまう点です。
多重化されればされるほど、現場の指示系統はどんどん混乱してしまいます。
それだけではなく、管理にも莫大なコストがかかってしまいます。
何らかのトラブルがあってもその情報が上に上がってこないこともあり、トラブルが拡大してしまう恐れもないとは言い切れません。
複数の会社が関与することによって、責任は誰が取るのか曖昧になってしまうのです。

なぜこのような構造が生まれたのか

多重請負

多重請負構造が生まれた理由について、ネット上でも取り上げられることが多いIT業界を例にみていきましょう。

多重請負が生まれたのは、1980年代にシステム開発の拡大に伴ってエンジニアの需要が急激に増えたこと、エンジニアの需要増加に合わせて中小企業がたくさんIT業界に参入したことが理由だと考えられます。
なぜこのような理由から多重請負が生まれることになったのかというと、ユーザー企業からの発注は中小企業ではなく信頼できる大手企業に集中したからです。
そのため、下請けには仕事が回ってこなくなり、下請けや孫請けとしての業務がメインとなっていきました。
システム開発の需要が高まったことをきっかけにエンジニアを確保しなければいけない企業が増えましたが、自社で採用するほどではないという認識から下請けや孫請けに大手企業は依頼するようになったということです。

労働力を確保するためにも、この構造は必要でした。
IT業界と同じく不動産業界や建設業界でも同じことがいえるため、多重請負が当たり前のような状態になっています。
したがって、多重請負は必要悪な構造として知られています。

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多重請負がなくなることはない!?

多重請負

日本において多重請負がなくなることはないと考えられています。
最後はその理由についてみていきましょう。

・雇用規制がある
日本で多重請負がなくなることはないと考えられる最も大きな原因は、雇用規制があるからだと言われています。
システム開発の現場では、開発をしている最中と運用・保守している最中では必要となる人員やスキルが異なります。
アメリカでは、開発を早く済ませることができる人がクビにされて、もっと条件の良い会社で働けるという仕組みが構築されているのです。
日本では、雇用規制があるので簡単に解雇できません。
会社内でシステム開発を行って自動化が促進されると、仕事を失う人が生まれます。
そのような人に配慮した業務を行わなければいけないのです。
建設業界などでも効率化が進んだら、その分仕事がなくなってしまう人が出てくるので、抜け出せない状況に陥っていると言えます。

それが多重請負を助長しています。

・技術力のアップにつながらない
下請けや孫請けの会社は、技術力がそこまで必要ない業務を請け負っているケースも多く見られます。
それも大切な仕事ではありますが、技術力のアップにつながらないため、企業自体の成長が期待しにくくなってしまいます。
つまり、下請けはずっと下請けのままになってしまう可能性が高いのです。
底から抜け出せない限り、現状を打破することは難しいと考えられます。

まとめ

多重請負は、様々な業界で必要悪だと考えられている構造です。
建設業界や不動産業界にも多く見られますが、IT業界の例が問題視されるケースが多く見られます。
この構造は、これまでの歴史を考えると仕方ないことだと感じる人もいるでしょう。
しかし現状維持になってしまうと、中小企業や零細企業の成長を妨げることになりかねません。
それを理解した上で下請けになってしまうのと、何も知らないままで下請けになるのとでは雲泥の差です。