貸会議室のオフィス利用 ~3密への迅速な対応のために

今般の新型コロナウイルスのパンデミックにより、早急に企業に求められることは何でしょうか。
それはテレワークの導入と並んで、「オフィス分散」ではないでしょうか。
なぜならば、そのいずれもが、新型コロナウイルス対策に必要不可欠な「密閉・密集・密接」の3密を避けるために有効となる手段だからです。

貸会議室のオフィス利用という新発想     

従来は貸会議室といえば、会議やセミナー、イベント等の開催目的での利用が大半を占めていました。
ところが、新型コロナウイルスの影響で自粛要請の煽りを受け、利用率が大幅に減少したことにより運営会社の経営は危機的状況に追い込まれました。
そこで、ピンチをチャンスに変えるべく、貸会議室や宴会場などを企業のオフィスとして貸し出す新ビジネスに着手したのです。

迅速な3密対策を可能に

このことは、従業員が1箇所のオフィスに集中し、3密となってしまうことに頭を悩ませていた企業にとっても渡りに船と言えるでしょう。
企業の立場からすると、新型コロナウイルスの急激な感染拡大により待ったなしの状況に陥り、対策のために時間をかけることができませんでした。
そして、新たなオフィスを設ける予算も厳しい中、臨時的措置として貸会議室をオフィスとして利用できることは、3密に対して素早く効果を発揮する特効薬とも呼ぶべきものなのです。

利用のメリット

室内には空気清浄機や消毒液を設置し、定期的な換気、スタッフによる通常の清掃のほかに備品類の除菌も念入りに行われているため、安心して利用することができます。
さらに、ソーシャルディスタンスの確保も出来るようレイアウトも変更するなど、感染症対策に万全を期しています。
貸会議室大手・TKPでは、短期ではなく長期での利用を希望する場合、家具を変え内装工事にも対応しています。
また、貸会議室運営会社の中には、テレワークスペースやサテライトオフィスの利用において特別プランを打ち出す動きもみられます。
一例を挙げると、「敷金・礼金・仲介手数料も不要で即入居が可能」という、迅速性が求められる新型コロナウイルス対策に嬉しいサービスの提供に努めているのです。
そして、インターネット回線や各種備品も取り揃えられているので、これまで事務を執っていたオフィスと遜色ない快適な環境で業務に集中できるのではないでしょうか。

最後に

こうしてみると、新型コロナウイルスの流行に端を発した貸会議室のオフィス利用は、企業の短期的・緊急避難的な感染症対策に多大な貢献を果たす、新たなビジネスモデルとしての地位を確立したと言えそうです。
確かに、テレワークやオフィス分散が進むと、日本ではハンコ文化がまだまだ根付いていることもあり、決裁や上司の承認が取りづらい等の課題が残ります。
しかし、新しい生活様式が模索される中、そうした課題を一つひとつクリアしていき、感染症という大きな脅威を知恵と工夫で乗り切る企業努力が求められているのです。