マンションの水が出ない…原因などを詳しく解説!

断水

マンションで快適に生活するには、水や電気、ガスが欠かせません。
しかし、それらは何らかの原因によって使えなくなってしまうことがあります。
特に水が出ないなどのトラブルが起きると、トイレやお風呂が使えなくなり、とても不便です。
今回は、マンションの水が出ない理由や水が出ない時の注意ポイント、断水対策などをご紹介します。
マンションの水が出なくて困っている方、大家さんに補償を請求したい方はぜひ最後までご覧ください。

目次

マンションで自分のところだけ水が出ない理由とは?

断水

マンションで水が出なくなるときは、自分のところだけ水が使えない場合と、マンション全体が断水している場合があります。
まずは、マンションで自分のところだけ水がでない理由を見ていきましょう。

利用開始手続きをしていない

水が出ない原因としてまず1つ考えられるのは、水道利用開始の手続きをしていないことです。
水道利用開始の手続きをした記憶がないという場合は、速やかに手続きを行いましょう。

手続きの方法には、管轄の水道局に電話する方法、インターネットで手続きする方法などがあります。
ただし、水道局による開栓作業が必要なパターンもあるため、連絡した当日に使えるようになるとは限りません。
さらに、日曜日や祝日、年末年始などは対応していないという水道局もあることから、数日間水なしで過ごすことを余儀なくされる可能性があります。
そのため、利用開始手続きし忘れに気付いたときは、速やかに電話連絡するのが望ましいです。

止水栓が開いていない

止水栓が開いていないことも水が出ない原因になります。
止水栓は水道から給水される水を止めたり、調節したりする役割を担っているため、水道を使わない期間は閉じられていることが多いです。

具体的には、前の住人が退去したタイミングに閉じられるケースが挙げられます。
入居してしばらく経っているのに急に水が出なくなったという場合でも、マンションで工事が行われたときは止水栓が閉じられていることがあるため、念のためチェックしてみるとよいでしょう。
止水栓は、大きく分けると2つのタイプがあり、1つは、全ての水道への給水を止める元栓です。

家中の水が使えないときは、この元栓を確認します。
マンションの場合は、玄関を出たところの壁に設置されているボックスに備わっていることが多いです。
2つ目は、1箇所だけ水が出ないという時に確認する止水栓で、それぞれ水栓の下に備わっています。

止水栓は、手で開閉できるタイプとマイナスドライバーを用いて開閉するタイプがあります。
止水栓が閉じているか確認する時は、時計回りに回しましょう。
閉じている場合は、それ以上時計回りに回せないため、開くために反時計回りに回します。

混合水栓が故障している

止水栓も元栓も開いている状態で、水が出ない蛇口がある場合は、混合水栓が故障している可能性があります。
混合水栓とは、水と湯の両方が使える蛇口のことを言います。
混合水栓が故障すると、たとえ給水されていても、水や湯が出なくなってしまうのです。
単水栓(水のみ使える蛇口)よりも複雑な構造であるため、水漏れなどのトラブルを避けるためにも、修理や交換は専門業者に依頼するのがおすすめです。

配管が劣化している

専有部分の配管が劣化している場合も、自分のところだけ水が出ない原因になります。
配管が劣化すると、管が詰まる、破損による水漏れなどで給水できなくなってしまうのです。
特に水漏れは、水が出ないというトラブルだけでなく、水漏れ被害をもたらす可能性があるため、迅速な対応が求められます。
配管の劣化は素人では分からないケースも多いですが、配管から異音がしたり、水が出ないのに水道メーターが回っていたりする場合は、水漏れが起きているかもしれません。
水漏れかどうか分からなくても、水漏れの疑いが出てきた時点で専門業者に相談するのが望ましいでしょう。

配管が凍結している

水が出ない原因としては、配管が凍結していることも挙げられます。
数日間水を使わなかったとき、夜間や早朝に水が出ないときは、凍結を疑ってみましょう。

凍結の疑いがある場合は、無理に蛇口を開けず自然に溶けるのを待つ、もしくはゆっくりと熱が加わるように蒸しタオルなどを被せるといった方法で対処しましょう。
ここで水道管に熱湯をかけてしまうと、水道管が破損してしまうおそれがあります。
破損しなくとも、水道管への負担が大きくなり、劣化を早めてしまう可能性があるため、できるだけゆっくりと熱を与える工夫が必要です。
水道管に負荷をかけないためにも、できれば自然解凍で対処するのが望ましいです。

水道料金を滞納している

水道料金を滞納していると、給水が停止されるため、水が出なくなります。
「水道料金未納通知書」が届いている場合は、水道料金の滞納が原因かもしれません。

口座振替の場合、残高がなく、引き落としができていないことがよくあるため、入出金履歴を確認してみましょう。
この場合は、水道料金の支払いが完了すれば、水が使えるようになるでしょう。

マンション全体で水が出ない理由とは?

断水

では、マンション全体で水が出ない理由には、どんなことが挙げられるのでしょうか。

メンテナンスが行われている

マンションのメンテナンスが行われるときに、電気の供給を停止することがあります。
水の供給は電気の力で動く給水ポンプによって行われているため、必然的に水も使えなくなるのです。
マンションの掲示板やお知らせを確認してみましょう。

マンション周辺の工事による計画的断水

マンション周辺で工事が行われている場合、計画的断水によって水が出なくなっているのかもしれません。
計画的断水は、生活に支障が出ないタイミングで行われるため、平日の昼間のみ断水といった形が多いです。
マンションの掲示板、自治体のホームページをチェックしてみましょう。

給水制限されている

あまり雨が降らない地域などで、ダムや貯水施設の貯水量が減ると、給水制限が行われることがあります。
給水制限には、圧力を下げて給水する減圧給水と、定められた時間帯に水が出なくなる時間給水があります。
時間給水の場合は、給水制限が終われば水が出るようになるでしょう。
給水制限情報は、各自治体のホームページもしくは国土交通省のホームページからチェックできます。

地震や台風による停電

地震や台風などの災害で停電になると、給水ポンプが動かなくなり、水が出なくなってしまいます。
電気が復旧すれば、水が出るようになります。

水道管が破損した

地震などによって水道管が破裂すれば、電気復旧後も水が使えません。
たとえマンションの水道管に影響がなくても、地域の水道管が破損してしまうと、マンションまで水が届かなくなってしまいます。

劣化によって負担がかかりやすい状態になっている水道管の場合は、たとえ小さな地震でも破損してしまうことがあります。
電気が復旧しても水が使えないという場合は、水道管の破損が原因になっているのかもしれません。

受水槽や給水ポンプの不具合

受水槽や給水ポンプに不具合が起きていることも原因として考えられます。
マンション全体へ水を供給する役割を担っていることから、それらに不具合が起きることで、水が出なくなってしまうのです。
計画断水や給水制限、災害がない場合は、受水槽や給水ポンプの不具合を疑いましょう。

この場合は、速やかに管理会社や管理組合に相談します。

水が出なくなる確率は給水方式によって違う?

断水

実は、給水方式は1つではありません。
マンションの給水方式は大きく分けて2つあり、細かく分ければ5つになります。

それぞれにメリット・デメリットがあるだけでなく、水が出なくなる確率も変わってくるため、気にしておきたいポイントの1つなのです。
ここからは、給水方式についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

受水槽方式

受水槽方式は、水道局から送られてきた水を貯めるタンク「受水槽」を活用して給水する方式です。
使用する水が一旦受水槽に溜める仕組みであるため、水質汚染のリスクが発生するというデメリットがあります。

受水槽方式かどうか見分ける方法としては、敷地内を見渡して受水槽がないかどうかを確かめるということが挙げられます。
とはいえ、人目に付かないような場所に設置されていることがほとんどであるため、一見受水槽がないように見えることもあるため、チェックする時は注意が必要でしょう。
3つの受水槽方式について見ていきます。

ポンプ直送方式

水道本管と呼ばれる配水管から受水槽に水を引き込んで貯水し、直送ポンプユニットで各部屋に給水する方法です。
直送ポンプユニットが水圧を制御していることから、水圧が安定しやすいのが特徴です。

受水槽方式であることから断水の心配はないのではないかと思われがちですが、直送ポンプユニットの稼働に電気が必要になるため、停電すると水が出なくなります。
また、直送ポンプユニットが故障したり、水道本管が破損したりすることも断水の原因になるでしょう。
ポンプ直送方式は、新築の高層マンションによく見られます。

圧力タンク方式

直送ポンプユニットではなく、加圧ポンプで各部屋に給水する方法を圧力タンク方式と言います。
ポンプ直送方式と同様、停電、加圧ポンプの故障、水道本管の破損などによって断水します。
ポンプ直送方式とは異なり、比較的低階層なマンション向けの方式です。

しかし、低階層マンションに採用される方式の多くは、後ほどご紹介する直圧直結給水方式であるため、圧力タンク方式が採用されているマンションは珍しいと言えます。

高置水槽方式

高置水槽方式には、タンクが2箇所に設置されるという特徴があります。
水道本管から受水槽に水を引き込み貯水するところまではポンプ直送方式や圧力タンク方式と同じです。
異なるのは、そこからマンションの屋上にある高置水槽に揚水ポンプで水を汲み上げる点です。
重力で各部屋に給水するため、停電時であっても、高置水槽の水がなくなるまでは水が使えます。
しかし、タンクが2つあることから水質汚染の可能性が高くなりやすい、圧力が安定しにくいなどのデメリットがあります。

高置水槽方式が採用されているのは、比較的築古の高層マンションです。

水道直結方式

水道直結方式は、受水槽がないため、水質汚染の心配がありません。
受水槽の点検や清掃がない、受水槽の設置が必要ないためスペースを有効活用できるなどのメリットもあります。
2つの水道直結方式について見ていきます。

直圧直結給水方式

直圧直結給水方式は、配水管の水圧のみで給水可能な給水方式です。
水道本管から各部屋に給水管を伸ばしているため、高い水質のまま給水できるというメリットがあります。

ポンプを介さずに給水できるので、配水管さえ無事であれば、建物が停電しても水が出なくなることはありません。
断水するのは、水道管が破損したときです。
水道管が破損する理由としては、地震や台風などの災害、劣化などが挙げられます。
つまり、定期的な水道管のメンテナンスが行われており、大きさに関わらず災害が起きなければ、水が出なくなる確率は低いと言えます。
直圧直結給水方式は、水圧だけで給水することから、高い階層への給水には向きません。
そのため、3階~5階程度のマンションに採用されることが多いです。
住んでいるマンションが3階~5階のマンションで、敷地内に受水槽が設置されていない場合は、直圧直結給水方式である可能性が高いと言えるでしょう。

増圧直結給水方式

直圧直結給水方式の水圧を上げるため、増圧ポンプユニットを設置したものが増圧直結給水方式です。
直圧直結給水方式のメリット、水質汚染の心配がない点はそのままに、高層階への給水も可能になるのが増圧直結給水方式の特徴です。

直圧直結給水方式との決定的な違いには、停電時は高層階への給水ができなくなってしまう点が挙げられます。
高層階への給水は、電気で動く増圧ポンプユニットが欠かせないため、断水してしまうのです。
ただし、直圧直結給水方式で給水できる階層、つまり3階程度までは停電時も水が出ます。
また、根本は直圧直結給水方式であるため、水道管の破損が原因で水が出なくなることもあります。
これらをふまえると、災害や劣化による断水だけでなく、停電時にも水が出なくなることから、増圧直結給水方式は直圧直結給水方式よりも断水する確率が高いと言えます。

水が出ない時に注意すべきポイント

断水

マンション暮らしで水が出ない時、二次災害を防ぐためにも注意したいポイントがあります。
そのポイントは以下のとおりです。

蛇口を開いた状態にしない

水が出ない時、断水箇所が特定の場所だけなのか、部屋全体で起きているのか確認するために蛇口を開いて確認することになります。
その際、蛇口を開けっ放しにしないようにしましょう。
蛇口を開けっ放しにしていると、断水が解消された際にそのまま水が放出されます。
すぐに気付けば対処できるものの、断水の解消が外出中や就寝中だとすぐに締めることができず、シンクなどから溢れて床などが水浸しになる恐れがあります。

また、しっかり締めたと思っても締め切っていない場合もあり、気付くのに時間がかかってしまうケースもあるでしょう。
部屋が水浸しになるだけではなく、水道代が無駄になったり、蛇口に空気が入って水道管が傷付いたりする可能性もあります。
他にも溢れた水が階下の部屋にまで漏れてしまえば、賠償責任が生じるので注意しましょう。

断水時のトイレの使用について確認する

トイレから水が流れない場合、他から持ってきた水を便器に流すことで排泄物を流すことができます。
ただし、災害によって排水管や下水管が正常に機能していない場合、汚水が逆流するリスクがあるため、トイレの使用自体が禁止される場合もあります。
そのため、事前に断水時のトイレの使用について管理会社・管理組合に確認を取りましょう。

断水時もトイレの使用が可能であった場合、各メーカーのホームページや取扱説明書を確認して、正しい方法で便器に水を流してください。
間違った方法で水を流すと詰まる原因になってしまう恐れがあります。

断水解消した直後の水を使わない

断水が解消した直後の水は、濁りやサビや汚れなどの異物が混入している可能性があります。
そのような水が口に入ると健康被害が出てしまう恐れがあるので、使用しないでください。

しばらくは水を流しっぱなしにして、濁りがなくなったことを確認できたら使用してください。
蛇口を開く際は、使用頻度の多いキッチンや洗面所から開くのが良いでしょう。
断水後の配管には空気が含まれているため、蛇口を全開にして開けると水が勢いよく放出されます。
さらに、空気圧の影響で配管や混合栓が破損するリスクもあるので、少しずつ蛇口を開けるようにしましょう。

マンションの断水対策について

断水

水は生活に欠かせないものであるため、突然の断水はマンションでの生活に支障が生じます。
万が一に断水が発生した時に備えて、断水対策をしておくことが大切です。
ここで、マンションの断水対策についてご紹介します。

飲料水をストックしておく

断水時に特に困ってしまうのは、飲料用の水が不足してしまうことです。
水が使えない状況だと、つい飲料水を飲まずケチってしまう人は少なくありません。
しかし、水分補給を我慢すると脱水症状が起き、命の危機に瀕してしまう可能性があります。
時に夏場は熱中症・脱水症のリスクが高まるため、断水中も水分補給ができるように飲料水は十分にストックしておきましょう。

コンビニやスーパーなどで買える一般的なミネラルウォーターは、未開封時の賞味期限が1~2年となっていることが多いです。
備蓄を目的にしている場合は、賞味期限が5~10年間と長持ちする保存水がおすすめです。

水の場合、賞味期限が切れても未開封であれば、大きく品質を損ねる心配がありません。
しかし、飲料用として抵抗があれば飲むのは避け、トイレや手洗いなどに使用するのが良いでしょう。
賞味期限を切らさないように、期限が切れる前に消費して、その分新しいストックを確保するように心掛けてください。

ビニール袋やウォーターバッグなどに水を溜める

断水する前にお風呂に水を溜めておくという断水対策がありますが、その対策は古いと言えます。
お風呂の残り湯の場合、髪の毛や垢、汚れ、菌などが水に含まれているので、飲料や何かを洗うための水としては使えません。

すぐに断水する状況でなければ、空っぽの浴槽に綺麗な水を溜めておくことができます。
しかし、浴槽に溜めた水を使うことに抵抗がある人もいるでしょう。
浴槽に溜めた水の使用方法がトイレを流すためであれば、溜めることに問題はありません。
しかし、配管が故障している場合はトイレ自体の使用が禁止される可能性があり、その場合は溜めた水が無駄になる可能性があります。
それを避けるためにも、水を溜めるなら未使用の大きなビニール袋やウォーターバッグ、洗浄済みの空のペットボトルなどに溜めるのがおすすめです。

浴槽に直接水を溜めるよりも衛生的で、用途に合わせて水を分割できるメリットもあります。
ビニール袋を使う場合は、水漏れを防ぐために袋を2枚重ねた状態で水を入れて保管しておきましょう。

ウェットティッシュをストックしておく

ウェットティッシュがあれば、マンションで水が出ない状況であっても手や顔などに付いた汚れを拭き取ることができます。
簡単に汚れを拭き取れることから、日常的に使っている人もいるでしょう。
断水時はウェットティッシュの使用頻度が高くなるので、日常的に使う分とは別に備蓄用を確保しておくと安心です。

また、一般的なウェットティッシュの使用期間は未開封の状態で製造から約3年となっていることが多いです。
そのため、5年以上保管できる製品を選ぶと良いでしょう。
また、開封済みのウェットティッシュは、乾燥しないように蓋のシールを密封するように閉めて、火気や直射日光、高温の場所を避けて保管してください。
ジップ付の袋に入れて空気に触れにくい状態にするのもおすすめです。

非常時用浄水器を用意しておく

マンションの場合、一般的に一定量の水を貯蔵できる貯水タンクが備えられています。
断水が発生した際に、そのタンクから水を取り出して使うことが可能です。
ただし、タンクに溜まった水は飲用に適しておらず、使用するには浄水処理が必要です。

加熱による消毒は手間がかかり、ガスや電気が止まっている状態だと加熱処理ができない場合もあるでしょう。
そのため、非常時に使える家庭用の浄水器を用意しておくのがおすすめです。
浄水器があれば、タンクの水や水道水に含まれる不純物・微生物を簡単に取り除けるので、安全な飲用水を確保できます。

マンションで水が出ない時の過ごし方

断水

マンションで水が出ない時、解消するまで水の使用を制限して生活することになります。
ここで、水が出ない時の過ごし方をチェックしていきましょう。

すべての蛇口をしっかり締める

蛇口から水が出ないことが確認されたら、すべての蛇口をしっかり締めておきましょう。
先に述べたとおり、蛇口を開けっ放しにしていると断水の解消時に各蛇口から水が出てきて、水浸しになる可能性があります。
また、空気の侵入によって配管が傷んだり、空気圧で勢いよく水が噴き出し、その際に配管や混合栓が破損したりするのを防ぐためにも蛇口の開けっ放しには注意してください。

洗濯機用の蛇口は見落としやすい部分なので、忘れず蛇口を締めておきましょう。
トイレや給湯器も同様の理由で止水栓を止めておくと安心です。

蛇口を締めておかないと復旧後に濁った水や異物が混入し、トイレ、給湯器、洗濯機が故障する恐れがあります。
復旧後は他の蛇口で濁りがないことを確認できたら、トイレ・給湯器・洗濯機を使用するようにしましょう。

可能な限り水を確保する

一人あたり、飲料・調理だけで1日3リットルは必要と言われています。
それ以外にもお手洗いなどで水を使うことになるため、より多くの水が必要です。
その点を考慮して、ストックしてある水が足りているのか確認してください。
計画的な断水や災害で後に断水する可能性があるなど、すぐに水が出なくなるわけではない状況であれば、大きなビニール袋やペットボトルなどに水を余分に確保しておくと安心です。
必要に応じてスーパーやコンビニで購入したり、親族や友人などから分けてもらったりしましょう。
水はいくらあっても困りませんが、災害による断水の場合、近くのお店で売っているものを買い占めてしまうと他の人に水が行き渡らなくなります。
そのため、無駄な買占めをしないようにしましょう。
災害時に飲み水を提供する給水拠点が存在するので、万が一の時のために自治体のホームページや防災マップで場所を確認しておいてください。

トイレが使えない時は非常用・携帯用トイレを活用する

トイレの故障などで一時的に水が出ない状況であれば、水を流し込むことで排泄物を流すことが可能です。
その場合、便器からこぼれてしまうのに気を付けながら、6~8リットルぐらいの水を一気に流し込むことで排水できます。
ただし、正しい流し方はトイレの製品ごとに異なるため、確認した上で行ってください。
トイレを使用できない時は非常用トイレや携帯用トイレを使うようにしましょう。
トイレが使えないからといって排泄を我慢することは体に良くありません。
断水でトイレが使えなくなった時に備えて、非常用・携帯用トイレも防災グッズと一緒にストックしておきましょう。

水を使わず食べられるものや外食・出前で食事をとる

水が出ない時の食事は、水を使わずとも食べられるものを用意しましょう。
電気が使えるようであれば、電子レンジで調理できるレトルト食品があると水を使わなくても満足のいく食事ができます。
加熱調理が不要な缶詰食品もおすすめです。

また、断水の原因が災害でなければ、外食や出前で食事を済ませるという方法も可能です。

お風呂は外部の入浴施設などを利用する

マンションの水が出ない時、お風呂に入ることができません。
短期間の断水であれば、濡れたタオルや汗拭きシートや、水が不要なシャンプーを使ってある程度の清潔感を保つことができるでしょう。
しかし、断水の解消に時間がかかったり、外出の予定があったりする場合は銭湯やスパ、漫画喫茶など外部の入浴施設を利用してください。
災害時は移動入浴車や簡易浴槽による入浴支援が実施されるので、そちらもチェックしておきましょう。

大家さんに補償を請求することは可能?

断水

マンションの水が出ない時、大家さんに補償を請求したいと考える人もいるでしょう。
実際に補償に対応してもらえるのか、解説します。

・賃料の減額を請求できる可能性がある
水道設備は毎日使うものであるため、劣化や不具合を抑えるためには定期的なメンテナンスが必要です。
マンションに設置される水道設備は建物所有者の財産と見なされるため、維持管理の責任は所有者である大家さんにあります。
2020年4月から施行された改正民法によれば、室内・設備等の滅失によって入居者が通常の生活ができなかった場合、滅失部分の割合に合わせて賃料を減額できることが定められています。
大家さんが水道設備の管理を怠ったことで断水が起きた場合、賃料の減額を請求できる可能性があります。

・断水による賃料減額割合は30%
日本賃貸住宅管理協会のガイドラインによれば、水が使えない状態だと1日あたりの賃料減額割合は30%、免責日数は2日です。
例えば、月額家賃が20万円で3日間の断水があった場合、請求できる賃料の金額は以下のとおりです。

月額家賃20万円×賃料減額割合30%×(3日-免責日数2日)÷30日=2,000円

大家さんの責任で断水が起きた場合、上記の例だと2,000円程度の減額請求であれば法律上問題はないと言えます。

・必ずしも家賃が減額されるとは限らない
断水の補償に大家さんに請求しても、実はその要求に応じる義務はないので、確実に補償されるとは限りません。
ただし、断水が起きると飲用水の購入や銭湯の利用などに費用が発生するため、その配慮として水に購入費・銭湯代を負担してくれるケースが多いです。
そのため、断水の影響が大きい場合、一度大家さんに補償してもらえるかどうか掛け合ってみるのが良いでしょう。

今回はマンションで水が出ない原因や出ない時の注意点、断水対策などについてご紹介しました。
断水は頻繁に起こる問題ではないものの、設備の老朽化や災害などで突然起きる可能性があります。
いつ起きても慌てずに対応できるように、飲用水やウェットティッシュのストックといった断水対策をしたり、断水時の過ごし方を確認したりしておきましょう。
また、断水の責任が大家さんにあり、生活に大きな支障が出た際は補償に対応してくれる可能性があるので、常識の範囲内で請求してみてください。