賃貸マンションやアパートなどの賃貸物件で暮らしている中で、鍵トラブルに見舞われる可能性は誰にでもあります。
特に多いのは、鍵が壊れてしまったり、紛失してしまったりというトラブルです。
今回の記事では、鍵交換の費用負担や賃貸物件でよくある鍵トラブル、鍵交換について、鍵が回らない時の対処法などを解説していきます。
鍵の不調を感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
賃貸物件の鍵交換！費用は誰が負担するの？
賃貸物件に入居する前に鍵交換をしてもらうのは、安全性を高めるために当然ですがコストがかかります。
その費用は誰が負担するのか気になる人もいるでしょう。
そこで続いては、鍵の交換費用を誰が負担するのかという疑問に答えていきます。
基本は自己負担
入居時の鍵交換費用は、基本的に入居者が負担します。
入居者と大家さんのどちらが費用を負担するかという点でトラブルにならないようにするため、国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でルールを定めています。
このガイドラインの中では、大家さんが負担するのが妥当とされていますが、法的な拘束力はありません。
そのため、契約書の中に入居者が負担する旨が記されている場合は、それに従う必要があります。
管理会社によっては負担してくれる場合も
入居時の鍵交換は、基本的に自己負担ですが、管理会社によっては負担してくれるケースもあります。
これは、管理会社の考え方次第なので、契約前に確認しておきましょう。
内見をする際や物件の説明を管理会社で受けている中で、質問できるタイミングがあるはずです。
その時に確認しておけば、安心できるでしょう。
賃貸物件の鍵トラブル！その内容と対処法
次に、賃貸物件で暮らしていて遭遇する可能性が高い鍵トラブルとその対処法から見ていきましょう。
ここでは、鍵が壊れてしまった場合と鍵を紛失してしまった場合を例に挙げてご紹介します。
鍵が壊れてしまった
鍵が壊れてしまうと、以下のような状態になります。
・鍵がかかりにくくなった
・開錠がスムーズにできなくなった
・鍵が折れてしまった
上記のような状況に陥ると、非常に不便です。
鍵が折れてしまった場合は、鍵を開けたり、閉めたりすることすらできなくなってしまいます。
そのため、できるだけ早く管理会社や大家さんに連絡するようにしましょう。
インターネットなどで鍵の不具合を直す方法を調べ、実践しようとする人もいるかもしれません。
しかしそれは、逆効果になってしまう恐れがあるので避けるようにしてください。
例えば、鍵穴に潤滑油をさす方法は昔から行われていますが、一時的に改善するだけで、元の戻ってしまうケースが多いです。
自己判断で作業したことにより、経年劣化だと認められなくなってしまい、入居者が費用を負担しなければいけなくなる可能性も高まります。
このことからも、自己判断で対処するのではなく、すぐに管理会社や大家さんに連絡することが重要だと言えるでしょう。
鍵を紛失してしまった
入居者の不注意で鍵を紛失してしまったというトラブルも珍しくありません。
鍵を紛失してしまった時の対処法は以下のとおりです。
管理会社に連絡する
賃貸マンションやアパートなどの賃貸物件の鍵を紛失したら、管理会社への連絡は必要不可欠です。
管理会社によりますが、以下のような対応を取ってくれるケースが多いです。
・管理会社のスタッフが部屋の鍵を開けてくれる
・トラブルへの緊急対応をしてくれる提携のサポート会社が駆けつけてくれる
管理会社の営業時間中であれば、スタッフが開錠しに来てくれるケースが多いです。
しかし、定休日や夜間は対応してもらえません。
定休日や夜間にトラブルが発生した場合は、管理会社が提供している24時間サポートなどを利用しましょう。
また、鍵の紛失に対応できるサポートに加入していれば、管理会社が営業時間外でも駆けつけてくれる場合があります。
利用できるサービスの中に、鍵の紛失に関する内容が盛り込まれているか、確認しておくと安心です。
管理会社や大家さんに連絡してもすぐにマスターキーを持ってきてもらえない場合もあるでしょう。
そのような時は、鍵開けを専門的に行っている業者に依頼してください。
鍵を開けてもらうだけなら、6,000円程度で対応してもらえます。
ピッキングが難しいタイプの鍵だと、対応できる業者が限られてしまう可能性もあるので、依頼する時にどのような鍵なのかという点を伝え、作業可能か確認することもポイントです。
対応が難しいと言われたら、他にお願いできそうな業者はないか聞いてみてください。
警察に届け出をする
警察への届け出も忘れないようにしてください。
最寄りの交番で届け出ができます。
場合によっては、落とし物としてすでに届けられていることもあるため、交番は立ち寄るべきだと言えるでしょう。
警察に提出するのは、鍵が見つかった場合に連絡をもらえる「紛失届」です。
紛失届に記入する時は、紛失した人の名前や住所、連絡先、鍵のメーカー、鍵の製造番号などを伝えるのが理想的です。
そのため、鍵のメーカーや製造番号はスマホなどにメモをしておいたり、写真で撮影しておいたりすると良いでしょう。
鍵の交換を行う
警察に紛失届を出しても鍵がなかなか見つからない場合は、鍵を交換するのが無難です。
もし、免許証やマイナンバーカードなど個人情報が特定されるものも一緒に落としていたら、悪用される可能性が高まります。
空き巣や強盗の被害に遭うリスクも高くなってしまうでしょう。
鍵の紛失が原因で鍵を交換する場合は、入居者の不注意とみなされるので、入居者が交換費用を負担しなければいけないことも覚えておいてください。
最近の賃貸物件は、鍵の紛失を防ぐためにカードキーやスマートロックを採用しているケースも増えています。
カードキーやスマートロックは、鍵穴がないのでピッキングされるリスクがありません。
しかし、初期設定のままだったり、誕生日などわかりやすい暗証番号を設定したりしていると、悪用される可能性が高まるので、安全とは言い切れないでしょう。
いずれにしても、鍵を誰かが拾っている可能性があると不安が募るものです。
安心して生活するためにも、鍵が見つからない時は交換したい旨を管理会社や大家さんに相談してみてください。
賃貸物件の鍵交換は勝手にしても問題ない？
鍵が壊れてしまったり、鍵を紛失したりして、鍵の交換を考える場合があります。
そのような時、賃貸物件の鍵は勝手に交換しても問題ないのでしょうか？
続いては、その疑問に答えていきます。
鍵の交換を検討するタイミング
鍵を交換するタイミングは、壊れたり、紛失したりした時だけではありません。
以下のようなケースも考えられます。
別居のタイミング
家族や恋人と一緒に暮らしていたり、友人とルームシェアをしたりすることもあります。
しかしその生活が途中で終わり、一緒に暮らさなくなる場合もあるでしょう。
別居を決めた時、出ていく方が合鍵を持っている可能性が高いです。
合鍵をもっていると、それを使って侵入される恐れがあります。
予期せぬトラブルを回避するためにも、別居をすると決めたら、鍵の交換も考えるでしょう。
防犯性を高めたいと思った時
近所で空き巣や事件などが起こった場合、防犯面で不安を覚えます。
自分自身の身を守るためにも、鍵交換をすべきタイミングだと言えるでしょう。
ピッキングなどに強い鍵も出ていますが、古い建物だと防犯性が低い鍵のままになっているケースも珍しくありません。
そのままにしていると、空き巣被害に遭うリスクも高くなるので、管理会社や大家さんに相談してみてください。
ディンプルキーやウェーブキーなど、ピッキングを防ぎやすい鍵に交換してもらうのがおすすめです。
また、CPマークという官民合同会議で定めた基準をクリアしている製品を選ぶこともポイントの1つです。
賃貸物件の場合、許可を得なければいけない
賃貸物件の場合、鍵の交換は入居者だけの判断ではできません。
必ず、管理会社や大家さんに相談してください。
勝手に鍵を交換することは、契約条項違反とみなされてしまいます。
悪質性が高いとみなされると、損害賠償を請求される可能性があります。
入居者は、部屋や鍵を一定期間借りているだけなので、所有しているわけではありません。
そのため、無断で鍵の交換はできないのです。
賃貸物件に入居する際の契約書にも、「無断で修繕を行ってはいけない」などと定められている場合が多いです。
鍵交換の費用相場をチェック
鍵交換の費用は、鍵の種類によって変動します。
次は、鍵の種類ごとに異なる鍵交換の費用相場についてみていきましょう。
ディスクシリンダーの場合
ディスクシリンダーの交換費用は、約15,000円です。
ディスクシリンダーは、鍵の両側がギザギザしているタイプです。
一昔前の一戸建てやマンション、アパートなどで多く使われています。
しかし、ピッキングの方法が広く知られるようになってからは、少しの知識で誰でも開錠できることが判明し、空き巣被害が増えてしまったのです。
その結果、2001年にディスクシリンダーの製造は中止されています。
最近建てられたマンションやアパートであれば問題ありませんが、築年数が経過している物件だとディスクシリンダーを使っている可能性は高いでしょう。
空き巣被害に遭うリスクが高いので、このタイプの鍵をいまだに使っている場合は、早めに交換してもらえるように管理会社や大家さんに相談することをおすすめします。
ロータリーディスクシリンダー（U9）の場合
ロータリーディスクシリンダーの交換費用は、約15,000円です。
ロータリーディスクシリンダーは、ディスクシリンダーの後継となる鍵です。
構造が複雑になっていて、ピッキングに強い作りになっています。
安全性がディスクシリンダーより高いので、現在でも多くの住宅に使用されています。
ピッキングに対する耐性もあるので、賃貸物件でも多く採用されているタイプです。
ディスクシリンダーはすでに製造が中止になっているため、両側がギザギザの鍵を使っている場合は、ロータリーディスクシリンダーである可能性も高いです。
ピンシリンダーの場合
ピンシリンダーの交換費用は、約15,000円～2万円です。
ピンシリンダーの鍵は、片方だけギザギザした形状になっています。
ディスクシリンダーよりも耐ピッキング性能は高いです。
しかし、無理やり鍵穴を壊す方法で開錠されてしまう可能性があるので、防犯面を重視するなら避けるのが無難でしょう。
比較的リーズナブルなので、玄関よりも物置やロッカー、自転車のロックに使われるケースが多いです。
ディンプルキーの場合
ディンプルキーの交換費用は、約25,000円～3万円です。
近年主流となっている鍵がディンプルキーです。
表面に複数の凹みがある形状になっていて、ピッキングに強いという特徴を持ち合わせています。
新築の賃貸マンションやアパートの場合だと、最初からディンプルキーが使われているケースも多いです。
鍵の交換費用はそれなりにかかってしまいますが、防犯面を重視するなら選んで損はありません。
カードキーの場合
カードキーの交換費用は、約5万～10万円です。
カードキーは、その名のとおりカード上になっている鍵です。
カードの中に、部屋の情報などが記録されていて、センサーにかざしたり、差し込んだりすることで鍵の開け閉めができます。
カードキーもバーコードが印字されているタイプ、ICチップが埋め込まれているタイプ、磁気テープが付いているタイプなど、種類は様々です。
オフィスやホテルで使われている鍵をイメージするとわかりやすいでしょう。
オフィスやホテルで主に使われていましたが、そのセキュリティ性能の高さから、賃貸物件でも使われるようになってきたのです。
カードキーの場合、オートロック機能が備わっているものも多いので、鍵を閉め忘れてしまう心配がないなどのメリットもあります。
ただし、停電すると鍵の開け閉めができなくなってしまう場合があるので、気を付けなければいけません。
鍵を開けられなくなってしまったら、電気が復旧するまで待機するか、管理会社や大家さんに連絡して他の方法で開けてもらうしかないでしょう。
【鍵のトラブル】回らない時の対処法とは
家の中に入りたいのに、鍵が回らなくては入れない時はどうしたら良いのでしょうか？
鍵が回らない時に役立つ、対処法をいくつかご紹介します。
鍵が回らない時には、ぜひ試してみてください。
鍵の掃除をする
鍵に汚れが付いていると、汚れが原因で鍵が回らなくなる場合があります。
鍵には、「ピンシリンダー」「ディスクシリンダー」「ロータリシリンダー」「ディンプルキー」など、様々な種類があります。
中でも、ディンプルキーは防犯性を高めるために凹凸の多い構造となっているため、汚れが付着しやすいです。
こうした場合には、鍵そのものを掃除することで鍵が回るようになるかもしれません。
柔らかい歯ブラシで鍵の凹凸を優しくなぞりながら掃除をしてみてください。
これで鍵が回るようになるかもしれません。
鍵穴の掃除をする
鍵の掃除をしても鍵が回らなかった場合は、鍵穴の掃除もしてみましょう。
鍵穴がどうなっているか鍵穴を覗いて確認してみてください。
埃や異物が詰まっていませんか？
埃などが詰まっていそうな場合には、歯ブラシやポンプ式のエアダスター、掃除機などで内部を清潔にしましょう。
鍵穴内部に溜まった埃などのゴミが取れ、鍵が回るようになるかもしれません。
また、鍵穴内部にガムが詰まっている場合には悪質ないたずらの可能性があります。
自分でなんとかしようとせずに、管理会社や大家さんに相談をしてください。
鍵穴に専用の潤滑油を使う
鍵や鍵穴は、使う度に都度摩耗していきます。
そのため、古い鍵や鍵穴は噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。
そんな時には、鍵穴に鍵穴専用の潤滑油を注入してみてください。
滑りが良くなるので、鍵が回るようになるかもしれません。
この時のポイントは、鍵穴の掃除をしてから潤滑油を使うことです。
そうすることで、潤滑油が鍵穴に馴染みやすくなり、鍵が回る可能性が高まります。
ホームセンターやネット通販、鍵屋さんなどで鍵穴専用の潤滑油を購入できるので、試してみてください。
使い捨てではないので、都度使うことが可能です。
鍵の溝を鉛筆でなぞって潤滑油代わりにする
鍵穴専用の潤滑油がない場合、身近なもので代用することもできます。
それは、濃いめの鉛筆です。
鉛筆の芯は黒鉛が含まれており、黒鉛は滑りを滑らかにしてくれます。
そのため、鍵穴専用の潤滑油がない時には鉛筆で鍵の溝をなぞり、潤滑油代わりにすることができるのです。
まずは、乾いた布で鍵を拭きます。
次に、鍵の凹凸がある溝や切り込み部などを鉛筆でなぞっていきます。
なぞったら、鍵穴に鍵を何度か抜き差ししてみてください。
鍵が無事に回ったら、ティッシュで黒鉛を拭き取って完了です。
濃い鉛筆の方が黒鉛は多く含まれているので、2BやBなどの鉛筆を使うことをおすすめします。
スペアキーを使ってみる
鍵の掃除をしても、潤滑油を注入しても鍵が回らない場合には、鍵の摩耗により嚙み合わせが悪くなっている可能性が高いです。
そんな時には、スペアキーが使えるか試してみてください。
スペアキーがない場合には、大家さんや管理会社の方から鍵を受け取った段階で合鍵を作っておくと後ほど安心です。
シリンダーの交換をする
スペアキーでも鍵が回らず、家の中に入れない時にはシリンダーの交換をしてもらいましょう。
シリンダーは約10年が耐用年数のため、10年以上使っている場合には鍵穴の劣化が考えられます。
賃貸の場合、自分で交換するのではなく管理会社や大家さんに鍵が使えないことを伝えて対処してもらってください。
勝手にシリンダーの交換をするのは、賃貸契約違反となってしまいます。
必ず、大家さんに伝えてどうしたら良いか確認をしましょう。
【鍵のトラブル】回らない時にやってはいけない行為とは？
鍵が回らなくなった時には、いくつかやってはいけない行為があります。
どのような行為に注意しなければならないのでしょうか？
やってはいけない行為をいくつか紹介します。
鍵穴に水やお湯をかけない
冬場は、凍結が原因で鍵穴が回らないということもあります。
凍結が原因の可能性が考えられる場合、水やお湯をかけてはいけません。
鍵穴が濡れてしまうと、使えなくなってしまうからです。
凍結が考えられる時には、カイロで温めて対処してみてください。
鍵穴に潤滑油を注入する場合は専用のものを使う
鍵穴の滑りを良くしたい時には、鍵穴専用の潤滑油を使いましょう。
鍵穴専用ではないものを潤滑油に使ってしまうと、故障の原因となってしまうからです。
更に鍵が回りにくくなるなど、事態をより悪化させてしまう場合があります。
そのため、食用油やシリコンスプレーなどの専用ではない潤滑油は鍵穴に使わないでください。
また、クレ556という軋みを抑えて動きを良くしてくれるスプレーを使って鍵が回るようになったという事例もありますが、クレ556の使用も推奨できません。
なぜなら、クレ556を鍵穴に使用すると油と埃・砂が内部で混ざって固まりやすくなるためです。
鍵穴に鍵が入りにくくなったり抜けにくくなったりといったトラブルにつながってしまいます。
そのため、回るようになったという事例があるからという理由でクレ556を使うのも避けましょう。
強引に鍵を回す
鍵が回らないからといって、強引に力ずくで鍵を開けようとするのはNGです。
鍵が変形したり折れたりしてしまうかもしれません。
鍵穴内部で鍵が折れてしまうと、折れた鍵を取り出すことは難しいです。
強引に鍵を回して鍵が折れて故障すると、シリンダーや鍵の交換をしなくてはいけません。
内部から折れた鍵を取り出すのはプロでも至難の業です。
修理費用や交換費用などが高くなる恐れもあるため、強引に鍵を回すのは避けてください。
まずは管理会社や大家さんに鍵が回らないことを相談してみてください。
鍵の交換費用は、原則大家さん負担となっているため、管理会社や大家さんが費用を負担してくれることが多いです。
ピッキングをする
ヘアピンや金具などでピッキングを試すこともしてはいけません。
素人がピッキングを行うと、内部で針金が折れてしまったり鍵穴を傷つけてしまったりする恐れがあります。
また、ピッキング専用の道具は素人が所持していると罪に問われる可能性があります。
これらの理由から、ピッキングも行わないようにしてください。
鍵の分解をする
鍵の異物を除去しようと、自分で鍵を分解するのもNG行為の1つです。
鍵は、1つでも部品がなくなってしまうと使えなくなってしまいます。
部品の中でもバネは紛失しやすく、「分解しようとしたら飛び出して見失ってしまった」という事態に陥りやすいです。
素人が鍵の分解をするにはリスクがあるので、分解はしないようにしましょう。
鍵交換を自分でする方法と注意点
賃貸では、条件を満たしていれば鍵交換を自分ですることもできます。
その条件とは以下の3つです。
・鍵の種類が適合している
・大家さんの許可を得ている
・退去時の対応に合意している
まずは大家さんの許可を得て退去時の対応に合意し、適合する鍵の種類を選ぶ必要があるのです。
それでは、鍵交換を自分でする方法と注意点を詳しくご紹介します。
①大家さんに許可をもらう
鍵交換を自分で行う前に大家さんに許可を得ましょう。
賃貸では、大家さんの許可を得ずに勝手に鍵の交換をするのは賃貸契約違反となってしまうことに注意しましょう。
悪質な賃貸契約違反だと判断されてしまった場合には、損害賠償を請求されてしまうかもしれません。
そうならないためにも、鍵の交換を自分で行っても良いか許可をもらってください。
②退去時に鍵をどうするのか大家さんと話し合う
大家さんに許可をもらえたら、次は退去時に鍵をどうするのかも話し合いましょう。
そのまま鍵を残すのか、既存の鍵に復元してから退去するのかをあらかじめ決めてください。
決めずに退去した場合、大家さんと入居者でトラブルとなる可能性があるからです。
元通りに復元する場合の費用は誰が支払うのか、既存の鍵を紛失してしまった場合にはどうするのかなどをしっかりと確認してみてください。
③鍵の種類が適合するか確認する
次に、鍵の種類が適合するか確認をしましょう。
適合しない鍵を玄関ドアに取り付けてしまうと、穴の加工が必要になったりドア自体を交換しなければいけなくなったりしてしまいます。
また、種類が適合しないとなると大家さんの許可が下りない可能性が高まるでしょう。
そのため、鍵の種類が適合するか確認してみてください。
メーカーと型番を確認できたら、大家さんに伝えましょう。
④鍵や道具の用意
確認や準備ができたら、鍵を購入しましょう。
鍵を取り付けるには、工具も必要となります。
プラスドライバー、マイナスドライバー、ペンチを用意してください。
電動ドライバーは必須ではありませんが、あるとネジ締めの際に便利です。
⑤既存の鍵の取り外し
鍵と道具の用意ができたら、いよいよ鍵の交換です。
既存の鍵を取り外しましょう。
玄関のドアを開けた状態で、側面のカバープレートのネジをプラスドライバーで取り外してください。
カバー内部には、室内側と室外側のピンが固定されています。
ピンを全て抜いてしまうと、鍵が取れなくなる恐れがあるため、注意してください。
マイナスドライバーまたはペンチで、室外側の上下のピンを2本抜くだけでOKです。
ピンが抜けたら、シリンダーを抜き取って既存の鍵の取り外し作業が完了します。
⑥購入した鍵を取り付ける
既存の鍵の取り外しができたら、購入した鍵を取り付けましょう。
シリンダーを外した既存の穴に、新しいシリンダーを押し込みながらはめます。
いくら押し込んでも入らない場合には、無理にはめないように注意が必要です。
シリンダーがはまったら、ドアの側面からピンを入れてシリンダーを固定してください。
しっかり固定ができれば、カバープレートを取り付けて完成です。
あとは、問題なく鍵が使えるか確認してみてください。
鍵の交換費用は大家さん負担がほとんど
鍵の交換費用は大家さん負担となる場合がほとんどです。
しかし、法で決まっている訳ではないため、入居者が鍵の交換費用を支払うことになることもあります。
もし、「自分で鍵の交換費用を支払わなければならないから」という理由で「自分で鍵の交換」を考えている場合には、大家さんに鍵の交換費用を負担してもらえるか交渉してみると良いでしょう。
それでも費用を負担してもらえない場合には、鍵の交換を自分で行っても良いか、相談してみてください。
また、自分の不注意が原因で鍵が壊れてしまった場合や鍵を紛失してしまった場合には、大家さんの合意が得られず自分で支払うことになるかもしれません。
鍵の交換は、条件が揃っていれば、紹介した方法で行えます。
自分で鍵の交換をする許可を大家さんから得られなかった場合には、プロに頼んで鍵の交換をしてもらうしかありません。
鍵業者に依頼して鍵を交換してもらう費用の相場は、約1万円～2万円です。
賃貸において、入居者が鍵業者に依頼した場合の鍵交換費用と部品代が含まれた金額です。
賃貸物件では、鍵の故障や鍵の紛失などといった鍵トラブルが発生することがあります。
その際、鍵の交換は大家さんが行うのか入居者が行うのか、費用はどちらが支払うのでしょうか？
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、大家さん負担が妥当だとされています。
しかし、このガイドラインはあくまでもガイドラインです。
そのため、法的な縛りはなく必ず大家さんが鍵の交換費用を支払ってくれるという訳ではありません。
もし、「鍵が回らない」「鍵が壊れた」などの鍵トラブルが起こってしまった場合には、まずは大家さんに相談をしてみてください。
交換をお願いし、快く承諾してくれる大家さんもいるかもしれません。
それでも自分で交換をしなければならない場合には、まずは鍵と鍵穴の掃除をしてみてください。
これで鍵が回るようになることもあります。
この方法で鍵が回らなければ、鍵専用の潤滑油を使って鍵が回るか試してみてください。
紹介した、鍵が回らない時の対処法を全て試しても改善されない場合には、鍵の交換を行いましょう。
鍵の交換を行うには、大家さんの許可・退去時の対応に合意・鍵が適合するか確認する必要があります。
紹介した内容を参考にしながら、鍵トラブルに対処してみてください。
