マンション選びをする際に、ベランダを大きなポイントにしている方も多いでしょう。
日当たりが良くて広いベランダがあれば、ガーデニングを楽しんだり、カフェテーブルを置いて読書をしたりといった夢も広がります。
しかし、実はマンションのベランダは、専用部分ではなく共用部分にあたるため、マンションごとに様々な禁止事項が設けられています。
自分勝手な使い方をすると思わぬトラブルに発展する可能性があるため、気をつけなければならないのです。
そこで今回は、マンションのベランダにおける禁止事項や、それを踏まえた上での上手な活用方法、おしゃれにするためのポイント、さらにベランダのお手入れ方法についてもご紹介していきます。
マンションのベランダを活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マンションのベランダは共用部分になるので注意
マンションのベランダは、部屋の延長線上にあることから専有部分と捉えられがちですが、実は共用部分に区分されています。
そのため、マンションのベランダの活用方法を考える際は、共用部分のルールについてよく理解しておく必要があります。
ここでは、マンションの共用部分と専用部分の扱い方の違いについて簡単に解説していきます。
共用部分と専有部分の扱い方の違い
マンションは、大きく分けて「専用部分」と「共用部分」という2種類のエリアで構成されています。
「専有部分」に該当するのは、マンションの区分所有者が暮らす住戸部分です。
専有部分は、その部屋を購入した人の所有物となるため、日常の維持管理は自分で行うことになっており、マンションの躯幹である壁や床を除いては、内装を自由に変更できます。
一方、「共用部分」に該当するのは占有分以外のすべてのエリアです。
エントランスやエレベーター、廊下など、マンションの居住者全員が共同で使用する箇所なので日常の維持管理は管理組合が行っており、専用部分のように勝手に修繕・改修することは認められていません。
マンションのベランダは共用部分!
冒頭でも述べたように、マンションのベランダは共用部分に区分されます。
ただし、明確には「専用使用部分」と言って、共用部分ではあるものの、エントランスや共用廊下などとは違い、特定の区分所有者のみが使用できて他人は使用できない部分になります。
専用使用部分の日常的な掃除や修繕は、使用している区分所有者が行うことになっており、その費用も区分所有者が負担します。
とはいえ、共用部分であることに変わりはないため、管理組合の許可を取ることなく勝手にリフォームを行うことはできません。
このことを理解しないままマンションのベランダに、好き勝手に手を加えてしまうと、様々なトラブルを招く可能性があるため注意が必要です。
マンションのベランダで禁止されている具体的な行為については、以下の章で詳しくご紹介していきます。
マンションのベランダで禁止されていること
マンションのベランダにおける禁止事項は、各マンションの管理規約で確認することができます。
マンションごとに詳細は異なりますが、ここでは多くのマンションで禁止されている代表的な行為を5つご紹介します。
無許可での塗装や改修
先ほど説明したとおり、マンションのベランダは共用部分にあたるため、オーナーに無許可でフェンスや壁を塗装したり改修したりしてはいけません。
ベランダを含む外観は、マンションの印象を大きく左右するものです。
外から見た時に一部屋だけベランダのデザインが異なれば、多くの人が違和感を抱き、マンションの価値を低下させてしまう可能性もあります。
ベランダ以外にも、マンションの共用部分の改修を検討する際は、改修の可否や費用負担についてあらかじめ管理規約を確認するようにしてください。
避難を妨げる物の設置
マンションのベランダは、有事の際の避難経路となっているため、避難の妨げとなるような物を設置することは禁止されています。
具体的に何を置いてはいけないのかは、ベランダの広さによっても異なりますが、少なくとも避難はしごが収納されているハッチの上に物を置くのは違法です。
また、隣の部屋との間を隔てるパーテーションが蹴破り戸になっている場合も、物を置いてはいけません。
その他に注意が必要な物としては、大型の観葉植物や自転車、ゴルフバッグ、洗濯機、衛星放送のアンテナなどが挙げられます。
ベランダが狭く避難に支障が出るようであれば、エアコンの室外機も置けないことになります。
レンガやブロックを使った花壇の造設
マンションのベランダでちょっとしたガーデニングを楽しみたいという方も多いでしょうが、行き過ぎたガーデニングには注意が必要です。
例えば、レンガやブロックを使って仕切りを造り、そこに土をまいて花壇を造るといった行為は、ほとんどのマンションで禁止されています。
高層マンションでは、小さな鉢植えやプランターを置くことさえも禁止しているケースが多いため、ガーデニングを行う前にマンションの管理規約をよく確認するようにしましょう。
花火やBBQなどの火を使う行為
マンションのベランダでキャンプ気分を楽しむ「ベランピング」が、一時期流行りましたが、ベランダで花火やBBQなどのような火を扱う行為は、ほとんどのマンションで禁止されています。
火災につながる恐れがあるのはもちろんのこと、煙や臭いによって近隣住民が迷惑を被ることもあるからです。
大人数でベランダに集まって会話をすれば、騒音問題にも発展するでしょう。
マンションのベランダは、近隣住民の生活に配慮した使い方をすることが求められます。
洗濯物や布団を干す
意外に思われるかもしれませんが、ベランダで洗濯物を干すことを禁止しているマンションは珍しくありません。
特に高層階では風の威力が強まるため、ベランダに干した洗濯物が飛ばされ、通行人の頭に落下して怪我をさせたり、走行中の車の視界を塞いで事故を誘発したりする可能性が高くなります。
また、マンションによってはベランダの手すりに布団を干すと、落下の可能性があることに加えて、生活感が出るという外観上の問題から禁止しているケースもあります。
上記は、あくまでも多くのマンションで禁止されている行為に過ぎません。
ベランダの使用方法についてはマンションによっても異なるため、あらかじめ自分が住むマンションの管理規約を確認するようにしましょう。
また、管理規約に禁止と明記されていなかったとしても、近隣住民の迷惑となるような行為は控え、マナーを守りながらマンションのベランダを上手く活用していきましょう。
マンションのベランダの活用方法
マンションのベランダを活用する際は、上記の禁止事項やマナーに違反しない範囲で行いましょう。
ここからは、安全にマンションのベランダを活用する方法を5つご紹介します。
ガーデニングスペースにする
ベランダに花壇を造ることは基本的に禁止されていますが、小型の鉢植えやプランターなら置くことができるマンションもあります。
ベランダに緑をバランス良く配置すれば、おしゃれで明るい雰囲気の空間を演出できるでしょう。
日当たりの良いベランダであれば、花や野菜、果物などを育てるのもおすすめです。
反対に、日当たりがあまり良くないベランダでは、アイビーやドラセナ、ポリシャスなどのように葉を楽しむ植物が適しています。
ハエトリソウを置けば害虫対策にもなります。
リラックススペースにする
床にタイルを並べ、テーブルやイスを置いてリラックススペースとして使う方法もあります。
春や秋などの日差しが穏やかな日には、ベランダに設けたリラックススペースでお茶や読書、昼寝などを楽しめます。
テーブルの上にテーブルクロスを敷くだけでもおしゃれになります。
スペースに余裕があれば、ガーデンパラソルを取りつけると適度な日陰をつくれますし、ちょっとしたリゾート気分を味わえます。
工夫次第では昼間だけでなく夜も、星空や夜景を見ながらディナーを味わったりお酒を飲んだりといった楽しみ方ができるでしょう。
子どもの遊び場にする
ベランダが比較的広い場合は、レジャーシートを敷いて子どもの遊び場にするという活用方法もあります。
天気の良い日はベランダでお弁当を食べてピクニック気分を満喫したり、シャボン玉をしたり、夏にはビニールプールで水遊びをしたりといったことが楽しめます。
床が熱くなりすぎることが心配な場合は、ウッドデッキやすのこを敷くと快適に過ごせます。
ただし、子どもの遊び場にする際の注意点として、ボールやおもちゃはもちろん、子どもの落下には十分注意してください。
特に、テーブルやイスなどは子どもの落下につながりやすいです。
近隣住民の迷惑にならないように騒音にも気を付けつつ、常に子どもから目を離さないなど、様々な配慮が必要です。
アウトドアリビングにする
マンションのベランダの活用方法としては、室内のリビングを延長するようなアウトドアリビングにするというのも一つの案です。
リビングの床と同系色のウッドデッキを敷き詰めれば、一体感が出てリビングが広くなったように見える効果も生まれます。
また、近年はカフェや専用のワークスペースに出かけてリモートワークをする人も増えていますが、ベランダにパソコンを置けるくらいの小さめのデスクと椅子を設置すれば、リビングから一歩外に出るだけで非日常空間での作業が可能になります。
普段、室内ではなかなか集中力が続かない方も、ベランダであればリフレッシュできて作業が捗ったり、開放的な気分から新しいアイディアが湧いてきたりすることも期待できます。
収納スペースにする
物が増えて室内の収納スペースでは足りなくなってきたという場合には、ベランダを収納スペースとして活用する方法もあります。
ただし、屋外に収納する荷物と室内に収納する荷物では特徴が異なることに気をつけます。
ベランダに収納する荷物には、風雨や直射日光に強い物が適しています。
例えば、ほうきやちりとりなどの掃除用品、防災リュックやヘルメットなどの防災用品、ジョウロやホース、しゃべるなどの園芸用品が挙げられます。
特に、防災用品は火事や地震が起きてベランダから避難する際に、まとめてすぐに持ち出せるため緊急対策に有効です。
普段は、雨水が入らないようにコンテナなどに入れて収納しておきましょう。
また、園芸用品をベランダに収納しておけば、ベランダでのガーデニング作業がスムーズに進みます。
ベランダをおしゃれにするポイント
ベランダには様々な活用方法がありますが、できるだけおしゃれな空間に仕上げたいという方は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
まずはテーマを決める
センスの良いベランダをつくるには、まずテーマを決めることが大切です。
なんとなく気に入ったアイテムを並べていくだけでは、統一感が出ずに散らかった印象になります。
そのため、まずはベランダで何がしたいのかをはっきりさせる必要があります。
ガーデニングをしたい、子どもの遊び場にしたいなど、テーマが決まれば自然と揃えるべきアイテムや配置が分かるようになります。
床から整えていく
テーマが決まったら、アイテムを配置する前に床を整えていきます。
床がコンクリートのままでは、家具や植物を置いてもどこか物足りず味気ない印象になってしまいます。
ある程度アイテムを設置してから床材を敷くとなると、せっかく置いたアイテムをもう一度移動させる手間が発生します。
余計な手間を省くためにも、ベランダづくりは床材を敷くことからスタートするのがおすすめです。
ベランダの床材として代表的なものには、ウッドデッキ・すのこ・人工芝などがあります。
どれを選ぶかによって仕上がりのイメージが大きく変わるため、最初に決めたテーマと合ったものを選ぶようにしましょう。
適切なサイズを把握する
アイテムを揃える際は、ベランダの幅や奥行きをきちんとメジャーで測って、適切なサイズのものを購入してください。
目測で購入してしまうと、大きすぎたり小さすぎたりして失敗しやすくなります。
そもそもベランダはそこまで広い空間ではないため、置ける物が限られています。
動きやすさや歩きやすさを重視して、コンパクトなサイズや圧迫感のないデザインのものを選ぶようにしましょう。
また、ベランダは避難経路にもなっているため、いざという時にすぐ動かせるかどうかも重要です。
ベランダをおしゃれにするアイテム
マンションのベランダは避難妨害したり塗装したりせず、約束を守っていればどんな風にアイテムを飾っても問題ありません。
ここでは、ベランダをおしゃれに飾るアイテムについてご紹介します。
カフェスペース
ちょっとしたテーブルとイスをベランダに置けば、カフェスペースに変わります。
広いスペースがなくても、折り畳みのテーブルやイスだけでも十分雰囲気が変わります。
景色を楽しみながら、ゆっくりとしたティータイムが過ごせるでしょう。
さらに、カフェらしい雰囲気を出したいなら、テーブルの上にクロスを敷いてみたり、ガーデンパラソルを置いてみたりするだけで一気にカフェ感溢れる空間に変身です。
観葉植物などを置くと、より居心地の良さが得られるでしょう。
ガーデニングスペース
日当たりの良いベランダとなる場合は、ガーデニングを楽しむスペースに変えてみましょう。
植木鉢やプランターを用意し、季節を感じる花や植物などを植えてみてください。
季節に合わせた植物の変化を楽しみながら、リラックスした時間を過ごせます。
狭いベランダの場合は、棚や釣り籠などで高さを意識してガーデニングをしてみましょう。
横の空間が確保できない場合は、縦の空間を活かすことでガーデニングを楽しむスペースが広がります。
ただし、ガーデニングをすると、周囲に虫が集まりやすいです。
ガーデニングの際には周辺に迷惑をかけないように、防虫に関する意識を高めておきましょう。
アウトドアリビング
リビングとベランダがくっついている場合は、ベランダをリビングの一部と考えて活用するのがおすすめです。
掃き出し窓の場合、ベランダ側に大きな窓となっていれば外の景色を取り込んでリビングを広く見せることができます。
リビングの床と同系色のウッドデッキにすれば、より一体感が増して広さを感じやすいです。
在宅勤務が継続している方は、ベランダに小さなテーブルを置いて仕事をすると気分転換になるでしょう。
非日常のアウトドアをちょっと楽しみたい方におすすめです。
子どもの遊び場
広さがあって余裕のあるベランダの場合、レジャーシートを敷いておもちゃを広げるだけで、子どものちょっとした遊び場になります。
天気の良い日は、ベランダでお弁当を食べてピクニック気分、夏にはビニールプールで水遊びなど、普段外ではできない遊びが楽しめるので、子どもには最適でしょう。
コンクリートの上に何か敷いておけば、夏でも床が熱くなりにくいです。
子どもだけでベランダに出ると、転落の危険性があるので気を付けてください。
マンションのベランダを活用する時の注意点
マンションのベランダを活用したいと考えた場合、できないことも知っておかなければなりません。
どのようなことをベランダでしてはいけないのでしょうか?
ここでは、禁止されている内容や注意したい点をご紹介します。
物を置いたままにしない
マンションの避難経路にベランダが該当している場合、避難経路を塞ぐような物を置くことは原則禁止されています。
ベランダやバルコニーでガーデニングがしたいと考えているかもしれませんが、特に大型の観葉植物や大量の土や砂を含んだ花壇の場合、避難経路を塞ぐ可能性が高いです。
さらに、土が水を含んでしまうと避難経路が塞がって、さらに雨や豪雨となっていた場合は水が流れずに漏水事故になる恐れもあります。
これらの可能性を鑑みて、マンションでは物を置くことを禁止しています。
そのため、ベランダでテーブルやイスを使った際には、そのままにしておかずにきちんと片付けるようにしましょう。
日当たりなどを考えて植木鉢を移動した場合、夜には元通りの位置に戻すなど、物を置く位置を意識してください。
洗濯物は確認してから干す
高層マンションに限定される内容かもしませんが、高層階は風がとても強くて洗濯物が一瞬にして吹き飛ばされる可能性が高いです。
洗濯に関する内容は高層マンションによくある禁止事項です。
その理由は、風で飛んだ洗濯物が通行人に落下する恐れや電柱に絡まってしまう恐れがあるからです。
手すりで布団を干す場合、落下の可能性と外観を見た際の景観を損ねてしまうことから、管理者側から念を押されていることも多いでしょう。
洗濯物を干す前に、これらの決まりが記載されていないか確認してみてください。
もし、洗濯物を干すことが禁止されていなかった場合は、必ず布団用の洗濯ばさみを使用し、飛ばないための工夫をしましょう、
避難経路の妨害をしない
ベランダが隣の家とのしきりになっている場合、「避難時はここを破って避難してください」と記載されています。
一般的なマンションなどでは、有事の際にベランダを避難経路に指定していることが多いです。
このような記載があった場合は、ベランダが避難経路になっているため、妨害する物を置かないようにしましょう。
洗濯機を設置したり、テーブルやイスを片付けて置いていたりすると危険です。
避難経路周辺には物を置かないようにしましょう。
花火やバーベキュー、たばこに気を付ける
ベランダで花火やバーベキューをすると、騒音やニオイ、花火の火の粉などが問題になります。
マンションの住人だけでなく、周辺の地域にも迷惑をかける可能性が考えられるので、花火やバーベキューを原則禁止にしているマンションもあります。
しかし、花火やバーベキューでないからたばこは問題ないと考えている方もいるでしょう。
室内で吸うとニオイが付いてしまうため、ベランダで吸っている方もいるでしょうが、これがトラブルになる可能性も少なくありません。
洗濯物にたばこの灰やニオイが付いたと不満を感じる方もいるので、できるだけベランダで吸うのは控えましょう。
特に洗濯物が干してある時間帯は控えるのがベストです。
マンションによっては管理規約にベランダでの喫煙を禁止しているケースもあります。
普段からベランダで吸っている訳ではないからと考えるかもしれませんが、他の住民も含めて納得できるように考えましょう。
アンテナなどの設置が確認する
マンションにアンテナなどを設置する際に、ベランダを使おうと考えることでしょう。
マンションによっては、特に厳しい決まりを設けていない所もありますが、外観の美しさを重視している場合はベランダの外から見える位置に置くことを禁止しているケースもあります。
分譲や賃貸マンションでは、このような内容について不明な点は必ず確認してからにしましょう。
マンションのベランダのお手入れ方法
マンションのベランダ部分は外に面しているため、虫や鳥などが来ることもあるでしょう。
ここでは、マンションのベランダはどれくらいの頻度でお手入れするのかをご紹介します。
水を使わないで掃除する
マンションのベランダを掃除する際には、できるだけ水を使わない掃除をしましょう。
基本的にマンションのベランダには防水加工がされていますが、豪快に水を流してしまった結果、下の階に水が漏れるケースもあります。
他にも、排水口が隣の家と繋がっていたり、隣に水が流れ込んでしまったりする場合もあるので、できるだけ水を使わないでキレイにするように心がけましょう。
どうしても水を使う場合は、少しずつ流していくことを心掛けてください。
濡らした新聞紙でゴミを取る
上記でも説明したように、ベランダでは水をあまり使えません。
そのため、大きなゴミや土などはほうきで履いて取り除きましょう。
残ってしまった砂やほこり、汚れなどは濡らした新聞紙をちぎってベランダ全体に散りばめます。
その新聞紙を転がしながらちりとりに集めると、落ちていた小さなゴミが絡んで取れます。
それでも取れない場合は、濡らした新聞紙でそのままベランダの床を拭いて取り除きましょう。
住宅用洗剤で床の汚れをこする
ベランダの汚れが残っている時は、重曹水や住宅用洗剤で汚れをこすり取りましょう。
床がデッキブラシを使うとキレイになります。
頑固な汚れには重曹が効果的ですが、ウッドデッキなど木製の物には使えないので注意してください。
ベランダの手すりを拭く
床の汚れがキレイになったら手すりもキレイにしましょう。
鳥が頻繁に訪れる場合、フンが落ちている場合もあるでしょう。
鳥のフンには、クラミジアやサルモネラ菌が含まれているため、吸い込まないようにマスクや手袋を使うと良いでしょう。
もし、掃除機を使ってベランダを掃除する場合、鳥のフンを吸い込んだノズルで部屋の中を掃除すると、全体に菌を撒き散らしてしまいます。
感染症を起こす危険性があるので、屋外を掃除したら必ずノズル部分を使い分けてください。
ベランダの排水溝も掃除する
ベランダの床ばかりが気に取られがちですが、排水口に関しても念入りに掃除をしましょう。
掃除しないままだと、汚れが雨などで排水口内に溜まってしまい、溢れる可能性があるからです。
排水口が溢れてしまった場合、下の階に迷惑をかけてしまうので、定期的に掃除するのがおすすめです。
排水口の掃除は、手袋、雑巾、ほうき、ちりとり、使い古しの歯ブラシ、水を入れたバケツなどです。
まず、排水口に詰まったごみを取り除きます。
手袋をして取り除き、その後雑巾やキッチンペーパーなどで汚れをふき取りましょう。
ブラシやスポンジなど汚れに合わせて使いわけ、最後にバケツなどで水を流してください。
流す際にも、一気に大量の水を入れるのではなく、ゆっくりと入れるのがコツです。
コケがあれば落とす
ベランダにコケが生えている部分があれば、熱湯、カビ取り剤、ブラシなどを使って落とします。
特に梅雨時期や水はけが悪く、湿気の多い場所にできやすいです。
最初にコケを取り、ブラシなどでキレイに落とします。
もし手で取れない場合は、熱湯をコケにかけてふやかし、その後こすると簡単に落ちます。
一気に熱湯をかけていくのではなく、少しずつ熱湯をかけて丁寧に落とすのがコツです。
ベランダ掃除で注意したい点は?
ベランダのお手入れは定期的に行う必要がありますが、もし掃除をするなら以下の点に気を付けて行いましょう。
隣や下に水が落ちないようにする
戸建ての住宅では、水道から水を流しながら掃除できますが、マンションの場合は排水口が繋がっているだけでなく、ベランダから下の階に流れてしまう可能性も考えられます。
勢いよく水を流してしまった結果、下の階や排水口から溢れてしまうことも考えられるので、できるだけ水を使わない掃除がおすすめです。
水漏れを防ぐためにベランダには防水加工もされていますが、これは雨水を想定した内容になっていて、一部しか加工していないケースもあります。
水の使い方を意識してみてください。
鳥の巣を見つけたら勝手に駆除しない
屋根の上部分やエアコンの室外機の周辺など、ベランダに鳥が巣を作ることがあります。
掃除している時にこのような巣を見つけた場合は、管理会社や大家さんに必ず相談してください。
ハチの巣と違って鳥がいなければ勝手に除去できそうだと考えるかもしれませんが、鳥の巣は鳥獣保護法に違反することがあるからです。
違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となる可能性もあります。
また、巣の中にヒナがいる可能性がある時も必ず相談してからにしましょう。
マンションのベランダの補修が必要になったら?
マンションのベランダを掃除していた時に、補修が必要な部分を見つけた場合はどうすべきでしょうか?
基本的には、マンションには共用部分と専有部分が存在しています。
柱や壁に囲まれた部分は専有部分であり、壁の内側にある設備や建具などが含まれます。
専有部分は区分所有者の責任で、修理や修繕を行う必要があります。
特にこれらの分類で難しいのがベランダであり、これは共用部分であって補修なども管理組合が負担する部分です。
掃除などの日常業務は所有者の負担になるので掃除は問題ありませんが、窓ガラスが割れたり、ベランダにひびが入っていたりする場合は管理組合に連絡しましょう。
今回は、マンションのベランダについて詳しく解説してきました。
マンションのベランダ部分は、部屋についている部分ですが、区分的には共用部分です。
自室に面している部分なので自由に使えると考えがちですが、避難経路になっている場合もあるので活用する際には、いくつかの注意点も念頭に置いておきましょう。
もし補修が必要な部分が見つかれば、早急に管理会社もしくは大家さんに連絡しましょう。