借家のリフォームは可能?注意点や話題の借主負担DIY型物件をご紹介!

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借家に住んでいると「もっと収納が欲しい」「壁紙の色を変えたい」といった様々な要望や悩みが出てきます。
その場合、引っ越しを検討する方もいますが、そうなると費用や時間がかかってしまいます。
物件の家賃や間取り、場所に不満がなければそのまま住むことを考えますが、不満があればストレスも溜まってしまうものです。
不満を解消するためにはリフォームやDIYがおすすめですが、借家でもリフォームは可能なのか疑問に感じている方もいるでしょう。
そこで今回は、借家のリフォーム事情や人気急上昇中の借主負担DIY型物件について解説していきます。
借家に住んでいる方や、現在の住環境を少しでも変えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

借家でもリフォームは可能なの?

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世の中には多くの賃貸物件が存在していますが、その中から自分好みの物件を探すのは難しいです。
特に今住んでいる物件の家賃が安い、場所が気に入っている場合には、それ以上の物件を探すのは至難の業と言えます。
その場合、リフォームやDIYを検討する方もいますが、賃貸物件となれば勝手にリフォームすることもできません。
リフォームをしたい場合には、許可が必要になるので注意してください。

大家さんの許可が必須

借家は自分の所有物ではないので勝手にリフォームできません。
「DIYであれば問題ない」と考える方もいますが、内容によっては退去の際にトラブルが発生するリスクがあるので、必ず大家さんに許可を得てからリフォームやDIYをしましょう。

まずは不動産屋と相談しよう

リフォームやDIYの相談をする場合、まずは家賃の支払いを行っている不動産屋に問い合わせてください。
不動産屋が大家さんに連絡をし、話し合いを行う機会を設けてくれます。
中には不動産屋が間に入り、交渉を行ってくれるケースもあるでしょう。
ただし、大家さんとのトラブルを避けるためにリフォームを断る方向で話し合いが進んでしまう場合もあるため、直接大家さんに相談した方がリフォームを許可してくれる場合もあります。
なるべく自分自身で話をつけられるよう、不動産屋に相談してみましょう。

大家さんとの交渉は詳細に!

大家さんにリフォームやDIYの交渉をする際に「リフォームがしたいです」とだけ伝えても、許可をもらうことは難しいです。
許可を得るためには、リフォームをしたい箇所やその内容を詳細に伝えましょう。

例えばトイレのリフォームをしたい場合、「トイレのリフォームをしたいです」だけでは却下されてしまう確率が高いです。
しかし、今使っている便器よりも優れている点(ウォシュレット付きなど)、便器のメーカーや型番、汚れている床部分の張り替えといった詳細な部分まで解説すると、大家さんもリフォームの内容を理解でき、納得しやすくなります。
所有している物件の価値が上がる内容であれば許可が出る可能性も高いので、カタログを用いて具体的に説明していきましょう。

原状回復ができれば可能

物件のリフォームやDIYに関しては、間取りを変えるといった大掛かりなリフォームであれば許可されない可能性もあります。
しかし、便座の取り換えやエアコンの取り付け、壁紙の張り替えといったリフォームであれば、相談次第で許可してもらいやすいでしょう。
その際には、「原状回復ができれば問題なし」と考える大家さんは多いです。

原状回復とは

退去時に入居した時の部屋と同じような状態に修復し直すことを、原状回復と言います。
通常損耗や経年劣化といった借主に責任がない損傷の場合、原状回復は不要です。
しかし、リフォームやDIYによって改修した箇所があれば、入居した当時の状態まで戻す必要があります。
また、蛇口や照明器具など、自分で新しく設置をしたものが購入費用だけではなく工事代金も自分で支払った場合は、自分の所有物となるため新居にも持参できます。
ただし、大家さんが設置代を支払った場合は物件の付属品となります。
事前に話し合いを行い、どちらの所有物になるのか話し合いを行いましょう。

書面での約束は必須!

リフォームやDIYの許可をもらえたなら、退去時に原状回復の必要がないことを明確化する必要があります。
原状回復をする必要がない場合、口約束で話を終えてそのままリフォームを実施する方もいますが、口約束のみだとトラブルが起きる危険性があります。
交渉をした時には「リフォームをすれば次の入居者が決まりやすい」と大家さんが判断しても、実際に退去する際に「退去は原状回復が条件」と契約書を持ち出される可能性があるためです。
トラブルを起こさないためにも、書面を残しておきましょう。
また、不動産屋を交えて交渉を行った場合、リフォームの交渉をした年と退去する年で担当者が変わっている可能性もあります。
口約束のみでリフォームをしていた場合は、「原状回復が必要」と判断される可能性が高いのでその場合も必ず書面を残しておいてください。
「トラブルを防ぐため」と不動産屋に伝えれば、承諾書のような書式で書面を残してくれるはずです。

原状回復が必要なリフォームの注意点とは?

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原状回復を条件にリフォームを許可された場合の注意点を解説していきます。

取り外した部品は保管しておく

設備の交換を含めたリフォームを実施する際には、取り外した部品は処分せずに保管しておきましょう。
原状回復の必要があるため、退去する際には入居時と同じ状態へと戻す必要があります。
そのため、取り外した部品がなければ原状回復作業が実施できません。
また、元に戻すための改修工事費用は借主が負担します。
工事費が高くなっても大家さんには請求できないので注意しましょう。
万が一取り外した部品をなくしてしまった場合は、大家さんに相談をして対処法を検討してみてください。

原状回復を考えたリフォームが必須!

前述したように、原状回復のための工事費用は借主負担です。

・壁に固定棚を設置した
・タイルを壁に貼り付けて装飾した
・照明設備を変えた など

このようなリフォームやDIYをした場合は、元の状態に戻す必要があります。
簡単に取り外しができる作業であれば問題ありません。
しかし、下地まで損傷するような原状回復作業を行った場合は、下地の工事も実施しなければいけません。
もちろん、費用は借主負担となるため、多額の工事費用が請求される可能性もあります。
リフォームやDIYをする際には原状回復を考えた工事を実施しましょう。

許可が得られやすい借家のリフォームとは?

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借家のリフォームは内容によって許可が出やすい、または出にくいものがあります。
基本的には、資産価値が上がるようなリフォームは許可が出やすいです。
どういったリフォームやDIYだと許可されやすいのか、チェックしていきましょう。

トイレのリフォーム

トイレは日常生活の中で使用頻度の多い場所です。
トイレの設備が物件を借りる決め手にもなり得ます。
そのため、温水洗浄便器へのリフォームは大家さんの許可が出やすいです。
壁紙や床のニオイ・汚れが気になる場合には、壁紙や床の張り替えといったリフォームも受け入れやすくなります。
大家さんが工事費用を負担してくれる可能性もあるため、リフォームをしたい場合は相談してみましょう。

畳からフローリングへのリフォーム

畳からフローリングへのリフォームも比較的許可が出やすいです。
物件を決める条件として和室ではなく洋室を希望する入居者が多いためです。
ただし、安さを追求したリフォームは失敗してしまうリスクがあります。
床鳴りや生活音といった苦情問題が起こり得る可能性もあるため、下地工事やフローリングの床材にも注目してリフォームを実施しましょう。

水回りのリフォーム

毎日使用するキッチンや浴室に不満を抱いている方は多いはずです。
キッチンやユニットバスの交換といったリフォームは、費用がかかるため断念してしまう方もいますが、交渉次第では大家さんと費用が折半になるケースもあります。
水回りのリフォームをすれば、物件の価値が上がり入居希望者が訪れやすいためです。
不具合が頻繁に起きるような場合は、リフォーム費用を全額負担してくれる可能性も高いため、大家さんに困っている旨を相談してみましょう。

クロスのリフォームは内容次第!

古い借家の場合、クロスが汚れている場合も多いです。
一部屋だけでも張り替えができれば部屋が明るくなり、雰囲気も大きく変わります。
クロスのリフォームに関しては、原状回復を考えるとそのままでも引き渡せる白やクリーム色といったシンプルな壁紙が好まれます。

そのため、原状回復を考えたリフォーム交渉をするなら、シンプルな壁紙を選んで話し合いを実施する必要があります。
アクセントクロスや派手なカラーをしたクロスは許可が出にくいため注意してください。

原状回復しやすい借家プチリフォーム

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ここからは、原状回復がしやすい借家のプチリフォーム術をご紹介していきます。

床のプチリフォーム

まずは床のプチリフォーム術です。
現在の床材はそのままに、上から新しい床材を貼り付けることでリフォームを叶えます。

クッションフロア

クッション性に優れた床材で、デザインが豊富で防水性があると言ったメリットがあります。
薄いシート状になっているので、ハサミやカッターで好きな大きさに切れるので、簡単に設置することも可能です。
汚れがついても拭き取るだけで綺麗になるので、キッチンやダイニング、トイレの床材にもおすすめです。

接着剤不要の床貼りタイル

ゴムシートが裏面に付いているタイルシートもあります。
接着剤を使用しなくても設置できるため、原状回復をする際にもすぐに改修工事が行えます。

天然木を使用したものもあるので、部屋の雰囲気もがらりと変えられるでしょう。

壁&窓のプチリフォーム

次に、壁や窓部分のプチリフォーム術をご紹介します。

ガラスフィルム

ガラスフィルムは、部屋の明るさを維持しながら近隣の建物からの視線を遮断してくれるアイテムです。
遮熱性や紫外線防止、飛散防止といった機能があるフィルムもあり、部屋の快適性をアップする魅力があります。

グラデーションや和紙調、くもりガラス調、花柄、アニマル柄、ステンドグラス調といった様々なデザインがあり、部屋を彩ることも可能です。

ディアウォール

ディアウォールは、壁に釘を打つことなく棚を設置できるアイテムです。
床から天井に向けて突っ張り棒状の柱を2本立て、その間に棚を取り付けます。
壁に傷をつけずに設置できるので、原状回復が必要な借家でも取り付け可能です。

柱や棚は木材でできているため、自分の好きなカラーに塗装もできます。

マスキングテープ

文房具として使うマスキングテープもプチリフォームに使えるアイテムです。
鴨居部分やドア、壁、棚など様々な箇所に貼ることでアクセントになり、部屋の雰囲気を変えられます。

壁用のマスキングテープはデザインも豊富なので、自分好みのものを選び自由に貼って楽しみましょう。

お風呂のプチリフォーム

リフレッシュをするために欠かせないお風呂のプチリフォーム術をご紹介していきます。

シャワーヘッドの交換

シャワーヘッドのみを交換するだけでも使い勝手が大きく違ってきます。
節水タイプや美容に良いものまで、様々なタイプのアイテムが販売されています。
ホームセンターやネットショップなどからお気に入りのものを見つけてみましょう。
設置すること自体は簡単ですが、中には交換できないタイプもあるので事前に確認してください。

マグネット

マグネットを貼り付けられる浴室もあります。
その場合は、磁石付きのタオルハンガーやラック、ソープトレイ、フックなどを設置して、収納力をアップさせましょう。
シャンプーやボディーソープのボトルを床に直置きすると、ぬめりが気になる時があります。
しかし、ラックやフックを活用すれば直置きせずに収納できるので、掃除もしやすいです。

トイレのプチリフォーム

トイレは毎日使う場所なので、プチリフォームを行うことで快適性の向上につながります。

リメイクシート

DIY用の壁紙で、既存の壁紙の上から直接貼り付けられます。
シートの裏面がシールになっているので簡単に貼り付けることが可能です。
弱粘着タイプであれば、下地を傷めずに剥がせるので借家でも手軽にリフォームできます。
トイレの壁の一部分のみにリメイクシートを使ってアレンジすれば、アクセントクロスとなりオシャレな空間に変身します。

様々なデザインがあるので、好みのシートを選んで貼ってみましょう。

ウォールステッカー

壁に貼れるシールで、簡単に剥がすことも可能です。
トイレであれば、壁以外にもタンクや便座の蓋部分にも貼れます。
デザイン性も豊かで、魚のステッカーを貼ればトイレを水族館のように、動物のステッカーを貼ればトイレを動物園のようにできるので、小さい子どもがいる家庭にもおすすめです。

借主負担DIY型なら借家でもリフォーム可能!

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一般的な借家をリフォームする場合は、大家さん・不動産会社の許可や原状回復工事が必要なケースが多いですが、借主負担DIY型ならもっと自由に行えます。
ここからは、借主負担DIY型とは何か、契約やDIYの流れなどをご紹介します。

借主負担DIY型とは?

借主負担DIY型とは2014年3月に国土交通省が公表したガイドラインで定められているもので、カスタマイズ物件とも呼ばれています。
具体的には、借主が自由にリフォームや模様替えを楽しめる物件を指し、退去時の原状回復が免除される点が大きな特徴です。

一軒家の借家だけでなく、アパートやマンションなどの集合住宅にも存在しています。
借主自身でDIYする方法のほか、専門業者へ依頼することも可能です。
また、借主負担DIY型には「現状有姿型」と「一部要修繕型」の2種類があります。
現状有姿型とは設備面の支障がない状態で入居すること、それに対し一部要修繕型は入居の時点で設備に支障や不具合がある状態で借りることです。
他人が所有者である借家や賃貸物件でありながら、持ち家のように自分好みのリフォームを楽しめて、なおかつ賃料も比較的安いことから人気を集めています。

一般的な賃貸借契約との違い

借主負担DIY型と一般的な賃貸物件の賃貸借契約における違いは、DIY特約の有無です。
借主負担DIY型の場合には契約時にDIYを許可する特約を設け、「増改築等の申請書兼承諾書」や「合意書」を用いるケースが一般的です。
増改築等の申請書兼承諾書には増改築内容を一覧に取りまとめ、所有権の帰属や退去時に撤去するかどうか、原状回復義務・退去時の費用清算の有無などをそれぞれ定めます。
一般的には、クロスの張り替えや壁面収納の取り付けなどの小さなDIYであれば、借主が設置費用を負担する代わりに原状回復義務は負わず、退去時には所有権を放棄します。
合意書には所属権の帰属や契約中の管理義務などに関する規定が定められており、こちらも退去時は所有権を放棄し、貸主へと譲渡するケースが多いです。

契約やDIYをする際の流れ

借主負担DIY型の契約やDIYの流れは主に以下の5ステップです。

①借主は契約前に、予定しているDIY工事の内容を貸主へと伝える
②双方の合意が成立したら賃貸借契約を締結し、DIY工事の申請書・承諾書の作成と提出を行う
③借主もしくは指定の業者が工事をする
④工事中または完成後には貸主も立ち会い、申請書通りに工事が行われたかを確認する
⑤物件へ入居

また、契約時には以下のような特約を設ける場合が多いです。

・借主の負担で工事を実施すること
・DIY部分の所有権については契約中に限り借主に帰属、契約終了に伴い無償で譲渡すること
・DIY部分の原状回復義務の有無
・退去時の精算の有無や残存価値の精算方法

なお、入居期間中のDIY工事は基本的には禁止されています。
もしDIYを希望する場合には貸主に申請を行い、再度工事の申請書・承諾書の提出が必要となります。

借主負担DIY型物件のメリット

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借主負担DIY型物件は、入居前に工事に関する書類の作成や貸主との話し合いなどの手間がかかりますが、それでも入居を希望する方は多いです。
ここからは、借主負担DIY型物件にはどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

自由にDIYが可能

大きなメリットとして、自分好みの部屋にできることが挙げられます。
通常であればお家のリフォームをするには物件を購入する必要がありますが、持ち家となれば簡単には手放せません。
しかし、借主負担DIY型物件であれば一般的な借家ではできないような大掛かりなリフォームも行えるので、持ち家のような感覚で暮らしを楽しめます。
例えば、壁や天井、床のカラーや素材を変えれば和室を洋室に一新させることも可能です。
壁面に棚を取り付ければ収納力がアップしたり、お気に入りのアイテムを並べる飾り棚として使えたりと、インテリアコーディネートを思う存分楽しめます。
また、工事内容によっては原状回復義務を負わないため、退去時に多額の修繕費用が請求される心配もいらないでしょう。

家賃が抑えられる

契約内容にもよりますが、借主負担DIY型物件は家賃が安いケースも多いです。
リフォームやDIYの費用を借主が負担するため、その分家賃を相場よりも安く設定されて毎月の固定費削減につながります。
自分好みのリフォームも楽しめる上に家賃も安い点は、借主にとって魅力的に感じる部分ではないでしょうか。

借主負担DIY型物件のデメリット

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借主にとって様々な魅力がある物件ですが、その一方で注意したいデメリットも存在します。
しかし、事前にデメリットについて知っておき、対策をしておけば回避できることもあります。
続いては、借主負担DIY型物件に住むデメリットをご紹介しましょう。

DIYの仕上がりは技術次第

DIYの場合、仕上がりは自分自身の技術次第というデメリットがあります。
特にDIY慣れしていない方の場合、クロスの張り替え時にシワやズレが発生したり
、塗装の下準備不足でムラや凹凸ができたりして見栄えが悪くなりやすいです。
また、インテリアやカラーに関する知識が不足していると、コーディネート次第ではごちゃごちゃして見える場合もあります。
しかし、リフォームをすべて自分自身で行う必要はありません。
貸主の承諾が得られれば業者への依頼も可能なので、部屋の大部分を占める床や壁、難易度の高い作業は任せるという手もあります。
また、DIYはちょっとしたミスや失敗も楽しめるのが良いところです。
たとえ色ムラやシワができてもそれも「ひとつの味」だと捉えれば、もっと気軽にDIYを楽しめるでしょう。

原状回復が必要だと費用がかかる

基本的には原状回復義務を負わないケースが多いですが、契約内容によっては退去時の修繕費用を負担しなければならない場合もあります。
契約時に「リフォーム部分は原状回復の対象外」と取り決めしてもらえば退去する際の負担が軽くなりますが、許可してくれるかどうかは貸主次第です。

大規模なDIYやリフォームだと原状回復費用も高額になってくるため、契約前に原状回復が必要な範囲や部分的残置は可能かなどをきちんと確認してください。

物件の状態が悪いケースも…

借主負担DIY型物件の多くは築年数が古いため、設備や内装状態が悪いケースは珍しくありません。
内装が汚くても新しく交換すれば良いと考えるかもしれませんが、築古物件にはDIYでは対応しきれない問題点もあります。

例えば、耐震性の問題です。
建築年数によっては旧耐震基準が適用されており、その場合は震度6以上の地震を想定して建築されていません。
地震大国である日本において震度6以上の地震が突然発生するリスクは高いため、旧耐震基準の築古物件だと地震発生時に倒壊する不安があります。
また、古い物件ほど虫やカビが発生する可能性も高いため、その点にも注意が必要です。

借主負担DIY型物件でDIYをする場合の注意点

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たとえDIYが許可されていたとしても、所有権は大家さんにあります。
トラブル内容によっては強制退去や違約金などが発生する恐れもあるため、以下の7つには特に注意してください。

大家さんへの確認は必須!

DIYが許可されている物件であっても、大家さんへの事前確認は必要です。
借家によってはDIY可能な範囲を設定しており、禁止されている部分を勝手にリフォームしてしまうとトラブルにつながる恐れがあります。
また、DIY型賃貸借契約書を結んだとしても、それとは別にDIYに関する合意書や増改築等の申請書兼承諾書を取り交わさなければなりません。
後々契約違反としてペナルティを受けないためにも、契約前もしくは工事が開始される前に大家さんへの確認は必須です。

電気工事は必ずプロに依頼する

DIYをする際、電気工事は必ずプロに依頼してください。
コンセントの増設や移設、配線分岐などの施工は電気工事士の資格所有者しか行ってはいけないと法律で定められています。
知識や経験のない素人が勝手に施工すると漏電が発生し、火事へとつながってしまう危険性もあるため、資格がない方は決して行ってはいけません。
コンセントの位置を変えたい、増やしたい場合には必ず電気工事のプロへと依頼しましょう。
ただし、照明設備の交換であれば基本的には誰でも可能です。

騒音問題に注意!

工具を使用するDIYは大きな音が出やすいため、騒音問題は要注意です。
一軒家タイプの借家であればまだ良いですが、たくさんの人が暮らしている集合住宅だと特に隣や上下階には音が響きやすくあります。
多くの方が寝ている深夜や早朝の工事は避けるほか、音の影響を受けやすい近くの部屋に住んでいる方にリフォームをすることを事前に伝えておくこともおすすめです。

できるだけ周囲に迷惑をかけないように配慮してください。

自分の所有物にはならない

どれだけDIYをして長く住んだとしても、借家なので残念ながら自分の所有物にはなりません。
DIYに多額のお金をかけたとしてもいずれは手放さなくてはならず、退去後には新しい住人がそこで暮らします。
あなたにとって住みやすく好みのレイアウトだったとしても次の方もそうとは限らず、張り替えた床や壁などがすべて取り外される可能性もあるでしょう。
また、借主負担で設置したトイレやお風呂なども、基本的には設置したまま退去しなければなりません。
所有者は大家さんである点を認識しながら、DIY型物件での暮らしを楽しみましょう。

DIYで建物に傷を付けないよう注意する

DIYで特に注意したいのが、工事の際に建物自体を損傷させないことです。
DIYリフォームは、建築物の新築・改築時に必要である「建築確認」がいらない範囲で実施するものとされています。
つまり、壁面に収納の追加や壁・床などの張り替え、塗り替えなどは問題ありませんが、柱や壁などの構造の基礎になっている部分のリフォームは許されていません。
部屋を広くしたいからといって柱や壁を取り壊すと、建物の安全性や耐震性に影響を与えてしまい、借家の資産価値が大きく下落する恐れがあるためです。
主要部分を勝手にDIYしたために地震の揺れに耐えられなかった場合には、違う箇所にまで損傷が出てしまうため、構造に影響を与えるところには手を加えないようにしてください。

退去時の取り決めは明確化しておく

退去の際にDIY部分を撤去するか、残置するかを明確にしておきましょう。
撤去の場合はDIYした箇所を元に戻す必要があるため、原状回復費用が発生します。
残置であればDIY部分の原状回復は不要であり、場合によっては残置部分の買取をしてくれるケースもあります。
ただし、基本的には設置費用や買取請求を行えないケースが多く、買取してもらえるケースはほとんどないと言えるでしょう。
また、原状回復が必要となった場合には、どこまでが責任範囲なのかを明確にしておくことも大切です。

難しいDIYはプロに依頼するのもおすすめ

初心者には難しいDIYは、無理せずプロに依頼するのもおすすめです。
DIYをするよりは施工費用がかかってしまうものの、クオリティに大きな違いが出ます。

壁紙を塗り替える際には、既存のものを綺麗に剥がした後に下地の凹凸部分をパテで整え、養生テープを使って塗料のはみ出しを予防するなどがありますが、一連の作業は素人だと難しいものです。
トイレやクローゼットなどの面積の狭い部分であれば色ムラや凹凸などは気になりにくいですが、リビングやダイニングの大きな壁となるとやはり目立ってしまいます。
クオリティを重視するのであれば難しい作業はプロへと依頼し、できるところだけをDIYで行うと良いでしょう。
近年は専門的な道具や技術が必要な部分のみを施工し、仕上げ作業は依頼主が行う「DIY支援」を提供する工務店もあります。

DIYもクオリティも譲れない方は、DIY支援を行っている工務店が近くにないかを調べてみてください。

今回は、借家でリフォームは可能なのかをご紹介しました。
大家さんとの交渉次第では借家であってもリフォームは可能ですが、退去時の原状回復は必須です。
借主負担DIY型であればより自由にDIYやリフォームが楽しめる上、基本的には原状回復の必要はなく、持ち家のように自由なレイアウトが楽しめます。
しかし、あくまでも借家であるため大家さんの承諾が必要で、どんなにお金をかけてDIYしても自分の所有物にはならない、築古物件であるなどのデメリットもあります。
メリットとデメリットどちらも考慮した上で、借主負担DIY型物件に住むかどうかを検討しましょう。