不動産投資の1つにアパート経営があります。
アパートというと、金太郎飴のように同じ間取りの部屋が1階と2階に並んでいるタイプを想像する人も多いでしょう。
確かにそのような形状の賃貸物件は多いですが、最近はメゾネットタイプの賃貸物件の人気が高まっています。
今回は、メゾネットアパートのメリット・デメリット、成功するために知っておきたいポイントなどをご紹介します。
目次
賃貸経営におけるメゾネットアパートのメリット
賃貸経営を行う上でメゾネットアパートを選ぶメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
まずはメゾネットアパートのメリットを2つご紹介します。
建築費用が通常よりも安い
メゾネットタイプの賃貸物件は、建築費用を抑えられます。
構造によってメゾネットタイプの方が高くなってしまう場合ももちろんあります。
しかし、メゾネットだと外階段が必要ない、戸数が少ないといった理由から、建築費用が通常のアパートよりも安くなるケースが多いです。
コストを抑えたアパート経営をしたい場合におすすめです。
周辺の他物件と差別化できる
メゾネットタイプの賃貸物件は、そこまで数が多くありません。
したがって、近隣エリアにある他の物件との区別しやすくなります。
おしゃれな賃貸物件に住みたいと考える若いカップルや戸建てに憧れるファミリー層からの人気が高いため、入居者も見つかりやすいでしょう。
希少性が高く他が真似しにくい点も、メゾネットならではのメリットです。
知っておきたいメゾネットアパートのデメリット
メリットがあるということはデメリットもあります。
次は、メゾネットアパートのデメリットについてみていきましょう。
投資効率が下がる可能性がある
メゾネットタイプだと、巷で多く見かけるアパートよりも投資効率が下がってしまう可能性があります。
建築費用を抑えられ、1戸当たりの家賃は高めに設定できます。
しかし、家賃を高く設定できても面積で考えると1Rの賃貸物件の方が戸数の多さから収益が高くなるのです。
本当にメゾネットタイプの賃貸物件で良いのか考えなければいけないポイントです。
例えば、メゾネットタイプを2棟建てると賃貸物件は4戸となります。
家賃を10万円に設定した場合、1ヶ月の収入は40万円、1年間の収入は480万円です。
それに対して1Rの賃貸物件だと1階と2階に4戸ずつ、計8戸の賃貸物件を所有することになります。
家賃を安く7万円に設定したとすると、1ヶ月の収入は56万円、1年間の収入は672万円です。
同じ土地面積だったとしても、アパートの種類や家賃設定によって大きな差が生まれることは念頭に置いておきましょう。
空室の影響も大きくなりやすい
空室が発生した時の影響が大きくなるのも、メゾネットタイプならではのデメリットです。
単純に考えてメゾネットにすると同じ土地の面積に建てた場合、戸数は半分になります。
メゾネット自体の需要もそこまで高いわけではありません。
それも、空室の影響を大きくする要素の1つです。
このタイプへの入居を希望する人は、戸建て賃貸に興味を持つ傾向があります。
したがって、周囲に戸建の賃貸物件があるとそちらを選択する可能性も高いと考えられます。
メゾネットアパートの経営を成功させるには?
メゾネットアパートの経営を成功させるためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
続いては、そのポイントをご紹介します。
戸建てっぽいアパートにする
メゾネットタイプで入居者を確保したいなら、ただ外観や内装をおしゃれにするだけではなく、専用庭や専用駐車場を作って戸建てのようにすると良いでしょう。
エリアによっては、専用の駐車場がある賃貸物件が少ないところもあります。
そのようなエリアなら、駐車場があるだけで他の賃貸物件と大きな違いとなるのです。
さらに、外観や内装にこだわってデザイナーズアパートのようにすると、おしゃれな賃貸物件に住みたい人からの人気が高くなります。
ただし、あまりにも特異な内容や外観にしてしまうとニーズがずれてしまい、空室の原因となってしまうので気をつけてください。
階段下収納や防音対策にこだわる
階段下収納や防音対策にこだわることも、メゾネットアパートの経営を成功させるために知っておくべきポイントです。
よくあるアパートと違って階段下収納を設置できます。
アパートは収納スペースが少ないケースが多いですが、その不満を払拭できるのです。
階段収納は施主から伝えないと作ってもらえない場合が多いため、建てる時に設計者に作りたいことを伝えましょう。
防音対策は、盲点になりやすい部分です。
メゾネットアパートは上下階の騒音は気にする必要がありません。
しかし、隣の部屋から響く騒音に対する対策は必要不可欠です。
横壁の防音対策をしっかりしておけば、トラブルに発展することを未然に防げます。
メゾネットアパート経営に向いている人
最後に、メゾネットアパート経営に向いているのはどのような人なのか解説していきます。
建築費用を抑えて賃貸経営をしたい
できるだけ建築費用を抑えて賃貸物件を経営したいと考えているなら、よくあるアパートよりもメゾネットタイプの方がおすすめです。
よくあるアパートと比べてみると建築費が抑えられます。
さらに、共有部が存在しないので維持管理費の削減につながるでしょう。
収益性は劣ってしまいますが、コストを抑えたいならメゾネットタイプを選びましょう。
戸建てが少ないエリアに土地を所有している
競合となるのは、戸建て賃貸や戸建て分譲住宅です。
検討しているエリアに戸建てが少ない場合は、高い収益性が期待できます。
しかし、単身者が多く生活しているエリアでは、メゾネットよりも一般的なアパートの需要が高いです。
所有している土地がどのような性なのかリサーチしてから建てないと入居者が集まらずに後悔してしまう恐れもあるでしょう。
ファミリー世帯に人気のエリアに土地を持っている
ファミリー世帯から人気のエリアに土地を持っているなら、メゾネットアパートは需要が高いと考えられます。
床面積が広いため、単身者よりもファミリーをターゲットにするケースが多いです。
ファミリー向けのマンションがたくさんあるエリアや学校が近いエリアなら、需要が高いと想定できるので、ニーズに合う物件を提供できると言えるでしょう。
まとめ
メゾネットタイプの賃貸物件は、ファミリー層からの人気が高まっています。
建築費用を抑えられるなどのメリットもあるため、オーナーにとっても魅力的です。
デメリットを理解した上で経営をスタートすれば、後悔することもありません。
メゾネットタイプの賃貸物件を建てようと考えているのであれば、メリットだけではなくデメリットも把握し、対策できるような物件を建てるようにしましょう。
所有している土地がどのようなエリアにあるかも重要なのできちんとリサーチすることをおすすめします。