家賃の値上げをお願いされたら?断ることはできる?

家賃値上げ

アパートや賃貸マンションで暮らしていると、貸主から家賃の値上げを求められる場合があります。
突然の値上げに困惑すると同時に、値上げ交渉そのものを断ることができるのか気になる人もいるでしょう。
今回は、家賃が値上げされる理由や値上げのタイミング、対処法について解説していきます。

家賃が途中で値上げされることはある?

家賃値上げ

家賃は契約した時の価格で継続すると思われがちですが、場合によっては途中で値上げすることがあります。
どのような時に値上げ対象になるのでしょうか?

土地や建物の価値が上がった時

周辺の土地や建物の価値が上がった場合、上昇分が家賃に反映される可能性があります。
その理由は、土地や建物の価値が高くなると固定資産税も増額されてしまい、大家さんの負担が大きくなるからです。
アパートや賃貸マンションがあるエリアで再開発が行われた時などは、家賃が上がる可能性が高いでしょう。

周囲と比べて家賃が安い時

一方、周囲と比べて家賃が安い時も、家賃が上がる可能性があるのです。
周りに同じような間取りや築年数の物件があり、他の物件と比較した際に家賃が安くなっていると今後値上げの可能性があります。
このような場合も、家賃の値上げは問題ないと判断されます。

物価が上がった時

物価の上昇に伴って、家賃が適正な価格ではなくなった場合、家賃が高くなるケースがあります。
物価が上がるということは、お金自体の価値が下がってしまうことであり、家賃が物件の価値よりも安くなるのです。
物価上昇も家賃値上げに拍車をかける要因となるからです。

賃料増減額請求権という法律で認められた権利がある

家賃値上げ

家賃が上がるのは入居者にとって避けたいと思うでしょう。
しかし、「賃料増減額請求権」という権利があり、法律で認められています。
つまり、入居者が拒否できないということです。
賃料増減額請求権は、借地借家法で認められている権利の1つであり、税金の増減や不動産価値の上下、経済的な事情の変動や周辺の賃料相場の変動などが理由となり、賃料が不相当になっている場合に行使できます。
差額配分法や利回り法、スライド法や賃貸事例比較法などを用いて、相当な賃料を算出した後、賃料を比較して判断します。

どんなタイミングで値上げされる可能性がある?

家賃値上げ

アパートや賃貸マンションの値上げは、契約更新をするタイミング、または所有者が変更となったタイミングで起こる場合があります。
一般的にアパートや賃貸マンションは2年契約が多いので、そのタイミングに合わせて家賃が見直される可能性が高いです。

家賃の値上げを行うタイミングは法律で決まっていません。
そのため、突然求められる可能性もあります。
他にも契約更新をする際には家賃の値上げ以外に、火災保険や保証会社の更新も合わせて行います。

値上げは困る!そんな時は拒否や交渉ができる?

家賃値上げ

突然の値上げに困惑するだけでなく、経済的に困ることもあります。
もし値上げに納得できない場合、拒否や交渉も可能です。
なぜなら一方的に値上げは決められず、入居者の合意も必要になるからです。

そして、双方が金額に合意して契約を結ぶと値上げされる仕組みです。
値上げという言葉に困惑するかもしれませんが、一方的に断るのはやめましょう。

話し合いの拒否や連絡を取れない状態すると、トラブルの原因になります。
場合によっては、退去を求められる場合もあるので注意してください。
大家さんは、ボランティアで住居を提供しているわけではありません。
賃貸収入で生活を送っているため、貸主側の言い分も聞きしましょう。
コミュニケーションが取れれば、意見の食い違いも解消できます。

突然の値上げ通知!対処法は?

家賃値上げ

突然の値上げ通知が来た場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか?

大家さんまたは不動産会社から話を聞く

家賃の値上げを言い渡されたら、大家さんまたは不動産会社から話を聞くようにしましょう。
なぜ値上げが必要なのか確認すると同時に、根拠となるデータや資料を提示してもらうのがおすすめです。

データから値上げが正当か、周辺の相場と同じくらいかチェックしてみましょう。
固定資産税が上がったことによる値上げなら、数年分の資料を提示してもらうと良いでしょう。

周囲の物件の相場を調べてみる

周囲の物件の相場を調べてみることも、値上げ交渉されたらすべきことの1つです。
賃貸物件検索サイトなどを使うと周辺にある同じような条件の物件の相場を確認できます。

地区年数や間取りなども考慮し、相場に近いかどうか、確認してみましょう。

長期間住むという意思を伝えてみる

値上げを避けるには、長期間住むという意思を伝えるのも有効です。
入居中の物件は気に入っているのに値上げに納得できない場合、「家賃を今のままにしてもらえるならこれからも長く住みたい」という気持ちを伝えてみてください。

空室になるのは大家さんにとって大きなリスクになるため、その要望を受け入れてくれる可能性があります。
交渉の切り札の1つとして使う価値はあるでしょう。

他に下げてもらう部分がないか交渉する

突然の値上げで感情的になるかもしれませんが、家賃の値上げを受け入れる代わりに他の値下げが可能か交渉してみましょう。
値上げ時期の変更、値上げをステップ方式にする、更新手数料や退去費用の値下げなど、提案できる部分はいくつもあります。

納得できる話し合いをしてみましょう。

交渉決裂になったら退去すべき?

家賃値上げ

様々な交渉や提案をしてきたものの、一歩も譲ってもらえない場合は交渉決裂になります。
もし決裂してしまったら、退去すべきでしょうか?
交渉が上手くいかなくても、値上げ前の家賃を滞納せずに支払っていれば退去する必要はありません。

値上げに納得できないなら退去を勧められるかもしれませんが、強制的に退去させられることはできません。
値上げに納得できないという理由で家賃を支払わないのは、退去させられる要因になるので注意しましょう。

まとめ

アパートや賃貸マンションの家賃は、周辺状況の変化などによって値上げされることがあります。
大家さんが一方的に決めるのではなく入居者の同意も必要となりますが、納得できない場合も考えられます。
そのような場合は、今回紹介した対処法などを試してみてください。