不動産を取得する際に住宅ローンを活用される方も多いでしょう。
住宅ローンは一般的な店舗を持つ銀行だけでなく、ネット銀行でも商品として提供されています。
しかし、ネット銀行の住宅ローンというと少し不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、ネット銀行の住宅ローンを利用するメリット・デメリットについて解説していきます。
ネット銀行で住宅ローンを借りようと考えている方から、ネット銀行の住宅ローンについて詳しく知っておきたいという方まで、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ネット銀行で借りる住宅ローンのメリット
ネット銀行が提供する住宅ローンと一般的な住宅ローンでは具体的にどのような違いがあるのかご存知でしょうか?
まずはネット銀行の住宅ローンにおけるメリットから解説していきます。
金利が低い
1つ目のメリットは、金利が低いことです。
住宅ローンの金利は各銀行によって異なりますが、現在は超低金利時代と呼ばれており変動金利で1%を超えることはありません。
ただし、メガバンクや地方銀行に比べてネット銀行だとこの金利はさらに低く設定されています。
auじぶん銀行……0.31%
SBI住信ネット銀行……0.44%
新生銀行……0.45%
ソニー銀行……0.457%
イオン銀行……0.47%
楽天銀行……0.537%
金利が低いということは、その分利息の負担が減り毎月の返済額を抑えることも可能です。
例えば借入金額3,000万円を35年の返済期間に設定し、元利均等返済で期間中金利変動がなかった場合、ネット銀行の0.4%とメガバンクの0.45%ではどれほどの違いがあるのでしょうか?
・毎月の返済額
ネット銀行…76,557円
メガバンク…77,214円
・総返済額
ネット銀行…32,153,754円
メガバンク…32,429,893円
毎月の返済額は657円しか違っていないものの、総返済額を見ると約30万円もの差が生じています。
返済の負担額を少しでも抑えたい時は、低金利のネット銀行から住宅ローンを探してみましょう。
サービスの幅が豊富
メガバンクや地方銀行の住宅ローンでは主に団体信用生命保険(団信)がセットになった商品がありますが、基本コースのみ無料でそれ以上のサービスを付帯させようとすると有料になってしまいます。
一方、ネット銀行では他社との競争に勝つために低金利だけでなく様々なサービスで勝負しているのです。
auじぶん銀行……がん50%保証+全疾病保証が無料
SBI住信ネット銀行……三井住友信託銀行で所定の取引をすると年0.01~0.03%金利引き下げ
新生銀行……一般団信に加え介護保障も無料で付帯可能、コントロール制度など
ソニー銀行……一般団信とがん50%保証が無料、金利タイプの変更や繰り上げ返済手数料など7つの諸費用が無料
イオン銀行……住宅ローン契約者限定で食費・日用品・衣料費が5%オフ
楽天銀行……一般団信、がん50%保証+全疾病保証(50歳以下)、全疾病保証(51歳以上)が無料で付帯可能
来店する必要がない
ネット銀行は店舗がなく、すべて電話やメール、郵送でやり取りを行います。
そのため、わざわざ銀行に赴く必要がありません。
また、基本的に契約書を作成し、契約者に署名・捺印をすることで住宅ローンの契約となりますが、ネット銀行にはこれらをすべて廃止したところもあります。
仕事や家事、育児、介護などが忙しく、銀行の営業時間までに訪れるのが難しいという場合には特に便利です。
事前審査が終わるまでの時間がスピーディー
住宅ローンを借り入れるためには事前審査が必要です。
メガバンクでは最短翌日、長いと5営業日も掛かってしまいますが、ネット銀行なら最短即日で借り入れられるところもあります。
ただし、あくまでも事前審査であり本審査では1~2週間程度かかってしまう場合もあるため注意してください。
本審査でも短期間で終わらせてくれるのは、auじぶん銀行(最短2~3営業日)とARUHI(最短3営業日)です。
ネット銀行で借りる住宅ローンのデメリット
ネット銀行にはメガバンク・地方銀行と違う点も多く、様々なメリットがあることを解説してきました。
しかし、ネット銀行を利用する上でデメリットも存在します。
続いては、ネット銀行の住宅ローンにおけるデメリットをご紹介しましょう。
審査がメガバンクより厳しい
審査にかかる時間はメガバンクなどよりもネット銀行の方が早いですが、この早さの影響で審査が厳しめになっている場合もあります。
メガバンクの場合、まずは対面相談で収入の増減や転職した理由、人柄なども見て総合的に住宅ローンの借入を行っても大丈夫かどうか判断します。
一方、ネット銀行の場合は対面相談がないため、すべて書類で機械的に判断することになります。
人柄などが考慮されないため、審査の基準が厳しくなってしまい審査が通らない可能性も考えられるのです。
商品の内容を正しく理解できない場合がある
ネット銀行では他社との競争に勝つために、低金利の商品や豊富な付帯サービスなどが展開されています。
また、毎月のようにお得なキャンペーンも実施しており、ユーザーを増やすために様々な取り組みがなされているのです。
一見メリットのように感じられますが、毎月のように商品やサービス、キャンペーンが変わってしまうと、販売者とユーザーの間で相違が出てきやすくなります。
そのため、商品の内容を正しく理解できていない状態で契約してしまい、後から後悔してしまうこともあるのです。
対面での相談ができない
メガバンクや地方銀行では窓口で相談しながら一人ひとりに合った商品を紹介してもらえますが、ネット銀行では基本的に対面相談は行えません。
例えば住宅ローン契約にどんな書類が必要で、どのように記入すれば良いのかを相談できません。
万が一書類に不備があった場合、郵送後に指摘を受けるまで気付けませんし、何より再提出する手間が出てきてしまいます。
このように確認できないこともネット銀行のデメリットと言えるでしょう。
まとめ
今回はネット銀行の住宅ローンにおけるメリット・デメリットについてご紹介してきました。
ネット銀行の住宅ローンはメガバンク・地方銀行に比べて低金利であることが多く、お得な付帯サービスなども備わっていることから選びたいと思う方も多いでしょう。
ただし、今回ご紹介してきたようにデメリットも存在します。
自分に合った住宅ローンを選べるように、慎重にそれぞれの住宅ローンの特徴や返済シミュレーションを比較しておきましょう。