融資を受ける際にチェックされる債務償還年数とは?

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不動産投資をする場合、銀行などの金融機関から融資を受けるのが一般的です。
融資を受けるには、審査に通過しなければいけません。
銀行の審査では、様々なポイントをチェックされるのですが、その中の1つに債務償還年数があります。
債務償還年数とは何か、知らないという人は少なくないでしょう。
そこで今回は、債務償還年数とは何か、どのように計算されるのかといった点について解説していきます。
これから融資を受けようと考えていて、債務償還年数に関する知識を身に付けたい人は当記事を参考にしてみてください。

債務償還年数とは?

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まずは、債務償還年数とは一体何かという疑問に答えていきましょう。

債務償還年数に必要性について

銀行が融資する際に、資金の使途と返済能力を重視します。
返済能力は、融資を受ける側にどれほど信用があるかを示しているので、最も重要視されると言われています。
返済能力の審査を行う時点におけるキャッシュフローを軸に計算した場合、借入金をどのくらいの年数で完済できるかを表すのが債務償還年数なのです。
債務償還年数が金融機関から許容範囲だと見なされれば融資を受けることができますが、長期間にわたる返済が予想される場合は返済能力がないとみなされてしまいます。
それによって、審査落ちになってしまう可能性が高まってしまうのです。

債務償還年数に問題が生じるのは、借入の残高が多くなっている人や利益が出しにくいと想定される物件を購入しようとしている人が多い傾向があります。
何が問題となっているか把握することができれば、改善を目指すこともできます。
改善できれば、より安定した不動産投資を実現することにもつながるでしょう。

どのくらいが理想的?

債務償還年数の理想的な期間は、20年以内と言われています。
不動産投資では、返済期間が長くなるケースが珍しくありません。
期間が短くても10年以上になってしまうことがほとんどで、35年ほどかけるというケースもあります。
不動産投資のような装置型産業では、売上げの金額に対する固定資産は多く計上されていまいます。
そのような点も踏まえて考えてみると、20年以内の債務償還年数が理想的なのです。
金融機関によっては、25年でも良いとしているところもあります。
しかし、それでは選べる金融機関が限られてしまうので、20年以内という債務償還年数をクリアしているかどうかは重要なポイントになるでしょう。

債務償還年数をプラスにすることはできる?

債務償還年数は、融資を受けるための審査において重要視されます。
そのため、プラスにすることはできないのか知りたいという人もいるでしょう。
次は、債務償還年数をプラスにするためのヒントをご紹介します。
債務償還年数をプラスにするためには、返済義務がある負債を小さくしたり、経常利益と減価償却費を足した金額を大きくしたりすることがポイントになります。

・返済義務がある負債を小さくするには
返済義務がある負債は、繰り上げ返済をすると小さくなっていくので、余裕があるなら少しでも繰り上げ返済をするようにしましょう。
繰り上げ返済で債務償還年数以外の部分にネガティブな影響を与える可能性もないとは言い切れませんが、その分早く返済を終わらせることができます。
それだけではなく、借入時に元金均等返済を選択するという方法もあります。
この方法は、返済期間を短くできるため、債務償還年数に限ってみてみるとメリットが大きくなるのです。

・経常利益と減価償却費を足した金額を大きくするには
こちらの方法は、返済義務がある負債を小さくするよりも対応の幅は広がります。
利益を出したり、支出を抑えたりすることも重要です。
しかしそれだけではなく、自分たちができる方法で評価を上方修正できるため、経常利益と減価償却費を足した金額を大きくできるように検討してみるのは有益だと言えるでしょう。

債務償還年数の計算方法

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債務償還年数は、

債務償還年数=借入金の残高÷(税引き後利益+減価償却費)

という計算式で算出できます。

債務償還年数に関する注意点

債務償還年数における不動産投資に関する注意点の1つに、継続的なモニタリングを行うという点が含まれます。
不動産賃貸経営を進めるうえで、経営管理に関する知識は必要不可欠です。
債務償還年数が悪化してしまう原因を探り、解決策を探していきます。
そして、同じことを繰り返さないようにするためにはどうすべきなのかということも考えなければいけません。
そうしないと繰り返してしまう可能性が高くなってしまうからです。

節税のし過ぎはマイナスになってしまう

節税のし過ぎによって、債務償還年数が長くなってしまうケースもあります。
そうなってしまうと、融資を受ける時に不利になってしまうので注意しなければいけません。
借り入れをあまりにも控えてしまったり、節税対策を全くしなかったりする倍も、マイナスな影響を及ぼす可能性がないとは言い切れません。
このことから、バランスの取れた節税対策を講じることができるか否かがポイントになると言えるでしょう。

築古物件の耐用年数は短い

築古物件の耐用年数は短いという点にも注意が必要です。
築年数が長い物件は、耐用年数が短いので比例するように債務償還年数も短くなります。
建て替えが必要だったり、リフォームや修繕が必要だったりする場合、大きなコストがかかってしまいます。
それによって新たな借り入れが必要になる可能性も高いとみなされるからです。
もしも、金融機関から債務償還年数が長いという評価を得たいのであれば、耐用年数が短い物件は避けた方が無難です。
どのような投資をしたいかによっても変わりますが、信頼できる不動産投資会社に相談し、投資用物件を選ぶことも重要になります。

まとめ

債務償還年数は、不動産投資をするなら知っておくべき言葉の1つです。
銀行などの金融機関から融資を受ける際に、借り入れの可否を決めるための指標になるからです。
金融機関から債務償還年数が許容範囲とみなされる場合は融資を受けられますが、そうでない場合もあります。
融資を受けるために重要な債務償還年数をプラスにする方法もあるので、それも参考にしながら見直すべき部分は適宜見直すようにしましょう。
そうすることで、金融機関からの融資を受けやすくなります。
また、債務償還年数に関する注意点についても知っておくと、より良い結果を手に入れやすくなります。
どのような条件だとマイナスになってしまうのか把握したうえで、金融機関から融資を受けるようにしましょう。