賃貸物件選びに失敗してしまい、後悔することになったというケースは珍しくありません。
賃貸物件を決める際には、様々なポイントに留意しながら自分に合った物件を探す必要があります。
そこで今回は、賃貸物件を決める時に気をつけることや、よくある失敗事例をご紹介します。
これから新生活をスタートさせようと検討されている方や、賃貸物件選びに一度失敗したことがある方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
賃貸物件を決める際にみられる失敗事例

賃貸物件を決める際に、失敗した経験を持つ方も少なくありません。
具体的にどのような失敗をしてしまったのか、ここではよくある失敗事例をご紹介していきましょう。
予算をオーバーしてしまい、毎月の負担が大きい
賃貸物件を決める上で、家賃を重視する人も少なくないでしょう。
生活費を計算し、無理のない範囲だと家賃がどれくらいになるか把握してから物件探しをスタートさせる人もいます。
しかし、いざ物件探しを始めてみると、素敵な家だと思ったところが家賃を大きく超えてしまっているケースもあります。
せっかくだからと予算を超える物件に住んでしまうと、毎月の家計が家賃で圧迫されてしまい、早い段階で引越しが必要になってしまうこともあるでしょう。
駅から10分の距離だと思ったら、信号が多くて移動に時間がかかった
物件探しで立地を重視する人もいるでしょう。
例えば駅から近い立地なら、通勤・通学にかかる時間も短縮できます。
物件情報には「○○駅から徒歩△分」と書かれているため、この数字を参考にする方も多いでしょう。
しかし、いざその物件に住んでみると、家から駅に到着するまで物件情報に書かれていた時間よりもかかってしまうケースもあります。
例えば駅までの道のりに坂道や階段があったり、遮断機があってなかなか上がらなかったり、信号がたくさん設置されていて事あるごとに止まったりする場合もあるでしょう。
そもそも物件情報に書かれた時間は、80m=1分という基準に沿って道のりから単純計算されたものです。
信号や坂道、遮断機などの要素は含まれていないため、実際に住んだ結果、移動時間が大幅にかかってしまうことになります。
おしゃれな物件だけど収納が少ない
せっかく賃貸物件に住むならおしゃれで綺麗なお部屋に住みたいと考える人もいるでしょう。
都心部などではデザイナーズ物件のようなおしゃれで個性的な物件も見つかります。
しかし、デザイナーズ物件はおしゃれさを重視している一方で、暮らしやすさが犠牲になっている可能性が高いです。
例えばおしゃれな物件に住んでみたら収納が少なく、物をしまいきれなくなり不便に感じてしまうこともあるでしょう。
また、トイレやお風呂などの水回りがガラス張りになっており、友達を呼びづらいというケースもあります。
ロフト付きの物件は一見おしゃれで収納力も上がっているように思えますが、天井が高いせいで冷暖房効率が悪く、またロフト自体も夏は暑く、冬は寒くなりやすいというデメリットがあります。
このように、おしゃれな物件でも実際に住んでみると不便に感じる部分が見つかりやすいので、後悔しないように選ぶことが大切です。
昼と夜で街の雰囲気が変わり、夜に外出しづらくなった
内見時に周囲の雰囲気を確認しますが、この時昼間の時間帯だけ確認して良い街だと勘違いしてしまうケースもあります。
例えば昼間は賑わっているエリアでも、夜になると人通りが一気に減ってしまい、街灯も少ないため1人で歩くのが怖いと感じる場合もあるでしょう。
また、居酒屋などが多い場所だと昼間は静かでも、夜は酔っ払いの大声が聞こえてうるさく感じる場合もあります。
周りの住民とライフスタイルが違うことで、騒音が気になるようになった
周りの環境だけでなく、住民とのライフスタイルの違いにも注意が必要です。
例えば自分が夜勤で働いていて、周りの住民にファミリー層が多かった場合、夜勤明けに寝たくても子どもの泣き声が聞こえて眠れなくなる可能性もあります。
また、自分が昼勤で周りの住民に学生が多い場合、夜中まで騒いでいてなかなか眠れないというケースもあるでしょう。
周りの住民とライフスタイルが似ていれば、多少の騒音があってもそれほど気になることもなく、「お互い様だから」と考えられるかもしれません。
しかし、ライフスタイルの違いによって騒音が気になる可能性も高いことから、住みたい物件に住んでいる人はどんな人が多いのかも確認しておくと良いでしょう。
賃貸物件探しで気をつけること

賃貸物件を決める際に失敗しないためにも、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか?
まずは物件探しにおいて気をつけたいことをご紹介します。
家賃は給料の3割以内に抑える
家賃は給料(月収)に対して3割以内に抑えるよう、予算を設定するのがおすすめです。
例えば手取り20万円なら家賃は6万円、手取り30万円なら家賃は9万円以内になります。
ただし、地域によって家賃相場が異なるため、すべてのケースで3割以内に抑えるのが好ましいとは限りません。
例えば東京都23区内だと3割以内に抑えられる物件を探すのが難しく、3割以上の物件に住んでいる人も少なくありません。
特に女性の一人暮らしだと防犯面を意識することも必須となってくるため、必然と家賃が給料の3割以上になってしまう場合もあるでしょう。
逆に地方なら5万円でも広々とした物件が見つかりやすく、3割以内に余裕で抑えられる場合もあります。
家賃を給料の3割以内に抑えるというのはあくまで目安であることを考慮し、家賃を差し引いた金額で生活できるかを考えて予算を設定するようにしましょう。
希望の条件に優先順位をつけておく
物件探しをする中で、こだわりの条件が出てくることもあるでしょう。
例えば「2階以上の角部屋」「追い焚き機能付きのお風呂」「サンルーム付きの物件」などです。
これらの希望をすべて叶える物件が見つかれば良いのですが、必ずしも理想の物件が見つかるとは限りません。
そのため、ある程度妥協して物件を選ばなくてはいけないというのが現実です。
しかし、だからといってすべてを妥協しなくてはいけないわけではありません。
希望の条件を書き出し、その中から絶対にゆずれない条件を1~2個明確にすることで、納得のいく物件探しが行えるでしょう。
また、ゆずれない条件以外の希望条件には優先順位を付けておくことで、より物件を選びやすくなります。
条件が明確になっていたり、優先順位をつけていたりすると、不動産会社の担当者も物件を提案しやすくなります。
希望に近い物件を提案してもらえるため、スムーズに部屋を決められるでしょう。
築年数から耐震性を確認する
他の条件が揃っていれば築年数はそこまで気にならないという方もいるでしょう。
現在は築年数が古くてもリフォームによって内装が綺麗な状態になっているケースも少なくありません。
ただし、いくら内装が綺麗だったとしても、耐震工事までは行われていない可能性もあるので注意が必要です。
築年数から耐震性を確認する際には、その物件が1981年6月1日以降に建てられているかどうかチェックしてみてください。
1981年6月1日以降は新耐震基準が施行されたタイミングとなり、建築確認を受けた物件になります。
新耐震基準は震度6~7でも倒壊しない構造基準が設定されているため、大規模な地震が発生しても倒壊しない可能性が高いです。
複数の不動産会社を利用してみる
時間と手間はかかってしまうものの、賃貸物件を探す時は複数の不動産会社を尋ねてみるのもおすすめです。
それぞれの不動産会社で取り扱う物件が異なっており、不動産ポータルサイトにも掲載していない未公開物件の情報が手に入る可能性もあります。
また、それぞれの不動産会社で担当者の対応を比較することができ、自分と相性が良い不動産会社を見極められます。
賃貸物件に入居するとなると数十万円以上の費用がかかってくるため、なるべく安心して任せられる不動産会社を選ぶようにしましょう。
「おとり物件」の存在に気をつける
不動産ポータルサイトには、築浅で広々とした物件でありながら、エリアの家賃相場を下回っている物件情報が出ていることもあります。
条件の良さから契約したいと考える人も多いですが、実は「おとり物件」である可能性が高いです。
おとり物件は、現在は部屋が空いていないため借りられないものの、条件の良さから集客につながるという理由で情報を掲載している物件です。
中にはただ更新をし忘れているケースもありますが、ほとんどの場合は集客を狙って不動産会社がわざと借りられない物件の情報を載せている場合もあります。
近年は不動産ポータルサイトでもおとり物件をなくすための対策を行っていますが、完全になくなったわけではありません。
そのため、賃貸物件探しをしている中で条件が良すぎるのに、いつまで経っても情報がなくならない物件を見つけた際は注意してください。
不動産会社を訪れる際に気をつけること

賃貸物件探しをする中で、不動産ポータルサイトだけでなく複数の不動産会社を利用してみることもご紹介しました。
では、不動産会社を実際に訪れる際にはどのようなことに注意すべきなのでしょうか?
ここでは、不動産会社を訪れる際に気をつけることをご紹介します。
予約する際に希望の条件を伝えておく
不動産会社を訪問する前に、来店予約の連絡をする人もいるでしょう。
この時、ただ来店予約の連絡を入れるだけでなく、希望の条件なども伝えておくのがおすすめです。
あらかじめ希望の条件を伝えておくことで、担当者は来店前に多数の物件情報の中からピックアップして準備することができます。
準備ができていれば来店後に物件を提案してもらうのもスムーズに進みやすいでしょう。
すでに気になる物件をポータルサイトなどから見つけていれば、その旨も説明しておくと良いです。
気になる物件を伝えておけば、初めて来店した当日に内見できる可能性もあります。
また、気になる物件と似た条件の物件情報も探してもらえるので、予約する際に伝えてみてください。
不動産会社から好印象にみられる服装を心がける
不動産会社に来店した時、清潔感のある身だしなみで行くようにしましょう。
なぜ身だしなみに気を遣わなくてはいけないかというと、第一印象が入居審査にも影響する可能性があるためです。
だらしない恰好をしていると、「この人は家賃を滞納するかもしれない」と思われてしまい、審査に落とされてしまう可能性もあります。
好印象に見られやすいのはシンプルで露出の少ないコーデで、体型に合ったサイズ感であることが大切です。
逆にジャージやスウェットなど部屋の中で過ごすような服装や露出が多い服、汚れや破れが目立つ服、きつい香水などは悪い印象につながりやすいので注意が必要です。
また、
アポなしでも対応可能だが時間帯や時期に注意する
上記で不動産会社を来店する際には予約を入れることをご紹介しましたが、実際には予約を入れずアポなしで来店しても問題ありません。
当日内見まで行かなくてもとりあえずどんな物件があるのか知りたい、相談に乗ってもらいたいなどの理由でもきちんと対応してもらえます。
ただし、不動産会社によってはアポなしだと対応が難しいケースや、嫌な顔をされてしまうケースもあるようです。
もしアポなしでの訪問を考えているのであれば、平日の午前中を狙って訪れるようにしましょう。
平日の午前中はお客さんの数も少なく、スムーズに対応してもらえる可能性が高いです。
ただし、水曜日は多くの不動産会社が定休日になっているので注意してください。
また、1~3月は不動産業界にとって繁忙期になることから、当日アポなしで訪れると1時間以上待たされてしまうケースもあります。
予約しているお客さんが来るまでの間しか対応してもらえない可能性もあるため、繁忙期に物件探しを計画している方は、事前に予約をしてから訪問した方が良いでしょう。
内見時に気をつけること

内見は、物件の細かいところまで実際に目で見て確認できる重要な機会です。
ここからは、内見する際に気を付けたいポイントをご紹介します。
居室や設備は細かい部分までチェック!
居室や設備の状態は、物件探しにおいて非常に重要なポイントです。
賃貸情報に記載されている情報と相違ないか、実際の生活を想像しながら細かい部分まで注意深く確認しましょう。
以下では、特にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
設備の情報は正しいか
「物件情報には記載されている設備がない」「思っていたものと違う」というケースもあります。
物件情報に記載されている内容と照らし合わせ、機能面に不安がある場合は契約する前に確認しておくことが大切です。
また、契約書には記載されていない設備があった場合、それは前の住人が残していったものの可能性があります。
もし壊れたとしても修繕や購入にかかる費用は出してもらえない可能性があるため、注意が必要です。
広さや間取りに問題はないか
家具や家電が何も置かれていない部屋は広く見えますが、実際に家具を置くと狭く見え、思っていたのと違うと感じることがあります。
また、広さ自体はあっても、コンセントや窓、ドアの位置によっては、手持ちの家具を自由にレイアウトできないこともあります。
そのため、広さや間取りをチェックする際は、実際に置く予定の家具のサイズなどを確認し、予定している場所に配置したらどのような感じになるのか、生活動線は確保できるのか、確認することが大切です。
水周りは綺麗さだけではなく排水の状態も要確認!
キッチンやお風呂、トイレなどの水周りは、見た目の清潔さはもちろんですが、嫌な臭いがこもっていないか、排水はスムーズかなども確認しておきたいポイントです。
可能であれば実際に水を流し、排水の流れや臭いをチェックしましょう。
防音性を確認しよう!
内見をするときは、歩く音や話し声、扉の開閉音などが響いていないか、チェックしましょう。
騒音をめぐるトラブルは、アパートやマンションなどの集合住宅では特に起こりやすいです。
歩く音や扉の開閉音など、日常的な動作でも響くようであれば、生活する中でストレスを感じる可能性があるため注意が必要です。
もしも上下左右のいずれかに空室があるのなら、担当者にその部屋に入ってもらい、どの程度響くのか、確認できると安心です。
また、大通りに面している、近くに大型商業施設がある場合は、外からの音もチェックしておくと良いでしょう。
建物や共用設備の管理が行き届いているかチェック!
内見する際は、建物やエントランス、ゴミ置き場などの共用設備も忘れずにチェックしておきましょう。
エントランスやゴミ置き場が散らかっている、電球が切れている、建物の劣化がそのまま放置されているなど、きちんと管理が行き届いていないと感じる場合は要注意です。
適切な管理がされていない物件は、万が一トラブルが発生しても対応が遅かったり、きちんと対応してもらえなかったりといったことが考えられます。
また、マナーの悪い入居者をそのまま放置している可能性もあるため、内見時は室内だけでなく建物や共用設備全体を確認することが大切です。
周辺環境に問題はないかチェック!
周辺環境は、暮らしやすさを左右する重要なポイントの1つです。
内見時は、建物の周辺環境もしっかりチェックすることが大切です。
以下では、特にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
駅やバス停までの時間をチェック
通勤や通学で電車やバスを使う予定のある方は、実際に駅やバス停までの道をチェックすることをおすすめします。
どのくらい時間がかかるのか、踏切や坂道はないかなど、できれば実際に歩いて確認してみましょう。
また、女性の1人暮らしの場合は、安全面も気になるところです。
夜間の人通りはどのくらいか、街灯はあるか、暗くないかなど、確認しておくと安心です。
近くにスーパーやドラッグストアがあるか確認!
内見する際は、周辺にスーパーやドラッグストア、コンビニなどの商業施設があるか、確認しましょう。
食材や日用品を購入できるお店が近くにあるかどうかは、日常生活を送る上で非常に重要なポイントです。
特に車がない場合は、歩いて買い物に行くことになるので、近くにないと不便さを感じることになるでしょう。
どうしても内見が難しい時はオンライン内見を活用しよう!
契約前の内見はできればしておきたいものです。
しかし、「時間がない」「距離があって難しい」などで内見するのがどうしても難しいのであれば、オンライン内見をするのも1つの方法です。
オンライン内見は、パソコンやスマートフォンを使い、オンライン上で内見するサービスです。
不動産会社の方がパソコンやスマートフォンからリアルタイムで映像を配信してくれるので、実際に現地を訪問しなくても、部屋の様子や周辺環境を確認することが可能です。
気になる物件がある時は不動産会社にオンライン内見に対応しているか、聞いてみると良いでしょう。
賃貸借契約を結ぶ際に気をつけること

続いては、賃貸借契約を結ぶ際に気をつけたいポイントをご紹介します。
契約内容によって、違約金や禁止事項は異なります。
後々トラブルになることを防ぐためにも、契約する際は事前に賃貸借契約の内容をしっかり確認することが大切です。
原状回復特約は隅々まで要チェック!
原状回復特約とは、賃貸物件を退去する際、物件をどこまで元の状態に戻すかを記載したものです。
賃貸物件では退去時に「原状回復義務」といい、借りた部屋を元の状態に戻す義務が生じます。
建物や設備は劣化するものなので、元と同じ状態に戻さなくてはいけないわけではないものの、どこまで復旧すれば良いのか、原状回復特約として定められていることがあります。
原状回復特約の例は以下のとおりです。
・鍵の交換費用は借主負担とする
・退去時のルームクリーニング費用は借主負担とする
・喫煙によって壁紙の交換が必要な場合は借主負担とする
原状回復特約の内容は、契約内容によって異なります。
納得がいかない場合は、契約前に条件の変更を交渉してみるのも1つの方法です。
違約金や禁止事項の内容を要確認!
物件によって、違約金や禁止事項は異なります。
きちんと理解しておかないと、思わぬトラブルを招くこともあるため注意が必要です。
特にチェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
・ペット飼育や楽器演奏の可否
・中途解約の違約金
・契約解除条件
・退去予告のルール
・更新料
ペット飼育や楽器演奏などが禁止されている物件の場合、守らなければ退去を求められる可能性があります。
ペット飼育や楽器演奏の予定がある方は、事前に確認しておくことが大切です。
また、物件によっては契約期間が設けられており、途中解約する場合は違約金が発生したり、退去予告の期限や方法が決められていたりすることもあります。
気になることや不安なことがある場合は、契約前に確認しておきましょう。
契約の種類を要確認!
賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類の方法があります。
普通借家契約は賃貸物件の契約に多い一般的な方法です。
1年以上の賃貸借期間が定められており、借主の希望によっては契約の更新が可能です。
一方、「定期借家契約」は、契約期間が決められており更新することはできません。
「更新しようと思っていたのにできなかった」といった事態に陥らないためにも、契約する際は、契約の種類をしっかり確認しておくことが大切です。
賃貸物件の初期費用で気をつけること

賃貸物件を借りる際は、家賃以外にも様々な費用がかかります。
物件によって必要な金額は異なるため、後で慌てないためにも事前に確認しておくことが大切です。
以下では、初期費用の内訳や相場、安く抑えるための方法をご紹介します。
初期費用の内訳を詳しく解説
賃貸物件を借りる際、前家賃や敷金・礼金、仲介手数料や火災保険料など様々な費用がかかります。
以下では、それぞれの内訳を詳しく解説します。
前家賃
入居する月の家賃や翌月の家賃を前家賃として契約時に請求されることがあります。
当月の家賃に関しては、入居日によって日割りや週割りで計算してくれることもありますが、念のため、家賃2ヶ月分を用意しておくと良いでしょう。
敷金
敷金は、室内に破損などがあった場合に修繕費用に充てられる費用のことです。
入居時に物件を所有するオーナーに預けておき、退去時に清算します。
修繕費などを引いて、残った金額があれば返却されます。
敷金は、家賃1~2ヶ月分で設定されていることが多いですが、中には設定されていない物件もあります。
敷金が設定されていない場合、初期費用は安くなりますが、退去時に修繕費として請求されることがあるため、注意が必要です。
礼金
礼金は、お礼として物件を所有するオーナーに支払うお金のことです。
家賃1~2ヶ月分の金額が設定されていることが多いですが、最近は礼金が必要ない物件も増えています。
ただし、礼金がかからない代わりに、指定された期間内に退去した場合、違約金が発生するケースもあるため、事前に契約内容を確認することが大切です。
仲介手数料
仲介手数料は、仲介してくれた不動産会社に対して支払う手数料です。
家賃1ヶ月分が一般的な相場ですが、不動産会社によって異なります。
中には、仲介手数料不要の不動産会社もあるため、初期費用をできるだけ抑えたい場合には、仲介手数料のかからない不動産会社を利用するのがおすすめです。
火災保険料
賃貸物件の多くは火災保険料への加入を義務付けています。
2年更新のものが一般的で、相場は15,000~20,000円程度です。
更新毎に保険の支払いが必要です。
保険会社によって火災保険のプランが異なり、補償内容や保険料が違うため、事前に確認することが大切です。
その他の初期費用
上記の費用以外にも、保証人として保証会社を利用する場合、保証料が必要です。
保証料は保証会社によって異なるため、利用する際は事前に確認することが大切です。
また、入居する際に、鍵の交換費用が請求されることがありますが、基本的に鍵の交換にかかる費用は管理会社やオーナーが負担します。
交渉すれば不要になるケースもあるため、請求された場合は一度交渉してみるのも良いでしょう。
初期費用は交渉によって安くなることも!
賃貸物件の初期費用は、交渉によって費用を減額できる可能性があります。
一度、賃貸契約を結んでしまうと、新たに手続きをしなければならず、手間がかかります。
不動産会社によっては嫌がられることも多いため、交渉は「賃貸契約を結ぶ前」に行うのがおすすめです。
賃貸契約を結ぶ前なら、まだ契約は成立していないため、不動産会社も入居者獲得のため、柔軟に対応してくれる可能性が高いです。
ただし、まだ気持ちが固まっていないにも関わらず、「とりあえず」で値下げ交渉ばかりしていると、不動産会社にとってめんどうなお客になってしまうこともあります。
なぜなら、不動産会社が値引きするには、大家さんへの交渉が必要なことがほとんどであり、気軽にできるものではないからです。
そのため、初期費用の交渉をする際は、タイミングをしっかり見極めることが大切です。
初期費用を抑えたいならフリーレント物件を選ぶのもおすすめ!
フリーレント物件とは、入居後の一定期間、家賃が無料になる物件のことをいいます。
無料になる期間は、数週間から1ヶ月、2ヶ月と物件によって様々ですが、前家賃を節約できれば、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
ただし、フリーレント物件の場合、無料期間終了後も一定期間は入居する必要があり、期間内に退去する場合は違約金の支払いを求められることがほとんどです。
また、無料になるのは家賃だけで、共益費や管理費など家賃以外の費用はかかるケースが多いため、フリーレント物件を選ぶ際は事前に契約内容をしっかり確認することが大切です。
今回は、賃貸物件を決める際に気を付けたいポイントをご紹介しました。
新しい部屋を探す時はついついテンションが上がってしまい、重要なポイントを見落としてしまいがちです。
しかし、雰囲気や設備など良い部分ばかりに目を向けるのではなく、細かい部分やデメリットもしっかりチェックした上で、自分の生活に合っているか、総合的に判断することが大切です。
これから引越しの予定がある、新しい部屋を探しているという方は、ぜひ今回紹介した内容を参考に、物件選びを進めるようにしましょう。