地目が山林の土地にはどんなデメリットがある?

山林

近年、アウトドアブームが到来し、山林の土地を売買するケースも増えてきました。
これまでは、林業を目的とした取引や公共施設を建てるための取引がメインとなっていました。
個人で購入するケースは極めて珍しかったのです。
しかし最近では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、野外思考が強まっています。
特に、よりプライベートな空間でアウトドアを楽しむために、山林を購入するケースはかなり増えています。
今回は、地目が山林の土地を購入する場合に知っておくべきポイントをご紹介しましょう。

地目が山林の土地とは?

山林

地目が山林の土地は、不動産登記事務取扱手続準則 第68条9号によると、「耕作の方法によらないで竹木の生育する土地」とされています。
耕したり、肥料をあげたりすることなく、竹や樹木などが育つ場合は、自然林でも人工林でも「山林」という扱いになるのです。
ただし、植林した土地は下草刈理などの管理を行っているケースが多いため、「山林」には該当しません。
地目が山林かどうか確認するのは容易ではないので、わからない時は土地家屋調査士に確認しましょう。

地目がわからずに調べたい時は、登記地目の場合は土地の登記事項証明書、課税地目の場合は固定資産税納税通知書で調べられます。
土地の登記事項証明書に関しては、表題部に記載されています。
また、登記事項証明書ではなく登記事項要約書でも問題ありません。
手元にこれらの書類がない場合は、市区町村役場で確認できるので足を運んでみましょう。

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地目が山林であることのデメリット

山林

地目が山林となっている土地を購入する場合、デメリットとなる部分を把握しておく必要があります。
では、どのようなデメリットがあるのかみていきましょう。

災害時のリスクが大きい

災害時のリスクが大きいことは、特に気を付けなければいけないポイントです。
山林に分類されている土地は、土砂災害警戒危険区域や急傾斜地崩壊危険区域に指定されているケースが多いです。

危険区域に指定されている場合、少しでも雨が降ると土砂崩れを起こしてしまうリスクが高くなります。
台風や線状降水帯などの影響で大雨が降るリスクも高まっているので、地目が山林の土地を買う時は万が一のことも考えておきましょう。

建築費用がかさむ可能性がある

地目が山林となっている土地に建物を建てる場合、宅地造成工事や地盤改良工事、道路開発工事などを行わなければいけません。
これらの工事は、いずれも規模が大きくなるのでコストもかなりかかってしまいます。
宅地に住宅を建てる場合と比較すると、予算が一気に膨らむことになってしまうのです。
擁壁を設置しなければいけない土地であれば、さらにコストがかかってしまうことを念頭においておきましょう。
場合によっては、工事費用だけで数千万円~数億円かかってしまうケースもあります。
購入しようと考えている土地の特性はどうなっているのかをあらかじめ確認し、工事費はどのくらいかかるのか見積もりを出してもらうのがおすすめです。

山林の土地自体は安く購入できますが、他の費用がかさんでしまうと予算オーバーになる可能性があります。

自由な土地活用ができない可能性も

地目が山林に分類されている土地は、森林法や農地法、建築基準法、都市計画法、宅地造成等規制法などの法律で規制されているので、制限を受けることになります。
制限をかけている法律全ての許可を得なければいけないのですが、必ず許可が得られるわけではありません。
関連する法律が多く、開発に適した土地ではないので、マイナスからのスタートになるという覚悟が必要です。

最初に想定した使い方ができない可能性もあるので、それを覚悟した上で購入するか決めるようにしましょう。
どのような使い方をしたいのか明確になっていれば、購入すべきどうか決めやすくなります。
活用方法の選択肢が狭まってしまうため、目的が決まっていないなら避けた方が無難です。

地目が山林の土地にメリットはある?

山林

地目が山林の土地は、デメリットが多いため買うべきではないと考える人も多く見られます。
確かにデメリットは多いですが、メリットがないわけはありません。
最後に、どのようなメリットがあるのかご紹介します。

土地代を抑えられる

土地の購入代金を抑えられるのは、地目が山林に分類されている土地だからこそのメリットです。
山林の場合、1,000坪を超えるような広大な土地であっても、100万円ほどで購入できるケースがあります。

本業だった林業が上手くいかなくなってしまったり、相続して受け継いだ土地を所有していても使い道がなくてどうにかしたいと思ったりした場合、安く手放すパターンは少なくありません。
処分に困ってしまったものはたとえ安かったとしても売れればいいと考えるからです。
取引価格がどの程度かというのは、山林の取引サイトを確認するのがおすすめです。

山林の取引サイトには、山いちばや森林.net、山林売買.net、森林バンクなどいくつか種類があるため、確認してみると良いでしょう。

税金が安くなる

税金が安くなるという点も、メリットの1つとして挙げられます。
固定資産税は、地目や地積、評価額、固定資産税の路線価の公開を指標に評価する仕組みになっています。
地目は、宅地・田と畑(合わせて農地)・鉱泉地・池沼・山林・牧場・原野・雑種地があり、その年の1月1日現在の現況地目で評価されるのです。
地積は、土地登記簿に記されているものとなります。
評価額は、宅地比準土地(宅地、市街化区域農地及び介在農地など)だと市街地宅地評価法もしくはそれぞれの地目に応じた評価、宅地比準土地を除く土地(一般農地、山林、原野など)だと設定された標準値の価格を基準にして評価されます。
固定資産税は、固定資産評価額が30万円以下だと課税されることがありません。
つまり、評価額が基本的に低くなる山林は、固定資産税がゼロとなる可能性もあり得るのです。

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まとめ

アウトドア熱の高まりや新型コロナウイルス感染症の影響を受け、山林を購入してプライベートキャンプを楽しみたいと考える人は増えています。
山林は、購入価格を抑えられるので広い土地を手に入れやすいです。
また、固定資産税も地目が山林の場合はゼロになる可能性があるので、メリットは大きいと言えます。
しかし、災害リスクなどのデメリットがあることも忘れてはいけません。
メリットとデメリットの双方を理解した上で、山林を購入するのであれば後悔することはまずないでしょう。